3月に入り、就職活動のシーズンもスタート。新年度から環境が変わる人も多いなか、コミュニケーションに不安を抱えていませんか? 「大事なことだけシンプルに伝えるコミュニケーション術」をご紹介します。
「1分で話せない話は、いくら長くても伝わらない」と言うのは、企業内大学「Yahoo!アカデミア」学長で、ベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)の著者・伊藤羊一さんです。うまく伝えるコツを伺いました。同書は現在、22刷、28万部を超えるベストセラーになっています。
【3月5日(火)『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)の「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」】
■よく聞く「結論から言う」って、どういうふうに?
伊藤さんはヤフー株式会社にて、“コーポレートエバンジェリスト”という肩書を持っています。「エバンジェリスト」は「伝道師」という意味です。つまり伊藤さんは、ヤフーという会社のことを話す伝道師、伝え方のプロなのです。
「1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない」。その言葉の真意と、気をつけるべきポイントを訊きました。
伊藤:たとえば30分間「いい話だなあ」と思いながら聞いていても、終わってみると「何の話だっけ?」と感じたりしますよね。覚えられる要点は1分くらいなんです。覚えてもらう“とっかかり”を1分くらいで話せるよう、しっかり考えようという意味です。
別所:よく「結論を先に」と言いますが、どうですか?
伊藤:これは2つ意味があります。ひとつは、「結論そのものを言おう」ということ。当たり前のことですが、意外と「その話の結論なんだっけ?」となる場合がけっこうあるので。もうひとつは、相手に対して、「この話を聞いて、どうする?」と、相手がアクションを起こすかどうか問いましょう、ということです。勇気のいることですけどね。
別所:例えば?
伊藤:お金が100万円あるとしましょう。この100万円をCMに使うのか、雑誌に使うのかどっちにしようというときに、「どっちかわからない」ではなくて、「CMならそれほど使えないから雑誌にしよう」というふうに決めることです。
どう動いていくか、方向性を共有できるようにするのがポイントということです。
■根拠は3つ用意しよう
結論に導く根拠は、3つあるといいそうです。
伊藤:人間が短期記憶で覚えられるのは4つまでなので、それ以下でなければいけない。1つ、2つだと、それを否定されると負けちゃうので、3つくらいが正しいんじゃないかと思います。あと、「縦・横・高さ」とか「上手い・安い・早い」みたいに3つあると座りがいいじゃないですか。ですから、説明するときは、「3つあります。A・B・Cです」と言うといいでしょう。
別所:なるほど! 「松竹梅」とか言いますもんね。
■「結論・根拠・具体例」のピラミッドを作ろう
ロジカルに説明するか、感情に訴えかけるか。そのどちからではなく、両方に訴えることが大事だと、伊藤さんは解説します。著書には、右脳と左脳に働きかけるピラミッドが大切だ、と書いています。
伊藤:1つの「結論」の下に、「根拠」が3つくらい並ぶと、ピラミッドみたいになりますよね。その下に、根拠を説明する「具体例」があるといい。たとえば「牛丼は早いよね」のあとに、「たとえば注文してから出てくるまで15秒」と具体例を入れていくと、どんどんピラミッドになっていきます。具体例は多く話してOKです。
別所:本の帯にもある「結論・根拠・たとえば」これを積み上げていくということですね。
伊藤さんは、コミュニケーションが上手な芸能人として、「根拠をロジカルに説明できて声もいい」嵐の櫻井 翔さん、「キーワードでひと言でいう達人」小泉純一郎元総理、「言葉のうまさではなくて、何より伝わる。ものすごい拙い英語でも相手に伝わるコミュニケーションの本質」という出川哲朗さんを挙げました。
今後のコミュニケーションについて伊藤さんは「これからは正解とか不正解とか状況はAIがやってくれるので、『俺はこう思う。君はこういうふうに考えてる?』という『思い』を確認しあうコミュニケーションが大事になる」と予想していました。よりそれぞれの思いを理解、確認しあうことが未来のコミュニケーションでは重要になりそうです。今回紹介したシンプルな伝え方、気になった方はぜひ『1分で話せ』を手にとってみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr
「1分で話せない話は、いくら長くても伝わらない」と言うのは、企業内大学「Yahoo!アカデミア」学長で、ベストセラー『1分で話せ』(SBクリエイティブ)の著者・伊藤羊一さんです。うまく伝えるコツを伺いました。同書は現在、22刷、28万部を超えるベストセラーになっています。
【3月5日(火)『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)の「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」】
■よく聞く「結論から言う」って、どういうふうに?
伊藤さんはヤフー株式会社にて、“コーポレートエバンジェリスト”という肩書を持っています。「エバンジェリスト」は「伝道師」という意味です。つまり伊藤さんは、ヤフーという会社のことを話す伝道師、伝え方のプロなのです。
「1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない」。その言葉の真意と、気をつけるべきポイントを訊きました。
伊藤:たとえば30分間「いい話だなあ」と思いながら聞いていても、終わってみると「何の話だっけ?」と感じたりしますよね。覚えられる要点は1分くらいなんです。覚えてもらう“とっかかり”を1分くらいで話せるよう、しっかり考えようという意味です。
別所:よく「結論を先に」と言いますが、どうですか?
伊藤:これは2つ意味があります。ひとつは、「結論そのものを言おう」ということ。当たり前のことですが、意外と「その話の結論なんだっけ?」となる場合がけっこうあるので。もうひとつは、相手に対して、「この話を聞いて、どうする?」と、相手がアクションを起こすかどうか問いましょう、ということです。勇気のいることですけどね。
別所:例えば?
伊藤:お金が100万円あるとしましょう。この100万円をCMに使うのか、雑誌に使うのかどっちにしようというときに、「どっちかわからない」ではなくて、「CMならそれほど使えないから雑誌にしよう」というふうに決めることです。
どう動いていくか、方向性を共有できるようにするのがポイントということです。
■根拠は3つ用意しよう
結論に導く根拠は、3つあるといいそうです。
伊藤:人間が短期記憶で覚えられるのは4つまでなので、それ以下でなければいけない。1つ、2つだと、それを否定されると負けちゃうので、3つくらいが正しいんじゃないかと思います。あと、「縦・横・高さ」とか「上手い・安い・早い」みたいに3つあると座りがいいじゃないですか。ですから、説明するときは、「3つあります。A・B・Cです」と言うといいでしょう。
別所:なるほど! 「松竹梅」とか言いますもんね。
■「結論・根拠・具体例」のピラミッドを作ろう
ロジカルに説明するか、感情に訴えかけるか。そのどちからではなく、両方に訴えることが大事だと、伊藤さんは解説します。著書には、右脳と左脳に働きかけるピラミッドが大切だ、と書いています。
伊藤:1つの「結論」の下に、「根拠」が3つくらい並ぶと、ピラミッドみたいになりますよね。その下に、根拠を説明する「具体例」があるといい。たとえば「牛丼は早いよね」のあとに、「たとえば注文してから出てくるまで15秒」と具体例を入れていくと、どんどんピラミッドになっていきます。具体例は多く話してOKです。
別所:本の帯にもある「結論・根拠・たとえば」これを積み上げていくということですね。
伊藤さんは、コミュニケーションが上手な芸能人として、「根拠をロジカルに説明できて声もいい」嵐の櫻井 翔さん、「キーワードでひと言でいう達人」小泉純一郎元総理、「言葉のうまさではなくて、何より伝わる。ものすごい拙い英語でも相手に伝わるコミュニケーションの本質」という出川哲朗さんを挙げました。
今後のコミュニケーションについて伊藤さんは「これからは正解とか不正解とか状況はAIがやってくれるので、『俺はこう思う。君はこういうふうに考えてる?』という『思い』を確認しあうコミュニケーションが大事になる」と予想していました。よりそれぞれの思いを理解、確認しあうことが未来のコミュニケーションでは重要になりそうです。今回紹介したシンプルな伝え方、気になった方はぜひ『1分で話せ』を手にとってみてください。
#ビジネス書グランプリ 2019 ビジネス実務部門賞
— 丸善ジュンク堂書店【公式】 (@maruzeninfo) 2019年2月27日
『1分で話せ』伊藤羊一https://t.co/Ch1PeBhKtF
ソフトバンク孫社長にも認められた最強プレゼンターが「強く」「印象に残る」話し方を伝授する。実践編では会議、プレゼン、ファシリテーションなどの場面での対応策や気をつけるべき点を具体的に示す。 pic.twitter.com/wNjSBDLu7C
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番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
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