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「ハイパーポップの申し子」として話題なのは…世界の注目アーティストを紹介

「ハイパーポップの申し子」として話題なのは…世界の注目アーティストを紹介

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。

1月5日(火)のオンエアでは、本番組に縁ある音楽ジャーナリストやライターが、2021年に期待したい世界のアーティストを紹介した。

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アメリカの「ハイパーポップの申し子」

まずは昨年、「全世界レーベル新人青田買い」特集に参加したインディーポップ好きライター/編集者の小田部仁がアメリカとヨーロッパの注目アーティストを紹介!

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あっこゴリラ:小田部さんにはアメリカとヨーロッパの2021年注目のアーティストを教えてほしいんですけど、まずアメリカは?
小田部:アメリカの注目アーティストは、glaiveです。彼はノースキャロライナ州ヘンダーソンビル在住の15歳(※オンエア時)。Billie Eilishとかが“ジェネレーションZ”って言われてますけど、彼はその次の“ジェネレーションα”といわれています。
あっこゴリラ:ヤバ! その単語初めて聞きました(笑)。
小田部:ヤバいっすよね。しかも、彼はコロナの自粛期間中に音楽制作を始めて5月に曲を発表し、それが大ヒットみたいな。
あっこゴリラ:もうスピード感がすご過ぎる……。『SONAR MUSIC』でも自粛期間中に音楽を作り始めた学生に電話で出てもらったことがあるんですけど、去年音楽を始めた10代は多そうですよね。
小田部:多いですね。このglaiveも音楽的なバッググラウンドがそんなにあったわけじゃなく、さらっと作った曲がSNSでバズって、みたいな感じなんですよ。でも、曲はすごくよくて、11月にはアルバム『cypress grove』をリリースしています。そもそもハイパーポップが好きだったみたいで、そのシーンで繋がりを作ってみんなに手伝ってもらったりしたみたいですね。
あっこゴリラ:ハイパーポップは最近知ったんですけど、かなりキテますよね。
小田部:2020年はハイパーポップの年で、glaiveもかなり話題になっていて。2021年はもっといくかなって思います。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)かっこよすぎるし、これぞまさにハイパーポップ。これで15歳か……。
小田部:信じられないですよね(苦笑)。
あっこゴリラ:今度、ハイパーポップの特集もやりたいな~。
小田部:いいですね。Rina SawayamaやCharli XCXとかもハイパーポップに位置づけられていたりするけど、このジャンルは定義が広いんですよ。なんでもハイパーポップっていわれている感じもあるんですが、ポップなんだけどかなり攻めていて、今後どんどん広がっていきそうだし、ここから別のジャンルが生まれたりしそうですね。

番組では、glaive『astrid』をオンエアした。



あっこゴリラ:続いてヨーロッパの注目株は?
小田部:イギリスのAlfie Templemanです。すでにけっこう有名で、日本でも知る人ぞ知る感じなんですけど、BBCの「Sound of 2021」にもリスト入りしてます。イギリス・カールトン、ベッドフォードシャー出身のシンガーソングライターで、彼も17歳と若く、ネクストDeclan McKennaといわれたりしてますね。音楽一家に育ち、13歳ぐらいから曲作りを始め、15歳の時にリリースしたEP『Like an Animal』が話題を呼び、一躍注目を集めています。
あっこゴリラ:もう、みんな若くて怖い(笑)。
小田部:15歳で話題になったあと、病気で一時お休みしながらも曲は精力的にリリースし、2020年からまたいっぱい曲を出し始めました。
あっこゴリラ:glaiveにしろAlfie Templemanにしろ、年齢で評価するのはどうなんだろうって思うんだけど、その反面、若さ特有の面白さや、視野が狭かったり経験値が少ないからこその尖り具合もあって、それはそれでよさだよなって思うんですよね。
小田部:Alfieくんもインタビューを見ると自分が若いことを心配しているようで、「若いだけで評価されてないといいな」みたいなことを思ってるみたいですよ。あと、彼は最近いろいろな人と共作していて、『Happiness In Liquid Form』なんかはThe Vaccinesっていう2010年ぐらいに流行ったバンドのボーカルと作っていて、それがまたいい方向に転んでいるんですよ。作品1枚ごとに面白くて、本当に才能あるなと思いますね。

番組では、Alfie Templeman『Happiness In Liquid Form』をオンエアした。

アジアからは、モンゴルのガールズグループ&韓国の人気バンド

続いてはアジア・ブロック。紹介してくれるのは、昨年「アジアの音楽特集」でもお世話になったDJ水月。

あっこゴリラ:早速2021年の注目アーティストを教えてください!
DJ水月:最初に紹介するのはThe Wasabiesです。モンゴルの4人組ガールズグループ・アイドルで、2018年にデビューしています。現地ではもうけっこう人気で、きっかけがあれば海外、日本などにも進出するんじゃないかなと思ってます。
あっこゴリラ:「Wasabi(わさび)」って名前をつけてる時点で日本進出を考えている感じがしますよね(笑)。
DJ水月:最初の曲に日本語の歌詞を入れていたり、ユニット名も日本のわさびのユニークさやスパイシーさ、刺激的な感じになりたいからつけたらしいです。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)前回もアジアのいろいろなグループを紹介してもらいましたけど、最近はもうどこの国出身かわからないですね。
DJ水月:ですよね、全然レベル高くて。
あっこゴリラ:水月さんは、最近はロシアや中南米の音楽も紹介しているそうですが、今年『SONAR MUSIC』でやってみたい企画とかありますか?
DJ水月:世界のヒップホップ特集やりたいですね。US以外にもロシアとか東南アジアとか、いいのがいっぱいあるので。
あっこゴリラ:やってみたーい! 特に面白い国はどこですか?
DJ水月:タイは最近ヒップホップがアツくて。あとはモンゴルも人気がありますね。

番組では、The Wasabies『XAC』をオンエアした。



あっこゴリラ:続いてのアーティストは?
DJ水月: 韓国のLEENALCHIです。7人組のバンドで、ボーカル4人、ベース2人、ドラム1人という構成なんですけど、ボーカルが本当にカッコよくて。韓国の伝統的民族音楽「パンソリ」っていう、日本の詩吟みたいな感じの演目を80'sディスコ風に再構築したポップバンドです。すでに韓国では賞も獲っています。
あっこゴリラ:もうブレイクしているんですね。(曲を聴いて)面白い! しかも、結構攻めたファッション!
DJ水月:そうなんですよね。意外と現代的な感じのことをやってますよね。
あっこゴリラ:ガラパゴスなものを再解釈するのが世界的に増えている感じがするんですけど、その1つなのかなって感じがします。
DJ水月:韓国でもそういう流れがあるんですけど、その中でも今一番イケてる、人気のあるバンドです。

番組では、LEENALCHI『A Fish Map』をオンエアした。

中南米はブラジルの歌姫や超高速バイレファンキがヒット中!

中南米ブロックは、「音楽世界旅行〜中南米音楽特集」で登場したDJ/ライターの島晃一がセレクト!

あっこゴリラ:ブラジル音楽だけで3時間やりたいですね! その他にもやりたい企画とかありますか?
:中南米地域の独自に進化したクラブミュージックや、伝統音楽とクラブミュージックの融合は引き続き紹介できたらって思ってます。あとは、ラテンDJの前はファンクDJだったので、ファンクミュージックとかも紹介したいし、映画ライターでもあるので、最近の映画はDJでも驚くようなマニアックな曲が使用されていて、そういうのも紹介したいな〜ってなんとなく思ってます。
あっこゴリラ:それもめちゃくちゃやりたい! 今日は中南米の2021年注目のアーティストを教えてもらいたいんですけど。
:すでに大スターなんですけど、Anittaというブラジル・リオデジャネイロ出身のシンガーです。彼女はBad BunnyやJ-Balvinとも共演していて、昨年はCardi Bらをフィーチャーした『Me Gusta』が大ヒット。そのAnittaがブラジルのポップスター2人と一緒に歌った曲『MODO TURBO』が今、ブラジルのチャートをかけ上がっていて、公開から約10日間でYouTubeの再生回数が約3千万回。もう今のブラジルに触れるならこれしかないって曲で、それがBPM160の超高速なバイレファンキなんですよ。
あっこゴリラ:最高(笑)。超高速バイレファンキがヒットしてるのもステキですね。(曲を聴いて)これはかっこよすぎ。隙間が一切なくて、爆アゲかと思いきや歌い方はしっとりしていて、このバランスはすごい。『MODO TURBO』とはどういう意味なんですか?
:そのまま「ターボモード」ってことだと思うんですよね。で、ミュージックビデオも日本のゲームっぽくて、それもまたターボモードって感じ。一緒にやっているPabllo Vittarはドラァグクイーンでもあって、ジェンダー的にも意味深い曲だし、ジェンダーと日本のアニメがごちゃ混ぜのミュージックビデオもぜひ見てほしいです。
あっこゴリラ:これ「ストリートファイター」ですね。これであのサウンドはめちゃくちゃイケてる! さすがっすわ……。

番組では、Anitta, Luísa Sonza, Pabllo Vittar『MODO TURBO』をオンエアした。

南アフリカの新たなディーヴァ

最後はアフリカ音楽。選者は、昨年「音楽世界旅行〜アフリカ特集」でお世話になったアフロポップ大好きな金属加工会社専務のアオキシゲユキ。

あっこゴリラ:去年10月のアフリカ特集がスゴく楽しかったんですけど、その後もアフリカ音楽の勢いはスゴいですか?
アオキ:スゴいですね。前回の出演後もナイジェリアはWizkidやDavido、Yemi Aladeなどビッグネームが続々新作をリリースしていて、2月には「MTV Africa Music Awards」があるんですけど、そこには南アフリカからMaster KGやKabza De Small、タンザニアからはDiamond Platnumzとか、アフリカ中からいろいろなアーティストがエントリーしていて、誰がどの賞を獲るのか楽しみです。
あっこゴリラ:その中から注目アーティストを絞るのは難しいと思うんですけど……ズバリ誰でしょう?
アオキ:難しかったんですけど……今回紹介するのはAzanaという女性のシンガーです。彼女は南アフリカ・ダーバン出身で、2000年生まれなんで今年20歳。昨年9月にリリースしたファーストアルバム「Ingoma」が南アフリカのApple Musicポップチャートで1位を獲得してます。ネオソウルからアフロポップ、さらにはハウスまで歌い上げる幅広い音楽性と、低音から高音まで豊かで温かい独特の歌声が特徴ですね。SNSのコメントを調べていたら、ある人は「Sadeの再来だ!」と言ってました。
あっこゴリラ:(曲を聴いて)めちゃくちゃ気持ちいいですね!
アオキ:南アフリカは今ハウス系が強くて、このトラックを作っているSun EL Musicianもハウス界で台頭してきているというか。スゴくメロディアスで、間奏に入ってくるトランペットやホーン系の音をわざとローファイに入れてる感じとかオシャレですよね。
あっこゴリラ:オシャレ〜、面白い。アフリカ特集は今年もぜひお願いします!
アオキ:ぜひぜひ。今年もやりたいことはいっぱいあるんですよ。究極はあっこさんと一緒にアフリカ行きたいんですけど……。
あっこゴリラ:行きたい! 行きたいよ〜!
アオキ:その他にも、アフリカのアフロポップシーンも欧米と一緒でプロデューサー文化なので、アフロポップのプロデューサー特集もやってみたいし、あとは最近ナイジェリアのインディーズのアーティストとSNSで友達になったりして、そういう若手ミュージシャンを紹介しつつ、こういう時代だからこそオンラインで世界中のアーティストを紹介するフェスみたいなものをやってみたいと思ってます。
あっこゴリラ:めっちゃ素敵じゃないですか! アオキさんと水月さんと島さんとか、みんないればスゴいのできますよ! 楽しみにしています!

番組では、Sun EL Musician Feat. Azana『Uhuru』をオンエアした。



J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア

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番組情報
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月・火・水・木曜
21:00-24:00