デビューからヒット曲を量産し続けるAdoの魅力について、Adoの合同インタビューの様子を交え音楽ジャーナリストの柴 那典が語った。
柴が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは2月23日(木)『SONAR MUSIC』。
Adoは新曲『アタシは問題作』を2月20日に配信リリースした。
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あっこゴリラ:Adoと言えばデビュー前にニコニコ動画で「歌ってみた」をやっていたという話なんですけど、柴さんはこの時代もご存知でした?
柴:知ってました。ニコ動で歌ってみたを発表した曲が、ストリーミングのランキングにガンガン上がってくるようになってたんですね。「いろんなボカロPの曲を歌っている、すごいやつがいるぞ」的な感じでした。
あっこゴリラ:それでデビュー作がいきなり『うっせぇわ』ですけど、この曲を聴いたときの印象はどうでした?
柴: Adoもすごいけど曲を書いたsyudouがすごくて、彼はトラヴィス・スコットとか好きで、「ボーカロイドとヒップホップは近いぞ」みたいなことを当時のインタビューで言っていて、面白いボカロPがいるなと思って。その流れで聞いたので、ちょっとラップの要素が入っていて、そういう意味ではめちゃくちゃ面白い曲だなって思ったのですが、正直こんなにヒットするとは思いませんでした。
あっこゴリラ:ちょうどコロナ禍でみんな本当に苦しんでる時期っていうのも相まったのかなって感じもしますよね。
柴:まさにそれがヒッとした理由なんだろうなって思います。
Q:大活躍だった2022年はAdoにとってどんな1年でしたか?
Ado:毎年毎年濃密な1年を更新しているなと思っていまして、でも2022年はどの人生においてもいちばん自分にとってすごかった1年だったなと思っています。私がずっと歌い手としてアルバムを出したかったという思いもあった上に、たくさんの方にアルバム『狂言』を聴いていただけたことは本当にうれしかったなと思います。そして、『ONE PIECE FILM RED』のウタの歌声をやらせていただいたことは、本当にまた人生が変わるきっかけにもなったのかなと思いましたし、本当に『新時代』の歌姫・ウタの歌をすごくたくさんの人が愛してくださって心からうれしかったです。
Ado:一方で4月に初めてのワンマンライブがあって、8月に夢のさいたまスーパーアリーナでやって、12月からツアーがスタートして……とライブの年でもあったのかなとも思います。ファーストライブもセカンドライブも初めて立つステージばかりだったので不安なこともたくさんあったんですけど、ファンの方がたくさん足を運んでくださって、ライブって楽しいなってみなさんが思わせてくれたおかげでライブもやっていきたいなと思いました。
柴:アルバム『狂言』のリリースが2022年1月なので1年1カ月前なのですが、2年前くらいの感じがしているというか。1年で2年分くらいの活動をしてるなって思います。
あっこゴリラ:確かに。Adoのこの2、3年は相当濃かったんだろうなと思います。
柴:濃密ですね。
Q: 2023年はどんな1年にしたいですか。
Ado:去年は自分にとって新しいことをたくさんしようという年でした。ライブパフォーマンスに力を入れたり、歌に関わる新しいことと言えばいろんなジャンルの楽曲を歌うだったり、ちょっとディレクションみたいなことをしてみるだったり。私は初音ミクをうちに招き入れまして、初音ミクの音声編集をやってみるみたいな、ソフトをいじって一緒に歌ってみたり、新しいことをすることが2022年でした。2023年はもちろん新しいことに引き続き挑戦しつつ、今度は自分自身が成長する年になれたらいいなと思っています。
柴:僕も何度かインタビューをしているのですが、Adoのキャラクターってすごく実直なんですよね。曲の印象だと痛快とか攻撃的とかそう思う人もいると思うんですけど、本人はわりと自分で「陰キャ」と言ったりして謙虚で真面目で、すごく自分に対して過大評価してない印象ですね。
あっこゴリラ:でも陰キャの逆ギレっていうのともまた違うというか。陰キャの逆ギレも面白いんですけど、そういうひねくれともまた違う感じがするので、そこはクリエイターが関わってるのもあるのかなって思いますね。
Q:『アタシは問題作』はどんな楽曲でしょうか。
Ado:楽曲はボカロPのピノキオピーさんに書き下ろしていただきました。ピノキオピーさんは個人的に私がボカロを追いかけていて、たくさんのボカロPさんを聴いていた中の1人の方だったので、こうしてピノキオピーさんに曲を書き下ろしていただけたことは本当に心からうれしいですし、小学生のときにピノキオピーさんの楽曲を聴いていた自分に伝えにいってあげたいくらい本当に光栄に思います。この曲を初めて聴いたときは「やっぱりこの人、天才だな」って思いましたね(笑)。「こういう曲にしてください」だったり、私から直接的なリクエストはなかったんですけど、伝えずともAdoをわかってくださっていて、これを書けてしまうのはすごいなって。これをAdoに歌わせようとするピノキオピーさんってすごいなって本当に感激しましたね。
柴:Adoさんご本人もおっしゃっているように、わりと曲の歌詞とか歌っていることってAdoさんの素顔とか本人に近い感じがしました。かつ、奇想天外な曲調で、数年前だったらボカロ曲ってJ-POPと違ってユニークな曲が多いなって思ってたんですけど、今ってこれがJ-POPになってるんだな、これがヒットチャートにのってる世の中なんだなって。いろんなことが変わってきたなって感じもします。
Q:『アタシは問題作』を歌うにあたりどんな思いを込めましたか?
Ado:そもそもAdoって『うっせぇわ』のイメージが初めから強いと思うんです。もちろんファンのみなさん、応援してくださっているみなさんは他にもこういうところがあるよっておしゃってくれると思うんですけど、だいたいのイメージがいまだに『うっせぇわ』から根強いものがあるのかなって思います。でも『うっせぇわ』のイメージと実際の私のイメージって真逆というか、全然そんなことないのになっていう、それをピノキオピーさんがこの楽曲で書いてくださっていて。歌に込めた思いと言ったら、本音というか、私はそんなことないんだけどなみたいな。ひとり歩きしてしまった印象にちょっとボソボソつぶやいている自分みたいな、言えば本当に私自身のこと、私の本音みたいなことを歌えたのかなって。そういうことを込められたかなって思います。
Q:自身最大規模となるツアーの意気込みを教えてください。
Ado:6月から9月に渡る、前回の全国ツアー「蜃気楼」とはまた規模が広がったツアーになり、また開催期間が夏ということで、足を運んでくださるみなさんにとって燃え上がる夏の思い出の1つにできたらいいなと、気合いを入れて頑張りたいなと思います。
あっこゴリラ:柴さんはAdoのライブを何度か観られているんですか?
柴:行ってます。初ライブもさいたまスーパーアリーナも、この間のツアーも行きましたけど、目覚ましい成長って感じですね。当然顔は出さないのでステージの上にすりガラスでできたようなボックスがあって、その中で歌っていてシルエットしか見えないですけどめちゃくちゃ臨場感があるんですよ。そこで歌って踊ってるっていう、本当にライブアーティストとしてこんなにリアリティがあるんだってライブに行くとわかります。
あっこゴリラ:この声を生で聴いたらすごそうですね。
柴:ライブも本当に完璧ですね。
最後に、あっこゴリラが「Adoは今どんな景色を見つめているか?」との質問を投げかけると、柴はこんな持論を展開した。
柴:Adoって1人のボーカリストでありつつ、ずっとボカロカルチャーを背負ってるというか。自分はボカロの世界から出てきた人だし、そこに対してのリスペクトを持っているってずっと言い続けていて、Adoに憧れている小中学生がたくさんいると思うので、そういう子たちを今度はAdoが見ている側になっているというか。つまり自分に憧れた人のために自分がカッコよくあるみたいなそういう新しいフェーズにきているのかなって思います。これは完全に僕が思っていることですけど、Adoは自分が憧れてきた人だから憧れられるときにどうするかっていうのもそろそろ見始めてるんじゃないかなって思います。
Adoの最新情報は、ユニバーサル ミュージックの公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
柴が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは2月23日(木)『SONAR MUSIC』。
Adoは新曲『アタシは問題作』を2月20日に配信リリースした。
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正直こんなにヒットするとは思わなかった
Adoは2002年生まれの歌い手。2020年に『うっせぇわ』でメジャーデビューを果たし社会現象に。2022年1月に発売したファーストアルバム『狂言』を発売。8月にさいたまスーパーアリーナで開催したライブのチケットは即完売。さらに昨年公開の映画『ONE PIECE FILM RED』では主題歌・劇中歌を含む全7曲の歌唱を担当し、CDアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』もランキングを席巻。今なおロングヒットを記録している。あっこゴリラ:Adoと言えばデビュー前にニコニコ動画で「歌ってみた」をやっていたという話なんですけど、柴さんはこの時代もご存知でした?
柴:知ってました。ニコ動で歌ってみたを発表した曲が、ストリーミングのランキングにガンガン上がってくるようになってたんですね。「いろんなボカロPの曲を歌っている、すごいやつがいるぞ」的な感じでした。
あっこゴリラ:それでデビュー作がいきなり『うっせぇわ』ですけど、この曲を聴いたときの印象はどうでした?
あっこゴリラ:ちょうどコロナ禍でみんな本当に苦しんでる時期っていうのも相まったのかなって感じもしますよね。
柴:まさにそれがヒッとした理由なんだろうなって思います。
1年で2年くらいの活動をしてる
番組では、先日行われた合同インタビューからAdoのコメントを紹介した。Q:大活躍だった2022年はAdoにとってどんな1年でしたか?
Ado:毎年毎年濃密な1年を更新しているなと思っていまして、でも2022年はどの人生においてもいちばん自分にとってすごかった1年だったなと思っています。私がずっと歌い手としてアルバムを出したかったという思いもあった上に、たくさんの方にアルバム『狂言』を聴いていただけたことは本当にうれしかったなと思います。そして、『ONE PIECE FILM RED』のウタの歌声をやらせていただいたことは、本当にまた人生が変わるきっかけにもなったのかなと思いましたし、本当に『新時代』の歌姫・ウタの歌をすごくたくさんの人が愛してくださって心からうれしかったです。
柴:アルバム『狂言』のリリースが2022年1月なので1年1カ月前なのですが、2年前くらいの感じがしているというか。1年で2年分くらいの活動をしてるなって思います。
あっこゴリラ:確かに。Adoのこの2、3年は相当濃かったんだろうなと思います。
柴:濃密ですね。
Q: 2023年はどんな1年にしたいですか。
Ado:去年は自分にとって新しいことをたくさんしようという年でした。ライブパフォーマンスに力を入れたり、歌に関わる新しいことと言えばいろんなジャンルの楽曲を歌うだったり、ちょっとディレクションみたいなことをしてみるだったり。私は初音ミクをうちに招き入れまして、初音ミクの音声編集をやってみるみたいな、ソフトをいじって一緒に歌ってみたり、新しいことをすることが2022年でした。2023年はもちろん新しいことに引き続き挑戦しつつ、今度は自分自身が成長する年になれたらいいなと思っています。
柴:僕も何度かインタビューをしているのですが、Adoのキャラクターってすごく実直なんですよね。曲の印象だと痛快とか攻撃的とかそう思う人もいると思うんですけど、本人はわりと自分で「陰キャ」と言ったりして謙虚で真面目で、すごく自分に対して過大評価してない印象ですね。
あっこゴリラ:でも陰キャの逆ギレっていうのともまた違うというか。陰キャの逆ギレも面白いんですけど、そういうひねくれともまた違う感じがするので、そこはクリエイターが関わってるのもあるのかなって思いますね。
新曲『アタシは問題作』はAdoの素顔が垣間見られる?
Adoは新曲『アタシは問題作』を2月20日に配信リリースした。Ado:楽曲はボカロPのピノキオピーさんに書き下ろしていただきました。ピノキオピーさんは個人的に私がボカロを追いかけていて、たくさんのボカロPさんを聴いていた中の1人の方だったので、こうしてピノキオピーさんに曲を書き下ろしていただけたことは本当に心からうれしいですし、小学生のときにピノキオピーさんの楽曲を聴いていた自分に伝えにいってあげたいくらい本当に光栄に思います。この曲を初めて聴いたときは「やっぱりこの人、天才だな」って思いましたね(笑)。「こういう曲にしてください」だったり、私から直接的なリクエストはなかったんですけど、伝えずともAdoをわかってくださっていて、これを書けてしまうのはすごいなって。これをAdoに歌わせようとするピノキオピーさんってすごいなって本当に感激しましたね。
柴:Adoさんご本人もおっしゃっているように、わりと曲の歌詞とか歌っていることってAdoさんの素顔とか本人に近い感じがしました。かつ、奇想天外な曲調で、数年前だったらボカロ曲ってJ-POPと違ってユニークな曲が多いなって思ってたんですけど、今ってこれがJ-POPになってるんだな、これがヒットチャートにのってる世の中なんだなって。いろんなことが変わってきたなって感じもします。
Q:『アタシは問題作』を歌うにあたりどんな思いを込めましたか?
Ado:そもそもAdoって『うっせぇわ』のイメージが初めから強いと思うんです。もちろんファンのみなさん、応援してくださっているみなさんは他にもこういうところがあるよっておしゃってくれると思うんですけど、だいたいのイメージがいまだに『うっせぇわ』から根強いものがあるのかなって思います。でも『うっせぇわ』のイメージと実際の私のイメージって真逆というか、全然そんなことないのになっていう、それをピノキオピーさんがこの楽曲で書いてくださっていて。歌に込めた思いと言ったら、本音というか、私はそんなことないんだけどなみたいな。ひとり歩きしてしまった印象にちょっとボソボソつぶやいている自分みたいな、言えば本当に私自身のこと、私の本音みたいなことを歌えたのかなって。そういうことを込められたかなって思います。
Adoは新しいフェーズにきている
Adoは6月から全国ツアー「Ado全国ツアー2023『マーズ』」がスタートする。Q:自身最大規模となるツアーの意気込みを教えてください。
Ado:6月から9月に渡る、前回の全国ツアー「蜃気楼」とはまた規模が広がったツアーになり、また開催期間が夏ということで、足を運んでくださるみなさんにとって燃え上がる夏の思い出の1つにできたらいいなと、気合いを入れて頑張りたいなと思います。
あっこゴリラ:柴さんはAdoのライブを何度か観られているんですか?
柴:行ってます。初ライブもさいたまスーパーアリーナも、この間のツアーも行きましたけど、目覚ましい成長って感じですね。当然顔は出さないのでステージの上にすりガラスでできたようなボックスがあって、その中で歌っていてシルエットしか見えないですけどめちゃくちゃ臨場感があるんですよ。そこで歌って踊ってるっていう、本当にライブアーティストとしてこんなにリアリティがあるんだってライブに行くとわかります。
あっこゴリラ:この声を生で聴いたらすごそうですね。
柴:ライブも本当に完璧ですね。
最後に、あっこゴリラが「Adoは今どんな景色を見つめているか?」との質問を投げかけると、柴はこんな持論を展開した。
柴:Adoって1人のボーカリストでありつつ、ずっとボカロカルチャーを背負ってるというか。自分はボカロの世界から出てきた人だし、そこに対してのリスペクトを持っているってずっと言い続けていて、Adoに憧れている小中学生がたくさんいると思うので、そういう子たちを今度はAdoが見ている側になっているというか。つまり自分に憧れた人のために自分がカッコよくあるみたいなそういう新しいフェーズにきているのかなって思います。これは完全に僕が思っていることですけど、Adoは自分が憧れてきた人だから憧れられるときにどうするかっていうのもそろそろ見始めてるんじゃないかなって思います。
Adoの最新情報は、ユニバーサル ミュージックの公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
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2023年3月2日28時59分まで
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番組情報
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月・火・水・木曜22:00-24:00