J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。8月7日(金)のオンエアでは、ミュージシャンで俳優の堂珍嘉邦(CHEMISTRY)がリモートで登場。ミュージカルの印象や、舞台と音楽ライブの違い、役者を始めて気づいたことなどを語った。
2011年には、音楽劇『醒めながら見る夢』で初舞台を踏んだ。しかし、それまではミュージカルに苦手意識があったという。
堂珍:自分のミュージカルのイメージはどうしてもクラシックの歌唱法というか、勝手に格式が高いものだとイメージしていたんです。一方でCHEMISTRYがやっていたことって、ポップスだったりR&Bだったり。たとえばソウルがあってロックがあるとすると、ポップスっていろんなジャンルの中間なんですよ。今となってはマイクにのせて声を出すときに、ある程度クラシックの要素があったほうがマイクのノリがいいとかはありますけどね。
中井:いつ頃から、そういう意識の変化があったんですか?
堂珍:『醒めながら見る夢』で初めて音楽劇をやらせてもらったときは、全くそういうことはなくて、本当に最近になってからですね。『RENT』に出演したときは、ロックミュージカルだったのでクラシックとはほど遠く、『ヴェローナの二紳士』のときは、自分の曲はちょっとソウル寄りだったんです。直近で出演した『アナスタシア』はクラシックではないんですけど、歌唱方法としてはクラシックを土台とした唱法がないとちょっと負けちゃうような感じでしたね。
中井:僕はミュージカルってジャンルはないと思っていて。それこそ堂珍さんが話すポップスは、いろんな人に伝わるものじゃないですか。それって、作った声ではなくて、その人のリアルの声が出ていけば出ていくほど共感が生まれるし、そういう要素って今のミュージカルでは多いと思います。だから、そういった音楽の集合体がミュージカルであるべきだなと思ったりしています。
堂珍:舞台って、いろんな活動をしているミュージシャンやボーカリストの存在感のぶつけ合いじゃないですか。そこには「生きてる」って実感があるというか。
中井:わかります。
中井:同じ作品を舞台と映画で表現して、どんな違いや発見がありましたか?
堂珍:映画も舞台と同じように多くの経験をしたことがなくて。僕がカメラの前で何かをすることって、自分の音楽のフィールドでいうとビデオクリップくらいしかなかったんです。その中で、舞台と映画はごまかしがきく部分ときかない部分があるなと感じました。舞台は足のつま先から頭のてっぺんまでスポットライトが当たっていて、ちょっと動くとその動作に意味があるじゃないですか。そういう意味も含めてごまかしがきかないとすれば、映画って映ってないところはある意味なんでもいいわけで。そういった部分ではごまかしがきくのかなと。とは言え、ストーリーの中に自分がいるのであれば、その役になりきれている自分がちゃんといないと、やはりバレてしまう訳で。
中井:舞台ってどちらかというと音楽ライブに近いんじゃないですか?
堂珍:舞台のほうがすごく気を使いますね。自分主体ではないですから。CHEMISTRYでもソロでも、音楽ライブだと途中で水を飲んでもいいし、歌の途中で何かしてもいいわけで。でも、舞台だと最初から最後まで走りきらないといけないから、その緊張感はありますよね。
堂珍:それぞれの舞台の中には、目指している夢があり葛藤があり、夢を叶えてエンディングがあって。仮想体験かもしれないですが、自分がそれをやっていなかったら、普段の生活では何もなかった感情が、舞台で上がったり下がったりできるから、役になりきっている感じがあるというか。
中井:舞台で全く違う人物として生きられる経験が、堂珍さんの精神衛生上でいいチャレンジになると。
堂珍:深く考えずにというか、心が躍ったり落ち込んだり、舞台で右往左往できることで、細胞が喜んでいるような感じですね。
中井:いい言葉ですね。舞台に立つと、その役になりきらないといけないじゃないですか。そんな役作りでこれまでにはない感覚ってありましたか?
堂珍:新しい発見はありましたね。宮本亜門さん演出の『ヴェローナの二紳士』に出演したときは、人生初のコミカルな要素の演技をやらせてもらって。普段、僕は冗談を言ったり、変なことをして笑わせたりすることはあっても、おそらく一般的にそういうイメージってないじゃないですか? この舞台では、ちょっと三枚目の部分がある役を与えられたので、それが自分的にラッキーだと思いました(笑)。
中井:全然違うチャンネルだからですよね。
堂珍:一部の人間しか知らないような自分の心を、舞台の役によってちょっとおちゃらけて見せられる。それで役者の幅が広がるとは恐れ多くて言えないですけど、それはうれしかったですね。
番組では堂珍が好きなミュージカル曲として、ミュージカル『RENT』より『Seasons Of Love』を選曲してオンエアした。
『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』では、ミュージカル俳優の中井がゲストを迎えて、ミュージカルの話や作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けする。放送は毎週金曜の22時30分から。
ミュージカルには苦手意識があった?
堂珍は2001年に男性デュオ・CHEMISTRYでデビュー。多くのヒット曲を生むなか、並行して2012年からソロ活動を本格的にスタート。現在は音楽活動以外に俳優としても活躍中だ。2011年には、音楽劇『醒めながら見る夢』で初舞台を踏んだ。しかし、それまではミュージカルに苦手意識があったという。
堂珍:自分のミュージカルのイメージはどうしてもクラシックの歌唱法というか、勝手に格式が高いものだとイメージしていたんです。一方でCHEMISTRYがやっていたことって、ポップスだったりR&Bだったり。たとえばソウルがあってロックがあるとすると、ポップスっていろんなジャンルの中間なんですよ。今となってはマイクにのせて声を出すときに、ある程度クラシックの要素があったほうがマイクのノリがいいとかはありますけどね。
中井:いつ頃から、そういう意識の変化があったんですか?
堂珍:『醒めながら見る夢』で初めて音楽劇をやらせてもらったときは、全くそういうことはなくて、本当に最近になってからですね。『RENT』に出演したときは、ロックミュージカルだったのでクラシックとはほど遠く、『ヴェローナの二紳士』のときは、自分の曲はちょっとソウル寄りだったんです。直近で出演した『アナスタシア』はクラシックではないんですけど、歌唱方法としてはクラシックを土台とした唱法がないとちょっと負けちゃうような感じでしたね。
中井:僕はミュージカルってジャンルはないと思っていて。それこそ堂珍さんが話すポップスは、いろんな人に伝わるものじゃないですか。それって、作った声ではなくて、その人のリアルの声が出ていけば出ていくほど共感が生まれるし、そういう要素って今のミュージカルでは多いと思います。だから、そういった音楽の集合体がミュージカルであるべきだなと思ったりしています。
堂珍:舞台って、いろんな活動をしているミュージシャンやボーカリストの存在感のぶつけ合いじゃないですか。そこには「生きてる」って実感があるというか。
中井:わかります。
舞台と映画、そして音楽ライブの違い
堂珍の初舞台となった『醒めながら見る夢』は2014年に映画化され、堂珍は舞台版と同役で出演している。中井:同じ作品を舞台と映画で表現して、どんな違いや発見がありましたか?
堂珍:映画も舞台と同じように多くの経験をしたことがなくて。僕がカメラの前で何かをすることって、自分の音楽のフィールドでいうとビデオクリップくらいしかなかったんです。その中で、舞台と映画はごまかしがきく部分ときかない部分があるなと感じました。舞台は足のつま先から頭のてっぺんまでスポットライトが当たっていて、ちょっと動くとその動作に意味があるじゃないですか。そういう意味も含めてごまかしがきかないとすれば、映画って映ってないところはある意味なんでもいいわけで。そういった部分ではごまかしがきくのかなと。とは言え、ストーリーの中に自分がいるのであれば、その役になりきれている自分がちゃんといないと、やはりバレてしまう訳で。
中井:舞台ってどちらかというと音楽ライブに近いんじゃないですか?
堂珍:舞台のほうがすごく気を使いますね。自分主体ではないですから。CHEMISTRYでもソロでも、音楽ライブだと途中で水を飲んでもいいし、歌の途中で何かしてもいいわけで。でも、舞台だと最初から最後まで走りきらないといけないから、その緊張感はありますよね。
心が躍ったり落ち込んだり…舞台で細胞が喜んでいる
堂珍は「役を演じることは、自身の精神衛生上とてもいいチャレンジだ」と語る。それはどういうことなのだろうか。堂珍:それぞれの舞台の中には、目指している夢があり葛藤があり、夢を叶えてエンディングがあって。仮想体験かもしれないですが、自分がそれをやっていなかったら、普段の生活では何もなかった感情が、舞台で上がったり下がったりできるから、役になりきっている感じがあるというか。
中井:舞台で全く違う人物として生きられる経験が、堂珍さんの精神衛生上でいいチャレンジになると。
堂珍:深く考えずにというか、心が躍ったり落ち込んだり、舞台で右往左往できることで、細胞が喜んでいるような感じですね。
中井:いい言葉ですね。舞台に立つと、その役になりきらないといけないじゃないですか。そんな役作りでこれまでにはない感覚ってありましたか?
堂珍:新しい発見はありましたね。宮本亜門さん演出の『ヴェローナの二紳士』に出演したときは、人生初のコミカルな要素の演技をやらせてもらって。普段、僕は冗談を言ったり、変なことをして笑わせたりすることはあっても、おそらく一般的にそういうイメージってないじゃないですか? この舞台では、ちょっと三枚目の部分がある役を与えられたので、それが自分的にラッキーだと思いました(笑)。
中井:全然違うチャンネルだからですよね。
堂珍:一部の人間しか知らないような自分の心を、舞台の役によってちょっとおちゃらけて見せられる。それで役者の幅が広がるとは恐れ多くて言えないですけど、それはうれしかったですね。
番組では堂珍が好きなミュージカル曲として、ミュージカル『RENT』より『Seasons Of Love』を選曲してオンエアした。
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2020年8月14日28時59分まで
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番組情報
- STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL
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毎週金曜22:30-23:00