映画鑑賞に変化。アメリカで広まる「ドライブインシアター」は日本で普及する?

ビジネスからライフスタイルまで、さまざまなアプローチから世界の“今”を紐解く「KONICA MINOLTA GLOBAL SCALE」。『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:nico、TENDRE)のワンコーナーだ。7月14日(月)のオンエアでは、アメリカの大手スーパーが試みる映画鑑賞への取り組みを紹介した。


■米国で広がる、コロナ禍の映画鑑賞の形

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、日本でも再び注目を集めるドライブインシアター。アメリカの大手スーパーマーケット「ウォルマート」は、8月から10月までの2ヶ月間、160の店舗の駐車場をドライブインシアターに変えることを発表した。こうした動きは日本でも今後広がっていくのだろうか。映画評論家の松崎健夫さんに、ドライブインシアターのメリット・デメリットを伺った。


松崎:ソーシャルディスタンスの観点から言うと、基本的に家族や友人、恋人同士が車に同乗することになるため、不特定多数の人が密になることはありません。つまり感染したとしても、誰と映画を観に行ったというのがわかるのはメリットだと思います。その点では、屋内劇場での鑑賞よりも、映画を安全に観る代替案ではないかと考えます。デメリットとしては、アメリカ国内すべてのウォルマートで開催可能ではないという点です。たとえば、スクリーンを設置できる広さがあるのかどうかというのは、店舗によって異なります。あとは、駐車場の形ですね。すべての駐車場が長方形、すなわち映画が上映しやすい状況かどうかというのは店舗によります。さらに、遮蔽物や明るい照明の有無といった、ある程度の条件が必要というのがデメリットだと思います。


■日本のスーパーでもドライブインシアターは実施できるのか

日本でドライブインシアターを実施する際、映画が上映可能な土地が確保できるかが問題となる。日本のスーパーでも実施することは可能なのだろうか。

松崎:日本の大手スーパーは立体駐車場が多いです。住宅地が隣接しているような施設も多いため、音は出ないとはいえ、多くの車がやってくることを気にされる可能性はあります。作品によっては画面が点滅したりする場面もあるので、周囲の住宅地にお伺いを立てないと開催ができないということもあると思います。

密の状態を避けるために有効なドライブインシアター。しかし、どんな作品でも上映できるというわけではないようだ。なおウォルマートでは、ロバート・デ・ニーロらが創設した映画製作会社トライベッカ・エンタープライズと提携し上映を行う予定だ。また、テクノロジーの進歩により、ドライブインシアターの視聴環境もアップデートされているという。

松崎:ドライブインシアターを利用する人が、どうやって映画の音を聴いてきたかと言いますと、これまでは駐車場の地面にアンテナを埋めて、そこから出てくる微弱な電波をカーラジオで受信していました。今回はアプリのようなものを使って、音声を受信できるようにする予定のようです。そういう意味では、時代が変わって開催しやすくなった側面もあります。いろいろやり方や注意点もあるかとは思いますが、日本でもやりたいという動きがあれば、みなさんも足を運んでいただきたいです。

時代が変われば、エンターテインメントの形も変わる。テクノロジーの進化と重なり、映画を観るスタイルもさらに変化を見せそうだ。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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