音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
Nulbarich×Vaundy、魂を揺らす熱演! 「J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 LIVE」ライブレポート

Nulbarich×Vaundy、魂を揺らす熱演! 「J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 LIVE」ライブレポート

Nulbarich、Vaundyが出演するライブイベント『J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 LIVE』を3月8日(火)、豊洲PITで開催した。

このイベントは、世界のミュージックシーンからJ-WAVEが厳選したヒット100曲をカウントダウンする番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(毎週日曜 13:00-16:54)がリスナーへの感謝を込めて開催する完全招待制のイベント。ライブMCは、番組ナビゲーターであるクリス・ペプラーが務めた。ここでは当日の模様をテキストでお伝えする。(J-WAVE NEWS編集部)

「皆さん、お元気ですか?『TOKIO HOT 100 LIVE』3年ぶりにやっと皆さんに会えました。嬉しい! 2020年は中止、2021年は無観客、そしてやっと有観客でのライブ。声は出せませんが、拍手がアーティストにパワーを届けると思います」と、MCのクリス・ペプラーが感激を伝え、「NulbarichもVaundyも『TOKIO HOT 100』の常連と言っていいでしょう」と前置きした後、Vaundyをステージに呼び込んだ。

tokiolive-220311-03.jpg

ブルーやグリーン系のクールなライティングの中、サポートメンバーに続いて登場したVaundyはヘヴィなベースに乗せ「不可幸力」をステージの左右を目一杯使ってパフォーム。まるで今の世界にシンクロするようなリリックが胸に響く。立て続けに、8ビートになることでバンドのグルーヴがガラリと変わる「踊り子」へ。ちなみにこの曲、年を跨いで『TOKIO HOT 100』チャートの首位を4週に渡りキープしたヒット曲だ。リリックに”愛“という言葉が登場するレパートリーが続く。変幻自在のビートを叩き出す辣腕バンドが、「napori」ではヨレるネオソウル系のリズムをドラマーを軸に表現し、冒頭からジャンルレスなVaundyのオリジナリティが光る。

「Vaundyです。『TOKIO HOT 100』はデビューの「東京フラッシュ」の頃からお世話になってて、このライブには出たかったんです。時間は短いけど本気でやるんでよろしくお願いします。じゃあ、新曲を」と、3月7日にリリースしたばかりのスケール感と90年代っぽさを兼ね備えた「恋風邪にのせて」を披露。既にオーディエンスに浸透しており、ロングトーンから下降するサビのボーカル力に誰しもがビビッドな反応を見せていた。さらに祈りを込めるように歌う「しわあわせ」のAメロではいくつかのスポットライトが暗闇に差し込む太陽のような印象を伴って、パフォーマンスをよりドラマチックに演出。サビでコーラスのSEが畳み掛ける中、どんどんエモーショナルになっていくVaundyの声の熱量。声量だけじゃない、何か魂が揺れるような歌唱に圧倒された。

楽しそうな様子で謝辞を述べたあと、「ワンマンじゃないんで、そろそろ終わっちゃうんですが、ここで終わるぐらい一旦、出し切ってもらっていいですか?」とオーディエンスを焚きつける。「久々にCDも出たんで、もう1曲の新曲を」と、グッとロックのダイナミズムを組み上げる「裸の勇者」を演奏。さらにそのニュアンスも含めながら、ネオソウル/ファンクテイストの「東京フラッシュ」をタフにアップデートして見せた。

「もう終わっちゃいますよ? 終わっちゃいますよ? またどこかに会いに来てください」と、名残惜しさとセールストークが混じった彼らしいMCを経て、繊細な歌い出しからダイナミックに盛り上がっていく「花占い」、前へ前へ進んでいくたくましいビートがアンセム感を盛り上げる「怪獣の花唄」で締めくくる頃にはほとんどの人がハンズアップやクラップでステージからのエネルギーを受け、それを循環させていた。9曲40分。今の魅力を凝縮仕切ったステージだった。

20分の休憩かつ転換タイムを挟んで、初見だったというVaundyのライブを絶賛したクリス・ペプラー。そしてJ-WAVEリスナーなら知らない人はいないでしょうと、Nulbarichを紹介した。

tokiolive-220311-02.jpg

軽くセッションしながら、おなじみのギターカッティングが聴こえてくると同時にJQが「Let’s go, brother!」と合図を出して「It’s Who We Are」からスタート。太陽の如き眩しいライトがフロアを照らすサビで多幸感に包まれ、ギターソロでは「オン ギター、サトウ カツシロ!」と、珍しくメンバーを紹介する場面も。自由に揺れたり、ハンズアップするオーディエンスはリラックスしながら何か熱いものを受け止めていた。続く「Kiss You Back」ではプリミティヴなビートが自然と心身を動かしてくれた。

来場してくれたオーディエンスに謝辞を述べ、続けて光の溢れる季節も近いことを「A New Day」で共有していく。比較的フロアと近いせいか、JQのアクションもラフで、自在にステージを動いている。さらに『TOKIO HOT 100』のライブで演奏することに感慨深そうに「TOKYO」のタイトルコールをして、アーティストとしての初心を感じるこのナンバーを丁寧に歌う。エンディングを受け、ギターのフィードバックが響き渡り、ドラマチックな「Lonely」へ。タイトル通り、孤独感や自立を歌うナンバーが「TOKYO」から一つの流れを作り出し、それをタフなバンドアンサンブルで押し上げていく。また、LAの夜を想起させる洒脱な「Break Free」では90年代感たっぷりなシンセが印象的。<Uh uh uh uh>というコーラスをシンガロングできない分、心の中で歌ってと伝えていた。

長めのMCでは「国境を超えて戦争が始まって、絵巻物で見ていたようなことが同時に起こってる。何かしたいけど、何もできない、そんな気持ちだと思います。でもそんな中でも皆さんはいろいろなものを抱えて生きてるわけで。次に歌う曲は人にはいいときも悪いときもあって、それは無駄にはならないということを歌ってます」と、「Sweet & Sour」を披露。痛みと笑みが抜きつ抜かれつの世界で、簡単に答えを求めず明日を確かめよう──そんな意思が柔らかなボーカルから伝わった。

その後、Vaundy との出会いやリモートでの「ASH ft.Vaundy」の制作の話に触れ、「生意気なガキだと思ってたら、不器用で繊細で。いいよね、ああいうヤツからもらうバイブスは何か忘れてたものを思い出させてくれる」と共演の喜びを述べる。その話から「ライブってものについて歌った曲を最後に」と、「It’s All For Us」を自身もギターを弾きながら歌い始める。ロックもソウルもヒップホップも飲み込んだ、人間が放つバンドサウンドが、まさにライブ=生きている実感を増幅させてくれたのだった。

そこでラストだとはオーディエンスも思わない。期待のこもったムードの中、「呼ぶって。そりゃ、呼ぶって……Vaundy!」というJQの呼び込みに「ちょりーす!」と軽快に登場したVaundy。世代を超えたリスペクトと共感を冗談交じりに話した上で、お待ちかねの「ASH ft.Vaundy」を二人ともステージを目一杯使ってフロアを盛り上げていく。メジャーキーに転調するラスサビで、さらに強力なボーカルを聴かせるVaundyの熱演もあり、貴重な生コラボという形で最高のエンディングを見せたのだった。

(Text by 石角友香、Photo by 上飯坂 一)

この日のライブ音源をオンエア

3月13日(日)の『J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100』では、この日のライブ音源をたっぷりオンエア。放送時間は13:00-16:54。

■Vaundyセットリスト
1:不可幸力
2:踊り子
3:napori
4:恋風邪にのせて
5:しわあわせ
6:裸の勇者
7:東京フラッシュ
8:花占い
9:怪獣の花唄

■Nulbarichセットリスト
1:It's Who We Are
2:Kiss You Back
3:A New Day
4:TOKYO
5:Lonely
6:Break Free
7:Sweet & Sour
8:It's All For Us
9:ASH ft.Vaundy

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン