いよいよ10月1日(火)から、消費税率が8%から10%に引き上げられる。そこで、増税前に知っておきたい注意点などについて、消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんに訊いた。
【9月19日(木)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(2019年9月26日28時59分まで)
■軽減税率は対象の線引きがややこしい
消費増税に対して政府が示している負担軽減策のひとつに軽減税率がある。生活必需品である食品は軽減税率の対象で、税率が8%のまま据え置かれる。ただ、外食やイートインスペースでの飲食などは10%になるということで、区別が少しややこしい。
松崎さんによると、「食事を提供する側が飲食をするためのテーブルや椅子を備えているかがポイント」だという。スーパーのフードコートは食事用のテーブルが備えられているので10%、出前や新幹線のワゴンサービスは食品を受け取るだけなので8%、というふうに考える。この場合、新幹線の座席にあるテーブルは、飲食のためのテーブルには当てはまらない。
その他にも、通常、フードトラックで商品を買うと、受け取るだけなので8%なのだが、フードフェスティバルとなると飲食をするための椅子やテーブルがあるので10%になる、というパターンなどがあるようだ。
水も、飲料水として売られているものは8%で、生活用水として使う水道水は10%になる。生活用水は飲む以外の用途で使うからだそうだ。松崎さんはこれについて、「インフラを10%にする政府の考えは不思議だと思うことがある」と、疑問を呈していた。
酒類は、生活必需品ではないということで10%だ。つまり、みりん風調味料は8%で、みりんは10%になる。ノンアルコールビールは8%、ビールは10%。栄養ドリンクは、医薬品扱いであったり「医薬部外品」の表示があるものは10%で、清涼飲料は8%。薬は、病院で処方されるものに関しては8%。市販のものは10%。ダイエット食品や健康食品は食品なので8%になるなど、ドラッグストアのような色々なカテゴリーの商品の扱う店は混乱が予想される。
松崎さんに、消費者はどう行動すべきかを訊くと、「日用品などの買いだめは、焦ってする必要はないと思います。ドラッグストアなどは、セールなどを頻繁に行っているし、下手にストックが家にあると、節約意識が緩んで使いすぎてしまいます。適量を適正な日に買うほうが賢い選択」とアドバイスした。
■キャッシュレス決済をするとポイント還元
続いて、増税とともに始まるキャッシュレス・消費者還元事業について訊いた。
このキャッシュレス・消費者還元事業に参画している事業者でクレジットカード、デビットカード、電子マネー、モバイル決済などで支払いをすると、最大5%の還元が受けられる。還元のパターンはポイントバック、ポイント充当分をその場で値引き、クレジットカードの利用料金の請求時に値引き、の3種類がある。
この制度の対象となるのは、小売業だと「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主」という定義がある。ただし、大手ネット通販サイトに出店しているショップも対象になるため、松崎さんは「買えるものの幅は広がるのではないか」と予想した。
一方で、増税前に買っておくべきものを訊くと、「正規の取扱い店が扱うブランド品などの値引きしないものや市販の医薬品」と松崎さん。医薬品に関しては、花粉症の薬など毎年買うものがあれば多めに買ってもよいそうだ。
ただし今回は、対象になる事業者が幅広いことや、対象外の大手のスーパーや家電量販店でも独自のキャンペーンが展開されることが予想されるため、あまり慌てる必要はないという。
9月中にするべきことは、無駄なコストを見直すこと。「習い事、スマートフォンの料金、ネットの定額サービスなども消費税かかってくるので、なんとなく払っているお金、引き落としで自分で払っている意識がないお金などを9月中に見直すべき」とアドバイスした。
松崎さんの試算では、増税によって月に3600円ほどの負担が発生することが予想されるそうだ。その金額を念頭に置いて、増税前に無駄な支払いをカットしておきたいところだ。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
【9月19日(木)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(2019年9月26日28時59分まで)
■軽減税率は対象の線引きがややこしい
消費増税に対して政府が示している負担軽減策のひとつに軽減税率がある。生活必需品である食品は軽減税率の対象で、税率が8%のまま据え置かれる。ただ、外食やイートインスペースでの飲食などは10%になるということで、区別が少しややこしい。
松崎さんによると、「食事を提供する側が飲食をするためのテーブルや椅子を備えているかがポイント」だという。スーパーのフードコートは食事用のテーブルが備えられているので10%、出前や新幹線のワゴンサービスは食品を受け取るだけなので8%、というふうに考える。この場合、新幹線の座席にあるテーブルは、飲食のためのテーブルには当てはまらない。
その他にも、通常、フードトラックで商品を買うと、受け取るだけなので8%なのだが、フードフェスティバルとなると飲食をするための椅子やテーブルがあるので10%になる、というパターンなどがあるようだ。
水も、飲料水として売られているものは8%で、生活用水として使う水道水は10%になる。生活用水は飲む以外の用途で使うからだそうだ。松崎さんはこれについて、「インフラを10%にする政府の考えは不思議だと思うことがある」と、疑問を呈していた。
酒類は、生活必需品ではないということで10%だ。つまり、みりん風調味料は8%で、みりんは10%になる。ノンアルコールビールは8%、ビールは10%。栄養ドリンクは、医薬品扱いであったり「医薬部外品」の表示があるものは10%で、清涼飲料は8%。薬は、病院で処方されるものに関しては8%。市販のものは10%。ダイエット食品や健康食品は食品なので8%になるなど、ドラッグストアのような色々なカテゴリーの商品の扱う店は混乱が予想される。
松崎さんに、消費者はどう行動すべきかを訊くと、「日用品などの買いだめは、焦ってする必要はないと思います。ドラッグストアなどは、セールなどを頻繁に行っているし、下手にストックが家にあると、節約意識が緩んで使いすぎてしまいます。適量を適正な日に買うほうが賢い選択」とアドバイスした。
■キャッシュレス決済をするとポイント還元
続いて、増税とともに始まるキャッシュレス・消費者還元事業について訊いた。
このキャッシュレス・消費者還元事業に参画している事業者でクレジットカード、デビットカード、電子マネー、モバイル決済などで支払いをすると、最大5%の還元が受けられる。還元のパターンはポイントバック、ポイント充当分をその場で値引き、クレジットカードの利用料金の請求時に値引き、の3種類がある。
この制度の対象となるのは、小売業だと「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主」という定義がある。ただし、大手ネット通販サイトに出店しているショップも対象になるため、松崎さんは「買えるものの幅は広がるのではないか」と予想した。
一方で、増税前に買っておくべきものを訊くと、「正規の取扱い店が扱うブランド品などの値引きしないものや市販の医薬品」と松崎さん。医薬品に関しては、花粉症の薬など毎年買うものがあれば多めに買ってもよいそうだ。
ただし今回は、対象になる事業者が幅広いことや、対象外の大手のスーパーや家電量販店でも独自のキャンペーンが展開されることが予想されるため、あまり慌てる必要はないという。
9月中にするべきことは、無駄なコストを見直すこと。「習い事、スマートフォンの料金、ネットの定額サービスなども消費税かかってくるので、なんとなく払っているお金、引き落としで自分で払っている意識がないお金などを9月中に見直すべき」とアドバイスした。
松崎さんの試算では、増税によって月に3600円ほどの負担が発生することが予想されるそうだ。その金額を念頭に置いて、増税前に無駄な支払いをカットしておきたいところだ。
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!
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番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
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