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元ちとせ「最終的には丸刈りでした」 美容師時代の思い出を語る

元ちとせ「最終的には丸刈りでした」 美容師時代の思い出を語る

元ちとせが、奄美民謡への思いや、美容師時代の思い出、新作『虹の麓』について語った。

前回に引き続き元が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは7月29日(金)。

【前週の放送】元ちとせ、山崎まさよしにツッコまれた“幻のアーティスト名”とは?

元は9月19日(月・祝)、「 J-WAVE presents INSPIRE TOKYO ~Best Music & Market 」に出演。国立代々木競技場(第一体育館、第二体育館、外周エリア)で行われる。

奄美民謡のいちばんの特徴は?

クリスは、今年でデビュー20周年を迎えた元の歌唱方法を紐解く。民謡とポップスを融合した元のスタイルはどのように生まれたのだろうか。

元:(民謡は)島のものですし、民謡や島唄を使ってはいけないという大きなくくりで思ってたんですけど、自分が歌うスタイルは島唄で覚えたので、これは私の歌い方なんだなって納得することができてからは、あんまりこういうスタイルでやろうと決めたわけじゃなく、この歌い方が私にとって自然だったので、自然にそうなっていったっていう感じですね。

クリス:元さんがいちばん影響を受けたアーティストって誰ですか。

元:武下和平さんという島唄の天才と呼ばれた方の歌をカセットテープがすり切れるほど聴いてました。

クリス:奄美民謡のいちばん個性的な要素ってどんなところですか。

元:日本民謡というジャンルにおいて、奄美の民謡は唯一ファルセットを使う歌唱法で。他はたぶん使わないので。

クリス:元さんは独特のファルセットの使い方が印象的ですよね。今でも(民謡を歌う)トレーニングはされているんですか。我流化してるのか、それとも基礎は基礎でトレーニングされてるのか。

元:基礎は基礎ですけど、歌は年齢とともに味が出てくるものなので、何かを変えようと思って歌ってはいないですけど、よく歌いますね。練習という気持ちがあるのか、歌いたいから歌っているって感じなんですけど。

クリスは、歌いながらどんどん進化していく島唄のスタイルを継承しているのか、と問う。

元:“しまうた”と聞くと、よくみなさん「島唄」って言葉を思い浮かべると思うんですけど、実際には「シマ唄」と表記されて「シマ=縄張り」っていう意味なんですよ。

クリス:縄張りなんだ!

元:なので自分たちが生まれ育った場所のなまりだったりとか、こういう言い方だと自分の気持ちが100パーセントこもるという音があるんですけど、そういうものが年齢とともにもっと強く出てくるというか。そういう意味では変化っていうことかなって。進化っていうよりはもっと歌に対する感情とか経験が込められていくから変わっていくのかなって気がします。

美容師時代は実験台にされていた

そんな元は、よく聴いたアーティストとしてシンディ・ローパーをあげた。

元:シンディ・ローパーは高校生のときに、ものまね番組を見ていたら本人登場っていうシーンを見て。

クリス:シンディ・ローパー本人が出たと。

元:黄色い髪に真っ赤なドレスで、なんてかわいい人なんだろうと衝撃を受けて、すぐCDを探して買って。だからシンディ・ローパーは高校1年生くらいのときから本当によく聴いていました。

クリス:当時の元さんの写真を見るとちょっとどこかシンディ・ローパーの要素があるんですか。

元:さすがに校則違反はしなかったので。でも美容師になったときにはすぐシンディ・ローパーに近い髪型にしてみました。

クリス:色は?

元:実験台にされたので、金髪とはいかなかったですけど。

クリス:染めたんですね。

元:ブリーチして青い色を入れて。

クリス:全然そういうイメージはないですよね。デビュー当時から黒髪だから。

元:美容師時代にいろいろやりすぎて。最終的には丸刈りでしたから。

クリス:かなりとんがってたんですね。

元:いろいろ実験されて髪の毛が弱ってきたので、これは切ったほうがいろいろ(実験を)されないな、って(笑)。

元は、美容院の客だった高校生の女の子に告白されたことがあると振り返る。

元:ずっと私を男の子だと思ってたらしくて。

クリス:それは髪の毛が短かったから?

元:そうですね。あと、そんな女子っぽい格好をしてなかったので。見習いでしたし、動きやすい格好でいましたから。

クリス:じゃあ結構ボーイッシュな格好をされていたわけですね。それで告白されたと。

元:確認したいことが2点ほど出てくるじゃないですか。その高校生は私を男性だと思っているのか、女性だと知っていて好きになったのか。なので、自己紹介を改めてしてみたら、泣き出されました。

クリス:泣き出されたんだ。じゃあおそらくその子は男性だと思って好きだったんですね。

元:うちの店の人たちが「はじめちゃん」って呼んでくれてたので、それが男の子の名前のように聞こえてたのかもしれないですね。

希望の光が見えるような作品に

元は、7月6日にオリジナルアルバムとしては14年ぶりとなる『虹の麓』をリリースした。このアルバムには、坂本慎太郎、折坂悠太、長澤知之、青柳拓次(LITTLE CREATURES)、さかいゆう、冥丁など豪華アーティストやクリエイター陣が参加している。

元ちとせ「暁の鐘」(Music Video) <折坂悠太 プロデュース>

元:今回、また新しいアーティストの方々に作っていただいて、すごく新鮮でした。表現する方法とかが自分にとってすごく新しかったので、苦戦した部分もあり、ちょっと時間はかかってしまいました。

クリス:制作にどれくらいかかったんですか。

元:曲を書いてくださる方々に出会う時間もありましたし。

クリス:じゃあ1曲作ってまた次の曲ができる、そういうペースで。アルバム作るからいつまでに何曲作るぞっていうよりは。

元:デビュー20周年に向けて少しずつ準備しようかって感じで、ざっくりとした自分たちのなかでのテーマがあるなか、コロナ禍も過ごしながら、ひとつずつテーマを持って前向きになれそうな、希望の光が見えるような、静かにみなさんの心のお守りみたいに染み込んでいくようなアルバムになったらいいなって思うようになって、それが今回の1枚になりました。

コロナ禍での活動について問われ、元はこう続ける。

元:私はデータを送ったりそれを整理したりとかはしないので。スタッフはすごく大変だったんじゃないかなって思うんですけど。でも今までの楽曲とかってわりと歌い上げる歌唱法が多かったけど、話しかけるように、自分に問いかけるように、みたいな楽曲も多かったので、そういう表現をするっていうのが新しくて。

クリス:なるほど。

元:それで苦戦しました。「独り言を言うように歌ってみてよ」とか、ざっくりしたアドバイスをもらって。私は独り言って言わないなって思ったり。

クリス:普段はこぶしを回して高らかに歌っているから、独り言のように歌うって無理難題ですよね(笑)。

元:楽曲に合わせた温度感ってあると思うんですけど。

元は8月11日(木)に埼玉県・入間市産業文化センターで「元ちとせコンサート2022 in 入間」を開催する。

クリス:アルバムをリリースされて、これからいろんなライブを控えていると思いますが、心境はどうでしょう。

元:本当に久しぶりにみなさんの前で歌えるので、歌いたかったこの気持ちをメンバーと一緒にぶつけて、会いに来てくれる人たちとその場所、その時間を盛り上げたいと思っています。

9月25日(日)には、元の所属事務所・オフィスオーガスタのイベント『Augusta Camp 2022 ~Office Augusta 30th Anniversary~』が神奈川・横浜赤レンガパーク特設ステージで開催。当日はライブ配信も予定されている。

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。番組の公式サイトでは、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

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2022年8月5日28時59分まで

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毎週金曜
23:00-23:30