J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「VOLVO DESIGN YOUR LIFE」。6月27日(土)のオンエアでは、クリープハイプ・尾崎世界観が登場。ちょっと変わった少年時代の思い出や、今の幸せ=仕事について話を訊いた。
■友だちの親に歓迎されていない気がする…人の気持ちの裏をさぐるクセがついた
尾崎世界観の本名は尾崎祐介。1984年生まれの東京育ち。出身は葛飾区としているが、小学校2年生までは足立区の小菅で暮らしていたという。
尾崎:ものすごくクセのある町なんですよね(笑)。なんとも言えない「灰色のイメージ」を小さいながらに感じていました。すごく大人との距離感も感じました。子どものころって、けっこう大人の人たちが面倒を見てくれる、かまってくれるじゃないですか。かまってくれているけれど独特な感じというか、なんとも言えない距離感がありました。今になって思うと、あのころに感じた距離感が自分の表現の土台になっている気がするんです。友だちの家に行って、友だちの親と接するときとかもちょっと冷たいというか、なんかわかるんですよね。
渡辺:ドライな感じ?
尾崎:ドライというか、なんか「歓迎されてないな」って感じ取ってしまうんです。どの町でもきっとあるんでしょうけど……。
渡辺:町のせいなのか、人のせいなのか、微妙ですけど。
尾崎:結局、自分がそれを引き出しているんだと思います。
渡辺:「祐介くん来ちゃったよ……」みたいな?
尾崎:それをやっちゃってると思うんですよ(笑)。なんかそういうのを感じていて、人とコミュニケーションをとるときに「本当はどう思っているのかな?」とか、その人の裏にある気持ちをさぐるクセがついてしまいましたね。それは今となってはすごく宝だと思っています。
■少年時代の遊びは「子どもとしてのタスク」だった
少年時代の尾崎は、全力で外遊びを楽しむと言うより、「子どもは外で遊ばないといけない」という暗黙のルールを感じ、それが仕事かのような感覚を抱いていたようだ。
尾崎:仕事のような感じで遊んでましたね。「今日は誰と遊ぼう?」とか。
渡辺:スケジューリングみたいな。
尾崎:それが終わったら家に帰れるという。子どもながらにそういう変な子どもだったんです。
山田:俯瞰で見ている感じですね。
尾崎:冷めてました。
渡辺:それはもう「プレイ」じゃなくて「タスク」ですよ。
尾崎:そうです(笑)。なんかそうなってしまって、「この友だちは自分といて楽しかったのかな?」「次はあるのかな?」という、取引先の人みたいな感じに思っていました。
山田:「今日はお子様ランチを食べなきゃな」とか?
尾崎:家族に対しては大丈夫だったんです。だけど友だちと公園で遊んで「退屈な思いをさせるような要因はなかったかな?」と思ったりしていました。変な子どもですよね。
■「緑色の草の匂いがする」野菜が嫌い
尾崎は野菜嫌いで、今でもあまり食べられないそうだ。特に子ども時代はそれで苦労をしたという。
渡辺:小さいころは、絶対「野菜を食べなさい」って言われるでしょ?
尾崎:言われましたね。だからなかなか食事が終わらないんですよ。給食もそうでしたけど、終わるまで我慢くらべみたいですよね。「じゃあいいよ」って言われるのを待っているという、粘り勝ちをするために。
渡辺:野菜全般?
尾崎:そうですね。緑色の草の匂いがするやつ(笑)。
渡辺:もう言い方から嫌いだって伝わる。
尾崎:愛情がないですよね(笑)。「もうこれ以上言っても無理ですよ」って察してもらうようにしていました。
渡辺:親に察してもらうんだ(笑)。
尾崎:本当に変な子どもでした。
■仕事が楽しい! でも遊んでいるように見える?
大人になった今、なにが幸せかを訊ねると、プロ野球と仕事とのこと。音楽活動、執筆活動など活動は多岐にわたるが、「ないと不安になる」ほどだという。
尾崎:正月が本当に嫌いなんですよね。休んでいいよと言われて、どうしていいかわからなくて。仕事がいっぱいあると、「どうしようもないなあ」とはなるんですけど、締切がいっぱいあるときが楽しいですね。
渡辺:変わってる(笑)。普通、そうはなかなかならないですよ。
尾崎:なんかこう……Mですね。嬉しくなります。縛られると。
山田:じゃあ、家にいるときは何かを考えて、曲を作ったり文章を書いたり?
尾崎:そうですね。考えていますね。
渡辺:文章で言うと、書くまでが早い人遅い人、書き出してからも早い人遅い人などいろんなタイプがありますが、どちらですか?
尾崎:全部、遅いんですよ。書き出すまでも遅いし、書き出してからも遅いし、書き終わってから文章を校正してもらって、さらに練り直していくのも遅いんですよ。全部が遅いんですけど、終わったときの達成感がすごくありますね。
渡辺:遅いっていうのはある意味、丁寧さにも繋がりますからね。
尾崎:心配症ですね。「これでいいのかな」と考えながらやるし。
音楽も執筆も、ベッドに寝転がりながらおこなうことが多いそうだ。小さなギターや、iPhoneのメモ帳などを駆使すると、寝ながらにして弾いたり書いたりができるのだという。過去にクリープハイプでいい曲ができたとき、たまたま寝転がって作っており、“ジンクス”的な意味合いもあるという。「こいつ曲作りと執筆が趣味なんてすごく仕事が好きなのかと思うかもしれませんが、している姿は遊んでいるように見えると思います(笑)」と話した。
尾崎は初の対談集『身のある話と、歯に詰まるワタシ』(朝日新聞出版)を刊行したばかり。加藤シゲアキ、神田伯山、最果タヒ、金原ひとみ、那須川天心、尾野真千子、椎木知仁(My Hair is Bad)と対談している。相手が、詩人、俳優、ミュージシャンなどさまざまな立場であることから、各業界の現状がわかったと、渡辺は感想を述べた。
尾崎:そういう視点で見ていただけたのはすごく嬉しい。それは自分でもあまり意識していないところでした。対談は、対談相手の方とライターさんを含めて3人でやったんです。(少人数だと)どうしても嘆くような感じになっていくんですけど、自分の弱い部分を差し出すことがコミュニケーションする上で近づく手段だと思っているので、「僕はこんなことに悩んでいるんですよね」と話すと、相手の方も自然と自分の状況を話してくれるので、結果的にそうなった(渡辺が感じたように、それぞれの状況がわかるような対談になった)なら嬉しかったですね。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「VOLVO DESIGN YOUR LIFE」では、家族やライフスタイルを大切にする“SWEDISH THINKING”のスピリットと、個性的なゲストの共通点を探る。オンエアは9時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月4日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts
■友だちの親に歓迎されていない気がする…人の気持ちの裏をさぐるクセがついた
尾崎世界観の本名は尾崎祐介。1984年生まれの東京育ち。出身は葛飾区としているが、小学校2年生までは足立区の小菅で暮らしていたという。
尾崎:ものすごくクセのある町なんですよね(笑)。なんとも言えない「灰色のイメージ」を小さいながらに感じていました。すごく大人との距離感も感じました。子どものころって、けっこう大人の人たちが面倒を見てくれる、かまってくれるじゃないですか。かまってくれているけれど独特な感じというか、なんとも言えない距離感がありました。今になって思うと、あのころに感じた距離感が自分の表現の土台になっている気がするんです。友だちの家に行って、友だちの親と接するときとかもちょっと冷たいというか、なんかわかるんですよね。
渡辺:ドライな感じ?
尾崎:ドライというか、なんか「歓迎されてないな」って感じ取ってしまうんです。どの町でもきっとあるんでしょうけど……。
渡辺:町のせいなのか、人のせいなのか、微妙ですけど。
尾崎:結局、自分がそれを引き出しているんだと思います。
渡辺:「祐介くん来ちゃったよ……」みたいな?
尾崎:それをやっちゃってると思うんですよ(笑)。なんかそういうのを感じていて、人とコミュニケーションをとるときに「本当はどう思っているのかな?」とか、その人の裏にある気持ちをさぐるクセがついてしまいましたね。それは今となってはすごく宝だと思っています。
■少年時代の遊びは「子どもとしてのタスク」だった
少年時代の尾崎は、全力で外遊びを楽しむと言うより、「子どもは外で遊ばないといけない」という暗黙のルールを感じ、それが仕事かのような感覚を抱いていたようだ。
尾崎:仕事のような感じで遊んでましたね。「今日は誰と遊ぼう?」とか。
渡辺:スケジューリングみたいな。
尾崎:それが終わったら家に帰れるという。子どもながらにそういう変な子どもだったんです。
山田:俯瞰で見ている感じですね。
尾崎:冷めてました。
渡辺:それはもう「プレイ」じゃなくて「タスク」ですよ。
尾崎:そうです(笑)。なんかそうなってしまって、「この友だちは自分といて楽しかったのかな?」「次はあるのかな?」という、取引先の人みたいな感じに思っていました。
山田:「今日はお子様ランチを食べなきゃな」とか?
尾崎:家族に対しては大丈夫だったんです。だけど友だちと公園で遊んで「退屈な思いをさせるような要因はなかったかな?」と思ったりしていました。変な子どもですよね。
■「緑色の草の匂いがする」野菜が嫌い
尾崎は野菜嫌いで、今でもあまり食べられないそうだ。特に子ども時代はそれで苦労をしたという。
渡辺:小さいころは、絶対「野菜を食べなさい」って言われるでしょ?
尾崎:言われましたね。だからなかなか食事が終わらないんですよ。給食もそうでしたけど、終わるまで我慢くらべみたいですよね。「じゃあいいよ」って言われるのを待っているという、粘り勝ちをするために。
渡辺:野菜全般?
尾崎:そうですね。緑色の草の匂いがするやつ(笑)。
渡辺:もう言い方から嫌いだって伝わる。
尾崎:愛情がないですよね(笑)。「もうこれ以上言っても無理ですよ」って察してもらうようにしていました。
渡辺:親に察してもらうんだ(笑)。
尾崎:本当に変な子どもでした。
■仕事が楽しい! でも遊んでいるように見える?
大人になった今、なにが幸せかを訊ねると、プロ野球と仕事とのこと。音楽活動、執筆活動など活動は多岐にわたるが、「ないと不安になる」ほどだという。
尾崎:正月が本当に嫌いなんですよね。休んでいいよと言われて、どうしていいかわからなくて。仕事がいっぱいあると、「どうしようもないなあ」とはなるんですけど、締切がいっぱいあるときが楽しいですね。
渡辺:変わってる(笑)。普通、そうはなかなかならないですよ。
尾崎:なんかこう……Mですね。嬉しくなります。縛られると。
山田:じゃあ、家にいるときは何かを考えて、曲を作ったり文章を書いたり?
尾崎:そうですね。考えていますね。
渡辺:文章で言うと、書くまでが早い人遅い人、書き出してからも早い人遅い人などいろんなタイプがありますが、どちらですか?
尾崎:全部、遅いんですよ。書き出すまでも遅いし、書き出してからも遅いし、書き終わってから文章を校正してもらって、さらに練り直していくのも遅いんですよ。全部が遅いんですけど、終わったときの達成感がすごくありますね。
渡辺:遅いっていうのはある意味、丁寧さにも繋がりますからね。
尾崎:心配症ですね。「これでいいのかな」と考えながらやるし。
音楽も執筆も、ベッドに寝転がりながらおこなうことが多いそうだ。小さなギターや、iPhoneのメモ帳などを駆使すると、寝ながらにして弾いたり書いたりができるのだという。過去にクリープハイプでいい曲ができたとき、たまたま寝転がって作っており、“ジンクス”的な意味合いもあるという。「こいつ曲作りと執筆が趣味なんてすごく仕事が好きなのかと思うかもしれませんが、している姿は遊んでいるように見えると思います(笑)」と話した。
尾崎は初の対談集『身のある話と、歯に詰まるワタシ』(朝日新聞出版)を刊行したばかり。加藤シゲアキ、神田伯山、最果タヒ、金原ひとみ、那須川天心、尾野真千子、椎木知仁(My Hair is Bad)と対談している。相手が、詩人、俳優、ミュージシャンなどさまざまな立場であることから、各業界の現状がわかったと、渡辺は感想を述べた。
尾崎:そういう視点で見ていただけたのはすごく嬉しい。それは自分でもあまり意識していないところでした。対談は、対談相手の方とライターさんを含めて3人でやったんです。(少人数だと)どうしても嘆くような感じになっていくんですけど、自分の弱い部分を差し出すことがコミュニケーションする上で近づく手段だと思っているので、「僕はこんなことに悩んでいるんですよね」と話すと、相手の方も自然と自分の状況を話してくれるので、結果的にそうなった(渡辺が感じたように、それぞれの状況がわかるような対談になった)なら嬉しかったですね。
『RADIO DONUTS』のワンコーナー「VOLVO DESIGN YOUR LIFE」では、家族やライフスタイルを大切にする“SWEDISH THINKING”のスピリットと、個性的なゲストの共通点を探る。オンエアは9時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月4日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。