ラッパーのBIMが新作ミニアルバム『Because He's Kind』をリリース。音楽のルーツや、収録曲『Mosquito』で表現した“自分らしさ”を明かした。
BIMが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。4月11日(月)、12日(火)のオンエア。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
そんなBIMは今年3月に新作ミニアルバム『Because He's Kind』をリリースした。その中の収録曲『Mosquito』は、現在「SONAR TRAX」に選ばれている。BIMは『Mosquito』を通じてどんな“自分らしさ”を表現したのか。
BIM:『Mosquito』は、No Busesというバンドの近藤大彗(Vo, G)くんによるトラックで作らせてもらった楽曲です。プライベートでもご飯を食べに行ったりする仲です。彼はHIPHOPを通ってきたわけじゃないけど、ソロ名義だと打ち込みのサウンドを作っていて、僕にはないポップセンスを持っている。そういう意味でもいつも驚きをくれる年下の友だちなんです。いつも本当に刺激を受けているので、また曲を一緒に作っていきたいなと思っています。『Mosquito』はトラックがhyperpop寄りというか、明るい元気な感じなので、リリックで自分らしさをどうやって出すかというところを意識しました。日本語でラップする人の歌詞では出てこないような歌詞を入れられたんじゃないかなと自負しています。
特にこの曲のキーポイントになっているのはサビだと思うんですけど、ネガティブではないけど、ポジティブでもないサビを意識しました。例えば<君凄いウザい/っていうのは/言わないよ><この愛情は/見せ物じゃない>という部分は、ポジティブにもネガティブでも捉えられる歌詞なんですけど、締めでは<雨上がりに/飛ぶ蚊>と綴っています。これは“雨降って地固まる”の俺版というか、歌詞を考えているときに思いついたワードなんです。“雨が降る”ってことは良いことばかりじゃないけど、それによって水溜りも出来て、ここから俺も成長して、羽根を生やしてまた飛んでいくぜという意味を込めて、こういうサビになりました。
結構、比喩もしているんですが、そこを語るのはちょっとナンセンスかなと思ったりもしているので、そこはクラブとかで会ったときに「あれってどういう意味?」と聞いてもらえたら。もしかしたら酔っ払った状態でお話しさせてもらうかもしれないので、見つけたら話しかけてください。
『Because He's Kind』に収録するつもりで作っていたわけじゃないんですけど、同い年の友だちのラッパー・kZmに聴いてもらったときに「絶対この曲次の作品に入れた方がいいよ!」って念押しされたくらい彼も気に入ってくれていました。まだあんまりライブでも披露出来ていないから、リリースされた後の初ライブが楽しみです。
BIM:学生時代に聴いて衝撃を受けた曲は、TWIGY(ツイギー)というレジェンドラッパーによるアルバム『SEVEN DIMENSIONS』に収録されている1曲『夜行列車』です。これは中学生の頃に某レンタルショップで出会いました。まず、ジャケが左右から角度をつけて見ると動いているように見えて「これ、カッケー!」と思ってレンタルしました。でも、その当時はこの曲の良さをあんまり理解していなかったんです。高校、大学と大人になっていくにつれて、どんどん食らっちゃったスルメ系の楽曲ですね。
『夜行列車』は“これぞTWIGYさんのオリジナリティ”というか、この時代(アルバム発売は2000年)にこのトラックでラップしてんだというのを、あとで食らいましたね。子どもの俺にはわからなかった大人の音楽だなと思って、今もよくDJで流したりしています。
この曲だけじゃないんですけど、TWIGYさんの活動をずっと見させてもらっていると、ジャンルに囚われずに、今聴いている音楽や今やりたい音楽をHIPHOPに落とし込んでいる。そういう部分がすごくお洒落な方だなと思います。『Mosquito』もトラックとしてはHIPHOPのビートではないんですけど、HIPHOPとして捉えてもらっているのかなと思っているし、そういうところはTWIGYさんのかっこよさに影響を受けていますね。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
BIMが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。4月11日(月)、12日(火)のオンエア。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
“雨降って地固まる”を自分らしく表現すると?
1993年生まれのBIMは、高校時代に友人たちと結成したHIPHOPユニット・THE OTOGIBANASHI'Sや、今年で活動10周年を迎えるクルー・CreativeDrugStoreの中心人物として活動する。その傍ら、2017年から本格的にソロ活動もスタートさせた。各方面から高い評価を受けた2020年リリースの2ndアルバム『Boston Bag』に収録されている『Tokyo Motion』ではceroの高城晶平やSTUTSとコラボ。同曲は当時のJ-WAVE「SONAR TRAX」にも選ばれていた。また大きな話題を集めたドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)の主題歌『Presence』にも参加するなど、精力的に活動している。現在、最も引っ張りだこなラッパーの一人だ。そんなBIMは今年3月に新作ミニアルバム『Because He's Kind』をリリースした。その中の収録曲『Mosquito』は、現在「SONAR TRAX」に選ばれている。BIMは『Mosquito』を通じてどんな“自分らしさ”を表現したのか。
BIM:『Mosquito』は、No Busesというバンドの近藤大彗(Vo, G)くんによるトラックで作らせてもらった楽曲です。プライベートでもご飯を食べに行ったりする仲です。彼はHIPHOPを通ってきたわけじゃないけど、ソロ名義だと打ち込みのサウンドを作っていて、僕にはないポップセンスを持っている。そういう意味でもいつも驚きをくれる年下の友だちなんです。いつも本当に刺激を受けているので、また曲を一緒に作っていきたいなと思っています。『Mosquito』はトラックがhyperpop寄りというか、明るい元気な感じなので、リリックで自分らしさをどうやって出すかというところを意識しました。日本語でラップする人の歌詞では出てこないような歌詞を入れられたんじゃないかなと自負しています。
特にこの曲のキーポイントになっているのはサビだと思うんですけど、ネガティブではないけど、ポジティブでもないサビを意識しました。例えば<君凄いウザい/っていうのは/言わないよ><この愛情は/見せ物じゃない>という部分は、ポジティブにもネガティブでも捉えられる歌詞なんですけど、締めでは<雨上がりに/飛ぶ蚊>と綴っています。これは“雨降って地固まる”の俺版というか、歌詞を考えているときに思いついたワードなんです。“雨が降る”ってことは良いことばかりじゃないけど、それによって水溜りも出来て、ここから俺も成長して、羽根を生やしてまた飛んでいくぜという意味を込めて、こういうサビになりました。
結構、比喩もしているんですが、そこを語るのはちょっとナンセンスかなと思ったりもしているので、そこはクラブとかで会ったときに「あれってどういう意味?」と聞いてもらえたら。もしかしたら酔っ払った状態でお話しさせてもらうかもしれないので、見つけたら話しかけてください。
『Because He's Kind』に収録するつもりで作っていたわけじゃないんですけど、同い年の友だちのラッパー・kZmに聴いてもらったときに「絶対この曲次の作品に入れた方がいいよ!」って念押しされたくらい彼も気に入ってくれていました。まだあんまりライブでも披露出来ていないから、リリースされた後の初ライブが楽しみです。
“どんどん食らっちゃったスルメ系の楽曲”に影響
そんなBIMの人生を方向づけるような音楽との出会いは、中学生の頃。TWIGY(ツイギー)の楽曲に影響を受けたという。BIM:学生時代に聴いて衝撃を受けた曲は、TWIGY(ツイギー)というレジェンドラッパーによるアルバム『SEVEN DIMENSIONS』に収録されている1曲『夜行列車』です。これは中学生の頃に某レンタルショップで出会いました。まず、ジャケが左右から角度をつけて見ると動いているように見えて「これ、カッケー!」と思ってレンタルしました。でも、その当時はこの曲の良さをあんまり理解していなかったんです。高校、大学と大人になっていくにつれて、どんどん食らっちゃったスルメ系の楽曲ですね。
『夜行列車』は“これぞTWIGYさんのオリジナリティ”というか、この時代(アルバム発売は2000年)にこのトラックでラップしてんだというのを、あとで食らいましたね。子どもの俺にはわからなかった大人の音楽だなと思って、今もよくDJで流したりしています。
この曲だけじゃないんですけど、TWIGYさんの活動をずっと見させてもらっていると、ジャンルに囚われずに、今聴いている音楽や今やりたい音楽をHIPHOPに落とし込んでいる。そういう部分がすごくお洒落な方だなと思います。『Mosquito』もトラックとしてはHIPHOPのビートではないんですけど、HIPHOPとして捉えてもらっているのかなと思っているし、そういうところはTWIGYさんのかっこよさに影響を受けていますね。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
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