声優の梶 裕貴が、J-WAVEでスガ シカオと対談。梶が声優を志したエピソードや、ハードなスケジュール事情、主人公の声優を務めた公開中の映画『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』を語った。この映画の主題歌『その先の光へ』を歌うポルノグラフィティの岡野昭仁も電話で出演した。
梶が登場したのは7月11日(日)に放送された『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ふたりは「1999年の埼玉・東京」の空想ドライブを繰り広げた。
今回、梶は空想ドライブに「1999年の埼玉・東京」を選んだ。
梶:僕は14歳のときに初めて声優を目指そうと思いました。そのときが1999年なんですけど、その頃いた埼玉・東京への自分の思いも含めたイメージのドライブテーマでいきたいと思います。当時、1個に夢を絞れなかったんですけど、大先輩から「声優って職業は何を頑張っても全部自分の力になる職業だよ」と聞いて。そこから夢が変わらなくなって今に至ります。
スガ:カッコいいね。俺なんかブレブレだったけどね。いちばんモテる職業だけを夢に選んで生きてきたような(笑)。
そんな梶が1曲目にポルノグラフィティの『アポロ』を選曲した
梶:僕が出演させてもらっているアニメの曲をポルノグラフィティさんが歌ってくださる機会が多くて、いろいろお話をしたいなと思いつつ、まだお会いしたことがないんですよ。
スガ:ええ、会ったことないの!
梶:そうなんです。それこそ学生時代から聴いているので、なんかこの状況も含めて夢のようです。『アポロ』は1999年にリリースしたポルノグラフィティさんのデビュー曲なのですが、当時僕も「いつかデビューしたいな」って思っているときだったんです。歌詞の内容とか楽曲の印象も含めて新しくてインパクトがすごかったですね。
梶:声優雑誌に載っていた養成所が出している声優のレッスンビデオをお小遣いで買って、それをすり切れるまで見ていました。
スガ:何を教えてくれるの?
梶:滑舌とか発声とか。それを参考にしつつ、高校に入って演劇部に在籍しました。
スガ:演技力を磨くために?
梶:そうですね。僕は目立ちたくないタイプだし、人見知りでもあるので人前に立つのは向いてない性格なんです。でも、だからこそやらなきゃなと思って。
スガ:僕もそういうタイプで、あんまり人前に立つのが好きじゃなかったんですよ。1回だけ役者の仕事をやったことあるんだけど、恥ずかしくて死ぬかと思いましたよ。あれを高校生のときにやるって(すごいね)。
梶:「もう、そんなの」って思ってましたけど、それだと役者にはなれないって思いがあったので。
演劇部には梶と同じく声優を志す仲間がいたそうで、そこで話題になったのが以前レッスンビデオを購入した事務所主催のオーディションだったという。
梶:ありがたいことにそこに合格して、特待生として学校に通いながら週に1回無料で養成所に行くことができたんです。そこで本格的に声優の道が始まりましたね。
スガ:それは本当にエリートじゃない?
梶:でも、そこからが甘くなかったですね。全然仕事もなくてアルバイトに明け暮れる日々でした。
スガ:そんなのがあるんだね。
梶:初めてアニメの仕事をしたのは、そこから5年後くらいでしたからね。
ここで、梶は空想ドライブの2曲目として、ゆずの『いつか』をリクエストした。
梶:高校時代、夏に文化祭で演劇部の公演があったんですけど、それにお客さんを呼び込むためにちょっとしたパフォーマンスをして。演劇部の友だちがギターを弾いて、僕がハーモニカを吹きながらこの曲を歌いました。いや、懐かしいですね。当時がよみがえります。
梶:今はコロナ禍で変わったりしているんですけど、10時から15時でアニメなり吹き替えなり1話分を収録します。それが1コマで、それから16時から21時でもう1コマっていう感じです。曜日で基本的に2コマ入って、あとはオーディションなどいろんなかたちでスケジュールが決まって埋まっていきます。それがないときにナレーションやラジオなど、またちょっと違う種類のお仕事が入る感じです。多いときは1日に5役とか6役とかやることもあります。
スガ:マジで! そんなことできるの?
梶:声優は切り替える力が大事な気がしますね。現場に行って、役にスッと切り替えて演じるみたいなことがあるので、お芝居を演じるなかでは差が激しいというか。
スガ:よく聞くけど、収録のときに放送する映像がちゃんとできているわけじゃないんでしょ?
梶:アフレコのときはそういう場合が多いですね。
スガ:ある人に聞いたら、アフレコのときは棒人間ばっかりだったって(笑)。
梶:アニメーション制作の人も一生懸命に頑張ってくださっているんでね。一方でそれに慣れてくると100パーセント出来上がっている絵に声を合わせることに難しさを感じたりします。
あるとき、スガは友人の岡野にランチに誘われ、そこでこの曲の作詞をお願いされたという。番組では岡野と電話をつなぎ、この曲に込めた思いを訊いた。
岡野:この映画は、アニメの“最終章のその先”を描くアナザーストーリーなんですよね。そういった意味で、一度物語が終了したあとを集約したようないい作品になるのは間違いなかった。それに、澤野くんがずっとこの作品の音楽をやられてたというご縁もあって、思いの丈をこの曲のなかに詰め込んでくれたんです。それで誰を作詞にお願いしようかと思ったときに、僕の頭にはスガさんしかないと思って。
スガ:うまいこと言うんだよな(笑)。ランチのときもこんなことばっかり言ってるんだよ。
梶:いい関係だなあ(笑)。
岡野:今回できあがった『その先の光へ』は本当に素晴らしいんです。
スガ:俺らが作ってるからなんだけど、かなりいい感じに仕上がったからね。
梶:カッコいいです。
『七つの大罪』の最終章となるアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』でも、岡野が主題歌『光あれ』を歌っていた。
梶:もともと岡野さんが『光あれ』を歌われていて、そこから今回の『その先の光へ』でしたからね。
スガ:そこが難しかった。岡野くんとタイトルでもめたのよ。もともとはシンプルなタイトルだったんだよね。それをもうちょっと引っかかる感じにしたほうがいいんじゃないかって。それでお互いで出し合って、『その先の光へ』がいいんじゃないってなったんだよね。でも、1つ前のタイトルに「光」がついていたから、「光」が続くってどうなんだろうって思ったんだけど、でもそれが連作みたいな感じで逆にいいんじゃないかって。
梶:僕も含めて作品ファンのみなさんもタイトルを聞いたときに、そのつながっている感じがすごくグッとくると話していましたね。
岡野:『七つの大罪』シリーズを続けて見ていくと、続いている感じがグッときますよね。
梶:そうですよね。
梶は空想ドライブの最後の曲として、スガも参加するスペシャルバンド・kokuaの『Progress』を選曲した。
スガ:気を使わなくていいのに(笑)。
梶:違いますよ。好きなんです、本当に。養成所時代や仕事が全然ないときに、背中をバンと叩いてもらえるような、すごいエールをくれる感覚の楽曲で、本当に定期的に聴いていますね。
梶 裕貴の最新情報は、 VIMSの公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
梶が登場したのは7月11日(日)に放送された『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ふたりは「1999年の埼玉・東京」の空想ドライブを繰り広げた。
14歳、初めて声優を目指そうと思った
梶は東京出身の2004年から活動している声優。2007年に『Over Drive』でテレビアニメ初主演を演じる。その後は数々の作品で主人公を演じ、2013年度には史上初の2年連続で声優アワード主演男優賞を受賞。なかでも大きな話題となったのは、『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役、『僕のヒーローアカデミア』の轟 焦凍役、『七つの大罪』のメリオダス役などがある。その他にも、実写映画やドラマの吹き替え、舞台や朗読劇などでも活躍中だ。今回、梶は空想ドライブに「1999年の埼玉・東京」を選んだ。
梶:僕は14歳のときに初めて声優を目指そうと思いました。そのときが1999年なんですけど、その頃いた埼玉・東京への自分の思いも含めたイメージのドライブテーマでいきたいと思います。当時、1個に夢を絞れなかったんですけど、大先輩から「声優って職業は何を頑張っても全部自分の力になる職業だよ」と聞いて。そこから夢が変わらなくなって今に至ります。
スガ:カッコいいね。俺なんかブレブレだったけどね。いちばんモテる職業だけを夢に選んで生きてきたような(笑)。
そんな梶が1曲目にポルノグラフィティの『アポロ』を選曲した
梶:僕が出演させてもらっているアニメの曲をポルノグラフィティさんが歌ってくださる機会が多くて、いろいろお話をしたいなと思いつつ、まだお会いしたことがないんですよ。
スガ:ええ、会ったことないの!
梶:そうなんです。それこそ学生時代から聴いているので、なんかこの状況も含めて夢のようです。『アポロ』は1999年にリリースしたポルノグラフィティさんのデビュー曲なのですが、当時僕も「いつかデビューしたいな」って思っているときだったんです。歌詞の内容とか楽曲の印象も含めて新しくてインパクトがすごかったですね。
高校は演技力を磨くために演劇部へ
14歳で声優を志した梶は、数少ない声優雑誌を手に取り、声優の養成所の存在を知った。しかし、中学生がそこに在籍する文化が当時はなかったことから、高校生になったら声優の養成所に入り、オーディションを受けようと夢見ていた。梶:声優雑誌に載っていた養成所が出している声優のレッスンビデオをお小遣いで買って、それをすり切れるまで見ていました。
スガ:何を教えてくれるの?
梶:滑舌とか発声とか。それを参考にしつつ、高校に入って演劇部に在籍しました。
スガ:演技力を磨くために?
梶:そうですね。僕は目立ちたくないタイプだし、人見知りでもあるので人前に立つのは向いてない性格なんです。でも、だからこそやらなきゃなと思って。
スガ:僕もそういうタイプで、あんまり人前に立つのが好きじゃなかったんですよ。1回だけ役者の仕事をやったことあるんだけど、恥ずかしくて死ぬかと思いましたよ。あれを高校生のときにやるって(すごいね)。
梶:「もう、そんなの」って思ってましたけど、それだと役者にはなれないって思いがあったので。
演劇部には梶と同じく声優を志す仲間がいたそうで、そこで話題になったのが以前レッスンビデオを購入した事務所主催のオーディションだったという。
梶:ありがたいことにそこに合格して、特待生として学校に通いながら週に1回無料で養成所に行くことができたんです。そこで本格的に声優の道が始まりましたね。
スガ:それは本当にエリートじゃない?
梶:でも、そこからが甘くなかったですね。全然仕事もなくてアルバイトに明け暮れる日々でした。
スガ:そんなのがあるんだね。
梶:初めてアニメの仕事をしたのは、そこから5年後くらいでしたからね。
ここで、梶は空想ドライブの2曲目として、ゆずの『いつか』をリクエストした。
梶:高校時代、夏に文化祭で演劇部の公演があったんですけど、それにお客さんを呼び込むためにちょっとしたパフォーマンスをして。演劇部の友だちがギターを弾いて、僕がハーモニカを吹きながらこの曲を歌いました。いや、懐かしいですね。当時がよみがえります。
多いときは1日に何役を演じるのか?
スガは梶に「声優業をやっていて、いちばん忙しいときってどういうスケジュール?」と質問。梶はハードな日常を明かした。梶:今はコロナ禍で変わったりしているんですけど、10時から15時でアニメなり吹き替えなり1話分を収録します。それが1コマで、それから16時から21時でもう1コマっていう感じです。曜日で基本的に2コマ入って、あとはオーディションなどいろんなかたちでスケジュールが決まって埋まっていきます。それがないときにナレーションやラジオなど、またちょっと違う種類のお仕事が入る感じです。多いときは1日に5役とか6役とかやることもあります。
スガ:マジで! そんなことできるの?
梶:声優は切り替える力が大事な気がしますね。現場に行って、役にスッと切り替えて演じるみたいなことがあるので、お芝居を演じるなかでは差が激しいというか。
スガ:よく聞くけど、収録のときに放送する映像がちゃんとできているわけじゃないんでしょ?
梶:アフレコのときはそういう場合が多いですね。
スガ:ある人に聞いたら、アフレコのときは棒人間ばっかりだったって(笑)。
梶:アニメーション制作の人も一生懸命に頑張ってくださっているんでね。一方でそれに慣れてくると100パーセント出来上がっている絵に声を合わせることに難しさを感じたりします。
ポルノグラフィティ・岡野昭仁と電話でトーク!
現在、梶が主人公のメリオダスを演じた映画『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』が公開中だ。この映画の主題歌『その先の光へ』はスガが作詞を担当し、ポルノグラフィティの岡野昭仁が歌っている。岡野:この映画は、アニメの“最終章のその先”を描くアナザーストーリーなんですよね。そういった意味で、一度物語が終了したあとを集約したようないい作品になるのは間違いなかった。それに、澤野くんがずっとこの作品の音楽をやられてたというご縁もあって、思いの丈をこの曲のなかに詰め込んでくれたんです。それで誰を作詞にお願いしようかと思ったときに、僕の頭にはスガさんしかないと思って。
スガ:うまいこと言うんだよな(笑)。ランチのときもこんなことばっかり言ってるんだよ。
梶:いい関係だなあ(笑)。
岡野:今回できあがった『その先の光へ』は本当に素晴らしいんです。
スガ:俺らが作ってるからなんだけど、かなりいい感じに仕上がったからね。
梶:カッコいいです。
『七つの大罪』の最終章となるアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』でも、岡野が主題歌『光あれ』を歌っていた。
梶:もともと岡野さんが『光あれ』を歌われていて、そこから今回の『その先の光へ』でしたからね。
スガ:そこが難しかった。岡野くんとタイトルでもめたのよ。もともとはシンプルなタイトルだったんだよね。それをもうちょっと引っかかる感じにしたほうがいいんじゃないかって。それでお互いで出し合って、『その先の光へ』がいいんじゃないってなったんだよね。でも、1つ前のタイトルに「光」がついていたから、「光」が続くってどうなんだろうって思ったんだけど、でもそれが連作みたいな感じで逆にいいんじゃないかって。
梶:僕も含めて作品ファンのみなさんもタイトルを聞いたときに、そのつながっている感じがすごくグッとくると話していましたね。
岡野:『七つの大罪』シリーズを続けて見ていくと、続いている感じがグッときますよね。
梶:そうですよね。
梶は空想ドライブの最後の曲として、スガも参加するスペシャルバンド・kokuaの『Progress』を選曲した。
スガ:気を使わなくていいのに(笑)。
梶:違いますよ。好きなんです、本当に。養成所時代や仕事が全然ないときに、背中をバンと叩いてもらえるような、すごいエールをくれる感覚の楽曲で、本当に定期的に聴いていますね。
梶 裕貴の最新情報は、 VIMSの公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
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2021年7月18日28時59分まで
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番組情報
- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
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毎週日曜21:00-21:54
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スガシカオ