J-WAVEで放送中の番組『TOPPAN FUTURISM』(ナビゲーター:小川和也・南沢奈央)。9月15日(日)のオンエアでは、株式会社未来の図書館 研究所の所長・永田治樹さんが登場。「図書館の未来」を語った。
■公共図書館の歴史は意外にも浅い?
未来の図書館 研究所では「主に公共図書館に関わる調査・研究、および成果の発信」をコンセプトに、日本だけにとどまらず、世界中の図書館を研究している。図書館の歴史は紀元前にまで遡り、今もなお、その数は増える傾向にある。ただし、永田さんによると、紀元前の図書館と現代の公共図書館とでは、まったく性質が違うそうだ。
永田:特に中世以降は、大学や宗教機関などが図書館を営んでいました。人々が使う図書館というのは19世紀以降です。最近ですね。
小川:ひとつ大きなきっかけになったのは、ヨハネス・グーテンベルクの活版印刷技術ができたことによって、本がたくさん複製できるようになったこと。それまでは手で書き写していたから、貴族とか研究者しか使えないところだったのが、19世紀以降くらいから一般人が無料で使えるようになった。
■フィンランドの図書館がすごい!
先日、国際図書館連盟(IFLA)が2019年度の「Public Library of the Year(公共図書館オブ・ザ・イヤー)」を発表。フィンランド・ヘルシンキにある中央図書館「Oodi」が選ばれた。「Oodi」は、2018年12月5日に開館したばかりの新しい図書館で、1万平米を超える大きな木造図書館だ。コンペを勝ち抜いたフィンランドの建築設計事務所・ALA Architectsが手がけた。フィンランドには737の公立図書館があり、利用者は年間190万人にのぼる。図書館利用率がもともと高いが、永田さんは「Oodi」の誕生により、もっと多くの人が図書館を利用するようになったと話す。
南沢:「Oodi」には本を求めに来る人が多いんですか?
永田:必ずしもそうではありません。自分の機械を修理したり、3Dプリンターでフィギュアを作ったりですね。
南沢:そんなスペースがあるんですね。
永田:自分のブラウスをミシンで縫ったり、作業場所として使っている方もたくさんいらっしゃいます。
■AIも活躍!
日本の図書館といえば、机が並んでいて静かな場所というイメージがある。「Oodi」は、そうした場所も用意しつつ、カフェや映画館、イベントホールなど、人々が交流できる場が設けられている。さらに、図書館のバックヤードではロボットが稼働しており、IT技術が取り入れられている。ヘルシンキでは、どの図書館にどんな本を置けばいいかなどを人工知能(AI)が分析しているそうだ。
小川:技術力もすごいんですね。「Oodi」のカタログを拝見すると、広場の近くにあったり、自然に囲まれながら素敵な建物があって、いわゆるリビングルームのようなコンセプト。かつ、バルコニーから街の景色を眺めることもできる。そんなところで本を読んでコーヒーを飲んで......いいよね(笑)。
南沢:図書館のイメージと違いますよね。図書館ってちょっと緊張するというか、静かにしなくてはならないとか、勉強している人もいる感じですけど、フィンランドではリラックスできる場所になっているんですね。
永田:1階の外には、ロックやジャズのコンサートができるようなエリアもあるし、バスケットボールをやったり、子どもたちの遊技場があったり、そういったものも併設されています。
日本の図書館の常識を覆すフィンランドの図書館「Oodi」。本を借りるだけの場所ではなく、市民の交流の場として大きな役割を果たしている。
『TOPPAN FUTURISM』では、「未来を創る鍵を探る」をテーマに、各分野で活躍するゲストを毎回迎えてお送りしている。時間は21時から。お楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『TOPPAN FUTURISM』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/futurism/
■公共図書館の歴史は意外にも浅い?
未来の図書館 研究所では「主に公共図書館に関わる調査・研究、および成果の発信」をコンセプトに、日本だけにとどまらず、世界中の図書館を研究している。図書館の歴史は紀元前にまで遡り、今もなお、その数は増える傾向にある。ただし、永田さんによると、紀元前の図書館と現代の公共図書館とでは、まったく性質が違うそうだ。
永田:特に中世以降は、大学や宗教機関などが図書館を営んでいました。人々が使う図書館というのは19世紀以降です。最近ですね。
小川:ひとつ大きなきっかけになったのは、ヨハネス・グーテンベルクの活版印刷技術ができたことによって、本がたくさん複製できるようになったこと。それまでは手で書き写していたから、貴族とか研究者しか使えないところだったのが、19世紀以降くらいから一般人が無料で使えるようになった。
■フィンランドの図書館がすごい!
先日、国際図書館連盟(IFLA)が2019年度の「Public Library of the Year(公共図書館オブ・ザ・イヤー)」を発表。フィンランド・ヘルシンキにある中央図書館「Oodi」が選ばれた。「Oodi」は、2018年12月5日に開館したばかりの新しい図書館で、1万平米を超える大きな木造図書館だ。コンペを勝ち抜いたフィンランドの建築設計事務所・ALA Architectsが手がけた。フィンランドには737の公立図書館があり、利用者は年間190万人にのぼる。図書館利用率がもともと高いが、永田さんは「Oodi」の誕生により、もっと多くの人が図書館を利用するようになったと話す。
南沢:「Oodi」には本を求めに来る人が多いんですか?
永田:必ずしもそうではありません。自分の機械を修理したり、3Dプリンターでフィギュアを作ったりですね。
南沢:そんなスペースがあるんですね。
永田:自分のブラウスをミシンで縫ったり、作業場所として使っている方もたくさんいらっしゃいます。
■AIも活躍!
日本の図書館といえば、机が並んでいて静かな場所というイメージがある。「Oodi」は、そうした場所も用意しつつ、カフェや映画館、イベントホールなど、人々が交流できる場が設けられている。さらに、図書館のバックヤードではロボットが稼働しており、IT技術が取り入れられている。ヘルシンキでは、どの図書館にどんな本を置けばいいかなどを人工知能(AI)が分析しているそうだ。
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小川:技術力もすごいんですね。「Oodi」のカタログを拝見すると、広場の近くにあったり、自然に囲まれながら素敵な建物があって、いわゆるリビングルームのようなコンセプト。かつ、バルコニーから街の景色を眺めることもできる。そんなところで本を読んでコーヒーを飲んで......いいよね(笑)。
南沢:図書館のイメージと違いますよね。図書館ってちょっと緊張するというか、静かにしなくてはならないとか、勉強している人もいる感じですけど、フィンランドではリラックスできる場所になっているんですね。
永田:1階の外には、ロックやジャズのコンサートができるようなエリアもあるし、バスケットボールをやったり、子どもたちの遊技場があったり、そういったものも併設されています。
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日本の図書館の常識を覆すフィンランドの図書館「Oodi」。本を借りるだけの場所ではなく、市民の交流の場として大きな役割を果たしている。
『TOPPAN FUTURISM』では、「未来を創る鍵を探る」をテーマに、各分野で活躍するゲストを毎回迎えてお送りしている。時間は21時から。お楽しみに!
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番組名:『TOPPAN FUTURISM』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/futurism/
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