画像素材:PIXTA

災害対策に「絶対いれておきたい地図アプリ」 専門家が指南

台風、地震など、いつ災害に見舞われてもおかしくない。日頃からスマホに「地図アプリ」を入れて備えておこう。今回は、地図による災害対策に取り組む、青山学院大学地球社会共生学部教授・古橋大地さんに、おすすめのアプリを訊いた。

【10月14日(月)『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)の「MORNING INSIGHT」】(音源は2019年10月21日28時59分まで)


■災害に備えて普段から使っておくべき地図アプリ

古橋さんは、2010年に20~30万人規模の犠牲者を出したハイチの震災から、地図による災害対策に取り組んでいる。災害への地図の備えとして、古橋さんが実際に利用しているアプリを紹介した。

古橋:インターネットがなくても、GPSだけは使えます。僕はGPSが使えるオフラインの地図アプリ「MAPS.ME(マップスミー)」を入れています。こういった地図アプリを普段から使っておくことが大事です。
別所:オフライン地図は、いろんな形で応用されている技術なんですか?
古橋:「MAPS.ME」以外にも山登り用のアプリ「YAMAP(ヤマップ)」があります。東京都の防災アプリもオフライン機能があったりしますね。


■被災後に使いたい「地図版インスタアプリ」

被災後は、今後の対策のために「状況の記録」も大切だ。InstagramなどSNSに投稿される写真だと、正確な位置情報がつきにくい。古橋さんがおすすめするのは、「Mapillary(マピラリー)」だ。

古橋:緯度経度だけではなく、どっちの方角を向いて撮影したものなのか、周りにどんなものがあるのか、正確な情報もセットできちんと記録できます。いわば「地図版のインスタアプリ」ですね。このような写真アプリを現場の記録用に使っています。
別所:これは日本中だけでなく、世界中で使えるんですか?
古橋:今、世界中で使えて、6億枚の写真が集まっています。Googleさんでいうストリートビューをみんなで作るような仕組みですね。


■世界中のどこからでも支援可能! 地図による災害対策プロジェクト

最近の災害時は、ドローンが活躍している。写真撮影だけでなく、物資を送る、携帯電話が通じるようにアンテナを空中に配置するなどの技術も進歩。古橋さんも、一般市民とともにドローンを使った災害対策プロジェクトに取り組んでいる。

別所:古橋さんが発起人になっている「ドローンバードプロジェクト」は、災害発生時にドローンを飛ばして現地を空撮。被害状況が把握できる最新の地図を作成しているそうですね。隊員は一般市民の方々?
古橋:はい、そうなんです。ドローンの技術は、警察、消防、自衛隊の皆さんが使っています。ただそのドローンで撮影された情報は、一般の方までなかなか届かない。でも、市販されているドローンの中でかなりいいものを使えば、自分で航空写真を作れるんですね。一般市民の方たちが使う航空写真を一般市民の方々と撮影して届けようと取り組んでいます。
別所:地域に根差した一般の方からの情報を吸収、成長していく「ドローンバードプロジェクト」。具体的にはどのように災害発生時の地図を作っているんですか?
古橋:普段から訓練をし、ある程度トレーニングをした隊員が現場に駆け込んで、現場の様子を空から撮影。なるべく素早くその航空写真をインターネット上に公開する活動をしています。

日本各地に大きなダメージを与えた台風19号。古橋さんが取り組んでいる「ドローンバードプロジェクト」は、27の自治体と災害協定を結んでおり、14日には相模原市での撮影予定が明かされた。またこのプロジェクトは、インターネットがつながる場所であれば参加可能。世界のどこにいても被災地支援できる仕組みだ。プロジェクトの詳細や災害に向けての地図の備えについては、radikoタイムフリーでチェックを。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年10月21日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/tmr

関連記事