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SEKAI NO OWARI・Fukaseが明かす、“楽曲の主人公を飼う”感覚。『silent』の制作秘話

SEKAI NO OWARI・Fukaseが明かす、“楽曲の主人公を飼う”感覚。『silent』の制作秘話

J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~ TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「HIDDEN STORY」。12月18日(金)のオンエアでは、SEKAI NO OWARIの新曲『silent』の制作エピソードをメンバーたちが語った。

「バンドというよりベンチャー企業みたい」と言われたことも

今回の放送では、SEKAI NO OWARIのメンバーたちが12月16日(水)に発売された新曲『silent』のHidden Storyを語る。

SEKAI NO OWARI「silent」

テレビドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)の主題歌である『silent』の制作がスタートしたのは、2020年の夏。ドラマのスタッフと打ち合わせたあとは、メロディを決めるところからはじめたという。

Nakajin:僕とFukase君とSaoriちゃんが作曲者なので、まずメロディはどんなものがいいかを出し合いました。
Fukase:コンペ形式はよくやります。バンドでこういうことをやる人はあまりいないですよね。
Saori:喧嘩になるんじゃないかな。
Fukase:(笑)。なので、幼馴染だからこそやっているって感じですね。自分たちはいわゆるアーティストというよりも、ある種クリエイター集団のビジネスパートナーとしてやっているというか。たまに周りから「バンドというよりもベンチャー企業みたいだよね」って言われますね。チームとしてやるっていうところに終始しているというか、そこを大切にして活動しています。
Nakajin:そこが強みだよね。
Fukase:一人ひとりの役割が違っているので、自分の番じゃないなってときはノンタッチにしています。たとえばボーカルの歌どりはSaoriちゃんが担当しているところなんですけれど、今回カップリングでNakajinの歌どりをしたとき、僕は役職じゃなかったので、現場にいませんでした。おいしいカニを食べに行っていましたね。
Nakajin:カニを食ってたんかい(笑)!

コンペの結果、今回はNakajinの曲をベースに、Fukaseの書いたパートも組み合わせるメロディとなったそうだ。

物語のどこを切り取るかで喜劇にも悲劇にもなる…作詞の裏話

作詞には、こんな苦労があったそうだ。

Fukase:あまりクリスマスを謳歌してきたタイプの人間たちではないので、「どうする? お前が書けよ」みたいな、なすりつけあいがありました(笑)。Nakajinが書いた方がいいって真顔で力説したんですけど、Nakajinからは「アレンジをやらなきゃいけないから、歌詞を書いたら間に合わない」と言われてしまって。なぜ僕が歌詞を書きたくなかったかというと、別件で最近、映画(映画『#キャラクター』)の撮影があったんですよ。自分がやった役が殺人鬼だったので、「殺人鬼の役をやりながらラブソングを書ける気がしないな」と思っちゃったんです。


DJ LOVE:しかもクリスマスっていうね(笑)。
Fukase:歌詞を書いている頃は真夏だったし、そのガチャガチャ感があったのでなんとかNakajinになすりつけようとしたんだけど、ダメでした(笑)。

最終的に歌詞は、Fukaseが主人公のキャラクターを設定し、その主人公の物語を見つめる形で作詞を進行したそうだ。

Fukase:ストーリーものの歌詞を書くことはあるんですが、基本的にまずは全体的な世界観というか、場所、状況、主人公を用意して、僕が主人公を飼うイメージです。しばらく主人公を飼っていると、ストーリーができてくるんですね。そこからストーリーの顛末まで考えて、「どこを切り取ると綺麗かな」と考える作り方をしています。

最初に作り上げた歌詞は「あまりにも卑屈すぎて暗すぎる」というダメ出しを食らってしまったという。

Fukase:その歌詞はストーリーの前半を切り抜いたところだったから、もう少し話を前に進めてみようと考えました。そうしたらきっと「やっぱりこの雪はあなたと見たかったな」という瞬間が訪れると思っていたので、時間軸をうしろにずらして、一番ポジティブに見える瞬間を切り取りました。自分たちの人生にも言えることですが、どこを切り取るかで喜劇にも悲劇にもなると思うんですよ。なので、切り取り方を変えたということですね。この曲は、2週間くらい遅らせていたら、もっと悲しい曲になったかもしれない。2週間くらい前なら、もっと甘酸っぱい曲だったかもしれない。1年くらい遅らせていたら、もっとドロドロした曲だったかもしれない(笑)。 

使う予定ではなかったエレキギターが功を奏した

今回の『silent』では高いキーが続くパートがあり、Fukaseにとって難易度が高い曲となっている。そこでメンバーたちは、いつもとは違う制作方法にチャレンジしたという。

Nakajin:ここ数年は「歌をきれいに録ろう」という意識が強かったんですよね。でも、この曲に関しては「エネルギッシュさと真っ直ぐに気持ちを伝える必要があるな」と思ったんです。いろんな方法を試しましたね。「マイクに声を入れよう」という気持ちが乗っちゃうので、マイクの距離を変えるだけでも、けっこう違うテンションになりましたね。

歌がエネルギッシュになったことで、当初の予定では使わなかった楽器を導入したという。

Nakajin:歌の情熱感とトラックの感じをつなぐものが欲しくなって、エレキギターを入れてみたんですよ。そうしたら、すごくハマりました。
Fukase:もともとは、もう少しおっとりとした曲だったよね?
Saori:テンポもゆっくりだったしね。
Nakajin:制作をしていくうちに、テンポとキーが上がって、歌もエネルギッシュになりました。それにほだされるように、歪んだエレキをジャーンと入れるという。
DJ LOVE:エンジニアさんにも「エレキもっと上げてください」って言ったよね。
Fukase:キーをあげたことで曲の雰囲気がガラッと変わり、曲全体が強くなっていったという感じでしたね。
Nakajin:今回は、大きなエネルギーが必要な曲だったんだと思いますね。

SEKAI NO OWARIの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『~JK RADIO~ TOKYO UNITED』のワンコーナー「HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分から。

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2020年12月25日28時59分まで

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