今、じわじわと広がっている「週休3日制」。働き方改革の中で出てきた新しい考え方ではなく、これまでも何度も話題になってきたテーマだ。複業研究家で働き方改革コンサルタントの西村創一朗さんに詳しく訊いた。
【10月1日(火)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(視聴は2019年10月8日28時59分まで)
■週休3日制、企業にとってのメリットは?
今年8月、日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入を開始し話題になった。2017年にはYahoo! JAPAN、2015年にはユニクロ事業で話題の株式会社ファーストリテイリングがすでに導入しており、さらに遡ると2005年に日本IBMが時短勤務制度の一環として週休3日制度を導入している。
西村:実は昔から議論されているテーマではあります。
サッシャ:では、リスナーの中にはすでに経験したことがある方もいらっしゃるかもしれないですね。週休3日制は、企業にとってどのようなメリットがあるんですか?
西村:企業側のメリットはとてもシンプルです。たとえば、マイクロソフトが今年話題になったのは、特別休暇を金曜日に付与して、実質週休3日にした。有給休暇取得の義務化と絡めてしまおうということだったんです。これを「週休3日制」としてうまく採用やPRに結び付けたいと。
サッシャ:実際には有給消化だったということですか?
西村:実質は、そうだと思います。
■働く側のメリットや過ごし方は?
週休三日制の導入には、いくつかのメリット・デメリットが考えられる。労働日数が週4日になることで労働時間を大きく減らすことができる一方、限られた時間で効率よく働かなくてはいけなくなる。また、給料が減るかもしれないといった、デメリットも。
西村:週休3日制もいくつかのパターンがあり、給料が減らないパターンもあります。週休3日でいいけれど、週5日で出す成果を週4日で出す。給料を減らさない代わりに成果をちゃんと出す、というのが2018年にニュージーランドで話題になった、とある企業の事例です。ただ、ほとんどの場合は1日8時間労働で、週4日に減らした場合は「(給料は)5分の4にします」となります。中には変形労働時間制を採用して、1日8時間ではなく10時間×4日で週40時間働くようにして、働く時間は週休2日制の人と週休3日制の人と変わらないというパターンもあります。
ただし、休みを持てあましてしまう人やもっとお金を稼ぎたい人にとっては、週休3日は特別うれしいものではないとも言えるだろう。
西村:あくまでも週休3日というのは個人にとっての選択肢であって、やりたいことがある人や、家事・育児・介護など、やらなきゃいけないことがある人にはいい選択肢だと思います。しかし、全員が週3日の休みが必要かというと、そんなことはないかなと思います。
週休3日になった場合、どのような休日の過ごし方をする人が多いのだろうか。
西村:人によってさまざまですが、オランダだと子育てや介護の両立というワークライフバランス的な観点で考える人も多いです。ですが、最近の20代や30代の人は副業、いわゆるサイドハッスルといわれるものを、土日だけでは足りないので平日にさらに1日休みを取って、その日は別の企業で働く。そんな働き方をしている人が日本でも増えてきています。
サッシャ:結果、休んでいないということだね。
西村:副業をしている人の場合はそうですね。休みというよりは働いている感じです。
サッシャ:共働きなら、収入を減らして週休3日にしてでも、子育てや家事を分担することを選ぶ人たちがいるかもしれませんね。
西村:実際、そうしたワークスタイルでやっている夫婦もいます。
■働き方の選択肢が増える世の中に
週休三日制にした場合、いつ休みを取るのかも重要になってくる。あるアンケート調査によると、水曜休を希望する人が51.7パーセントで一番多かった。次いで月曜日、金曜日と回答があり、3連休を希望する人も多くいることがわかった。
西村:連休型を取るか、V字型を取るかということです。たとえば、ノー残業デーも水曜日が多かったりします。やはり5日連続で働くのは疲れるから、水曜日の折り返し地点でノー残業デーと言わず休めたら......というサラリーマンの願望が出ているのではないかと思います。
そんな西村さんも、自身の仕事で週休3日制を導入している。
西村:僕自身は今フリーランスで会社を経営していますが、自分で週休3日にしています。まだ小さい子どもがいるので、一緒に過ごす時間を持てたり、充実しています。忙しくなったら、週休2日に減らすなど、自分でコントロールすることもできます。
これまでの尺度で「1日8時間×5日、週40時間会社にいる」=「働いたことになる」と単純には言えない時代が来ているのかもしれない。さまざまな働き方がある中で、今後週休3日が選択肢のひとつとして定着していくのではないだろうか。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
【10月1日(火)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(視聴は2019年10月8日28時59分まで)
■週休3日制、企業にとってのメリットは?
今年8月、日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入を開始し話題になった。2017年にはYahoo! JAPAN、2015年にはユニクロ事業で話題の株式会社ファーストリテイリングがすでに導入しており、さらに遡ると2005年に日本IBMが時短勤務制度の一環として週休3日制度を導入している。
西村:実は昔から議論されているテーマではあります。
サッシャ:では、リスナーの中にはすでに経験したことがある方もいらっしゃるかもしれないですね。週休3日制は、企業にとってどのようなメリットがあるんですか?
西村:企業側のメリットはとてもシンプルです。たとえば、マイクロソフトが今年話題になったのは、特別休暇を金曜日に付与して、実質週休3日にした。有給休暇取得の義務化と絡めてしまおうということだったんです。これを「週休3日制」としてうまく採用やPRに結び付けたいと。
サッシャ:実際には有給消化だったということですか?
西村:実質は、そうだと思います。
■働く側のメリットや過ごし方は?
週休三日制の導入には、いくつかのメリット・デメリットが考えられる。労働日数が週4日になることで労働時間を大きく減らすことができる一方、限られた時間で効率よく働かなくてはいけなくなる。また、給料が減るかもしれないといった、デメリットも。
西村:週休3日制もいくつかのパターンがあり、給料が減らないパターンもあります。週休3日でいいけれど、週5日で出す成果を週4日で出す。給料を減らさない代わりに成果をちゃんと出す、というのが2018年にニュージーランドで話題になった、とある企業の事例です。ただ、ほとんどの場合は1日8時間労働で、週4日に減らした場合は「(給料は)5分の4にします」となります。中には変形労働時間制を採用して、1日8時間ではなく10時間×4日で週40時間働くようにして、働く時間は週休2日制の人と週休3日制の人と変わらないというパターンもあります。
ただし、休みを持てあましてしまう人やもっとお金を稼ぎたい人にとっては、週休3日は特別うれしいものではないとも言えるだろう。
西村:あくまでも週休3日というのは個人にとっての選択肢であって、やりたいことがある人や、家事・育児・介護など、やらなきゃいけないことがある人にはいい選択肢だと思います。しかし、全員が週3日の休みが必要かというと、そんなことはないかなと思います。
週休3日になった場合、どのような休日の過ごし方をする人が多いのだろうか。
西村:人によってさまざまですが、オランダだと子育てや介護の両立というワークライフバランス的な観点で考える人も多いです。ですが、最近の20代や30代の人は副業、いわゆるサイドハッスルといわれるものを、土日だけでは足りないので平日にさらに1日休みを取って、その日は別の企業で働く。そんな働き方をしている人が日本でも増えてきています。
サッシャ:結果、休んでいないということだね。
西村:副業をしている人の場合はそうですね。休みというよりは働いている感じです。
サッシャ:共働きなら、収入を減らして週休3日にしてでも、子育てや家事を分担することを選ぶ人たちがいるかもしれませんね。
西村:実際、そうしたワークスタイルでやっている夫婦もいます。
■働き方の選択肢が増える世の中に
週休三日制にした場合、いつ休みを取るのかも重要になってくる。あるアンケート調査によると、水曜休を希望する人が51.7パーセントで一番多かった。次いで月曜日、金曜日と回答があり、3連休を希望する人も多くいることがわかった。
西村:連休型を取るか、V字型を取るかということです。たとえば、ノー残業デーも水曜日が多かったりします。やはり5日連続で働くのは疲れるから、水曜日の折り返し地点でノー残業デーと言わず休めたら......というサラリーマンの願望が出ているのではないかと思います。
そんな西村さんも、自身の仕事で週休3日制を導入している。
西村:僕自身は今フリーランスで会社を経営していますが、自分で週休3日にしています。まだ小さい子どもがいるので、一緒に過ごす時間を持てたり、充実しています。忙しくなったら、週休2日に減らすなど、自分でコントロールすることもできます。
これまでの尺度で「1日8時間×5日、週40時間会社にいる」=「働いたことになる」と単純には言えない時代が来ているのかもしれない。さまざまな働き方がある中で、今後週休3日が選択肢のひとつとして定着していくのではないだろうか。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/