働き方改革が進められる昨今、ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS)も話題になっています。残業になってしまう理由として、「仕事量が多い」「キリのいいところまで終わらせたい」などがありますが、定時で帰るコツはあるのでしょうか。ジャーナリストの白河桃子さんにお話を訊きました。
【5月16日(木)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190516101023
■「遅くまで残る人は頑張っている」という評価は、今でもある
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』の主人公は、ウェブ制作会社で働き、やるべきことはきちんとこなし、毎日定時で帰宅。有給も消化してプライベートも充実させることをモットーにしている人物。そんな主人公を軸に、定時退社、人手不足、若手社員との関係、サービス残業、ハラスメントなど現実社会での問題をテーマとして取り上げています。まずは、ドラマのタイトルにもなっている勤務時間について、長時間労働は見直されているのでしょうか。
白河:何が変わったかというと、人の時間に対しての意識が変わったっていう調査結果があります。今までは「帰っちゃいけない」と思ってたんですけど、「帰っていいんだ」っていう意識と、時間効率を高く働くっていうことをみんなが意識するようになりました。
ところが、会社の評価はまだそうなっていないそう。これまで長い時間働いてきた世代は、遅くまで働いている人を「頑張っている」と見てしまいがち。そういった経営者や上の世代の意識が変わらないといけないと、白河さんは話しました。
■クライアントの「ダメな発注」残業を生み出す
物理的に仕事量が多くて帰れない人もいるでしょう。業務効率化に取り組めばなんとかなるケースばかりではありません。
白河:みんなひとりで仕事をしているわけではなくて、クライアントから降ってきます。ドラマでは、ダメなクライアントからダメな上司が受けた仕事のやり方が、超非効率的なんです。
サッシャ:なるほど。
白河:会社の経営として、「こういう会社と取引したら、うちは長期的に見たら損だよね」とか、そういうコスト意識を持たなきゃいけないですね。
広告代理店などの主に人が介在する会社では、クライアントの急な変更によって明日の朝まで働かなくてはいけない、ということもあります。経営者が「これは会社や社員にとって得なのか」「この仕事を受けることで社員が辞めてしまうのでは」というところまで考える視点が重要です。
■自分の働く会社の定時を知らない人が多い
働き方改革によって言われるようになった「時短ハラスメント」。これは会社の退勤時刻になると「帰りなさい」という圧を受けることなのですが、リスナーからは、「落ち着いて仕事ができない」「キリのいいところまでやらせてほしい」という声が届きました。
白河:これは「チームで早く帰る」ということを考えるのがいちばん重要で、「キリのいいところまで仕事をしたい」ってよく言うじゃないですか。だけど、その「キリのいいところ」っていうのが、本当に効率に適っているのは考えないといけません。
白河さんが取材したところ、自分が働く会社の定時を知らない人がたくさんいたそう。朝の出社時間には厳しいけれど、帰る時間については「仕事が終わるまで」という働き方をしている人が多いようです。
白河:でも、お金をもらって働いているわけなので。みなさんは労働者でフリーランスじゃないから、本当にこの仕事は明日に回していいのかどうかは、ちゃんと考えてみたほうがいいのかなと思います。
とても定時で終わらない仕事量なのであれば、その仕事量が本当に適切なのかどうか、上司と一緒に考えることが大切。これは個人で解決できる問題ではなく、「昭和の働き方が今のIT時代に合っていないという産業構造の変化の問題です」と話しました。
■定時で帰るための意識
そして白河さんから、定時で帰るために必要なノウハウをアドバイスしていただきました。
白河:まず「時間は有限である」というのを意識する。「やり切るまで」じゃなくて、タイマーを利用するなどして、「この時間でやり切る」ということを真剣に考えましょう。
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』は、時間効率を意識して働く上でも参考になるそう。原作も合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
【5月16日(木)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190516101023
■「遅くまで残る人は頑張っている」という評価は、今でもある
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』の主人公は、ウェブ制作会社で働き、やるべきことはきちんとこなし、毎日定時で帰宅。有給も消化してプライベートも充実させることをモットーにしている人物。そんな主人公を軸に、定時退社、人手不足、若手社員との関係、サービス残業、ハラスメントなど現実社会での問題をテーマとして取り上げています。まずは、ドラマのタイトルにもなっている勤務時間について、長時間労働は見直されているのでしょうか。
白河:何が変わったかというと、人の時間に対しての意識が変わったっていう調査結果があります。今までは「帰っちゃいけない」と思ってたんですけど、「帰っていいんだ」っていう意識と、時間効率を高く働くっていうことをみんなが意識するようになりました。
ところが、会社の評価はまだそうなっていないそう。これまで長い時間働いてきた世代は、遅くまで働いている人を「頑張っている」と見てしまいがち。そういった経営者や上の世代の意識が変わらないといけないと、白河さんは話しました。
■クライアントの「ダメな発注」残業を生み出す
物理的に仕事量が多くて帰れない人もいるでしょう。業務効率化に取り組めばなんとかなるケースばかりではありません。
白河:みんなひとりで仕事をしているわけではなくて、クライアントから降ってきます。ドラマでは、ダメなクライアントからダメな上司が受けた仕事のやり方が、超非効率的なんです。
サッシャ:なるほど。
白河:会社の経営として、「こういう会社と取引したら、うちは長期的に見たら損だよね」とか、そういうコスト意識を持たなきゃいけないですね。
広告代理店などの主に人が介在する会社では、クライアントの急な変更によって明日の朝まで働かなくてはいけない、ということもあります。経営者が「これは会社や社員にとって得なのか」「この仕事を受けることで社員が辞めてしまうのでは」というところまで考える視点が重要です。
■自分の働く会社の定時を知らない人が多い
働き方改革によって言われるようになった「時短ハラスメント」。これは会社の退勤時刻になると「帰りなさい」という圧を受けることなのですが、リスナーからは、「落ち着いて仕事ができない」「キリのいいところまでやらせてほしい」という声が届きました。
白河:これは「チームで早く帰る」ということを考えるのがいちばん重要で、「キリのいいところまで仕事をしたい」ってよく言うじゃないですか。だけど、その「キリのいいところ」っていうのが、本当に効率に適っているのは考えないといけません。
白河さんが取材したところ、自分が働く会社の定時を知らない人がたくさんいたそう。朝の出社時間には厳しいけれど、帰る時間については「仕事が終わるまで」という働き方をしている人が多いようです。
白河:でも、お金をもらって働いているわけなので。みなさんは労働者でフリーランスじゃないから、本当にこの仕事は明日に回していいのかどうかは、ちゃんと考えてみたほうがいいのかなと思います。
とても定時で終わらない仕事量なのであれば、その仕事量が本当に適切なのかどうか、上司と一緒に考えることが大切。これは個人で解決できる問題ではなく、「昭和の働き方が今のIT時代に合っていないという産業構造の変化の問題です」と話しました。
■定時で帰るための意識
そして白河さんから、定時で帰るために必要なノウハウをアドバイスしていただきました。
白河:まず「時間は有限である」というのを意識する。「やり切るまで」じゃなくて、タイマーを利用するなどして、「この時間でやり切る」ということを真剣に考えましょう。
ドラマ『わたし、定時で帰ります。』は、時間効率を意識して働く上でも参考になるそう。原作も合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/