音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
ネットで出会って別れた男性が、ストーカーに…前科持ちで偽名だった! “実録・サスペンスホラー”な一冊

ネットで出会って別れた男性が、ストーカーに…前科持ちで偽名だった! “実録・サスペンスホラー”な一冊

J-WAVEの番組『BKBK(ブクブク)』(ナビゲーター:大倉眞一郎、原カントくん)。本や映画に詳しい大倉眞一郎と、複数のメディアに携わる編集者・プロデューサーの原カントくんが、大人が興味を惹かれるモノについて縦横無尽に語り合います。6月25日(火)の放送では、内澤旬子さんのセンセーショナルなリアルドキュメント『ストーカーとの七〇〇日戦争』を紹介しました。

この記事の放送回をradikoで聴く(2019年7月2日28時59分まで)


■ストーカー被害の実体験を記した衝撃の一冊

今では多くの男女が利用している出会い系サイト。しかし、場合によってはたいへんなトラブルへと発展することもありえます。それを身をもって教えてくれるのが、文筆家・内澤旬子さんの新著『ストーカーとの七〇〇日戦争』です。

:内澤旬子さんは『世界屠畜紀行』『漂うままに島に着き』も出されている有名な方で、どの本も安定的に面白いです。
大倉:大好きな作家です。
:彼女の新作は、彼女自身がネットで知り合った男からずーっとストーカー被害を受けたというリアルドキュメントなんですよ。
大倉:えっ、いつそんなことになったの?
:これは2016年ぐらいから。
大倉:最近の話じゃん!
:内澤さんはずっとブログなども連載していて、「小豆島でヤギと暮らしてますー」と幸せそうにブログを更新していた裏側で、とんでもないことが起きていたことがわかる一冊なんです。

離婚して、小豆島に行った内澤さん。友人もいない土地のため、知り合いを増やすために出会い系サイトに登録をします。そこで知り合った男性と交際したものの……。

:最初の1カ月で「ん?」と違和感を感じたみたいで。別れを切り出したところ、この本によると、そこからまず1日300通ほどのSNSのメッセージと電話がガンガン来はじめて。もはや仕事もままならなくなってきます。
大倉:じゃあ出している男のほうも仕事してないの?
:この本によると、してません(笑)。それで、内澤さんがそうした被害に困っちゃったので、地元の警察に行って調べてもらったところ、この男は偽名で、かつ前科があったことがわかったという。すごいのは、このくだりまででこの本の最初の5%ぐらいなんですよ。ここからがもうなんていうか、ひとつのサイコサスペンスホラーを読むかのような。これ以上言うと、ネタバレになっちゃう気がするので、ここらへんにしておきます。


■ストーカーへの対処法がわかる実践的な本でもある

手に汗にぎる“実録・サスペンスホラー”といった感のある本書ですが、ストーカー被害はいつ誰の身にも起きる可能性があります。万が一の事態にそなえて、私たちが本書から学べる部分もありそうです。

大倉:内澤さんって世界のかなりのところまで行ってレポートを書いてたじゃないですか。あの内澤さんでも……。
:あの内澤さんですら、もう疲弊する様が本当によくわかるんですよ。でもやはり内澤さんが書き手としてすごいなと思うのは、これは当初『週刊文春』で連載していたんですけれども、後日一冊にまとめるとすれば、よくありがちなのは「この時点ではあのような恐ろしいことが起こるとは思っていなかった」みたいな客観的な記述が入ると思うんですが、それをいっさい廃して、その瞬間瞬間の自分の思い、感じたことだけを淡々と書いていくんですよ。だから自分がまるでストーカー被害に遭っているかのような怖さがある。
大倉:これを連載していたときは、実際にストーカー被害が終わっていなくて並行して起きていたということですか?
:連載はストーカー被害の終わり頃からしています。そしてストーカーが収まったと思ったらまた始まり、いかにして700日戦争が終わったかに関しては、ぜひ本書を読んでほしいです。
大倉:これは読まなきゃいけないね。
:あれだけの手練れのメンタルを持った内澤さんですら書かざるを得ないっていう一冊なんです。ストーカーに遭ったとき、もしくは今遭っているとき、どのように対処すればよいかというのがわかる実践的な本でもあるんですよ。最初、内澤さんはいくつか間違った対応をしていくんです。
大倉:打つ手、打つ手が?
:こうしなければよかったというのが、最後正解を見つけていく。あと、ストーカーというのは病気なのだということ。だからそれをやめさせるには、ストーカーをしている加害者の周りも含めた適切なケア、そして治療がちゃんと必要なんだよということを、内澤さんはこの本で伝えたかったそうです。

『世界屠畜紀行』とはまた違った内澤さんの一面を見ることができる話題の一冊。ぜひ皆さんも読んでみてください。


■番組初の公開収録が決定!

さて、『BKBK』では番組初となる公開収録が決定しました。会場は下北沢の書店「本屋B&B」。社会学者の鈴木涼美さん、『アラサーちゃん』の原作者でもある峰なゆかさんが、恋愛、結婚、不倫とかハラスメント、ジェンダーの問題などを、大倉と原を交えて語ります。

イベントは、6月27日(木)夜8時からのスタートです。詳細は本屋B&Bのサイトでチェックしてみてください。

・出演:鈴木涼美(社会学者・文筆家)、峰なゆか(漫画家)
・ナビゲーター:大倉眞一郎(ラジオ番組ナビゲーター、旅行家)、原カントくん(編集者)
・時間:20:00~22:00 (19:30開場)
・場所:本屋B&B(東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F)
・入場料:前売・1,500yen + 1 drink order/当日店頭・2,000yen + 1 drink order
【イベント詳細ページ】
http://bookandbeer.com/event/20190627/

この記事の放送回をradikoで聴く(2019年7月2日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:毎週火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン