フィッシュマンズ・茂木欣一、子どもが生まれて“音楽の聴こえ方”が変わった

フィッシュマンズ・茂木欣一が、『映画:フィッシュマンズ』で印象に残ったエピソードや、人生の転機について語った。

茂木が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」。ここでは6月4日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

【関連記事】茂木欣一「聴いたことない、なんだろう!?」 すぐ調べたほど気に入った楽曲は?

フィッシュマンズの軌跡を解き明かす映画のBlu-rayが発売

6月1日、『映画:フィッシュマンズ』のBlu-rayが発売された。2021年7月9日に全国公開された本作は、メジャーデビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡を、過去の貴重な映像やメンバーと関係者たちのインタビューを通じて解き明かすドキュメンタリー作品となっている。

映画:フィッシュマンズ 予告第一弾

甲斐:映画がロングランヒットをして、全国で“フィッシュマンズ旋風”が巻き起こっていることをどう思われていますか?

茂木:旋風が巻き起こっているなんて全然思っていないです(笑)。でも、フィッシュマンズがライブをしていた1990年代って、全国で行きたくても行けない場所がたくさんあったんですね。今回の映画が北海道から沖縄まで上映されているのって、今までで最大規模の全国ツアーをしている気分になるというか、めちゃくちゃ嬉しかったし、驚きでもありましたね。

甲斐:映画がBlu-rayになり、どこでも観られるようになったことで、世界にも作品が広がりそうですね。

茂木:たしかに。南米の友だちからも「発売おめでとう!」って連絡が来たんですよ。いろんなところで聴いてくれている人がいるから、世界中の人が映画を手に取ることができるようになるのは嬉しい話ですね。

甲斐:私も映画を拝見させていただきました。フィッシュマンズの近くにいた人たちのインタビューを聞いて、愛とリスペクトを感じられました。みなさん、赤裸々にお話されていましたね。なぜ、映画のタイミングでみなさんが心中を明かしてくれたのでしょうか?

茂木:本当にこれは縁だと思っています。映画の話は2018年の夏にいただいたんですけども、その頃の僕は2019年のボーカルの佐藤伸治くんが亡くなって20年という節目に、ライブを絶対やろうと思っていたんですね。そのタイミングで映画を作りたいっていう話をもらったから、「これは縁かな」と思いました。一回だけ、これまで関わってきたみんなが言いにくかったことも話すような機会があってもいいのかなと思ったのが始まりですね。

茂木は劇中のインタビューで印象に残った人について語った。

茂木:赤裸々って意味では、これまで関わってきた仲間たちが脱退するタイミングの言葉とかも、僕にとってはすごく衝撃でしたね。インタビューでは佐藤くんのお母さんが出てくるんですよ。お母さんが振り返りながら「伸治はね、小さい頃からきかない子でした」みたいなことを言っていたんです。佐藤くんはすごく小さい頃から信念を貫く人だったんだなって、お母さんの何気ない一言から感じちゃいました。それが印象的でしたね。

『映画:フィッシュマンズ』のBlu-rayの初回限定版では、映画本編に加えてライブ「闘魂2019」の映像とドキュメンタリー作品『闘魂:フィッシュマンズ』が収録されている。

子どもが生まれてから音楽の“聴こえ方”が変わった

続けて茂木から、今を形作った体験について話を聞いた。

甲斐:茂木さんにとって転機となった体験というと、どんなことが思い浮かびますか?

茂木:やっぱり、フィッシュマンズの佐藤くんとの出会いとか、今一緒に活動している東京スカパラダイスオーケストラとの出会いが僕にとっての転機ですね。それもありつつ、プライベートでは子どもが生まれたことです。このあいだ、娘が17歳になりました。

甲斐:そうなんですね。お子さんが生まれて、自分のなかで変わったことはありましたか?

茂木:音楽の聴こえ方が変わっていったというか。昔は夜中、プライベートな時間に内省的な音楽を聴きながら「いい時間だな」って思っていたんだけど、子どもが生まれてからは明るい感じの曲というか、より未来に響くようなものを僕自身がほしがっていることに気付いたんです。音楽の聴こえ方が変わるのはかなり衝撃的なことでしたね。

甲斐:不思議ですね。ご自身のなかで感性が変わったってことなんですかね?

茂木:そうですね。子どもの幸せをすごく考えるようになるから、「世界にはこんなに楽しいことがあるんだ」って感じてもらいたい気持ちがものすごく強くなりました。だから自分的には子どもが生まれたことは転機でしたね。

高校生たちと団結して演奏した思い出を振り返る

5月には、東京スカパラダイスオーケストラが『NHK みんなのうた』に初登場。YOASOBI with ミドリーズによる楽曲『ツバメ』のアレンジである『ツバメ~スカパラバージョン』がオンエアされた。

ツバメ feat.ミドリーズ & 長濱ねる & 東京都立片倉高等学校吹奏楽部 / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

甲斐:東京都立片倉高等学校の吹奏楽部の生徒さんと一緒に演奏されていましたけども、いかがでしたか?

茂木:自分の娘が高校生っていうのもあるんですけど、それぐらいの世代の子たちがすごくニコニコしながら演奏するんですね。一曲に対して、総勢60名ぐらいで演奏して撮影したんですけど、多くの人たちが心をひとつにするってとっても美しいことだなと思いました。そういうことのお手伝いを、自分は音楽でできているっていうのがとても幸せだなと感じました。

甲斐:生徒のみなさんにとって貴重というか、忘れられない思い出になると思います。

茂木:挫けそうなときに「こんな素敵なこともあったな」というエネルギーになってくれれば、それ以上に嬉しいことはないぐらい幸せです。

茂木欣一の最新情報は、フィッシュマンズ公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

『BLUE IN GREEN』ワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」では、ゲストの今を形作った出会いや体験を訊く。放送時間は12時55分ごろから。
radikoで聴く
2022年6月11日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
BLUE IN GREEN
毎週土曜
12:00-16:00

関連記事