レキシ×岡崎体育が音楽対談。ライブでMCが長い理由は?

レキシの池田貴史と岡崎体育が音楽のルーツや楽曲制作、ライブパフォーマンスを語り合った。

二人が対談を繰り広げたのはJ-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい”音楽をつくるクリエイターが“WOW”と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる番組だ。

5月のマンスリープレゼンターは池田が務める。5月7日(土)のオンエアでは、岡崎がゲストとして登場した。

家で流れていたクイーンの曲

岡崎は母親がクイーンのドラムであるロジャー・テイラーの追っかけをしていたこともあり、幼少期、家ではクイーンの曲がずっと流れていた。中学生になると当時はやっていたエミネムやリンキン・パークのCDを買い、徐々に音楽のルーツができていったそう。大学に入るとバンドを結成。そのころからオリジナル曲を作り、宅録も始めたという。

池田:リーダーで曲も作って、みたいな?
岡崎:やってましたね。僕のエゴが強すぎてバンドはやっぱりすぐ解散しました。「俺が4人いたらいいのに」ってずっと思ってたのがメンバーにも伝わって。ビッキビキに当時尖っていたので。反省していますけどね。
池田:こだわり強い感じはいまもあるけど。そうか、バンドだとうまくいかないか。そのときはまだデビューとかはせず。
岡崎:全然デビューせず。そこから普通に新卒で就職しましてサラリーマンに。そこで一旦音楽も「ええか、あきらめよう」と思ってたんですけど、「やっぱり音楽やりたいな」と思って、その会社も半年で辞めて。だから23歳のときに岡崎体育を始めました。
池田:ここで名前をつけた?
岡崎:もともと大学のころから岡崎体育という名前でインターネットで投稿したりとかしていたんです。ライブをするようになったのは23歳のときが初めてですね。
池田:仕事を辞めて「ここでいこう」と。その衝動はなんだったの?
岡崎:就職したんですけど「60歳まで会社で働くのか。朝9時から夜も9時ぐらいまで残業とか大変やなあ、自分には合わへんかもな」って、ちょっと息苦しくなってしまって。
池田:「音楽やりたい、でも仕事やってたら音楽できない」とかではない?
岡崎:実はそっちが6で、会社辞めたいほうが4ぐらいの。
池田:そこは6:4なんだ。
岡崎:そこまで誤差がないというか。
池田:仕事をしていてもやっぱり音楽は忘れられない。音楽を片手間にやるのもみたいなね。本腰でやろうと。
岡崎:会社辞めたときが「岡崎体育をやっていこう」と思った一番のきっかけでしたね。

初めての作曲はゲームで

初めての作曲について、岡崎はニンテンドーDSの「大合奏! バンドブラザーズ」、池田はファミリーコンピュータの「ファミリーベーシック」と、お互いにゲーム機で作曲をしていたそう。2人は楽曲制作について話をしていくことに。

池田:最初にDSでなにを作っていたの? オリジナル?
岡崎:最初は175Rとかモンパチ(MONGOL800)とかを耳コピした打ち込みをやっていたんです。
池田:それはシーケンサーということ?
岡崎:インターフェース的にもDTMに近い感じですね。ドラム、ベース、シンセとか。
池田:じゃあもうGarageBandとかそのぐらい?
岡崎:さらにインターフェース的にも見やすいというか。音符を並べていくみたいなスタイルだったの。
池田:それをゲーム感覚でやっていたということでしょ? 遊びの延長みたいな。
岡崎:「大合奏! バンドブラザーズ」のサブコンテンツの作曲コンテンツで遊んでいたのが僕ぐらいだったんですよ。そのゲームはみんな持ってたりもしてたんですけど。「それできるのスゴいな」って周りにメッチャ褒められて、やっぱりそれが気持ちよくなっちゃって。自分の作った175Rの曲とかもみんなでセッションできるんです、友だちと通信で。
池田:へー!
岡崎:ゲームにもともと内蔵されている曲じゃない曲をみんなで演奏できるから「岡ちゃんこれも作ってよ」みたいに言われてやってましたね。音楽を作る喜び、作曲の喜びでした。
池田:曲ってどうやって作っているの?
岡崎:曲の作り方的には当時からいくとまずトラックを作ることが多いですね。DTMでまずドラム、ビートから作ってベース足して、コード入れて、上物のシンセ入れてっていう。
池田:先にオケ作るよね? それがスゲーなと思って。俺はメロと詞だね。メロが先にいっちゃうと詞が乗っけられないから、なるだけ詞と一緒にメロつけて。そうしているとなんかアレンジも思い浮かぶみたいな感じかな。だからすごいなと思って。
岡崎:楽譜が僕は読めないので、先に歌メロ思いついたとしてもそれにコードをあてられないんですよ。
池田:え? コードもわからないの?
岡崎:わからないですね。鍵盤は弾けるけど、全部Eフラットから始まるコード進行しかできないです。だからセッションとかができないですね。
池田:それはなおさらバンドは難しいね。
岡崎:オケ作ってコード進行も自分で手で弾いて「これ気持ちいいな」というのを作っておいて、それにさらに気持ちよくなる歌メロを入れる。で、歌詞。
池田:歌いながら作ってる?
岡崎:適当な日本語か英語かわからんような言語で歌って入れて、それにあと日本語の詞を流し込んでいくというスタイルですかね。

岡崎は最近の作曲に関する悩みを告白した。

岡崎:デビューして5、6年になるんです。昔はメチャクチャちゃんと締切守っているいい子やったんです。ここ1年ぐらいメチャクチャ遅れるようになってしまって。すごく自分としても悲しいんです。「なんでこんなことになってしまったんだろう」と。「締切が曲を作る」ってよく言うじゃないですか。
池田:俺も一緒の考え方。締切も含めて作品の一部ではあるからね。
岡崎:池ちゃんは言われてる締切遅れますか?
池田:ここで嘘ついて「遅れない」って言うとメッチャ怒られるから……遅れる。
岡崎:(笑)。そういうときってレコード会社に言い訳します?
池田:レコード会社さんとの関係性もあるじゃん。自分で決めた「ここまでに作ろう」という締切に対しては、もちろん守ろうとするよ。「ここまででできあがったものが俺の作品です」って。ただ本当のクリエイティブという意味では、時間がなさすぎるのもよくないと思う。

MCを重視する理由

ライブについての話題になると、ここでも2人は共通する悩みが。

岡崎:僕たち話すごい長いでしょ?
池田:なんでだろう? 体育MC長いよね。
岡崎:正直言わせてもらいますけど、レキシのほうが長いですよ。
池田:(笑)。
岡崎:だって武道館でやったとき、何時間ライブしたんですか?
池田:……1時間半ぐらいかな?
岡崎:絶対もっと長いでしょ。
池田:3時間でしょ、確か。延長料金払ったのは覚えてる。
岡崎:本当っすか(笑)。
池田:武道館で延長料金払った。実は最後のエンディングロールをカットしたの。
岡崎:(笑)。
池田:「もう退館しなきゃいけない」と言われて泣く泣く作ったものをカットするぐらいの。
岡崎: MCのほうが長いでしょ。
池田:なんでしゃべるの?
岡崎:僕は休憩です。
池田:確固たる理由があるんだ。嘘でしょ?
岡崎:本当です。息が整うのをしゃべりで待ってる、これは本当です。
池田:そんな風に見えないけど。
岡崎:いやいや(笑)。息上がってますよ、こんな図体しているんですから。1曲やったらゼエゼエ。
池田:確かにすごく動いているなと思うけど。水はすげえ飲むなって思う。
岡崎:飲みます。明確に休憩です。
池田:俺は逆に、水を飲む間も惜しんでしゃべる。
岡崎:それはなんでなんですか?
池田:しゃべっちゃうんだよね。
岡崎:(笑)。
池田:もともとは俺はボーカリストじゃない、という不安というか。どこかで「歌でみせられない」という不安があるんだよ。そうするとどうしても演出面でカバーしなきゃいけないという気持ちがあって。その気持ちがしゃべりに。
岡崎:いや、演出面とMCはまた別でしょ(笑)。

池田は自分たちは真剣に楽曲を作っているのにもかかわらず「ネタもの」に見られやすいのだと悩みを告白。ライブ内にシリアス以外の要素をどのくらいの配分でいれるのか?というテーマで、岡崎はある失敗談を振り返った。

岡崎:デビュー前に1回奈良のライブハウスで真面目な曲ばっかりバンド形態でやるライブを1回やったんです。
池田:コミカルを経たあとにね。
岡崎:チケットもそこそこその日売れて、実際に真面目な曲ばかりのライブをやったときにバッキバキにスベったんですよ。
池田:お客さんも望んでなかったから。
岡崎:「いい曲やな」というのは言ってくれたんですけど、全然ライブとしての熱量がなくて。「違うのか」とそこで気づいて「岡崎体育は岡崎体育らしさをライブでやったほうがいいのか」と気づきましたね。

岡崎の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。

・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
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2022年5月14日28時59分まで

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