J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。
ここでは、「世界の最新ダンスビート!」をテーマに、アーティスト/プロデューサーのXLIIをゲストに迎えた回をテキストで紹介する。オンエアは3月3日(水)。
【SONAR MUSICは番組公式LINEでも情報発信中! 登録はコチラ】
ゲストには、20歳から日本に拠点を置き活動しているアーティスト/プロデューサーのXLIIが登場。活動の場は日本国内に留まらず、世界20カ国以上を回っている。ULTRA JAPANやULTRA KOREAを始め、ヨーロッパやアジアの様々なフェスやクラブを回って、世界を躍らせるインデペンデントアーティスト。プロデューサーとしても、幅広いジャンルに楽曲を提供し、ユニークなスタイルとキャッチーなサウンドで楽曲を生み出している。
あっこゴリラ:まず紹介してくれるのはどんなシーンですか?
XLII:ロンドンで2016~2017年頃から流行ったAfro Swing/Afro Bashmentシーン。アフリカの雰囲気があるんだけど、やっぱりヨーロッパだなって感じ。というのも、その直前に西アフリカのナイジェリアから出てたAfrobeatsの音に影響受けて、ロンドンのGrime/ラップ文化と混ざりつつ生まれたUK中心ジャンルです。
あっこゴリラ:では、そのAfro Swing/Afro Bashmentシーンから1曲紹介してください!
XLII:Afro Swing/Afro Bashmentシーンの初ヒット曲『Did You See』です。この曲を生んだのがJ Hus。彼はまだ20代前半ですが、ある意味このシーンのゴッドファザーです。
【J Hus『Did You See』を聴く】
あっこゴリラ:Afro Swing/Afro Bashmentシーンについてもう少し詳しく教えてほしいんですけど。
XLII:R&BよりのメロディアスなAfro Swing、ヒップホップよりのラップ強めなAfro Bashmentなんですけど、音のレンジが広く、レゲエの雰囲気もあります。最近、一世代先を走っていた、もっとアグレッシブなGrimeもAfro系の人たちとコラボしはじめて、アメリカや日本でも人気が出てグローバルジャンルになりました。去年全てのチャートを取ったStormzyとEd SheeranとBurna Boyのコラボ『Own It』もその一つです。
あっこゴリラ:StormzyがGrimeをこんなにグローバルにしたともいえますよね。ほかに注目するアーティストはいますか?
XLII:新世代のAfro Bashment系アーティストといえるPa SalieuやGrimeの雰囲気が強いBackRoadGeeなど。
あっこゴリラ:そんなAfro Swing/Afro BashmentシーンのビートをXLIIの作品に落とし込んだ曲ってあるの?
XLII:2年前くらいにAfro Bashmentを日本にもってきたくて、僕がめっちゃ好きなレゲエのヴォーカリストのAPOLLOに頼んで、日本のAfro Bashmentを作ってみた。その曲が『ATSUMARE PEOPLE』です。
【XLII feat. APOLLO『ATSUMARE PEOPLE』を聴く】
あっこゴリラ:次に紹介してくれるのはどんなシーンですか?
XLII:なんていうシーンかはまだ名前がないんですけど、もともと西アフリカのポルトガル語系国アンゴラにずっと存在していた「クドゥロ」に影響を受けた、色んなジャンルやシーンと混ざったようなジャンルです。ポルトガルのリスボンやアムステルダム出身アーティストが多いです。
あっこゴリラ:おもしろ~い! ヨーロッパでミックスされたクドゥロみたいな?
XLII:そうそうそう。
あっこゴリラ:そんなポルトガルのリスボンから出てきたアーティストは?
XLII:10年前くらいに日本でもかなり人気あったBuraka Som Sistemaが初めてこのジャンルを世界に見せてから、若いプロデューサーがたくさん生まれました。本格的にクドゥロを手掛けていたDJ N.K.をはじめ、この数年若い世代のDotorado ProやDJ Marfox中心のレーベル「Principe」など、すごく生き生きしていておもしろいシーンです。
あっこゴリラ:では、そのシーンからおすすめの曲を1曲紹介してください!
XLII:アムステルダム出身、Sam Blansの『Shout Out Gaia Beat』です。Sam Blansが、アンゴラ出身のGaia Beatの生々しい音に影響を受けて作った曲で、Gaia Beatが好きすぎてタイトルに付けちゃったっていう(笑)。
【Sam Blans『Shout Out Gaia Beat』を聴く】
あっこゴリラ:同じアンゴラの「クドゥロ」ってジャンルに影響を受けたってことだけど、リスボンとアムステルダムの違いって?
XLII:アムスの方がちょっとポップス。明るめで、世界的にもヒットを生んでる。リスボンは、もう本当に深くてめちゃめちゃ暗い。
あっこゴリラ:なるほど~。ほかにも、アムスで注目のアーティストっていますか?
XLII:完全にこのシーンとはいえないけど、このシーンのすぐ隣にいるAfro Brosというプロデューサーチーム。クドゥロをちょっと遅くしたみたいな感じ。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)確かに遅いね。
XLII:この人たちはラテングラミーも獲っていて、この数年でレゲトンやラテンジャンルでグローバルヒットをたくさん生んで大成功しています。アムスは今、けっこうこういう音が大きいですね。
あっこゴリラ:ほかには?
XLII:リスボンに戻って、Pedroです。Pedroはもともとキングコングっていう名前でやってて、クドゥロを世界に紹介した人たちの弟子になります。
【Pedro『Drenas』を聴く】
あっこゴリラ:続いて紹介してくれるジャンルは?
XLII:これなんて呼べばいいかわからないですけど、10年くらい前からこういう音にずっとハマってて、なんて検索したら出てくるかわからないけど聴いたらこれってわかるみたいな(笑)。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)かっこいい~! これって、どこの国とかあるんですか?
XLII:国も決まってなくて、Bass House、Electro、Bass Music、Techno、EDMなどいろんなジャンルのアーティストがたまにこういう音を出してて。本当に遅くて、暗くて、エネルギーがすごい4つ打ち。
あっこゴリラ:例えばどんな曲がありますか?
XLII:Coka Cobraの『Drop This』とか。でも正直このCoka Cobraって全然知らない(笑)。ただこういう感じの曲を探したときに見つけて。でもほかの曲は全然こういう感じじゃなかった。
あっこゴリラ:そうなんだ~。あはははは。おもしろい。XLII的には、このサウンドをなんて呼んでるの?
XLII:自分なりに「Slow Bass House」って呼び方してる。
あっこゴリラ:おお~! ぴったりだね。ちなみにこのサウンドとの出会いは?
XLII:10年前くらいにベルギーのプロデューサー、Gesaffelsteinの『Viol』っていう曲で初めてこの雰囲気に出会って一目惚れしました。
【Gesaffelstein『Viol』を聴く】
あっこゴリラ:ロシアの音楽シーンは、どういうサウンドが特徴なんですか?
XLII:この数年のロシアン音楽シーンはめちゃくちゃおもしろくて、特にいま一番注目してるのが、「Hardbass」っていうジャンル。何がおもしろいかって、全くカッコつけてなくて、ラッパーもダンスミュージックも何もかもみんなふざけてやってるところ。本当にネタだらけ過ぎて、掘れば掘るほど爆笑しかないです。そういう意味で、音っていうより、やり方が好き。ぜひMVと一緒に聴いてほしい。
【DJ Blyatman『Kamaz』を聴く】
あっこゴリラ:ロシアのHardbassシーンのおもしろさとは?
XLII:日本ではそこまで知られてないけど、YouTube上では「Only In Russia」や「Gopnik」、「Slav Squat」、「Russian Road Rage」などロシアのドライブレコやクレイジーステレオタイプは人気の検索ネタになってるんです。
あっこゴリラ:へえ~。
XLII:例えば「Gopnik」は強盗屋ですけど、服装やヤンキー座りが世界的に話題になっていたり、そういうロシアのネガティブステレオタイプのキーワードを使って、海外オーディエンス向けの中途半端な英語やふざけたMVで爆テンションのレイブミュージックを出しているところがおもしろい。本当にサブカルっぽくて、今までにないフレッシュな風を感じてます。音楽は本当におかしいですけど(笑)。
【Turbo Pushka『Deti Rave』を聴く】
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
ここでは、「世界の最新ダンスビート!」をテーマに、アーティスト/プロデューサーのXLIIをゲストに迎えた回をテキストで紹介する。オンエアは3月3日(水)。
【SONAR MUSICは番組公式LINEでも情報発信中! 登録はコチラ】
ロンドンで流行ったAfro Swing/Afro Bashmentシーン
いま、世界でどんなビートが生まれているのか。番組では、世界のダンスミュージックシーンを深掘りした。ゲストには、20歳から日本に拠点を置き活動しているアーティスト/プロデューサーのXLIIが登場。活動の場は日本国内に留まらず、世界20カ国以上を回っている。ULTRA JAPANやULTRA KOREAを始め、ヨーロッパやアジアの様々なフェスやクラブを回って、世界を躍らせるインデペンデントアーティスト。プロデューサーとしても、幅広いジャンルに楽曲を提供し、ユニークなスタイルとキャッチーなサウンドで楽曲を生み出している。
あっこゴリラ:まず紹介してくれるのはどんなシーンですか?
XLII:ロンドンで2016~2017年頃から流行ったAfro Swing/Afro Bashmentシーン。アフリカの雰囲気があるんだけど、やっぱりヨーロッパだなって感じ。というのも、その直前に西アフリカのナイジェリアから出てたAfrobeatsの音に影響受けて、ロンドンのGrime/ラップ文化と混ざりつつ生まれたUK中心ジャンルです。
あっこゴリラ:では、そのAfro Swing/Afro Bashmentシーンから1曲紹介してください!
XLII:Afro Swing/Afro Bashmentシーンの初ヒット曲『Did You See』です。この曲を生んだのがJ Hus。彼はまだ20代前半ですが、ある意味このシーンのゴッドファザーです。
【J Hus『Did You See』を聴く】
あっこゴリラ:Afro Swing/Afro Bashmentシーンについてもう少し詳しく教えてほしいんですけど。
XLII:R&BよりのメロディアスなAfro Swing、ヒップホップよりのラップ強めなAfro Bashmentなんですけど、音のレンジが広く、レゲエの雰囲気もあります。最近、一世代先を走っていた、もっとアグレッシブなGrimeもAfro系の人たちとコラボしはじめて、アメリカや日本でも人気が出てグローバルジャンルになりました。去年全てのチャートを取ったStormzyとEd SheeranとBurna Boyのコラボ『Own It』もその一つです。
あっこゴリラ:StormzyがGrimeをこんなにグローバルにしたともいえますよね。ほかに注目するアーティストはいますか?
XLII:新世代のAfro Bashment系アーティストといえるPa SalieuやGrimeの雰囲気が強いBackRoadGeeなど。
あっこゴリラ:そんなAfro Swing/Afro BashmentシーンのビートをXLIIの作品に落とし込んだ曲ってあるの?
XLII:2年前くらいにAfro Bashmentを日本にもってきたくて、僕がめっちゃ好きなレゲエのヴォーカリストのAPOLLOに頼んで、日本のAfro Bashmentを作ってみた。その曲が『ATSUMARE PEOPLE』です。
【XLII feat. APOLLO『ATSUMARE PEOPLE』を聴く】
西アフリカ・アンゴラ共和国の「クドゥロ」に影響を受けたジャンル
引き続き、XLIIが超最前線の世界のダンスミュージックシーンを紹介してくれた。あっこゴリラ:次に紹介してくれるのはどんなシーンですか?
XLII:なんていうシーンかはまだ名前がないんですけど、もともと西アフリカのポルトガル語系国アンゴラにずっと存在していた「クドゥロ」に影響を受けた、色んなジャンルやシーンと混ざったようなジャンルです。ポルトガルのリスボンやアムステルダム出身アーティストが多いです。
あっこゴリラ:おもしろ~い! ヨーロッパでミックスされたクドゥロみたいな?
XLII:そうそうそう。
あっこゴリラ:そんなポルトガルのリスボンから出てきたアーティストは?
XLII:10年前くらいに日本でもかなり人気あったBuraka Som Sistemaが初めてこのジャンルを世界に見せてから、若いプロデューサーがたくさん生まれました。本格的にクドゥロを手掛けていたDJ N.K.をはじめ、この数年若い世代のDotorado ProやDJ Marfox中心のレーベル「Principe」など、すごく生き生きしていておもしろいシーンです。
あっこゴリラ:では、そのシーンからおすすめの曲を1曲紹介してください!
XLII:アムステルダム出身、Sam Blansの『Shout Out Gaia Beat』です。Sam Blansが、アンゴラ出身のGaia Beatの生々しい音に影響を受けて作った曲で、Gaia Beatが好きすぎてタイトルに付けちゃったっていう(笑)。
【Sam Blans『Shout Out Gaia Beat』を聴く】
あっこゴリラ:同じアンゴラの「クドゥロ」ってジャンルに影響を受けたってことだけど、リスボンとアムステルダムの違いって?
XLII:アムスの方がちょっとポップス。明るめで、世界的にもヒットを生んでる。リスボンは、もう本当に深くてめちゃめちゃ暗い。
あっこゴリラ:なるほど~。ほかにも、アムスで注目のアーティストっていますか?
XLII:完全にこのシーンとはいえないけど、このシーンのすぐ隣にいるAfro Brosというプロデューサーチーム。クドゥロをちょっと遅くしたみたいな感じ。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)確かに遅いね。
XLII:この人たちはラテングラミーも獲っていて、この数年でレゲトンやラテンジャンルでグローバルヒットをたくさん生んで大成功しています。アムスは今、けっこうこういう音が大きいですね。
あっこゴリラ:ほかには?
XLII:リスボンに戻って、Pedroです。Pedroはもともとキングコングっていう名前でやってて、クドゥロを世界に紹介した人たちの弟子になります。
【Pedro『Drenas』を聴く】
あっこゴリラ:続いて紹介してくれるジャンルは?
XLII:これなんて呼べばいいかわからないですけど、10年くらい前からこういう音にずっとハマってて、なんて検索したら出てくるかわからないけど聴いたらこれってわかるみたいな(笑)。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)かっこいい~! これって、どこの国とかあるんですか?
XLII:国も決まってなくて、Bass House、Electro、Bass Music、Techno、EDMなどいろんなジャンルのアーティストがたまにこういう音を出してて。本当に遅くて、暗くて、エネルギーがすごい4つ打ち。
あっこゴリラ:例えばどんな曲がありますか?
XLII:Coka Cobraの『Drop This』とか。でも正直このCoka Cobraって全然知らない(笑)。ただこういう感じの曲を探したときに見つけて。でもほかの曲は全然こういう感じじゃなかった。
あっこゴリラ:そうなんだ~。あはははは。おもしろい。XLII的には、このサウンドをなんて呼んでるの?
XLII:自分なりに「Slow Bass House」って呼び方してる。
あっこゴリラ:おお~! ぴったりだね。ちなみにこのサウンドとの出会いは?
XLII:10年前くらいにベルギーのプロデューサー、Gesaffelsteinの『Viol』っていう曲で初めてこの雰囲気に出会って一目惚れしました。
【Gesaffelstein『Viol』を聴く】
ロシアの音楽シーンがアツい!「Hardbass」とは?
最後のパートで、XLIIさんが紹介してくれるのはロシアの音楽シーン。あっこゴリラ:ロシアの音楽シーンは、どういうサウンドが特徴なんですか?
XLII:この数年のロシアン音楽シーンはめちゃくちゃおもしろくて、特にいま一番注目してるのが、「Hardbass」っていうジャンル。何がおもしろいかって、全くカッコつけてなくて、ラッパーもダンスミュージックも何もかもみんなふざけてやってるところ。本当にネタだらけ過ぎて、掘れば掘るほど爆笑しかないです。そういう意味で、音っていうより、やり方が好き。ぜひMVと一緒に聴いてほしい。
【DJ Blyatman『Kamaz』を聴く】
あっこゴリラ:ロシアのHardbassシーンのおもしろさとは?
XLII:日本ではそこまで知られてないけど、YouTube上では「Only In Russia」や「Gopnik」、「Slav Squat」、「Russian Road Rage」などロシアのドライブレコやクレイジーステレオタイプは人気の検索ネタになってるんです。
あっこゴリラ:へえ~。
XLII:例えば「Gopnik」は強盗屋ですけど、服装やヤンキー座りが世界的に話題になっていたり、そういうロシアのネガティブステレオタイプのキーワードを使って、海外オーディエンス向けの中途半端な英語やふざけたMVで爆テンションのレイブミュージックを出しているところがおもしろい。本当にサブカルっぽくて、今までにないフレッシュな風を感じてます。音楽は本当におかしいですけど(笑)。
【Turbo Pushka『Deti Rave』を聴く】
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
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