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ドリカムは「頑張れ」とは歌っていない…約9万字の歌詞分析で判明したアーティスト性

ドリカムは「頑張れ」とは歌っていない…約9万字の歌詞分析で判明したアーティスト性

「明るい」「パワフル」といった印象があるDREAMS COME TRUE(以下、ドリカム)。しかし、歌詞に頻出する言葉を見ていくと、違うイメージが浮かび上がってくる。中村正人も驚いた分析結果をご紹介しよう。

中村は9月10日(金)、J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』に出演。同番組のナビゲーターである川田十夢が、解析システム「シンガー・ソング・タグ・クラウド」を用いてドリカムの歌詞世界を紐解いた。

このオンエアは、デジタル音声コンテンツ「SPINEAR」でも配信中。Spotifyなどサブスクリプションサービスでも聴くことができる。

8万9566文字の歌詞を分析! ソロとの違いも比較

「シンガー・ソング・タグ・クラウド」とは、川田が独自開発した、歌詞を分析してアーティストの深層を考察する解析システムだ。

川田:僕、歌詞をプログラムで分析していて。
中村:すごいですねえ。
川田:今回お迎えするにあたって、ドリカムの18枚のオリジナルアルバムに絞り、全222曲をしました。文字数でいうと8万9566文字。
中村:大変(笑)。すごいなあ。(作詞を担当している)吉田美和の文字ですからね。
川田:吉田さんのソロとの対比もやってみたりして。その分析結果をマサさん(中村正人)に聞いてもらいたいと思いまして。
中村:実は僕、こういうの大好きなんです。ドリカムほどウィキペディアとかのデータが薄いバンドってないんですよ。正式なプロフィールよりも少ないくらい。もちろん書いてくださった方には感謝いたしますけれども。
川田:ドリカムさんはいろいろな歴史がありますよね。
中村:楽曲には興味があるけれど、本人たちにはそれほど興味がないのか、吉田のウィキペディアなんかすごく薄くて笑いますよ。そういう状況のうえで、こうやって分析していただけるのはうれしいですね。

「世間的なドリカムのイメージ」と現実の違いが明らかに

川田は、「ドリカムの歌詞によく出てきた言葉」と「吉田美和ソロの歌詞によく出てきた言葉」を分析。登場回数の多い言葉が大きく表示される。

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川田十夢が分析した歌詞

川田:ドリカムで圧倒的に多く歌われている言葉は「あなた」でしたね。その次は「愛」なんですけど、「あなた」が圧倒的です。
中村:すごいですね。「あなた」のことばっかり気にしてるんですね。世間では「ドリカムは自分のことばかり」というイメージがあるらしいんですが、それとズレがある。
川田:パブリックイメージとちょっと違うなと。
中村:全然違うんですけれどね。面白い!
川田:ちなみに大先輩の松任谷由実さんだと「私」が1位なんですよね。

【関連記事】松任谷由実が歌詞で「最も多く使う言葉」は? 年代別に読み解く

中村:わかるような気がいたします。
川田:ちなみに僕のアニキでもある長渕 剛さんは「俺」が圧倒的1位です。人やグループで全然違っているんです。ドリカムは「あなた」が多い。そして「夢」も多いですね。
中村:吉田はDREAMS COME TRUEというバンド名がいまだに嫌いなんです。「自分はアンダーグラウンドだし、夢とか希望とかそういう話が嫌いだ」とずっと言ってるのに、(歌詞には)しっかり出てますね。
川田:そのニュアンスが、吉田さんがソロをやられているときの歌詞の世界に表れています。ソロだと「夢」が出てこないんです。
中村:そういうことですよね。それがファーストソロアルバム(吉田美和ソロアルバム「beauty and* harmony」)のときにプロデューサーだった俺をクビにした理由ですよ。
川田:あはは(笑)。マサさんどうこうではなく、ドリカムと離れたかったのかもしれないですね。ソロの特徴でいうと、「人生」のことをよく歌ってらっしゃいます。
中村:なるほどねえ。
川田:人生という長いスパンのことを歌っていたり、あとは「1人」や「泣きたい」もドリカムと比べると多くて。
中村:こっちが吉田美和なんでしょうね。
川田:分析していてそう感じましたね。
中村:ビジネス的には、自然にうまく分けてますね。ずるいですね(笑)。
川田:そういう歌い分けもされてるんだなって。
中村:たぶん意識的ではないと思いますけどね。
川田:吉田さんの天性のものがあるんでしょうね。

「頑張れ」や「希望」は歌っていない

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川田は、テレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)に中村がゲスト出演し、「ドリカムの世界」をテーマで話したときのことに触れる。「ドリカムの明るい世界を受け付けない人もいる」というトークが印象的だったという。

中村:「ドリカムアレルギー」という言葉を投下したらバズっちゃって……。逆効果でしたね(笑)。
川田:僕はあれを「本当にそうかな?」と思って今回、分析していたんです。でもドリカムは「頑張れ」や「希望」ということを歌ってないんですよ。
中村:一言も言ってないです。吉田美和はそれを言うのが大嫌いですから。それらを歌っている曲を否定するわけではなくて、違う言葉を使って人のためになりたいという気持ちが強いので。
川田:だから、あくまで曲のイメージはそうだけど、こうやって洗い出してみると必ずしも明るい言葉ばかりじゃないんですよね。
中村:『monkey girl odyssey』のなかでギャグみたいに「頑張れ」を使ったことはありますけど。
川田:僕の結論として、ドリカムが叶えたいのは「あなたの夢」なんだろうなと。そういうことがわかりました。
中村:いやあ、うれしいです! 十夢さんすごい。天才。
川田:ありがとうございます。

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