DEAN FUJIOKAが、若い頃の自分やニューシングル『Apple』、自身が初企画・プロデュースした映画『Pure Japanese』について語った。
DEANが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは7月23日(土)。
DEAN:香港からこのキャリアを始めて、当時から飛行機に乗って、それこそアベレージ2週間に1回くらいの頻度で中国大陸とか東南アジアに行ったり、たまにヨーロッパのほうとか、そういう移動を常にすることがデフォルトでスタートしたので。
SKY-HI:今やられている役者や映像監督、ミュージシャンってたとえば20年前のDEANさんが描いていた20年後のDEANさんとズレがないんじゃないかなって思うんですけど。
DEAN:今、41歳で20年前だと21歳でアメリカにいた頃。当時は今こういう仕事をしてるビジョンはなかったですね。
SKY-HI:そうなんですね。
DEAN:24歳でエンターテインメントというかアートというか、初めてファッションモデルの仕事を始めて。
SKY-HI:フリースタイルもしてましたよね(笑)。
DEAN:今思えば(フリースタイルは)冷やかしみたいなもんですけど。その後、縁があってプロというか大きな規模でやらせてもらえるようになって。本当に無計画だったというか無鉄砲だったというか、「定職についてたまるか」みたいな(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
DEAN:起業するか、とにかくサバイブしてやるって勢いはあるけど、どうしたらいいかわからないみたいな(笑)。
SKY-HI:クレバーで冷静に見えるのに。たとえばオムレツのように、きれいにできていると思って中を開いたらすごくドロドロに熱くなった卵がグワッと出てくるみたいな(笑)。それがDEANさんって感じがします。
ここでDEANは、今でも強く心に残っているSKY-HIの言葉を紹介。それは以前、DEANがナビゲーターを担当していたJ-WAVEの番組『ROPPONGI PASSION PIT』での言葉だったという。
【関連記事】SKY-HI「根幹から芸能を変えうる」 ボーイズグループを作る理由をDEAN FUJIOKAが称賛
DEAN:SKY(-HI)くんが「何をやらないかがすごく大事だ」と。これってすごく大事なことだなって、そのときに改めて考えさせられて。人間って、体力も時間も有限であって、そのときにやらない、選ばない、NOだと言えるってことはすごく大切なことだなって。
SKY-HI:そうですよね。自分も自戒の念を込めて言った気がします。本当に何でもやっちゃうから。絶対に必要がないとしても、やってみたくなっちゃうというか。好奇心と言えば簡単なんですけど、その先に何か見たことのない未来が見えるような気が勝手にしちゃうというか。
DEAN:これは破滅衝動かもしれない(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)! そんな気もします。
DEAN:でも、あのSKYくんの言葉がすごく真理を突いてるなって今も思っていて。何か新しいことをやるときに、このアクションによってポジティブなスパイラルが生まれることに対して全力でコミットするみたいなことをちゃんとしなきゃいけないなって思いました。自分だけが楽しくなってどうするんだってこともありますしね(笑)。今までいろいろやってきたなかですごく舵の切り方を失敗したなってこともあるんですけど、次に自分がどういうアクションをするかによって「あの経験があったからポジティブな今がある」とできるように頑張らなきゃなと思って。
SKY-HI:最近、人生の楽しみ方を考えたときに、「これ失敗したな」って思うことの数が多ければ多いほど人生を楽しんでいるような気もしているので、「トライ&エラー、バット モア トライ」みたいなDEANさんの精神は見ていても楽しいし尊敬しますね。
SKY-HI:『Apple』はまたUTAくんとのタッグで。UTAくんとのタッグって多いですよね。
DEAN:そうですね。今まで結構な数の曲を一緒にやらせてもらっていますね。
SKY-HI:毎作、挑戦的で面白いですよね。
DEAN:今回はテレビドラマの作品の主題歌の枠組みもあったんですけど、驚かせるような曲にしたいので、それに寄せる気は全くないのでっていう(笑)。
SKY-HI:日本の映像関係に関して、そこのキャパって広がったのかなって感じることはここ数年少なくないかなって。主題歌だからこうしてないと困るってあまり言われなくなりましたね。
DEAN:いい傾向ですね。
SKY-HI:昔は「どこサビなの?」とか言われたことあるな(笑)。
DEAN:「これだと本編で流せないです」とかね。
SKY-HI:今言われるのは言葉づかいくらいですね。
DEAN:「ラップだと困ります」って言われることもいまだにありますね。ラップだと本編の中で映像にかけられないと言われちゃって、えっと……って(笑)。ラップはいちリスナーとしても好きだから、映像の上にラップはかけにくいって意味がわからなくて。
SKY-HI:それこそUSの映像作品観てたら、ラップがかかってないやつを探すほうが難しいくらいですしね(笑)。
SKY-HIは話題を、DEANの作品の話に戻し「ラップ自体もフロウがアップグレードされている」と表現。DEANは「ラップの先生、ありがとうございます!」と伝えた。
SKY-HI:今までDEANさんが制作に携わってきた作品と今作ってちょっと違いますよね。
DEAN:全くアプローチが違うし、いろいろ初めてだったので、社会の輪郭が新たな視点で見えてくるような経験をさせてもらっています。1月に劇場公開して賛否両論だったんですね。人によっては何度も観てしまう、考えさせられてしまう、すごくポジティブな受け止め方をしてくださった方と、一方で星ゼロみたいな、芳しくない、敵意むき出みたいな評価の方がいて。
SKY-HI:それで言うと、時代的にタイトルが 『Pure Japanese』っていう時点で、投げかけるものがあるわけですよね。
DEAN:この作品を企画するときに、ケーススタディとして日本語を使う人たちの定義を理詰めでやってみないっていう。チェスのコマみたいに、記号のように登場人物一人ひとりに役割を与えて、何か社会実験的な構造にして、まずは作品の筋を作ってみようと。もし言語がそれを使っているユーザー、たとえば日本語であれば日本語を使う人が、思考とか言動とかをするときの道具を、逆に言語のほうが独自の意思を持って、日本語を使っているユーザーたちを器のようにコントロールしているものだと捉えたら、その言語は我々をどこに連れて行こうとしてるんでしょうねってことが最初の企画意図としてありました。
SKY-HI:なるほど。
DEANは、文化の側面は多面的であり「暴力の側面から文化の輪郭をあぶり出してみようということでアクション映画にした」と語ると、SKY-HIはアクション映画から暴力という発想が生まれたのか、反対に暴力を描きたいからアクション映画に行き着いたのかと訊く。
DEAN:簡単に言うと、自分が中華圏でアクションの練習や経験があって、なかなかそれが生かせるような機会が日本でなかったっていうのももちろんあるんですよ。あと日本は実はアクション大国だったんですよね。日本のコレオグラファーはすごくレベルが高くて、海外でも大活躍されている方が結構いるんですよ。
SKY-HI:殺陣とかの文化はすごいですよね。
DEAN:日本にはそのレガシーがあるわけです。ただアクションを映像作品で撮るってすごくお金がかかるから、そうなると今の社会状況だと手っ取り早く回収できる方向に行きがちなんですよね。ケガをすることもあるし。
SKY-HI:そうですよね。
DEAN:でも根本的な表現の話をすると、暴力っていちばん人間の本質的な部分でもあって、収奪するとか強引に相手の存在を否定するかたちで自分の欲求を満たすものでもあるから、そういうことをやっちゃうと万人と万人の戦争みたいになるから。人類はアップデートを続けて今の社会体制があると思うんですけど。結局言論がどこまで状況を変えられるのか、負のスパイラルを言論で正のスパイラルに変えられるのかっていう。絶望を生んだときに必ず人間はいちばん原始的なところに立ち返って、暴力という手段を選ばざるを得なくなる。自分の意志と表現方法の最終的に唯一残された方法であり、自分の肉体を使った物理的な表現になってしまう。それを描くとしたらアクションがいちばん適してるのもあり、そういう複合的な理由でアクション映画を作りました。
DEAN FUJIOKAは9月に約4年ぶりとなるファンクラブツアー「DEAN FUJIOKA FamBam Exclusive “#Confidential2022”」を開催する。そのほかの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
DEANが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『DIVE TO THE NEW WORLD』(ナビゲーター:SKY-HI)。オンエアは7月23日(土)。
若い頃は無計画で無鉄砲だった
これまでアジア圏の各国で多くの仕事に携わってきたDEANに、SKY-HIは「DEANさんからするとアジア中をまわるのはナチュラルな感じですか?」と質問する。DEAN:香港からこのキャリアを始めて、当時から飛行機に乗って、それこそアベレージ2週間に1回くらいの頻度で中国大陸とか東南アジアに行ったり、たまにヨーロッパのほうとか、そういう移動を常にすることがデフォルトでスタートしたので。
SKY-HI:今やられている役者や映像監督、ミュージシャンってたとえば20年前のDEANさんが描いていた20年後のDEANさんとズレがないんじゃないかなって思うんですけど。
DEAN:今、41歳で20年前だと21歳でアメリカにいた頃。当時は今こういう仕事をしてるビジョンはなかったですね。
SKY-HI:そうなんですね。
DEAN:24歳でエンターテインメントというかアートというか、初めてファッションモデルの仕事を始めて。
SKY-HI:フリースタイルもしてましたよね(笑)。
DEAN:今思えば(フリースタイルは)冷やかしみたいなもんですけど。その後、縁があってプロというか大きな規模でやらせてもらえるようになって。本当に無計画だったというか無鉄砲だったというか、「定職についてたまるか」みたいな(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)。
DEAN:起業するか、とにかくサバイブしてやるって勢いはあるけど、どうしたらいいかわからないみたいな(笑)。
SKY-HI:クレバーで冷静に見えるのに。たとえばオムレツのように、きれいにできていると思って中を開いたらすごくドロドロに熱くなった卵がグワッと出てくるみたいな(笑)。それがDEANさんって感じがします。
ここでDEANは、今でも強く心に残っているSKY-HIの言葉を紹介。それは以前、DEANがナビゲーターを担当していたJ-WAVEの番組『ROPPONGI PASSION PIT』での言葉だったという。
DEAN:SKY(-HI)くんが「何をやらないかがすごく大事だ」と。これってすごく大事なことだなって、そのときに改めて考えさせられて。人間って、体力も時間も有限であって、そのときにやらない、選ばない、NOだと言えるってことはすごく大切なことだなって。
SKY-HI:そうですよね。自分も自戒の念を込めて言った気がします。本当に何でもやっちゃうから。絶対に必要がないとしても、やってみたくなっちゃうというか。好奇心と言えば簡単なんですけど、その先に何か見たことのない未来が見えるような気が勝手にしちゃうというか。
DEAN:これは破滅衝動かもしれない(笑)。
SKY-HI:あはは(笑)! そんな気もします。
DEAN:でも、あのSKYくんの言葉がすごく真理を突いてるなって今も思っていて。何か新しいことをやるときに、このアクションによってポジティブなスパイラルが生まれることに対して全力でコミットするみたいなことをちゃんとしなきゃいけないなって思いました。自分だけが楽しくなってどうするんだってこともありますしね(笑)。今までいろいろやってきたなかですごく舵の切り方を失敗したなってこともあるんですけど、次に自分がどういうアクションをするかによって「あの経験があったからポジティブな今がある」とできるように頑張らなきゃなと思って。
SKY-HI:最近、人生の楽しみ方を考えたときに、「これ失敗したな」って思うことの数が多ければ多いほど人生を楽しんでいるような気もしているので、「トライ&エラー、バット モア トライ」みたいなDEANさんの精神は見ていても楽しいし尊敬しますね。
「ラップだと困ります」って言われることも…
DEANは7月13日にニューシングル『Apple』をリリース。リード曲『Apple』は自身主演のドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ)主題歌になっている。DEAN FUJIOKA - “Apple” Music Video
DEAN:そうですね。今まで結構な数の曲を一緒にやらせてもらっていますね。
SKY-HI:毎作、挑戦的で面白いですよね。
DEAN:今回はテレビドラマの作品の主題歌の枠組みもあったんですけど、驚かせるような曲にしたいので、それに寄せる気は全くないのでっていう(笑)。
SKY-HI:日本の映像関係に関して、そこのキャパって広がったのかなって感じることはここ数年少なくないかなって。主題歌だからこうしてないと困るってあまり言われなくなりましたね。
DEAN:いい傾向ですね。
SKY-HI:昔は「どこサビなの?」とか言われたことあるな(笑)。
DEAN:「これだと本編で流せないです」とかね。
SKY-HI:今言われるのは言葉づかいくらいですね。
DEAN:「ラップだと困ります」って言われることもいまだにありますね。ラップだと本編の中で映像にかけられないと言われちゃって、えっと……って(笑)。ラップはいちリスナーとしても好きだから、映像の上にラップはかけにくいって意味がわからなくて。
SKY-HI:それこそUSの映像作品観てたら、ラップがかかってないやつを探すほうが難しいくらいですしね(笑)。
SKY-HIは話題を、DEANの作品の話に戻し「ラップ自体もフロウがアップグレードされている」と表現。DEANは「ラップの先生、ありがとうございます!」と伝えた。
社会の輪郭が新たな視点で見えてくるような経験になった
DEANが初企画・プロデュースした映画『Pure Japanese』(2022年1月劇場公開)が、7月17日からAmazon Prime Videoで世界配信を開始した。ディーン・フジオカ 初企画・プロデュース映画「Pure Japanese」予告編
DEAN:全くアプローチが違うし、いろいろ初めてだったので、社会の輪郭が新たな視点で見えてくるような経験をさせてもらっています。1月に劇場公開して賛否両論だったんですね。人によっては何度も観てしまう、考えさせられてしまう、すごくポジティブな受け止め方をしてくださった方と、一方で星ゼロみたいな、芳しくない、敵意むき出みたいな評価の方がいて。
SKY-HI:それで言うと、時代的にタイトルが 『Pure Japanese』っていう時点で、投げかけるものがあるわけですよね。
DEAN:この作品を企画するときに、ケーススタディとして日本語を使う人たちの定義を理詰めでやってみないっていう。チェスのコマみたいに、記号のように登場人物一人ひとりに役割を与えて、何か社会実験的な構造にして、まずは作品の筋を作ってみようと。もし言語がそれを使っているユーザー、たとえば日本語であれば日本語を使う人が、思考とか言動とかをするときの道具を、逆に言語のほうが独自の意思を持って、日本語を使っているユーザーたちを器のようにコントロールしているものだと捉えたら、その言語は我々をどこに連れて行こうとしてるんでしょうねってことが最初の企画意図としてありました。
SKY-HI:なるほど。
DEANは、文化の側面は多面的であり「暴力の側面から文化の輪郭をあぶり出してみようということでアクション映画にした」と語ると、SKY-HIはアクション映画から暴力という発想が生まれたのか、反対に暴力を描きたいからアクション映画に行き着いたのかと訊く。
DEAN:簡単に言うと、自分が中華圏でアクションの練習や経験があって、なかなかそれが生かせるような機会が日本でなかったっていうのももちろんあるんですよ。あと日本は実はアクション大国だったんですよね。日本のコレオグラファーはすごくレベルが高くて、海外でも大活躍されている方が結構いるんですよ。
SKY-HI:殺陣とかの文化はすごいですよね。
DEAN:日本にはそのレガシーがあるわけです。ただアクションを映像作品で撮るってすごくお金がかかるから、そうなると今の社会状況だと手っ取り早く回収できる方向に行きがちなんですよね。ケガをすることもあるし。
SKY-HI:そうですよね。
DEAN:でも根本的な表現の話をすると、暴力っていちばん人間の本質的な部分でもあって、収奪するとか強引に相手の存在を否定するかたちで自分の欲求を満たすものでもあるから、そういうことをやっちゃうと万人と万人の戦争みたいになるから。人類はアップデートを続けて今の社会体制があると思うんですけど。結局言論がどこまで状況を変えられるのか、負のスパイラルを言論で正のスパイラルに変えられるのかっていう。絶望を生んだときに必ず人間はいちばん原始的なところに立ち返って、暴力という手段を選ばざるを得なくなる。自分の意志と表現方法の最終的に唯一残された方法であり、自分の肉体を使った物理的な表現になってしまう。それを描くとしたらアクションがいちばん適してるのもあり、そういう複合的な理由でアクション映画を作りました。
DEAN FUJIOKAは9月に約4年ぶりとなるファンクラブツアー「DEAN FUJIOKA FamBam Exclusive “#Confidential2022”」を開催する。そのほかの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『DIVE TO THE NEW WORLD』は国内外のさまざまなフィールドで活躍するアーティストやクリエイターたちの“本心”にSKY-HIが“DIVE”していくプログラム。放送は毎週土曜23時から。
番組情報
- DIVE TO THE NEW WORLD
-
毎週土曜23:00-23:54