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小泉今日子が「自分を変えてくれた」と語る楽曲は…筒美京平を偲ぶ

小泉今日子が「自分を変えてくれた」と語る楽曲は…筒美京平を偲ぶ

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。4月8日(木)のオンエアでは、小泉今日子がゲストに登場。コロナ禍での生活や最近の活動についてトークを展開した。

コロナ禍での気づき「私ってもっと自由な人じゃなかったかしら」

小泉今日子は「家のなかで過ごしていた時間が多かった」と外出自粛期間を振り返る。しかし、そんな時間にはどこかで“懐かしさ”を感じていたそう。

小泉:なんて言うのかな、本来の自分の姿を見れた感じ。自分はすごく怠け者で、ずっと寝転がっていたいタイプなので(笑)。
クリス:家、お好きですもんね。
小泉:大好きです。
クリス:大変な状況ではあるけれど、こんなに長い間家のなかにいることってないですもんね。
小泉:学生さんだったり子どもたちだったり、外に出る仕事に携わる方々にとっては大変なことだと思います。だけど、我々大人はずっと止めることができなかった考えを一度止めて、新たな違う色で世界を見るチャンスだったのかなと思いました。
クリス:たしかに。我々大人は、この経験をきちんと活かしていきたいですね。それこそ今日子さんはいろんな時間を駆け巡ってきたと思いますしね。コロナ禍ではいろんなことを考えました。「自分って何が好きなんだっけ?」みたいなこと。
小泉:そうそう。家のなかのものを見て「これって本当に好きだったっけ?」って思ったり、髪型や服装を見つめ直しました。「本来の選び方」に戻りたいって感覚にはなりましたね。「私ってこういう人だっけ」とか「私ってもっと自由な人じゃなかったかしら」みたいなことを思ったりしましたね。

向田邦子作品の朗読に挑戦

小泉は2021年1月、向田邦子没後40年特別イベント「いま、風が吹いている」に参加。吹き抜けスペースに設置された「風の塔」で向田作品の言葉を朗読した。

小泉:向田さんの短い言葉を私が読んで、その言葉が書かれた紙が風の塔から1枚ずつヒラヒラと落ちてくる演出でして。向田さんのことが大好きだったので、オファーのお声がけをいただいたときはうれしかったです。全体的に、とても素晴らしい展示でした。没後40年なんだけれども、「今の向田邦子」がそこにいるかのようなアップデートがされていました。
クリス:動画も公開されていて、「こういう話し方だったんだな」と感じました。今日子さんは、直接お会いしたことは?
小泉:妹の和子さんとはお話をさせていただいたことはあるんですけど、邦子さんとはお会いできませんでした。でも、邦子さんのドラマ制作に携わった久世光彦さんとはお会いできていたので、会えるチャンス自体はあったんですよね。悔しい気持ちです。ただ、久世さんが作ってらした向田邦子さん原案のドラマシリーズには2回ほど出させてもらって。間接的に(向田邦子を)感じておりました。

筒美京平を偲ぶ「ダンディで優しい方」

小泉は3月21日に「唄うコイズミさん 筒美京平リスペクト編」と題し、筒美の楽曲で構成された60分の配信ライブを開催。筒美京平作曲の楽曲から、厳選されたナンバーを歌い上げた。

小泉:2度目の配信ライブでした。1度目は7、8年ぶりのライブだったので「楽に歌える歌」を選んでいた部分がありました(笑)。だけど今回のライブでは、筒美さんの訃報を聞きまして。そのことに対してコメントを求められたんですけれど、何も言葉が出てこなかったんですね。でも、私には歌という宝物をたくさんいただいていたことに気付いたんです。その宝物を出して、一つひとつ磨いてみんなに披露できたらなという思いから配信ライブをやらせてもらいました。
クリス:配信はもう終わっちゃったから残念ですけども、いろんな名曲を歌われていましたね。
小泉:『水のルージュ』とか『迷宮のアンドローラ』とかって、私の転機になるときに書いてもらった曲なんですよね。筒美京平さんが私のイメージをガラッと変えてくれたといいますか。『夜明けのMEW』は、自分にとってはじめてのミディアムな歌でしたし、『なんてったってアイドル』は、自分を変えてくれた楽曲の最たるものだったと思います。アルバムやカップリングも書いてくださっていたので、楽曲を数えてみたら30曲ぐらいあったんですよね。なんて贅沢な、恵まれた人間だったんだろうと改めて感じました。
クリス:筒美さんはどういう方だったんですか?
小泉:本当にオシャレな方でした。ヨーロッパの男性みたいな雰囲気で。口数は少なくて声も小さい方でしたが、ピアノの前でキー合わせをしてくださっていましたね。すごく素敵な方でした。ダンディーだし優しくて、その一方でどこか厳しい目のある人。
クリス:今回の配信ライブは大人のアレンジというか、今の小泉さんを感じることができました。
小泉:テンポ感は変えずに、アコースティックで演奏したんですよね。必要最小限の音で「カッコいい大人の歌」に挑戦しました。すごく素敵なミュージシャンの方たちに協力していただきました。
クリス:次はいつ開催ですか?
小泉:どうなんでしょう(笑)。2022年がなんとデビュー40周年ですから、周りがザワザワしていますね。

本にまつわるポッドキャストも開始

4月5日(月)、小泉がパーソナリティを務めるSpotifyのオリジナルポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」の配信がスタートした。「本」や「本に関わる人たち」をテーマに、さまざまなトークを配信している。



番組をはじめたきっかけは、コロナ禍でたくさん本が読めたことに加えて、もう1つ理由があるという。

小泉:本屋さんって私たちが子どもの頃よりも、ずいぶん変わりましたよね。ワーキングスペースやカフェが併設されたことで、本屋が人を集める場所になりましたし、時間を提供する場所にもなったと思うんです。それに、本を目利きで選ぶコンセプトのお店もできましたよね。そういった変化がとてもいいなと思ったので、(番組では)それをお伝えできるようにしたいです。
クリス:どういう本を読んできたかとか本との付き合い方の話とかを、さりげなく会話できるのっていいですね。
小泉:あと、ポッドキャストって既存の曲を使えなかったりするじゃないですか。なので、オリジナルの楽曲を5、6曲を作っています。番組でしか聴けない曲です(笑)。
クリス:えー!

「ホントのコイズミさん」では、小泉とミュージシャン・上田ケンジによる新ユニット「黒猫同盟」によるオリジナル楽曲が配信されている。

クリス:小泉さんは、本当に作るのがお好きなんですね。
小泉:そうですね。一石二鳥じゃないですけど、せっかく何かを作るんだったら可能性を狭めたくないなって思っちゃうんです。

小泉は塚原大助が主宰する団体「ゴツプロ!」の第6回公演である『向こうの果て』の舞台版に出演する。これまで「ゴツプロ!」は男性キャストのみで公演を行ってきたが、小泉は初の女性キャストとして登場する。

<あらすじ>
昭和60年。小さなアパートの一室で起きた殺人事件。逮捕されたのはこの部屋に住む女。被害者は同居していた男。裁判が進むにつれ、二人の過去が明らかになっていく。夜叉のような女。娼婦のような女。嘘つきな女。贅沢な女。残酷な女。柔らかな女。女を知る男たちの証言から、様々な女の顔が見えてくる。これは、太陽のような女の話。女にまつわる男たちの話。
特設サイトより)

公演は4月23日(金)からスタート。詳細は特設サイトをチェック。

小泉今日子の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」では、さまざまなゲストから「とっておきの話」を訊く。放送は月曜~木曜の14時10分頃から。

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2021年4月15日28時59分まで

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GOOD NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-16:00