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「映画の上映中に、スマホであらすじを確認」 悪化する劇場マナーを考える

「映画の上映中に、スマホであらすじを確認」 悪化する劇場マナーを考える

J-WAVEで放送中の番組『BKBK(ブクブク)』(ナビゲーター:大倉眞一郎、原カントくん)。本や映画に詳しい大倉眞一郎と、複数のメディアに携わる編集者・プロデューサーの原カントくんが、大人が興味を惹かれるモノについて縦横無尽に語り合う。

1月21日(火)のオンエアでは、原がNetflixの犯罪ノンフィクションドキュメンタリー『コンフェッション・キラー: 疑惑の自供』を紹介。大倉は映画館のマナーについて物申した。

■アメリカ史上最悪の連続殺人鬼と呼ばれた男の意外な真実

まず原は、Netflixの犯罪ノンフィクションドキュメンタリー『コンフェッション・キラー: 疑惑の自供』を紹介。同作は、アメリカ史上最悪の連続殺人鬼といわれたヘンリー・リー・ルーカスの真実に迫った物語。一説によると、ルーカスは映画『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター博士のモデルの1人とも言われている。

:ルーカスは、今まで殺人を犯したとされる数が300人を超え、当初は3000人を殺したと自供していたそうなんです。この作品は最初、彼がある2人の女性を殺したと嫌疑にかけられてテキサス州で捕まり、殺人事件の容疑者として公判が行われるんですけど、その公判の最後にルーカスが「裁判長、私が殺した、あと100人の女性はいつ話せばいいですか?」と急に切り出すんです。

ルーカスの自供により、裁判は大荒れ。全米のマスコミで注目を一気に集め大騒動となったという。

:当時、テキサス州で未解決だった事件をルーカスに提示すると、「この事件も僕です」「これも僕がやりました」と自供して、一気に150件くらいの事件がルーカスの仕業だったと判明するんです。
大倉:すごい話だね。
:それを知ったテキサス州以外の警察も、まさかと思って未解決事件をルーカスに提示したら、いつの間にか彼は360件の犯罪を自供していたんです。

しかし、遺族たちはルーカスの供述には矛盾があると言い始める。

:遺族が「ルーカスは家の窓から忍び込んだと言っているけど、当時家の窓には家具が打ち付けられていて、とても窓から侵入できる様子ではなかった」とか「ルーカスが自供している全ての殺人を行おうとすると、プライベートジェット機がないとほとんど無理だ」と。そこである検事(と1人の記者)が「この自供はおかしい」と、テキサス警備隊の捜査に疑問を持ち始めるんです。
大倉:自供第一主義で進めたからおかしくなっちゃったわけだ。
:でも、テキサス警備隊はアメリカ最古の州法執行機関で、『テキサス・レンジャー』という映画になるくらいアメリカ人が誇りを持っている警察隊らしいんです。そんな彼らは絶対に自分たちのミスを認めることがなくて、いつの間にか検事とテキサス警備隊との戦いになっていくんです。

検事はテキサス警備隊の捜査を糾弾する反面、テキサス警備隊は地元のテレビチャンネルを使い、その検事のスキャンダルなどを流し始め、お互いの誹謗中傷合戦となっていく。

:最終的に検事は賄賂の疑いで捕まってしまいます。
大倉:恐ろしい。
:結局、その検事は無罪放免になるけど、世間の印象は悪くなって失職してしまうんです。

原は、ルーカスの生い立ちが気になって調べてみたそうだ。ルーカスは、母親から虐待を受けていて、その母親を殺した過去があったと話す。

:ルーカスは昔から一度も褒められたことがない人間だったために、ひとつ自供をして人から「認めてくれた。ありがとう」と言われるとうれしくなって、いろいろな事件について「自分がやった」と言っていた。また、テキサス警備隊の本官と信頼関係が生まれて、「彼のために全てを認める」となっていたらしいです。途中、ルーカスは「供述は全部デタラメでした」と言い出して、最終的には終審しないまま亡くなってしまうんです。

この作品には続きがあり、当時にはなかった事件のDNA鑑定を行ったところ、ルーカスが自供した殺人のうち、少なくとも20件は別の犯人によるものだったことが判明した。

:ルーカスは犯人しか知り得ない情報を知っていたためにテキサス警備隊から犯人とされていたんですけど、どうやらテキサス警備隊が彼に情報を入れていたようで、彼は自分のやっていない犯罪を自分のこととして自供していました。
大倉:誘導尋問的なことだったのかな。
:ただ、それに携わった警察官ももう亡くなっているんです。だから、このドキュメンタリーはどよんとしたところで終わるんですけど、マスコミや世論の勢い、警官にとってみれば未解決事件が片づくし手柄にもなるということなど、いろいろと恐ろしさを教えてくれる作品ですね。


■映画上映中にスマホであらすじを確認!?

一方の大倉は、最近の映画館のマナーについて語った。

大倉:日本は映画離れ、映画館離れが進んでいると言われていますよね。ミニシアターは相当経営が難しくなっているとも聞きます。でも、実は2019年の映画興行収入総額は過去最高なんです。
:あら、なぜだろう……。
大倉:『天気の子』とか『アラジン』とか『トイ・ストーリー4』とかがヒットしたとか。映画を観なくなったと言われる一方で、こういう記録的な面がある。ただし、観られる作品が極端に偏っているところはあるみたいです。

大倉が読んだ記事によると、映画館から足が遠のいた理由として「料金が高くなったから」と話す人がいたそうだ。

大倉:驚いたんだけど、もうひとつの理由として「集中力が持たない」とあったんです。
:それわかる気がします。先日、新宿の映画館に行ったら、カップルが上映中に携帯を取りだして、映画のあらすじを検索し始めていましたよ。
大倉:とても2時間は耐えられず、映画上映中にスマホいじりをする若者がすごく増えているみたいなんです。最近の若者はついラインとかをチェックしてしまうようで、スマホがないと不安になってしまうと。(原)カントくんの言ったとおりスマホを片手にウィキペディアでストーリーや登場人物を確認したりしながら映画を観ている人たちがかなりいるみたいなんです。
:もはや画期的ですよね(笑)。
大倉:それ絶対にやっちゃダメだよね。彼らは「スマホの画面を一番暗くしているから大丈夫」って言っているけど、それでも明るいんだよ。
:他にもスクリーンをスマホで撮影している人もいましたからね。
大倉:それもダメなんだって。

語気を強める大倉だが、自分も自宅で録画したドラマを観ながらメールをチェックしていることに気がついたようで……。

大倉:俺も同じようなことをしてるなって。
:家だとそうしたくなる気持ちはわかりますよ。突然、映画を観ながら調べものをしたくなることはあるじゃないですか。でも映画館だと我慢するのが僕らの世代のセオリーだけど、今の若者たちは検索できてしまう世代だから我慢できないんでしょうね。
大倉:困ったな……。
:新しいマナーが作られようとしているかもしれないですね。昔は映画館でタバコを吸うことも当たり前でしたからね。でも、それが今や考えられなくなったように、いつの間にか映画上映中にスマホを見ることがスタンダードになる時代が来るかもしれないですよね。
大倉:嫌だな。俺は絶対に抵抗しよう。

果たして、スマホを片手に映画を観る時代は来るのか。変わりゆく映画館のマナーについて、ついつい熱くなる2人だった。

J-WAVE『BKBK』は、本、旅、映画、音楽など、大人たちが興味を惹かれるものについて大倉眞一郎と原カントくんが語り合う。放送は火曜の26時30分から。お聴き逃しなく!

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【番組情報】
番組名:『BKBK』
放送日時:毎週火曜 26時30分-27時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bkbk/

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