J-WAVEの番組『BKBK(ブクブク)』(ナビゲーター:大倉眞一郎、原カントくん)。本や映画に詳しい大倉眞一郎と、複数のメディアに携わる編集者・プロデューサーの原カントくんが、大人が興味を惹かれるモノについて縦横無尽に語り合う。
9月10日(火)の放送では、評論家の荻上チキと教育社会学者の内田 良が編集した1冊『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』(東洋館出版社)を紹介した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月17日28時59分まで)
■ブラック校則の驚くべき現状
『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』を読んだ大倉は「今こんなことが起きているのか」と衝撃を受けたという。
大倉:「スカートの丈をちゃんと守りなさい」と定規で測ったり、眉毛の手入れ禁止とか整髪料禁止とか、このへんはありそうな話だなあと思ったんですけど、ビックリしたのが「下着の色は白しかダメ」というやつ。
原:それを校則で縛っているんですか? どうチェックするんだって話ですよね。
大倉:本当に驚いたんだけど、場合によっては男子教師が女子の下着の色のチェックをする。つまり、のぞき込んでいるのかめくっているのか知らないけれど、それをやっているところがあるらしいんです。
原:校則違反以前に、それはもうセクハラですよ。
大倉:僕はセクハラではなく犯罪だと思うんです。こんなのは犯罪以外の何物でもないでしょ。
原:そうですね。それをやっているところがいまだにあると。
大倉:あるらしいんです。もっと不思議なのは、体育のときは体操着の下に下着をつけてはいけないという話。汗に濡れたものをそのまま身に着けることになるので体に悪いからとか、まったく言っていることの意味がわからない。
原:それを聞くと校長の趣味としか思えないです。
■ブラック校則がなくならない理由とは?
理不尽な校則に驚くばかりだが、不思議なことに反対の声をあげない生徒や保護者も多いという。
大倉:「これは基本的人権の蹂躙」「これは犯罪」と、それぞれ分けられるぐらいおかしなことが起きている。僕らが丸刈り強制だった頃に比べると、多様性が言われている世の中ですから、当然のことながら校則は緩くなっているだろうと思っていたんです。ところがここ20年ぐらいの統計で、徐々に厳しくなっているというんです。しかも保護者も生徒も、それをあって然るべきだという人間が増えてきている。最初は学校の理不尽さに怒っていたんですけど。
原:自由でいることがめんどくさいというか、自由でいることが不安な人たちがいる。校則で縛ってくれたほうが気が楽だ、みたいな人たちが。
大倉:そう。それから、みんなと同じでないとまずかろう的な同調圧力を互いにかけ合っているのかなあと。
■校則だけにとどまらず、社会問題という意識を
また、「教師」という職業が非常に厳しい状況に置かれている現状がある。
大倉:先生側はものすごく拘束時間が長くて、「みなし残業」(固定残業制度/一定の残業時間分の残業代を最初から給料として払う制度)みたいなものが少しつくので、残業がつかないんですよね。
原:教師って部活の顧問をやってる時間もありますよね。
大倉:だから今は、教師はブラック職業だと言われるケースも多いです。しかも大勢を対象にしなければいけないとなると、本来1対1で話せるような時間が取れればいいんだけど、そういう時間が本当に取れないので、極力画一化された形で生徒を指導するのがいちばん都合がいい。そのためには、規則だからという理由ですべてをはねつけたほうがラクチンだというのもありそうな気がする。そうすると、この多様性を生かそうといっているご時世の中で、教師も保護者も生徒も一体となって「いいんじゃねーの、校則」的なことになって。しかも、それがだんだん厳しくなってきていることも、よしとする方向にあるような気配があるんです。もちろん、もともと茶髪の髪を黒に染めろというのはさすがにおかしい。普通に教師が見てもおかしいと思うようなことも、いろんな細かなことが決まってしまっているみたいだから言えないんです。
原:思考停止に陥ったほうが楽だと思う人たちがいるのは、ちょっとわかる気がします。たとえば、スマホがどんどん多機能になった結果、最終的にはガラケーに行きつくというような。そっちのほうが安心する、みたいな。それはわからなくもないですけど、なんでおかしな校則がまだ生き残っているのかというのは、わかりにくい。
大倉:荻上さんたちがいろいろな方に書いてもらっているんです。視点も保護者や生徒など、いろんなところから来ていますから、これは僕が今ペラペラ話したような通り一遍な話じゃないことがわかりました。校則の問題にとどまらず、社会の問題だと思って一読いただけるとうれしいです。
『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』は東洋館出版社から好評発売中。一方の原カントくんは、野球界の実態に迫った中島大輔の著書『野球消滅』(新潮社)を紹介した。radikoでチェック!
『BKBK』では、本、旅、映画、音楽など、大人たちが興味を惹かれるものについて大倉眞一郎と原カントくんが語り合う。放送は毎週火曜の26時30分から。お聴き逃しなく!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:毎週火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/
9月10日(火)の放送では、評論家の荻上チキと教育社会学者の内田 良が編集した1冊『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』(東洋館出版社)を紹介した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年9月17日28時59分まで)
■ブラック校則の驚くべき現状
『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』を読んだ大倉は「今こんなことが起きているのか」と衝撃を受けたという。
大倉:「スカートの丈をちゃんと守りなさい」と定規で測ったり、眉毛の手入れ禁止とか整髪料禁止とか、このへんはありそうな話だなあと思ったんですけど、ビックリしたのが「下着の色は白しかダメ」というやつ。
原:それを校則で縛っているんですか? どうチェックするんだって話ですよね。
大倉:本当に驚いたんだけど、場合によっては男子教師が女子の下着の色のチェックをする。つまり、のぞき込んでいるのかめくっているのか知らないけれど、それをやっているところがあるらしいんです。
原:校則違反以前に、それはもうセクハラですよ。
大倉:僕はセクハラではなく犯罪だと思うんです。こんなのは犯罪以外の何物でもないでしょ。
原:そうですね。それをやっているところがいまだにあると。
大倉:あるらしいんです。もっと不思議なのは、体育のときは体操着の下に下着をつけてはいけないという話。汗に濡れたものをそのまま身に着けることになるので体に悪いからとか、まったく言っていることの意味がわからない。
原:それを聞くと校長の趣味としか思えないです。
■ブラック校則がなくならない理由とは?
理不尽な校則に驚くばかりだが、不思議なことに反対の声をあげない生徒や保護者も多いという。
大倉:「これは基本的人権の蹂躙」「これは犯罪」と、それぞれ分けられるぐらいおかしなことが起きている。僕らが丸刈り強制だった頃に比べると、多様性が言われている世の中ですから、当然のことながら校則は緩くなっているだろうと思っていたんです。ところがここ20年ぐらいの統計で、徐々に厳しくなっているというんです。しかも保護者も生徒も、それをあって然るべきだという人間が増えてきている。最初は学校の理不尽さに怒っていたんですけど。
原:自由でいることがめんどくさいというか、自由でいることが不安な人たちがいる。校則で縛ってくれたほうが気が楽だ、みたいな人たちが。
大倉:そう。それから、みんなと同じでないとまずかろう的な同調圧力を互いにかけ合っているのかなあと。
■校則だけにとどまらず、社会問題という意識を
また、「教師」という職業が非常に厳しい状況に置かれている現状がある。
大倉:先生側はものすごく拘束時間が長くて、「みなし残業」(固定残業制度/一定の残業時間分の残業代を最初から給料として払う制度)みたいなものが少しつくので、残業がつかないんですよね。
原:教師って部活の顧問をやってる時間もありますよね。
大倉:だから今は、教師はブラック職業だと言われるケースも多いです。しかも大勢を対象にしなければいけないとなると、本来1対1で話せるような時間が取れればいいんだけど、そういう時間が本当に取れないので、極力画一化された形で生徒を指導するのがいちばん都合がいい。そのためには、規則だからという理由ですべてをはねつけたほうがラクチンだというのもありそうな気がする。そうすると、この多様性を生かそうといっているご時世の中で、教師も保護者も生徒も一体となって「いいんじゃねーの、校則」的なことになって。しかも、それがだんだん厳しくなってきていることも、よしとする方向にあるような気配があるんです。もちろん、もともと茶髪の髪を黒に染めろというのはさすがにおかしい。普通に教師が見てもおかしいと思うようなことも、いろんな細かなことが決まってしまっているみたいだから言えないんです。
原:思考停止に陥ったほうが楽だと思う人たちがいるのは、ちょっとわかる気がします。たとえば、スマホがどんどん多機能になった結果、最終的にはガラケーに行きつくというような。そっちのほうが安心する、みたいな。それはわからなくもないですけど、なんでおかしな校則がまだ生き残っているのかというのは、わかりにくい。
大倉:荻上さんたちがいろいろな方に書いてもらっているんです。視点も保護者や生徒など、いろんなところから来ていますから、これは僕が今ペラペラ話したような通り一遍な話じゃないことがわかりました。校則の問題にとどまらず、社会の問題だと思って一読いただけるとうれしいです。
『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』は東洋館出版社から好評発売中。一方の原カントくんは、野球界の実態に迫った中島大輔の著書『野球消滅』(新潮社)を紹介した。radikoでチェック!
『BKBK』では、本、旅、映画、音楽など、大人たちが興味を惹かれるものについて大倉眞一郎と原カントくんが語り合う。放送は毎週火曜の26時30分から。お聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:毎週火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/