次世代を担う新人アーティストを、豪華クリエイター・プロデューサー陣が発掘し、メンターとなって育成するJ-WAVEの音楽プロジェクト「J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」通称「MAP」。メンターの一人である音楽コンシェルジュ・ふくりゅうが聞き手を務める、審査を勝ち抜いた8組のアーティストへのインタビュー連載をお届けする。
今回は、瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島(なおしま)出身のシンガーソングライター・堀内洋之へのインタビューを紹介する。直島の穏やかな自然と豊かなアートに育まれた19歳の新人アーティストはどんな音楽を嗜好し、また、どんなきっかけで曲作りを始めたのか。ふくりゅうが独自の視点で紐解く。インタビューは、地元である直島からオンラインで行われた。
堀内:ありがとうございます。曲を作るときも歌うときも僕が経験した感覚をもとにしているので、直島の雰囲気が現れているのかもしれませんね。
ふくりゅう:そもそも、創作活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
堀内:つい最近まで作曲などしてこなかったのですが、縁あって、とある企画の一環で、僕が作ったオリジナル曲を、仕立てていただいたオーダースーツを着て演奏することになったんです。その企画のときに自分ではじめて作曲した楽曲を、今回の「MAP」プロジェクトに応募させていただきました。
ふくりゅう:それ以前は全く曲を作ってこられなかったんですか?
堀内:はい。その日の気分でピアノを弾いたり、帰り道に即興で適当に作った曲をアカペラで口ずさんだりとかはあったんですけど、本格的に取り組んだことはありませんでした。
ふくりゅう:これまでどんな音楽を愛聴し、また、どんなアーティストに影響を受けてこられたのでしょうか。
堀内:僕は母が外国人だったこともあって洋楽が昔から好きで、日本人の父、祖父母の影響を受けて邦楽の名曲にも親しんできました。それに、その時々の流行歌ももちろんチェックしていました。特に尊敬しているのは、宇多田ヒカルさんです。本当に大好きで、高校の文化祭で宇多田さんの曲を歌ったりしていました。バラードもあれば、すごい乗れるようなダンスミュージックもあるし、本当に色々なジャンルの曲を歌われていますよね。あとは、曲を聴いていてすぐに「宇多田さんだ」とわかる、彼女にしか出せないオリジナル性にも強く惹かれます。
堀内:10曲もないぐらいなんですけど、曲を複数作るようになったのにはきっかけがあって。というのも、今回の「MAP」プロジェクトにメンターとして参加されている小橋賢児さんが以前、直島に何日間か観光で来られていたことがあったんですね。当時、今お話しした初のオリジナル曲がちょうど完成していた時期で、これまた色々なご縁が重なり、小橋さんにその曲を聴いていただく機会があったんです。そしたら小橋さんから「直島をモチーフにした曲やピアノだけの曲をどんどん作っていったほうがいい」とアドバイスをいただき、その日を境にちょこちょこと作り始めました。
ふくりゅう:そんな出来事があったんですね。ちなみに、直島がクリエイティブな空間であるからこそ、堀内さんの音楽活動が後押しされているという側面もあると感じますか?
堀内:感じますね。直島は自然豊かでアート作品もたくさんある。リラックスできると同時に、自分自身のイメージが湧き上がってくる場所だという実感があります。
ふくりゅう:音楽を作るとき、頭の中で完成図が思い浮かんだりすることはあるのでしょうか?
堀内:先ほどお伝えしたように、曲を作ることに関して、僕はまだビギナーです。なので、たとえばR&Bやジャズを作ろうと思い立ったとしても、理論的にそのジャンルに合わせたリズムやメロディを組み立てていくということができません。だから作曲のときは、僕の感じたイメージのまま作り、できあがったものをそのまま提供している……というイメージなんです。
ふくりゅう:堀内さんの中で、曲はナチュラルに自分の中から湧き出てきたものという感覚なんですね。
堀内:そんな感じです。
堀内:漠然と構想していることが2つあります。1つはピアノが全くない楽曲を作りたいです。現状、僕が演奏できる楽器はピアノしかなく、作れる音源もピアノの弾き語りによるものと限定されています。もちろん、ピアノだけでも様々な表現が可能ですが、ピアノだけでは物足りなさを感じていることも事実です。なので、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、ストリングスなどを多種多様な音を組み合わせ、むしろピアノが一切なくても成立するような曲づくりをしてみたいんです。2つ目はダンスミュージックを手掛けてみたくて。僕が今まで作った楽曲は、バラードチックでそういったノリとは程遠いものばかりです。だからこそ、アップテンポで身体が思わず動き出してしまうような曲を作りたいという願望があります。
ふくりゅう:なるほど。ダンスミュージックにおけるビートのパターンはいくつかに限られていると言われています。このビートのパターンを流しながら、そこでどんなメロディが考えられるかを検討することが一つ、楽曲が生まれるきっかけになるのではないかと思います。アーティストの中には、カラオケボックスへ入り、色んな曲のトラックを流し、それに合わせてでたらめにメロディや歌詞を歌ってデモ音源を作るという方もいるそうです。そんなことをしてみたら、これまで自分の中から出てこなかった音楽が生まれる可能性があるかもしれないですね。
堀内:面白いですね。いいアドバイスをありがとうございます!
MAPの今後は、公式サイトまで。
・「J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/map/
(構成=小島浩平)
今回は、瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島(なおしま)出身のシンガーソングライター・堀内洋之へのインタビューを紹介する。直島の穏やかな自然と豊かなアートに育まれた19歳の新人アーティストはどんな音楽を嗜好し、また、どんなきっかけで曲作りを始めたのか。ふくりゅうが独自の視点で紐解く。インタビューは、地元である直島からオンラインで行われた。
ピアノを弾いたり、即興で歌ったり…そして本格的な作曲に挑戦
ふくりゅう:堀内さんの楽曲、聴かせていただきました。ピアノ弾き語りでの柔らかな歌声と揺蕩うようなメロディの美しさを感じ、生活環境が音楽に現れているような印象を受けました。堀内:ありがとうございます。曲を作るときも歌うときも僕が経験した感覚をもとにしているので、直島の雰囲気が現れているのかもしれませんね。
ふくりゅう:そもそも、創作活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
堀内:つい最近まで作曲などしてこなかったのですが、縁あって、とある企画の一環で、僕が作ったオリジナル曲を、仕立てていただいたオーダースーツを着て演奏することになったんです。その企画のときに自分ではじめて作曲した楽曲を、今回の「MAP」プロジェクトに応募させていただきました。
ふくりゅう:それ以前は全く曲を作ってこられなかったんですか?
堀内:はい。その日の気分でピアノを弾いたり、帰り道に即興で適当に作った曲をアカペラで口ずさんだりとかはあったんですけど、本格的に取り組んだことはありませんでした。
ふくりゅう:これまでどんな音楽を愛聴し、また、どんなアーティストに影響を受けてこられたのでしょうか。
堀内:僕は母が外国人だったこともあって洋楽が昔から好きで、日本人の父、祖父母の影響を受けて邦楽の名曲にも親しんできました。それに、その時々の流行歌ももちろんチェックしていました。特に尊敬しているのは、宇多田ヒカルさんです。本当に大好きで、高校の文化祭で宇多田さんの曲を歌ったりしていました。バラードもあれば、すごい乗れるようなダンスミュージックもあるし、本当に色々なジャンルの曲を歌われていますよね。あとは、曲を聴いていてすぐに「宇多田さんだ」とわかる、彼女にしか出せないオリジナル性にも強く惹かれます。
「どんどん直島をモチーフにした曲を」メンター・小橋賢児からの助言
ふくりゅう:今はどれくらいご自身の曲をお持ちですか?堀内:10曲もないぐらいなんですけど、曲を複数作るようになったのにはきっかけがあって。というのも、今回の「MAP」プロジェクトにメンターとして参加されている小橋賢児さんが以前、直島に何日間か観光で来られていたことがあったんですね。当時、今お話しした初のオリジナル曲がちょうど完成していた時期で、これまた色々なご縁が重なり、小橋さんにその曲を聴いていただく機会があったんです。そしたら小橋さんから「直島をモチーフにした曲やピアノだけの曲をどんどん作っていったほうがいい」とアドバイスをいただき、その日を境にちょこちょこと作り始めました。
ふくりゅう:そんな出来事があったんですね。ちなみに、直島がクリエイティブな空間であるからこそ、堀内さんの音楽活動が後押しされているという側面もあると感じますか?
堀内:感じますね。直島は自然豊かでアート作品もたくさんある。リラックスできると同時に、自分自身のイメージが湧き上がってくる場所だという実感があります。
ふくりゅう:音楽を作るとき、頭の中で完成図が思い浮かんだりすることはあるのでしょうか?
堀内:先ほどお伝えしたように、曲を作ることに関して、僕はまだビギナーです。なので、たとえばR&Bやジャズを作ろうと思い立ったとしても、理論的にそのジャンルに合わせたリズムやメロディを組み立てていくということができません。だから作曲のときは、僕の感じたイメージのまま作り、できあがったものをそのまま提供している……というイメージなんです。
ふくりゅう:堀内さんの中で、曲はナチュラルに自分の中から湧き出てきたものという感覚なんですね。
堀内:そんな感じです。
今後、制作してみたい楽曲は?
ふくりゅう:今後「こんな楽曲を作りたい」といった構想はありますか?堀内:漠然と構想していることが2つあります。1つはピアノが全くない楽曲を作りたいです。現状、僕が演奏できる楽器はピアノしかなく、作れる音源もピアノの弾き語りによるものと限定されています。もちろん、ピアノだけでも様々な表現が可能ですが、ピアノだけでは物足りなさを感じていることも事実です。なので、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、ストリングスなどを多種多様な音を組み合わせ、むしろピアノが一切なくても成立するような曲づくりをしてみたいんです。2つ目はダンスミュージックを手掛けてみたくて。僕が今まで作った楽曲は、バラードチックでそういったノリとは程遠いものばかりです。だからこそ、アップテンポで身体が思わず動き出してしまうような曲を作りたいという願望があります。
ふくりゅう:なるほど。ダンスミュージックにおけるビートのパターンはいくつかに限られていると言われています。このビートのパターンを流しながら、そこでどんなメロディが考えられるかを検討することが一つ、楽曲が生まれるきっかけになるのではないかと思います。アーティストの中には、カラオケボックスへ入り、色んな曲のトラックを流し、それに合わせてでたらめにメロディや歌詞を歌ってデモ音源を作るという方もいるそうです。そんなことをしてみたら、これまで自分の中から出てこなかった音楽が生まれる可能性があるかもしれないですね。
堀内:面白いですね。いいアドバイスをありがとうございます!
MAPの今後は、公式サイトまで。
・「J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/map/
(構成=小島浩平)
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