音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
NOAによる「一般公募で集めた言葉」を歌詞に用いた楽曲も。藝大生・藤本陸斗も圧巻のパフォーマンス

写真はNOAのパフォーマンスより

NOAによる「一般公募で集めた言葉」を歌詞に用いた楽曲も。藝大生・藤本陸斗も圧巻のパフォーマンス

J-WAVEが2022年4月から取り組む、次世代アーティストの発掘・育成プロジェクト「CHINTAI presents J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」(通称MAP)。選出された8組のアーティストは半年間、豪華メンターのもとで楽曲制作に精を出してきた。

アーティストとして成長した彼らがライブで成果を発揮したのが、10月21日(金)~23日(日)に六本木ヒルズで開催のテクノロジーと音楽の祭典「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」。ここでは23日、「CHINTAI presents MAP LIVE SHOWCASE」と題したステージに登場しNOAと藤本陸斗のライブレポートをお届けする。

「イノフェス」は現在、アーカイブ配信中。チケットは以下で販売している。

配信チケット販売サイト:https://eplus.jp/iwf2022/ppv/

アーカイブ期間 10月24日(月)18:00~10月30日(日)23:59まで ※アーカイブ配信は一部映像が編集でカットされる場合がございますので予めご了承ください。

(文=笹谷淳介、撮影=アンザイミキ)
20221025_noa_6.jpg
心地よい風が吹き、秋めいた天候の中行われた、「CHINTAI presents MAP LIVE SHOW CASE」。最終日となるこの日、TDK INNOFES ARENAのスタートはMAPアーティストであるNOAと藤本陸斗のパフォーマンスからスタート。ライブ前にMCである川田十夢が発した「音楽だけに止まらないパフォーマンスが観れるはず」という言葉を納得せざるを得ない圧倒的なライブを私たちは目にすることとなった。

最初に登場したのは、TBS系火曜ドラマ『君の花になる』にも出演中のNOA。韓国のYGエンターテインメント日本人初練習生としても知られ、作曲、作詞、ダンスの振付まで手掛け、トリリンガルでもある多才な若きシンガーの彼は、会場に手を振りながら登場。少し緊張しているような面持ちではあったが、曲が始まるとその空気は一変する。
20221025_noa_5.jpg
20221025_noa_7.jpg
1曲目に歌う「言葉にできない」はMAPのメンターであるagehaspringsとタッグを組み、FIMMIGRM™(フィミグラム)で生成したメロディを使用した楽曲。リリックは「人の弱さや情けなさ」「人には言えない本当の気持ち」「皆が抱える共通の苦しみ」など、「Twitterやインターネット上に浮かんでいる人々の気持ち」をイメージした言葉をテーマに、一般公募で集まった言葉をagehaspringsが紡ぎ制作されたものだ。自然と体が動くダンサブルなサウンドとは裏腹にどこか切ないリリックが特徴的なこの楽曲をハンドマイクで歌いきり、「ありがとうございます」と一礼。「今日は少ない時間ですが、楽しんでいただけたらと思います」と2曲目の「Paradise」へ。tofubeatsがプロデュースした小気味のいいチルサウンドに乗せられ自然と体が動いてしまう。
20221025_noa_3.jpg
会場を広く使いながら身振り手振りで表現をするNOA。曲の雰囲気もあって、まるでサンセットの中ドライブしているような感覚に陥ってしまう。曲の終盤ではハイトーンボイスも披露し、興奮冷めやらぬまま、「ありがとうございます、次で最後の曲です」と3曲目の「TAXI feat.tofubeats」へ。ダンサブルな動きとその圧倒的な歌唱力で会場を沸かす。ステージにも慣れてきたのか、表情からも音楽を純粋に楽しんでいるのが伺えた。
20221025_noa_2.jpg
20221025_noa_4.jpg
トップバッターとしてTDK INNOFES ARENAをNOA色に染め上げ、パフォーマンスは終了。ライブ後のトークでは、MCの川田から「白いスニーカーが似合う人はカッコいい」と話され、照れ臭そうに返事をする一幕やファンからのメッセージにはにかむ一幕もあり、NOAの可愛らしさも感じることが出来た。最後には「日本を代表するアーティストになろうと思ってるので、これからもよろしくお願いします」と今日のライブを閉じた。

■セットリスト
M1 言葉にできない
M2 Paradise
M3 TAXI feat.tofubeats
20221025_hukumoto_8.jpg
次に登場したのは作編曲家・ピアニストであり現在、東京藝術大学音楽学部作曲科在籍中の藤本陸斗。洗練されたアヴァンギャルドな雰囲気を醸し出す彼の登場に会場の雰囲気も一変。ARを駆使した映像は金色の輝き、これからどのようなパフォーマンスが観れるのかと心が躍る。
20221025_hukumoto_2.jpg
20221025_hukumoto_5.jpg
バックスクリーンには映像が流れ、心地の良いアンビエントなサウンドが場内を包む。まるで1つの物語を紡いでいるかのような錯覚に陥るのは、彼が演奏しているという妙なのだろうか。
20221025_hukumoto_3.jpg
時計の針が何周も回っているような感覚。彼の発する言葉、そして息づかい、藤本陸斗という1人の人間が奏でる音像に耳を傾ける。そこにはリリックという概念は存在しない。ただ、生と死、陰と陽、相反する事象が混ざり合ったような不思議な感覚に陥るのだ。どこか現在の混沌とした世の中へのアンチテーゼのようにも聴こえる極上のサウンド。不穏なサウンドと繊細な指のタッチで奏でる旋律は映像とも相まって終始、不思議な空間を演出していた。
20221025_hukumoto_1.jpg
20221025_hukumoto_6.jpg
9分という時間が永遠にも感じれる作品を披露し、静かに「ありがとうございます」と挨拶。「Liquid Metal」という今回の曲について「音の細部までこだわり、テクスチャーをどう表現できるのかを突き詰めて作った」と話した。

20221025_hukumoto_4.jpg
MCである川田からの「どんなアーティストになりたい?」という質問には「何かに囚われて、ただのミュージシャンでいるよりは、自分な好きなことをMIXして面白い音楽的提案をしていきたい。空気の振動も含めて音楽を浴びるように感じてほしい」と静かに答え、「来年にはまとまった作品を出せたらなと思っているので引き続きチェックしてください」とライブを閉じた。
20221025_hukumoto_7.jpg
ジャンルの異なる2人のアーティストのパフォーマンスを楽しむことができた「CHINTAI presents MAP LIVE SHOW CASE」。彼らが今後どのようなアーティストに成長を遂げていくのか楽しみで仕方がない。1つ言えることは、きっと彼らはメインへ駆け上る。そんな可能性を音から感じた素晴らしいパフォーマンスだった。

■セットリスト
M1 Liquid Metal

MAPアーティストについては、公式サイトをチェック。

・MAP公式サイト https://www.j-wave.co.jp/map/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン