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長濱ねる「苦しいけど目が離せなかった」いじめや受験の重圧を描いた映画を紹介

長濱ねる「苦しいけど目が離せなかった」いじめや受験の重圧を描いた映画を紹介

ハリー杉山と長濱ねるが、気になる映画ニュースや映画『少年の君』の魅力を語り合った。

トークが繰り広げられたのは、ふたりがナビゲーターを務める、J-WAVEで放送中の番組『POP OF THE WORLD』のワンコーナー「DOGA FOR YA!」。ここでは2月12日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

アカデミー賞ノミネート作品をチェック!

第94回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。最高賞である作品賞に名を連ねたのは、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、『ドント・ルック・アップ』、『DUNE/デューン 砂の惑星』、『コーダ あいのうた』、『ウエスト・サイド・ストーリー』、『ベルファスト』、そして濱口竜介監督作品『ドライブ・マイ・カー』。

『ドライブ・マイ・カー』は監督賞や脚色賞、国際長編映画賞にもノミネートされている。ちなみに、監督賞に日本人がノミネートされたのは3人目で、巨匠・黒澤 明監督以来36年ぶり。日本人監督作品の作品賞ノミネートは史上初の快挙。2020年にポン・ジュノ監督の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』、2021年に中国出身クロエ・ジャオ監督の映画『ノマンドランド』と、アジア系の監督による作品が連続でアカデミー賞を受賞しており、今年は濱口竜介監督にスポットが当たっている。

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長濱:Netflixオリジナル作品が合計10作品、27部門ノミネートしています。
ハリー:Netflixの勢いがすさまじい!
長濱:Netflixオリジナルも本当に完成度が高くて、普通の映画館で観たい映画ばかりです。ほかにも、主演女優賞ノミネート作品に作品賞ノミネート作品の出演者がいなかったりとか、けっこうバラけていますね。
ハリー:面白い。
長濱:ちなみに作品賞にノミネートされている『コーダ あいのうた』は、耳の聞こえない家族のなかに生まれた、耳が聞こえる女の子の物語です。ろうあの家族を演じるのは実際に聴覚障害を持った俳優さんたちで、今回、助演男優賞に主人公ルビーのお父さんを演じたトロイ・コッツァーがノミネート。男性のろう俳優がアカデミー賞にノミネートされたのはこれが初めてで、英国アカデミー賞にもノミネートされました。トロイ・コッツァーが、発表された瞬間に喜びすぎて椅子から転げ落ちた動画も話題になっています。
ハリー:かわいらしいですよね。
長濱:この作品もチェックしようと思います。

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いじめや受験、さまざまな問題を描いた作品

続いて映画『少年の君』を紹介。香港出身の俳優デレク・ツァンが監督を務め、日本では2021年に公開された。第93回アカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされるなど話題になった。

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長濱は「2022年に観た映画でいちばん好き」と語る。

長濱:学校が舞台で、進学校に通う高校3年生のチェン・ニェンという少女が主人公です。大学入試を控えて殺伐とした校内でいじめが行われていて、同級生がいじめを苦に飛び降り自殺をしてしまうところから始まります。中国は世界的に話題になるhodo 白熱した大学入試が行われていて、それに向けてひたすら静かに勉強していたチェン・ニェンが新たないじめの標的になってしまうんですよね。そのチェン・ニェンと不良少年シャオベイが出会い、孤独を抱えたふたりが次第に心を通わせていく様子を描いた作品です。

リスナーからは、「主人公ふたりの寂しくも強い絆に号泣。いじめと受験の重圧から子どもたちを守ってあげないといけないなと感じました」「衝撃的なシーンが多くて、一度観るのを中断しました。それくらいリアリティがある作品です」などのメッセージが寄せられた。

長濱もリスナーからの感想に同意し、「観ていて苦しい作品だが、目が離せなかった」という。

長濱:主人公の女の子は中国では「13億人の妹」の愛称で親しまれる人気女優チョウ・ドンユイさん。30歳なんですけど、高校3年生にも見えるし大人にも見えてすごかったです。特に表情がすごく好きでした。また、映画の画角やカット割りもすごく好き。泣き顔を真下から撮ったり、とても面白い撮り方をしていました。

「いじめって学校や職場など、どんなところでも起こってしまうことだけど、その場にいると、いじめている人、いじめられている人、見ている人、その世界しかないと思ってしまう」と、長濱はこう話す。

長濱:「ここがすべてだ」って思ってしまう。でも本当は絶対にそんなことないし、辞めたっていいし、逃げたっていい。自分の命を守ることだけを考えて、それ以外のことなら何してもいいと私はすごく思っていて……。
ハリー:そういうふうに考えていいんだよって、この作品を観ると感じるのかな。それとも、いじめ独特の圧迫感、どこにも逃げ場のない空間になってしまう窮屈感が伝わってくる?
長濱:そうですね。この映画ではいじめのほかにも、ストリートチルドレン、貧困、熾烈な受験戦争、いろんな問題が絡み合っています。中国では大学を出ているとその後の人生もすごく変わってくるので、この主人公は貧しい生活からも学校の窮屈ないじめからも、受験さえ合格したら抜け出せるんだ、自由が手に入れられるんだという思いで淡々と頑張っていて、その現実にも「うっ」となってしまいました。それ以外にも本当はもっと逃げ出せるタイミングがあって、逃げ出していいんだよって思ったんですけど、でも逃げ出したらその子の人生は全然違うものになってしまう現実があるのかと思ったら、すごくもどかしくて。とても難しいけど、好きな映画でした。

さらに長濱は、作中の2つのおすすめポイントを紹介する。

長濱:1時間5分28秒の女の子の笑顔がすごく好きでした。あと観た人はみんな好きなのかなと思うんですけど、1時間59分44秒の最後にふたりが無言で見つめ合うすごく長いシーン。そこはぜひ観てほしいなと思います。この映画は多くの人に観てほしいので、まだ観ていない人はぜひチェックしてみてください。
ハリー:観たいと思います。僕、中国に1年以上住んでいて、まさに大学だったから、受験が中国の方にとってどれだけ精神的プレッシャーなのかをよく知っています。

『POP OF THE WORLD』の「DOGA FOR YA!」では、話題の洋画や海外ドラマから毎週1作品をピックアップして紹介。その作品の魅力や、文化的背景について語る。放送は毎週土曜日7時5分頃から。

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2022年2月19日28時59分まで

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