ペーパーレスで窓口もない、三菱UFJ新型店舗の実態を解説 その他メガバンクの取り組みは?

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Denka MORNING VISION」。2月6日(水)のオンエアでは、デジタル銀行の実態について、東洋経済オンライン・武政秀明編集長が解説しました。


■ペーパーレスで窓口もない銀行がオープン

人手不足を解消するためにIoT化、AIの活用、そしてロボットの社会進出と、ライフテックな暮らしや職場環境が身近になってきています。そんななか、先日、学芸大学駅前にペーパーレスで窓口もない銀行がオープンしました。

これは、三菱UFJ銀行の新しいコンセプト店舗「MUFG NEXT」。ここでは従来の店舗にあった書類の記入をなくして、窓口もテレビ電話を活用するなど、デジタル化の最新鋭とも言える設備が整っています。

武政:「MUFG NEXT」の受付は専用のタブレット端末で行い、従来の店舗で行われていたような書類の記入の必要がありません。店舗中心には、インターネットバンキングを利用するためのタブレット端末が設置されています。店舗には5人のコンシェルジュが常駐して、タブレット端末などの操作方法をサポートする仕組みです。来店したお客さんが、テレビ電話を通じた相談窓口のほか、税金や公共料金などの支払いも可能なATMなどで取引を進めます。当面、「MUFG NEXT」学芸大学駅前支店は2階部分に従来型の窓口を残して運営するようですが、こうした新しいタイプの店舗での取引が主流になると、窓口が不要となり、店舗の人員は半分以下で済むとみられています。


■ネットユーザーの取引が店頭取引を上回っている

こうした店舗は、三菱UFJ銀行だけでなく、今後拡大することが予想されます。その背景には、生活者の銀行利用に関する変化があります。

武政:銀行の店舗に来店しないで、銀行のサービスを利用している人が増えています。三菱UFJ銀行の場合、店舗への来店客数がこの10年間で4割も減っていると言われる一方で、インターネットバンキングを利用する人は5年間で4割増えたそうです。取引件数自体はネットユーザーの取引が店頭取引を上回っているような状況です。

行員や店舗を抱えることによるコストは、銀行にとって業績の重しになっています。そのため、新しい技術の導入による事務量の削減や店舗外のATMの相互解放など、運営の効率化を意識した取り組みが続いているとのこと。


■店舗削減や予約制店舗など、メガバンクのそれぞれの取り組み

では、三菱UFJ銀行以外の銀行は、どのような方向性を示しているのでしょうか。

武政:みずほフィナンシャルグループは、約500箇所ある店舗を2024年度までに100箇所減らすと言われています。統廃合するだけでなく、銀行と信託銀行と証券の各業務を一体化した店舗に転換していくようです。また、三井住友フィナンシャルグループは、2019年度までに全国430店舗すべてを次世代型店舗に切り替える方針です。個人専用の店舗や予約制店舗など複数の形態の店舗を展開して、行員が顧客と隣り合い相談に応じる「寄添い型ブース」などを活用し、コンサルティングに重点を置いていきます。

これまでは、銀行と言えば同じようなサービスになっていましたが、今後は銀行ごとに少しずつ個性が出てくる可能性があります。銀行も個性を競う時代。メガバンクをはじめ、銀行はどう変化していくのでしょうか。

この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

関連記事