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『孤独のグルメ』久住昌之が語る、楳図かずおと行った思い出の店は?

『孤独のグルメ』久住昌之が語る、楳図かずおと行った思い出の店は?

漫画家・エッセイストの久住昌之が、7月に発売した食エッセイで印象に残った店について語った。

久住が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。ここでは、8月10日(火)のオンエアをテキストで紹介。

ドラマ放送は1度きりだと思っていた

久住昌之は1981年に泉 晴紀とコンビを組み、泉 昌之として漫画家デビューした。久住は音楽家としての活動もおこないながら、『野武士のグルメ』(晋遊舎)、『昼のセント酒』(カンゼン)などの作品を輩出。谷口ジローとの共作である漫画『孤独のグルメ』(扶桑社)は、2012年からテレビ東京でドラマ化がスタートした。

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クリス:現在、ドラマはシーズン9作目。長いですね!
久住:もう9年になりますね。
クリス:「こんなにドラマが長く続くとは」って感じですか?
久住:1回で終わりだと思っていました(笑)。
クリス:1回目から好評で、次のシーズンに繋がっていったのでしょうか?
久住:いや、全然そうじゃないですね。2回目、3回目ぐらいから、少しずつ知られるようになった感じです。
クリス:漫画のほうは原作が久住さんで、作画は谷口ジローさん。連載は1994年にスタートしているんですよね。
久住:僕、当時まだ30代でしたよ(笑)。
クリス:1994年だとバブルが終わった頃ですかね。ここ1、2年でも食に対する価値観は大きく変わりましたけれど、連載が始まった頃とはずいぶんと心境の変化がありましたよね?
久住:そうですね。連載が始まった頃は、立ち食いそばとかラーメン屋に女性の1人客っていうのはいなかったですよね。今は女性1人でも、牛丼屋で朝定食を食べていますから。
クリス:たしかにそういう変化もありますね。取り上げるお店っていうのは、90年代と比べて視点とか街が変わってますか?
久住:いや、基本的に僕はその頃から何も変わってないです(笑)。
クリス:きっとそうですよね(笑)。流行とか新しいものっていうよりかは、街に馴染んでいるちょっとおいしそうなお店。(お店を選ぶ基準は)嗅覚でって感じですかね?
久住:そうですね。嗅覚もありますし、視覚もあります。やっぱり街に長く溶け込んでいるような店が好きですね。

「おいしそう」は万国共通の感覚?

ドラマ版『孤独のグルメ』の劇中音楽の一部は久住が担当している。

クリス:音楽をずっとやってらっしゃるなかでは、やっぱりここも面白いと感じるところなんでしょうか。
久住:音楽をやるのは本当に楽しいです。新しいシーズンが始まるたび、違ったテイストのテーマで音楽をやってあげると、観ているほうも楽しいでしょうし。まあ、おっさんが1人でご飯を食べるだけの、ストーリーもないようなドラマなので(笑)。音楽ぐらいは変化をつけないとって気持ちです。
クリス:いやいや(笑)。『孤独のグルメ』、なんだか惹かれるんですよねえ。

漫画『孤独のグルメ』は、日本語以外でも中国、韓国、フランス、イタリア、ポーランドなど世界10ヵ国でも翻訳されている。

久住:ポーランドとか想像がつかないですね(笑)。
クリス:ポーランドで「ふらっとQUSUMI(ドラマ終了後のコーナー)」もいいかもしれませんね。まったく知らない国でも作品が読まれているわけですが、反応が届くこともあるのでしょうか?
久住:そうですね。ブラジルの新聞でインタビューを受けたことがあります。
クリス:へええ!
久住:イタリア人の友だちがいるのですが、「私は『孤独のグルメ』で日本語をけっこう覚えました」って言われましたね。「(作品に登場した)高崎の焼きまんじゅうとかわかるんですか?」って言ったら、「まったくわからないけど、私は食べてみたい」と(笑)。海外の人にとっては味の想像ってつかないけれど、「おいしそうだ」と思ってもらえたら漫画として成功というか。もちろん、谷口さんの力が大きいんですけれど。
クリス:言葉が変わっても伝わるっていうのは、原作の力を感じますよ。
久住:どこの国の人も、お腹が空くってことですね(笑)。

変わりゆく街で変わらない店を見つける喜び

久住は7月に食エッセイ『麦ソーダの東京絵日記』(扶桑社)を発売した。

クリス:東京の街と食、お酒が綴られた大人の絵日記エッセイです。元々は「ぐるなび みんなのごはん」でウェブ連載されていたものですよね。幅広い街を取り上げていらっしゃいますし、読んでいるとすぐに行ってみたくなります。予備校時代の話や友だちと食事をした思い出話なども出てきますよね。どういう風にしてお店と出会ってきたんですか?
久住:あんまりガツガツしていないほうがいいですね。「おいしいお店を見つけよう!」と思うと見えないというか。
クリス:ちょっと街を歩きながら、「ここはどんなお店かな」って見つける感じですかね。
久住:そうですね。お店って街の一部なんで、その店の雰囲気が街にも出ているというか。そういうお店ってなかなか見つけにくいんですよね。街に溶け込んでいる故に(笑)。
クリス:なるほどね。本のなかには、長年前を通っていても入らなかったお店の話が書かれていましたね。『孤独のグルメ』とはまた違うんだけど、絵日記を見ていると、街を歩いて一緒にお店に入るような感覚になります。

久住は書籍に綴られているなかで印象に残った店について語った。

久住:どの店も面白いんですが、赤坂の豊川稲荷のなかにあったうどん屋さんですかね。うどん屋が3軒並んでいるのも面白いし、東京なのに東京じゃない感じがして。30年ぶりに訪れたのですが、まったく変わっていなかったもちょっと驚きましたね。
クリス:うどん屋の話、面白かった。
久住:あとは、楳図かずおさんと一緒に行った高田馬場の文流ってお店も。楳図さんと一緒に行ったのが20歳ぐらいの頃だったんですが、40年経ってもまだお店があったんです。働いていた人も、どうも昔と同じ人らしい(笑)。現在ってどんどん街も店も変わるので、そういうことがあるとすごく嬉しいんですよね。変わったなかで変わっていないものに出会うと、昔のことを思い出すだけじゃなくて、「今の自分って何だろう?」ってことも思っちゃいますね。
クリス:それってお店との長い時間の付き合いだからこその体験できたことですよね。
久住:そうですね。30、40年経っても自分ってあんまり変わらないんだろうなって思います。見た目は変わったんだろうけど(笑)。

J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」では、さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。放送は月曜~木曜の14時10分頃から。

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2021年8月17日28時59分まで

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