BLUE ENCOUNTのベーシスト、辻村勇太が、コロナ禍の活動や新作『Journey through the new door』、2019年に襲った騒音性難聴などについて語った。
辻村が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは2月3日(金)。
BLUE ENCOUNTは2月8日(水)にニューミニアルバム『Journey through the new door』をリリースする。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。辻村はよだれ鶏を持参し、ビールとともに楽しんだ。
辻村:周りがけっこう配信ライブとかをやり始めて、そのときに僕らは待つのかそれともやるのかっていう判断に迷いました。結局やったんですけど、不安でしたね。ミュージシャンが慣れないというか。やっぱりお客さんがいないときにどういうやり方をするのか、しかも配信だから届いてるかもわからない。レスポンスがないときに音楽をやることで、あらためて音楽について考えさせられましたね。
クリス:レスポンスが足りない状況でリリースや活動をして、どうだったんですか。
辻村:自分たちが強くなりましたね。音楽を信じる力が強くなったというか。まず自分たちがレスポンスがなくても見返りを求めず何を発信したいか、ということをあらためて考えさせられました。その結果、4人でこうしたい、こういうところを強くしていきたいと話すことができたので、音楽とか活動を見直せる機会でした。
辻村はコロナ禍を通して、レコーディングも大きく変わったと言う。
辻村:コロナになってからレコーディングがリモート(になって)。ボーカルがデモを作って、そこからベースをのっけたりギターをのっけたりっていうのもデモで成り立つので、そういう新しいやり方を見出せたのは逆にありがたかったかなって思います。
辻村:プレイし過ぎだったり、そのときに自分が病んでたなってあらためて思って。人の会話を聞きたくなかったときというか。だから人が話している会話とか聞きたくなくて、ヘッドホンとかで爆音で音楽を聴いていたんですよね。人の会話の嫌な言葉だけ耳に入ってきたりとか、電車にいるときの会話とかもそうですけど、自分が言われてないのに悪口を言われてるような気分になっちゃったりとかして、それが嫌だなって思っていて、聞かないように爆音で音楽を聴いていました。騒音性難聴って工事現場にいる方が(注:常に大きな音にさらされる環境にいる方が)なりやすい症状で。突発性ではなく騒音性なので「聴力は治らないよ」と言われて。雑踏の中で会話するといまだにちょっと聞きにくかったり、集中してないと会話が聞きづらかったり、雑音に紛れやすくなっちゃったっていうのはありましたね。
クリス:音楽家としてその経験はどうだったの。
辻村:めちゃくちゃへこみましたし、しばらく泣きましたね。ピアノとかクラシックを聴いていて、イントロから空気が入ってきて1音目ポンって鳴ってる状態でも、ずっとフィルターがかかっているような。プールで耳に水が入っている感じというか。
そんな辻村だが、騒音性難聴になってあることに気付けたと話す。
辻村:辻井伸行さんのピアノを聴いて1人で泣きましたね。辻井さんは同世代で盲目のピアニストなんですけど、難聴で悩んでる暇ないなって美しい音楽に支えられましたね。
クリス:そこを克服したっていうのはスゴいね。
辻村:けっこう悩みました。ただ、それで音楽をやめるかって絶望したときに、やっぱり音楽に救われましたし、余計に人生で音楽を楽しみたいなって思ったので、もっと攻めないとなって思いました。
クリス:アメリカで勉強するの?
辻村:はい。最初は音楽の専門学校に入って学び直していこうと。日本のスタンダードと世界のスタンダードは違うと思うので、まずは世界のスタンダードを知ったうえで自分が何を思うのか、どういう判断をしていくのかということをまずはしていこうかなって思います。
クリス:ベースだけじゃなくて全体的な音楽の勉強をするんですか。
辻村:ベース特化なんですけどピアノの授業とかもあります。行く理由としてはグラミー賞を獲っている先生とツーマンでできたり、マイケル・ジャクソンのレコーディングに携わってるドラムやキーボードの方と一緒に演奏できるのは日本で探してもなかなかないことなので、そこに毎日自分を注いだら何が見えてくるんだろうとか。
クリス:なるほどね。
辻村:普段、素晴らしいミュージシャンを見ていて、単純に何を考えているんだろうと思ったら、意外と何も考えてなかったような、意外と突拍子もない言葉が出てきたりするので、そういうのを直接聞きたいなってこともありますね。
そんな辻村がベースを務めるBLUE ENCOUNTは、2月8日(水)にニューミニアルバム『Journey through the new door』をリリース。
クリス:5曲収録されていますが、いつできた曲ですか。
辻村:全部最近できました。『Z.E.R.O.』以外はリモートでやってるんですよね。
辻村:渡米も発表した上での制作だったので。ツアーとかも経て、やっと4人で1つになれたかなっていうこともありましたね。頑張らなきゃってことで言えなかったことだったり、今4人でやらなきゃっていうことが逆に窮屈だったりってことを感じたこともあったけど、今は等身大でナチュラルに4人で音で会話しながら制作に取り組めたんじゃないかなと思っています。
クリス:『Z.E.R.O.』とか『Journey through the new door』とかなんか意味深だよね。
辻村:これは今の自分にももちろん通じるものがあります。でもBLUE ENCOUNTの音楽って今生きている自分にも刺さってるんですけど、たぶんこういう歌詞ってみんなに響くんじゃないかなって。仕事を毎日頑張っていて、葛藤があったり仕事を辞めたいけど辞められなかったり、上司が怖くて言えなかったりとか、そういう人って僕らの悩みを持ってるんじゃないかなと思っているので、そういう人に刺さればいいなって思っています。
BLUE ENCOUNTの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
2月10日(金)の同番組にも、辻村勇太が出演する。放送は金曜23時から。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
辻村が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは2月3日(金)。
BLUE ENCOUNTは2月8日(水)にニューミニアルバム『Journey through the new door』をリリースする。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。辻村はよだれ鶏を持参し、ビールとともに楽しんだ。
音楽を信じる力が強くなった
まずはコロナ禍の活動についての話題に。辻村は「パンデミックになった直後は止まった」と当時を振り返る。辻村:周りがけっこう配信ライブとかをやり始めて、そのときに僕らは待つのかそれともやるのかっていう判断に迷いました。結局やったんですけど、不安でしたね。ミュージシャンが慣れないというか。やっぱりお客さんがいないときにどういうやり方をするのか、しかも配信だから届いてるかもわからない。レスポンスがないときに音楽をやることで、あらためて音楽について考えさせられましたね。
クリス:レスポンスが足りない状況でリリースや活動をして、どうだったんですか。
辻村:自分たちが強くなりましたね。音楽を信じる力が強くなったというか。まず自分たちがレスポンスがなくても見返りを求めず何を発信したいか、ということをあらためて考えさせられました。その結果、4人でこうしたい、こういうところを強くしていきたいと話すことができたので、音楽とか活動を見直せる機会でした。
辻村はコロナ禍を通して、レコーディングも大きく変わったと言う。
辻村:コロナになってからレコーディングがリモート(になって)。ボーカルがデモを作って、そこからベースをのっけたりギターをのっけたりっていうのもデモで成り立つので、そういう新しいやり方を見出せたのは逆にありがたかったかなって思います。
絶望に陥っても、やっぱり音楽に救われた
辻村は2019年に騒音性難聴と診断され、「右耳の低音を聴く力が落ちている」と語る。辻村:プレイし過ぎだったり、そのときに自分が病んでたなってあらためて思って。人の会話を聞きたくなかったときというか。だから人が話している会話とか聞きたくなくて、ヘッドホンとかで爆音で音楽を聴いていたんですよね。人の会話の嫌な言葉だけ耳に入ってきたりとか、電車にいるときの会話とかもそうですけど、自分が言われてないのに悪口を言われてるような気分になっちゃったりとかして、それが嫌だなって思っていて、聞かないように爆音で音楽を聴いていました。騒音性難聴って工事現場にいる方が(注:常に大きな音にさらされる環境にいる方が)なりやすい症状で。突発性ではなく騒音性なので「聴力は治らないよ」と言われて。雑踏の中で会話するといまだにちょっと聞きにくかったり、集中してないと会話が聞きづらかったり、雑音に紛れやすくなっちゃったっていうのはありましたね。
クリス:音楽家としてその経験はどうだったの。
辻村:めちゃくちゃへこみましたし、しばらく泣きましたね。ピアノとかクラシックを聴いていて、イントロから空気が入ってきて1音目ポンって鳴ってる状態でも、ずっとフィルターがかかっているような。プールで耳に水が入っている感じというか。
そんな辻村だが、騒音性難聴になってあることに気付けたと話す。
辻村:辻井伸行さんのピアノを聴いて1人で泣きましたね。辻井さんは同世代で盲目のピアニストなんですけど、難聴で悩んでる暇ないなって美しい音楽に支えられましたね。
クリス:そこを克服したっていうのはスゴいね。
辻村:けっこう悩みました。ただ、それで音楽をやめるかって絶望したときに、やっぱり音楽に救われましたし、余計に人生で音楽を楽しみたいなって思ったので、もっと攻めないとなって思いました。
音で会話しながら制作に取り組めた新作
辻村は3月から活動拠点をアメリカに移すことを発表。「バンドとしては2拠点で活動をする形になった」と話す。クリス:アメリカで勉強するの?
辻村:はい。最初は音楽の専門学校に入って学び直していこうと。日本のスタンダードと世界のスタンダードは違うと思うので、まずは世界のスタンダードを知ったうえで自分が何を思うのか、どういう判断をしていくのかということをまずはしていこうかなって思います。
クリス:ベースだけじゃなくて全体的な音楽の勉強をするんですか。
辻村:ベース特化なんですけどピアノの授業とかもあります。行く理由としてはグラミー賞を獲っている先生とツーマンでできたり、マイケル・ジャクソンのレコーディングに携わってるドラムやキーボードの方と一緒に演奏できるのは日本で探してもなかなかないことなので、そこに毎日自分を注いだら何が見えてくるんだろうとか。
クリス:なるほどね。
辻村:普段、素晴らしいミュージシャンを見ていて、単純に何を考えているんだろうと思ったら、意外と何も考えてなかったような、意外と突拍子もない言葉が出てきたりするので、そういうのを直接聞きたいなってこともありますね。
そんな辻村がベースを務めるBLUE ENCOUNTは、2月8日(水)にニューミニアルバム『Journey through the new door』をリリース。
クリス:5曲収録されていますが、いつできた曲ですか。
辻村:全部最近できました。『Z.E.R.O.』以外はリモートでやってるんですよね。
BLUE ENCOUNT『Z.E.R.O.』Music Video
クリス:『Z.E.R.O.』とか『Journey through the new door』とかなんか意味深だよね。
辻村:これは今の自分にももちろん通じるものがあります。でもBLUE ENCOUNTの音楽って今生きている自分にも刺さってるんですけど、たぶんこういう歌詞ってみんなに響くんじゃないかなって。仕事を毎日頑張っていて、葛藤があったり仕事を辞めたいけど辞められなかったり、上司が怖くて言えなかったりとか、そういう人って僕らの悩みを持ってるんじゃないかなと思っているので、そういう人に刺さればいいなって思っています。
BLUE ENCOUNTの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
2月10日(金)の同番組にも、辻村勇太が出演する。放送は金曜23時から。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
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2023年2月10日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
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毎週金曜23:00-23:30
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クリス・ペプラー