30代になった途端に「女は30代が最高だよ」とおじさんが口説いてくる…鈴木涼美×峰なゆかが登壇した『BKBK』イベントレポ

J-WAVEの番組『BKBK(ブクブク)』(ナビゲーター:大倉眞一郎、原カントくん)。本や映画に詳しい大倉と、複数のメディアに携わる編集者・プロデューサーの原が、大人が興味を惹かれるモノについて縦横無尽に語り合います。

7月2日(火)は、公開収録イベントの様子をオンエア。「クズ男がそんなことで許されると思うなよ〜J-WAVE『BKBK』公開収録トークイベント」と第して、鈴木涼美さん×峰なゆかさん×大倉眞一郎×原カントくんが、恋愛、結婚、ジェンダーの問題など今どきの男と女を取り巻くあれこれを語り尽くしました。会場は、下北沢にある「本屋B&B」です。


■「男の人ってみんな往生際が悪いですよね。ちょっとおめでたい」

鈴木さんの著書『女がそんなことで喜ぶと思うなよ-愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』。大倉は、同書に出てきた鈴木さんの父親のエピソードが気になったようです。

大倉:この本を読んだらわかるんですけど、(鈴木さんの)お父さんが60代になられて、「俺は30代の女がいいんだ」みたいなことをおっしゃっているということが書いてありまして。
鈴木:さすがに50代とかはちょっと、って言ってて、60代の人が50代の人をちょっとって言うのがまったく納得できないですね。
大倉:それはまったく納得できないと私も思います。ただ、たとえばこのあいだ蒼井優さんが結婚しましたと。あのニュースを最初に見たときに(僕が)「あーあ」って思ったということは、もしかしたらとんでもないことが起きて、蒼井優さんが大倉のことを……みたいなことがあるかもしれないなと。ない話をちょっと想像しちゃうわけですよ。
:会場からは失笑が起こってますけど(笑)、あるかもしれないですよね! 60歳になってアラサーが片思いをすると。
鈴木:男の人ってみんな往生際が悪いですよね。あとちょっとおめでたいですよね(笑)。
大倉:本当のことになるなんて誰も思ってないわけですよ。でもお父さんのことはちょっとわかるなと。
:年上の男性の話もしていましたけど、この本の中で鈴木さんは、30歳になったとたんに自分を見る男の目も変わってきたと書かれています。
鈴木:もともとこの本を最初に書こうと思ったきっかけが、ツイッターでおじさんとかが、私が30代になった途端に「女は30代が最高だよ」っていきなり言いだしたんですよ。でも、その人たちは私が20代のときに本気で口説きに来ていたわけですよ。おまえら20代の子を口説きまくってフラれたからって、30代イケると思うなよ、みたいな。「実は30代が一番いいかな」と言ってくる男の人って、けっこういるんです。20代ってやっぱ子どもなのよ、みたいな。そういうおっさんにすごい腹が立って、「30代なめんなよ!」って思って、そんなことをポロっと言って。それを集英社の編集者さんにポロッと言ったことが、この本を作るきっかけになったんです。

鈴木さんの周囲を見ると、「30代になってモテ出したって女の人はけっこういますね」とのこと。30代という年齢に自虐はするものの、ガッツリモテているといいます。

:鈴木さんに聞いてもいいですか? 30代でモテてる女性はたくさんいるとおっしゃいましたけど、なぜその子たちは結婚しないのかなっていう。
鈴木:えっ、原さんみたいな人にハマるからじゃないですか?
:……。
鈴木:なゆゆとかは今、需要があるじゃないですか。結婚したいと思う?
:思わない。
大倉:結婚願望というのは元からないんですか?
:今すぐ死にそうな金持ちの老人とかだったら結婚したいです。
鈴木:でもそれは結婚願望じゃないもん。その人が結婚しなくてもじゃんじゃんお金をくれたら、べつに(結婚しなくて)いいわけでしょ?
:あ、そっちのほうがいいね、完全に!
鈴木:私は年に一回ぐらいは(結婚願望)ありますよ。でもそれは23歳ぐらいで結婚したかったなという願望であって、今じゃないです。Bクラスの男と結婚するぐらいだったら、Aクラスの男の愛人でいいかなと思います(笑)。
大倉:ABCのクラスはどういうところで違うんですか?
鈴木:私の中で、この人のためになら自分を変えられると思うぐらいの人はAクラスで、この人は私のためにいろいろ変えて私に合わせてくれるんなら一緒にいてもいいかなって思う人はBクラス。Cはエッチしたくないなっていう。


■浮気は男のバレない努力と女の見つけない努力の賜物!?

浮気の話題にもなりました。原の周りには「浮気はバレなければしてもいい」という女の子がいるそうですが、これは本心なのか……鈴木さんに訊きました。

鈴木:浮気OKって言っている子って、そういう心の広い女を演出してるだけかなって。私ね、浮気って男の人のバレない努力と、女の人の見つけない努力が合わさって初めて成立すると思うんだけど、(峰さんは浮気を)見つけちゃったことってありますか?
:ない。あまり探そうとしてないからかも。
鈴木:そうだと思う。見つけない努力に優れた女は、やっぱりいい女ですよ。傷つく人がいないと思われていますもんね、未婚だから。
:恋愛なんて何かしら傷つくものじゃないですか。お互いどちらかが。どちらも傷つかないなんてないですよね? この本を読んで、なんでみんなこんな矛盾だらけのめんどくさい非合理だらけの恋愛にハマっていくんだろうと自分もちょっと思ったりさせられました。
鈴木:原さんって人のこと好きになったことあるんですか?
:ありますよ! あるに決まってるじゃないですか!
大倉:それで傷ついて結婚してないの?
:いや、たぶんそういうわけじゃないですよね……。
大倉:原くん、けっこうめんどくさいね!
:そんなことないですよ!


■ちゃんと嫌われることの大切さ

男性は「つき合ってた女性を別フォルダに保存」、女性は「上書きする」と、よく言われます。別フォルダに保存して過去を愛しすぎている男性というのは、女性から見ると問題な部分もあるようです。

鈴木:過去を愛しすぎるというより、いつまでも“俺のオンナ感”が抜けない人は多いかなと思います。
:それはたしかにそのとおりかなとはちょっと思います。
鈴木:一回手をつけた女はいつまで経っても俺のことを特別と思っているはずだって……。
:そう思ってますね。
鈴木:絶対それはないですね! 忘れてすらいますよ。
大倉:なんかひと言も口を挟めないんだけど(笑)、みんなそうなの?
鈴木:私は元カレに対して、「彼は私のすごく大事な人で、結局わかってくれたのは彼だった」って思うことってぜんぜんないですね。
大倉:女性が上書きしていくというのはよくわかるんですよ、経験上。
鈴木:マジで困った、どうしようというときに、行ったら助けてくれる感がある、元カレには。
:それはめちゃ優しい人じゃないかな。
鈴木:でも自分が今の彼女だったら、元カノがすごく困ってるときに自分を放ってそっちに行ってほしくないと思うんですよ。

ちなみに峰さんは、お金を貸してほしいとき以外は元カレには連絡しないとのこと。このほか、車を出してほしいときと、何かを買ってほしいときに声をかけると鈴木さんは続けました。なぜ声をかけるのかというと、それは「応えてくれるから」。

大倉:それは応える奴が馬鹿だねえ。
:そんな歩くATM扱いされて。
鈴木:だから切ったほうがいいと思います。元カノが原さんのことを今でもちょっといいなと思ってるってことは、次にできる彼女はそれをなんとなく面白くないでしょ? あと元カノが原さんのことをちょっといいなと思っている時点で、元カノの新しい恋も邪魔してるじゃないですか。だから嫌われることが原さん以外のいろんな人を救うと思うんですよね。
大倉:カントくん、それはそのとおりだね。
:なんですか、大倉さん、セコンドに立っていると思ったらいきなり後ろから殴られる感がすごいんですけど(笑)。
鈴木:だから原カントくん、ちゃんと嫌われて。
:今ちょっと心にグッと来ましたね。やっぱりちゃんと嫌われることは大事だなって思いました。

7月9日(火)26時からの『BKBK』でも、トークイベントの模様をお届けします。お楽しみに。

この記事の放送回をradikoで聴く(2019年7月9日28時59分)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:毎週火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/

関連記事