音楽プロデューサー/ベーシストの亀田誠治と男性ボーカルユニット・CHEMISTRYの堂珍嘉邦が、J-WAVEで対談。代表曲のリメイク5曲を含むCHEMISTRYの20周年記念ベストアルバム『The Best & More 2001~2022』を聴きながら、過去の楽曲を再録する上でのこだわりや、長くアーティスト活動を続ける意義などについて語り合った。
二人が対談したのは、亀田がナビゲートする番組『SPRING VALLEY MY CRAFT TIME』(月曜~木曜 21:50-22:00)。毎週ゲストが1枚のアルバムを携えて登場。キリンのクラフトビール「スプリングバレー 豊潤<496>」を亀田と飲みながら、音楽やライフスタイル、こだわりなどを語る番組だ。
【オンエア日:2021年1月24日から1月27日】
堂珍:今作は、CHEMISTRY結成20周年をお祝いする中で、「ベストアルバムは出したい」というところから始まったのですが、ぶっちゃけて言うとすごく選曲が大変で。フラットな気持ちで選んでみたら、過去に発売した5周年と10周年のベスト盤と被っていたりしました。
亀田:被るよね、そりゃ(笑)。
堂珍:そんなわけで色々悩みましたね。
アルバムに収録されたのは、昨年10月から12月にかけて配信リリースされた代表曲のリメイクバージョン5曲とその原曲5曲。堂珍が相棒の川畑 要とともに「それぞれが思う自分の中のベストを忖度なしに選んだ」という隠れた名曲も含まれているとのことだ。さらに初回限定盤には、20周年ツアー「CHEMISTRY 20th anniversary Tour」の第1章、第2章、第3章のライブ映像をすべて網羅したBlu-ray DISCが付属する。
堂珍:そんなふうに今の“リアル・CHEMISTRY”をお伝えしようということで構成されております。
亀田:なるほど。今回のリメイクは、origami PRODUCTIONSと一緒に作られていますよね。今をときめく令和のサウンドフラッグシップみたいな集団じゃないですか。
堂珍:そうですね。 20年間ずっと歌い続ける中で、ボーカリストとして色々な変化がありました。だからこそ今の自分たちの声を、origami PRODUCTIONSの方々とともに収録したいと思ったんです。
亀田:えっ、歌い直した?
堂珍:もちろんです。
亀田:それはめちゃくちゃチャレンジングですね!
リメイク曲の製作過程で、音楽製作チーム・origami PRODUCTIONSのクリエイター陣に対し、何か要望を伝えたことはあったのか。亀田が質問すると、堂珍からは率直な答えが返ってきた。
堂珍:僕はほとんど口を出していません。注文はなかったですね。
亀田:なるほど。「注文がない」というのは、堂珍さんが、CHEMISTRYが常に心を開いているからだと思います。そうじゃないと、どこか気になってリクエストしたり、重箱の隅をつつきたくなるんだけど、ボーカリストとして、今の自分を見せたいという気持ちのほうが強いんじゃないかな。歌い直す意味がすごくあるような気がします。
堂珍:ありがとうございます。
亀田:最新の自分を届けていきたいという思いが潔い。アーティスト・表現者としての良心だね。
亀田:アルバムの一番の売りであるオリジナルとリメイク。僭越ながら、このラジオの電波を使って聴き比べちゃってもいいですか?
堂珍:おぉ! ほんとですか? 聴き比べていただいたことってあまりないので、めちゃくちゃうれしいです!
亀田:どの曲がわかりやすいですか?
堂珍:やっぱりデビュー曲ですかね。
デビュー曲『PIECES OF A DREAM』のオリジナルバージョンが流れると、亀田は「懐かしい~」と思わず声を上げる。
堂珍:えっ、待ってください。亀田さん、懐かしいと思うんですか?
亀田:懐かしい! だって、すごい人たちが出てきたと思ったもん。本当に男性R&Bの一番整った“ズバ! ズバ!”ですよ!
堂珍:いやいやいや(笑)。
続いては、リミックスバージョン。音楽プロデューサー・mabanuaが手掛けた軽快なサウンドが鳴り響く。
堂珍:今回はorigami PRODUCTIONSの方々とCHEMISTRYの曲を5曲リメイクしていく中で、1人1曲という感じだったんです。mabanuaさんはその中でも、一番ファンキーに仕上げていただきました。
亀田:自分で楽器をプレイなさる方のグルーブがありますよね。
堂珍:はい。自然と身体が動く感じでリメイクしていただいたので、自分たちのライブにおける『PIECES OF A DREAM』の位置づけが盛り上がる楽曲というイメージに変わりました。
亀田:20年間歌ってきた曲でしょ?それは進化していくじゃないですか。トラックでちゃんと今に背中押されている感じがめっちゃ伝わってきます。フレッシュなスイング感みたいなものを感じる。もしかしたら、mabanuaさんが誘い水で、グループを仕込んだのかもしれないね。
堂珍:これはもう、mabanuaマジック……いや、mabanua汁ですね(笑)。
ここからは、堂珍の音楽的ルーツとなったアーティストの話題へと移っていく。
亀田:実はCHEMISTRYのほかにアルバムを一枚選んできていただきました。それは何でしょうか?
堂珍: 90年代に活躍したジェフ・バックリィの『Grace』です。言ってみれば、彼はこのオリジナルアルバム1枚で終わっているわけで。
亀田:30歳で早くして亡くなられたんですよね。
堂珍:そうなんです。僕が東京に出てきてたくさんの音楽に触れていた時、ジェフ・バックリィがレナード・コーエンの楽曲『ハレルヤ』を歌っている映像を観て泣けたことがあって。「この感情は何なんだろう?」ってすごく気にするようになり、そこから “ジェフ・バックリィ沼”に陥っていきました。
「歌い手としての叫びみたいなところが一番グッと来た」と、ジェフ・バックリィの魅力を熱く語る堂珍。なおも、憧れのアーティストにまつわる話は尽きない。
堂珍:僕がソロで活動をしていた頃、バンドメンバーにジェフの来日公演を観に行ったことがあるベーシストがいたんですけど、当時のエピソードを聞いて「だよね」と納得しました。ライブが終わった直後、みんな圧倒されてシーンとしちゃったらしいんです。そういう心を抉られる何かがあったんだろうなと思うんですよね。表現者としても、ボーカリストとしても、どうやったらその領域に行けるんだろうと、単純な興味があります。
亀田:ジェフ・バックリィって、ギリギリを生きてるみたいなところがありましたよね。
堂珍:その境地をすごく知りたくて。彼の楽曲をカバーしたりしてみたのですが、その土俵にすら上がれない。そう思いながらも、今でも脳裏にジェフ・バックリィがよぎることがたくさんあるんです。
亀田:ミュージックマジックというか、本当の意味での音楽の力を、堂珍さんのお話を聞いて感じました。色んな意味でグサッときているんですね。
堂珍:タイトルが「PIECES OF A DREAM」ということで。
亀田:かっこいい!ここは原点回帰して…みたいな。さすがだなぁ~。
堂珍:ハハハハ(笑)。
亀田:このライブでは、集大成という意味で全部やっちゃう感じ?
堂珍:そうですね。バルーンの中から登場するか、天井から出てくるかわかりませんが(笑)。やはり、20周年のプロジェクトでやってきたことの集大成を、自分としてもCHEMISTRYとしても、そして、ずっと応援していいただいているファンの方にとっても納得するライブにしたいという気持ちでいます。
亀田:たとえば、20年前にCHEMISTRYを好きになったファンの方は20年の年月を重ねているわけじゃないですか。もしかしたら、そのお子さんが新しく今のCHEMISTRYのファンになるかもしれない。そう考えると、この20年は時の流れとして豊かですよね。
堂珍:当時20歳のOLさんがもう40歳になって、お子さんもいるということもあり得るわけですからね。でも、周年のお祭りだから、少し“毒”というか。凝ったことも入れつつ、みんなが楽しめることも入れつつやれたらと考えています。
亀田:僕も観に行きたいですね。
堂珍:ぜひぜひ!遊びに来ていただければ。
1月31日(月)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220131215000
2月1日(火)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220201215000
2月2日(水)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220202215000
2月3日(木)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220203215000
■『SPRING VALLEY MY CRAFT TIME』公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/mycrafttime/
(構成:小島浩平)
二人が対談したのは、亀田がナビゲートする番組『SPRING VALLEY MY CRAFT TIME』(月曜~木曜 21:50-22:00)。毎週ゲストが1枚のアルバムを携えて登場。キリンのクラフトビール「スプリングバレー 豊潤<496>」を亀田と飲みながら、音楽やライフスタイル、こだわりなどを語る番組だ。
【オンエア日:2021年1月24日から1月27日】
堂珍の表現者としての「潔さ」
まずはビールで乾杯。リラックスした雰囲気の中、ベストアルバム『The Best & More 2001~2022』について深堀りしていく。堂珍:今作は、CHEMISTRY結成20周年をお祝いする中で、「ベストアルバムは出したい」というところから始まったのですが、ぶっちゃけて言うとすごく選曲が大変で。フラットな気持ちで選んでみたら、過去に発売した5周年と10周年のベスト盤と被っていたりしました。
亀田:被るよね、そりゃ(笑)。
堂珍:そんなわけで色々悩みましたね。
アルバムに収録されたのは、昨年10月から12月にかけて配信リリースされた代表曲のリメイクバージョン5曲とその原曲5曲。堂珍が相棒の川畑 要とともに「それぞれが思う自分の中のベストを忖度なしに選んだ」という隠れた名曲も含まれているとのことだ。さらに初回限定盤には、20周年ツアー「CHEMISTRY 20th anniversary Tour」の第1章、第2章、第3章のライブ映像をすべて網羅したBlu-ray DISCが付属する。
堂珍:そんなふうに今の“リアル・CHEMISTRY”をお伝えしようということで構成されております。
亀田:なるほど。今回のリメイクは、origami PRODUCTIONSと一緒に作られていますよね。今をときめく令和のサウンドフラッグシップみたいな集団じゃないですか。
堂珍:そうですね。 20年間ずっと歌い続ける中で、ボーカリストとして色々な変化がありました。だからこそ今の自分たちの声を、origami PRODUCTIONSの方々とともに収録したいと思ったんです。
亀田:えっ、歌い直した?
堂珍:もちろんです。
亀田:それはめちゃくちゃチャレンジングですね!
リメイク曲の製作過程で、音楽製作チーム・origami PRODUCTIONSのクリエイター陣に対し、何か要望を伝えたことはあったのか。亀田が質問すると、堂珍からは率直な答えが返ってきた。
堂珍:僕はほとんど口を出していません。注文はなかったですね。
亀田:なるほど。「注文がない」というのは、堂珍さんが、CHEMISTRYが常に心を開いているからだと思います。そうじゃないと、どこか気になってリクエストしたり、重箱の隅をつつきたくなるんだけど、ボーカリストとして、今の自分を見せたいという気持ちのほうが強いんじゃないかな。歌い直す意味がすごくあるような気がします。
堂珍:ありがとうございます。
亀田:最新の自分を届けていきたいという思いが潔い。アーティスト・表現者としての良心だね。
亀田が感じた『PIECES OF A DREAM』の衝撃
アルバムの特筆すべき点は、代表曲のオリジナルバージョンとそのリメイクバージョンが両方収録されているところだ。そこで亀田から堂珍へ、ある提案がされた。亀田:アルバムの一番の売りであるオリジナルとリメイク。僭越ながら、このラジオの電波を使って聴き比べちゃってもいいですか?
堂珍:おぉ! ほんとですか? 聴き比べていただいたことってあまりないので、めちゃくちゃうれしいです!
亀田:どの曲がわかりやすいですか?
堂珍:やっぱりデビュー曲ですかね。
CHEMISTRY 『PIECES OF A DREAM』MV
堂珍:えっ、待ってください。亀田さん、懐かしいと思うんですか?
亀田:懐かしい! だって、すごい人たちが出てきたと思ったもん。本当に男性R&Bの一番整った“ズバ! ズバ!”ですよ!
堂珍:いやいやいや(笑)。
続いては、リミックスバージョン。音楽プロデューサー・mabanuaが手掛けた軽快なサウンドが鳴り響く。
CHEMISTRY 『PIECES OF A DREAM feat. mabanua』MV
亀田:自分で楽器をプレイなさる方のグルーブがありますよね。
堂珍:はい。自然と身体が動く感じでリメイクしていただいたので、自分たちのライブにおける『PIECES OF A DREAM』の位置づけが盛り上がる楽曲というイメージに変わりました。
亀田:20年間歌ってきた曲でしょ?それは進化していくじゃないですか。トラックでちゃんと今に背中押されている感じがめっちゃ伝わってきます。フレッシュなスイング感みたいなものを感じる。もしかしたら、mabanuaさんが誘い水で、グループを仕込んだのかもしれないね。
堂珍:これはもう、mabanuaマジック……いや、mabanua汁ですね(笑)。
「土俵にすら上がれない」堂珍が語る伝説のアーティスト
ここからは、堂珍の音楽的ルーツとなったアーティストの話題へと移っていく。
亀田:実はCHEMISTRYのほかにアルバムを一枚選んできていただきました。それは何でしょうか?
堂珍: 90年代に活躍したジェフ・バックリィの『Grace』です。言ってみれば、彼はこのオリジナルアルバム1枚で終わっているわけで。
亀田:30歳で早くして亡くなられたんですよね。
堂珍:そうなんです。僕が東京に出てきてたくさんの音楽に触れていた時、ジェフ・バックリィがレナード・コーエンの楽曲『ハレルヤ』を歌っている映像を観て泣けたことがあって。「この感情は何なんだろう?」ってすごく気にするようになり、そこから “ジェフ・バックリィ沼”に陥っていきました。
「歌い手としての叫びみたいなところが一番グッと来た」と、ジェフ・バックリィの魅力を熱く語る堂珍。なおも、憧れのアーティストにまつわる話は尽きない。
堂珍:僕がソロで活動をしていた頃、バンドメンバーにジェフの来日公演を観に行ったことがあるベーシストがいたんですけど、当時のエピソードを聞いて「だよね」と納得しました。ライブが終わった直後、みんな圧倒されてシーンとしちゃったらしいんです。そういう心を抉られる何かがあったんだろうなと思うんですよね。表現者としても、ボーカリストとしても、どうやったらその領域に行けるんだろうと、単純な興味があります。
亀田:ジェフ・バックリィって、ギリギリを生きてるみたいなところがありましたよね。
堂珍:その境地をすごく知りたくて。彼の楽曲をカバーしたりしてみたのですが、その土俵にすら上がれない。そう思いながらも、今でも脳裏にジェフ・バックリィがよぎることがたくさんあるんです。
亀田:ミュージックマジックというか、本当の意味での音楽の力を、堂珍さんのお話を聞いて感じました。色んな意味でグサッときているんですね。
20年の豊かな時の流れが紡ぐ集大成のライブ
CHEMISTRYは2月23日、日本武道館でデビュー20周年記念ライブプロジェクトの集大成となる一夜限りのスペシャルライブ「CHEMISTRY 20th anniversary LIVE最終章『PIECES OF A DREAM』」を控えている。詳細はCHEMISTRYの公式サイトまで。堂珍:タイトルが「PIECES OF A DREAM」ということで。
亀田:かっこいい!ここは原点回帰して…みたいな。さすがだなぁ~。
堂珍:ハハハハ(笑)。
亀田:このライブでは、集大成という意味で全部やっちゃう感じ?
堂珍:そうですね。バルーンの中から登場するか、天井から出てくるかわかりませんが(笑)。やはり、20周年のプロジェクトでやってきたことの集大成を、自分としてもCHEMISTRYとしても、そして、ずっと応援していいただいているファンの方にとっても納得するライブにしたいという気持ちでいます。
亀田:たとえば、20年前にCHEMISTRYを好きになったファンの方は20年の年月を重ねているわけじゃないですか。もしかしたら、そのお子さんが新しく今のCHEMISTRYのファンになるかもしれない。そう考えると、この20年は時の流れとして豊かですよね。
堂珍:当時20歳のOLさんがもう40歳になって、お子さんもいるということもあり得るわけですからね。でも、周年のお祭りだから、少し“毒”というか。凝ったことも入れつつ、みんなが楽しめることも入れつつやれたらと考えています。
亀田:僕も観に行きたいですね。
堂珍:ぜひぜひ!遊びに来ていただければ。
番組ゲストに宮崎美子が出演中
J-WAVE『SPRING VALLEY MY CRAFT TIME』は、月曜から木曜の21:50-22:00オンエア。1月31日(月)~2月3日(木)のゲストは宮崎美子。放送から一週間後までradikoでも聴くことができる。1月31日(月)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220131215000
2月1日(火)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220201215000
2月2日(水)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220202215000
2月3日(木)OA:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220203215000
■『SPRING VALLEY MY CRAFT TIME』公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/mycrafttime/
(構成:小島浩平)
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番組情報
- SPRING VALLEY MY CRAFT TIME
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月曜日から木曜日21:50-22:00
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亀田誠治