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森山直太朗、自分を見つめ直すきっかけになったツアーとは?

森山直太朗、自分を見つめ直すきっかけになったツアーとは?

シンガーソングライターの森山直太朗が、自分の音楽人生を見つめ直すことができたツアーについて語った。

森山が登場したのは、9月3日(土)に放送されたJ-WAVEの番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」だ。

夏の思い出

番組にリモートで登場した森山に、甲斐はまず近況を尋ねた。

甲斐:今日はお忙しいなか、ありがとうございます。

森山:いや、全然忙しくないんですよ。

甲斐:そんなことないですよね(笑)。

森山:いま、区役所に行ってきたぐらいで。

甲斐:そうだったんですか。最近朝はすっかり涼しくなって、急に秋らしくなりました。夏の終わりを感じますが、直太朗さんは今年の夏なにか思い出に残ったことはありましたか?

森山:いまはツアーをやっていて「夏らしい夏」というのは実は、プライベートではあまり経験できてなかったんですけど、奄美大島に弾き語りツアーの最後の日に行ったんです。そのときに少しだけロングステイみたいなのをして、そこで海に入ったときに「あ、夏だ」と思いました。

甲斐:それはもう「すごい夏」ですね、うらやましいです。

森山:すごい夏(笑)、そうですね。あまり最近海に入ることがなかったし、奄美大島ということもあって、とても気持ちよかったです。
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10年間温めていた楽曲

現在、森山の新曲『茜』が配信中だ。この曲は現在放送中のテレビドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)の主題歌となっている。同曲はドラマサイドからオファーを受けて提供したものだが、曲自体は自身の舞台のためにずっと温めていたという。

森山直太朗 - 茜 Music Video

森山:舞台を作る前から自分のなかにあって。その舞台のなかで「この曲、もしかしたらシーンに合うかもね」って作った曲だったんですけど、それ以降リリースしたりレコーディングしたりしないまま、時だけが10年ぐらい経っちゃって。今回ひょんなことからドラマのオファーをいただいたときに、ドラマの内容とこの曲の持っている世界観がとてもマッチしたので、提案してみたら「とてもいいじゃないですか」という風にプロデューサーさんと脚本家さんにおっしゃっていただいたんで、こちらとしても、もしかしたお蔵入りすることになっていたかもしれない曲を再度構築できるよい機会を与えていただいて感謝しています。

甲斐:感情的な歌い方になっていくところとか、切ない歌詞もあるんだけど温かい気持ちにさせてくれる、すごくステキな曲だと思いました。

森山:おしなべてというか、自分が愛し愛されて、その季節にいろいろ清濁を抱き合わせて一緒にすごした人、でも「ここにはいない」ということがこの曲のひとつのポイントになっているんです。コロナでもそうだし、人間って当たり前のようにあった日常や生活、活動、仕事といったものを失ったとき、あるいは失いそうになったときに、初めて本当に大切なものに気づけるという。失う、失いかけることで初めて向き合えたりする。本当は一緒にいるときに気づけたらそれが一番いいとは思うんですが。

甲斐:「本当はこういう感情を持っていたんだ」というのは、やっぱり離れてみないとわからないときってありますよね。

森山:目の前にいるとそれが当たり前になるから、なかなかそのありがたみとか“貴重な感覚”というのは気づけない。それを失敗や挫折とするなら、人はそれを繰り返しながらたくましくなっていくのかな、という風にも思います。

甲斐:その気持ちを大切にしたくなる曲だなと思いました。

自分の足元を見つめ直せた「人間の森」

甲斐が「いま」を形作った体験について尋ねると、森山は2018年から2019年にかけて開催したツアー「人間の森」だと回顧した。

森山:バンドメンバーとスタッフ一同、みんなで全国を巡って、毎日が修学旅行みたいな。それと同時に修行のような旅でもあって。「人間の森」自体とても本質的だったし、それまで十何年やってきた自分の歌に対する向き合い方の、ネガティブな意味じゃなくて限界を知るような公演でもありました。

甲斐:どんなところでそう感じたんですか?

森山:もともと僕は自分の部屋でポロロンと1人で曲を作ったり、1人で口ずさんでいたり、それを友だちや家族が聴いているみたいな、その規模感みたいなものがありました。でもホールツアーみたいな大きなところでやってみたり、人前でやっていくなかで、違う筋肉がついていったというか。自分なんだけど自分じゃない感覚というのがあって。たとえば歌っていると、自分も納得したいしお客さん1人1人にもこの曲が伝わってほしいし、あるいはスタッフの人にも「よかったね」と言ってもらいたい。100人いたら100人に伝えきりたいということが僕のなかであって。それは一方で執着みたいなものになっちゃって。そうなったときに、55公演を終えたときに、自分がどこにもいなくなっちゃったような感覚になってしまったんです。純粋に歌を楽しんでいくということのために、それを1回フラットにする作業が「人間の森」を通して、1度自分の足元を見つめ直せたのはとても大きなことでした。

甲斐:そこからコロナの時代がきて、みなさんもたぶんリセットする機会が必要だったんじゃないかなと、私も思ったりしました。

森山:足元を見つめ直したり、いろいろなしがらみを整理するみたいなときに、さらに輪をかけてコロナみたいなことがあって。「環境をもっと掘り下げないとダメなんだよ。もっともっと深く見つめ直さなきゃダメだよ」と言われている気がしていて。そこからさらに、より孤独になっていったという。でもその孤独って、とても不安を呼んだりと怖いものなんだけれども、実は人間のベーシックなんですよね。

甲斐:本質的な。

森山:そうですね。その独りぼっちになった先に本当の開放というか、自由みたいなものがあるという。自由ってとても孤独を内包しているものというか。感覚的になんですけれども、そういうことをこの時期に知れたのはとても大きかったです。

森山の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『BLUE IN GREEN』のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」では、ゲストのライフスタイルにフォーカス。生活に欠かせないアイテムや、ライブ音源をご紹介。放送は毎週土曜日の12時55分ごろから。

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2022年9月10日28時59分まで

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番組情報
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毎週土曜
12:00-16:00