J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組『J-WAVE SELECTION』。2月3日(日)のオンエアは、25年にわたってミュージックビデオを作り続けてきた映像ディレクター・川村ケンスケが登場。ゲストに川谷絵音さん(ゲスの極み乙女。/indigo la End)をお迎えし、平成が終わる今こそ振り返りたい、MVの歴史を紐解きました。
■MVを最後まで観る体力がなくなってきている?
川村と川谷さんの年齢差は20歳以上。「世代的にMVの存在意義が違うと思う」と川村。川谷さんにとってMVとは、どんな意味があるのでしょうか。
川谷:MVって、けっこうYouTubeとかで広がるじゃないですか。MVが音楽を広げるツールとして一番のものだったわけです。でも今って、わりともう映像がなくてもストリーミングで広がったりしていて、YouTubeの順位に音楽のMVってほとんどないじゃないですか。
川谷さん自身、「YouTubeで見るMVは流してしまう」とのこと。世間的には、「昔よりも『MVを観よう』という気持ちになっていないかもしれない」と語ります。さらに、最近はMVを最後まで観たり、楽曲を最後まで聴かない傾向にあるとも。
川谷:ストリーミングでもイントロが長かったらみんな飛ばすんですよ。
川村:頭からいきなりサビのほうがいいですもんね。
川谷:あと、間奏が長いとみんな聴かない。すぐにそこで止められちゃうというのもあるから。しかも今、ショートバージョンも増えたじゃないですか。YouTube Musicが始まってからはMVをフルであげちゃうと、もうそれはストリーミングOKってことになっちゃうので。
米津玄師さんの『Lemon』のMVが、YouTube再生2億回を突破したと話題になったことについて、川谷さんは「最後まで観ているのかは疑問がある」と言及。YouTubeはフル視聴しなくても、一定の条件を満たすと再生数にカウントされる仕組みになっています。
川谷:全部観た人が何人いるんだろうって、すごく気になるんですよ。YouTubeの中にそのデータはあるはずなんですよね。それの再生回数を出してほしいんですよ。それを出したら、昔のデータと比べてすごく下がってる気がします。予想ですけど。
川村:途中で止めている人が多いってことだよね。
川谷:そうです。どんどん体力がなくなっていってる。
川村:体力も時間もないもんね。
■川谷が気になるMVは
そんななか、ここ数年で川谷さんが面白いと思ったMVは、サカナクション『ユリイカ』です。
川谷:ずっと山口一郎さん(Vo./Gt.)が、女性の肌をなぞっていく、みたいなやつ。サカナクションはやっぱりすごいなって思いましたね。毎回、映像が面白い。
職業柄、さまざまなMVを観ることでルールを見出していると言う川村は、一番好きなMVとして、マドンナ『Rain』をあげました。マーク・ロマネクが手がけたこのMVは、「たぶん、今のMVのカタチを決めちゃったというほどの作品」と話しました。
さらに、ゲスの極み乙女。『ドグマン』のMVについて、川村は「すごいMV。これをやられたら悔しいなと思うMVベスト1」と絶賛しました。これは、「ディレクターがMVを編集している画面が、そのままMVになっている」という斬新なものです。
■アメリカ社会の実情を描く衝撃MV
トーク後半では、まもなくグラミー賞が発表されるということで、大胆な予想を兼ねた「勝手にミュージック・ビデオ・オブ・ザ・イヤー」をふたりで決定しました。
川谷さんが「レコード・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされているチャイルディッシュ・ガンビーノ『This Is America』は、ふたりとも大賞でいいのでは、との意見。MVでは、実際の銃乱射事件を思わせるシーンなどが含まれ、アメリカ社会を痛切に描く作品になっています。
川谷:最初のほうを観ると嫌な気分になりますね。どーんとしてるから。
川村:やっぱり、これですかね。
川谷:『This Is Japan』なんて曲を日本で出したら、ボロクソに叩かれると思う。『This Is America』がすごいことになってたときに、日本が変な国なんだろうなってすごく思いましたね。だって、これがグラミー賞にノミネートされてるんですよ。
『This Is America』がリリースされたとき、さまざまな国で『This Is ○○』と、自国に当てはめたカバーが登場しました。「その波及力のすごさはMVならでは」と川村は言います。
川谷:確かに、これは映像ありきでしたね。この曲に関しては、曲だけだったらここまでいってないと思う。
日本でもし同じような曲がリリースされた場合、どんな反応になるのか興味があるという川谷さんは、「おそらくニュースになったり、賛否両論があって、ほとんど否のほう」と自身の考えを述べました。
世界に大きな衝撃を与え、グラミー賞でも注目されている『This Is America』。グラミー賞は現地時間2月10日に発表されます。ぜひチェックしてみてください。
次週2月10日(日)の『J-WAVE SELECTION』では、ジュビロ磐田の監督・名波 浩さんと、2018シーズン限りでの現役引退を発表した中澤佑二さんによる初対談をお届けします。今シーズンのJリーグの見どころや注目選手などについて語ります。お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE SELECTION』
放送日時:毎週日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jwaveplus/
■MVを最後まで観る体力がなくなってきている?
川村と川谷さんの年齢差は20歳以上。「世代的にMVの存在意義が違うと思う」と川村。川谷さんにとってMVとは、どんな意味があるのでしょうか。
川谷:MVって、けっこうYouTubeとかで広がるじゃないですか。MVが音楽を広げるツールとして一番のものだったわけです。でも今って、わりともう映像がなくてもストリーミングで広がったりしていて、YouTubeの順位に音楽のMVってほとんどないじゃないですか。
川谷さん自身、「YouTubeで見るMVは流してしまう」とのこと。世間的には、「昔よりも『MVを観よう』という気持ちになっていないかもしれない」と語ります。さらに、最近はMVを最後まで観たり、楽曲を最後まで聴かない傾向にあるとも。
川谷:ストリーミングでもイントロが長かったらみんな飛ばすんですよ。
川村:頭からいきなりサビのほうがいいですもんね。
川谷:あと、間奏が長いとみんな聴かない。すぐにそこで止められちゃうというのもあるから。しかも今、ショートバージョンも増えたじゃないですか。YouTube Musicが始まってからはMVをフルであげちゃうと、もうそれはストリーミングOKってことになっちゃうので。
米津玄師さんの『Lemon』のMVが、YouTube再生2億回を突破したと話題になったことについて、川谷さんは「最後まで観ているのかは疑問がある」と言及。YouTubeはフル視聴しなくても、一定の条件を満たすと再生数にカウントされる仕組みになっています。
川谷:全部観た人が何人いるんだろうって、すごく気になるんですよ。YouTubeの中にそのデータはあるはずなんですよね。それの再生回数を出してほしいんですよ。それを出したら、昔のデータと比べてすごく下がってる気がします。予想ですけど。
川村:途中で止めている人が多いってことだよね。
川谷:そうです。どんどん体力がなくなっていってる。
川村:体力も時間もないもんね。
■川谷が気になるMVは
そんななか、ここ数年で川谷さんが面白いと思ったMVは、サカナクション『ユリイカ』です。
川谷:ずっと山口一郎さん(Vo./Gt.)が、女性の肌をなぞっていく、みたいなやつ。サカナクションはやっぱりすごいなって思いましたね。毎回、映像が面白い。
職業柄、さまざまなMVを観ることでルールを見出していると言う川村は、一番好きなMVとして、マドンナ『Rain』をあげました。マーク・ロマネクが手がけたこのMVは、「たぶん、今のMVのカタチを決めちゃったというほどの作品」と話しました。
さらに、ゲスの極み乙女。『ドグマン』のMVについて、川村は「すごいMV。これをやられたら悔しいなと思うMVベスト1」と絶賛しました。これは、「ディレクターがMVを編集している画面が、そのままMVになっている」という斬新なものです。
■アメリカ社会の実情を描く衝撃MV
トーク後半では、まもなくグラミー賞が発表されるということで、大胆な予想を兼ねた「勝手にミュージック・ビデオ・オブ・ザ・イヤー」をふたりで決定しました。
川谷さんが「レコード・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされているチャイルディッシュ・ガンビーノ『This Is America』は、ふたりとも大賞でいいのでは、との意見。MVでは、実際の銃乱射事件を思わせるシーンなどが含まれ、アメリカ社会を痛切に描く作品になっています。
川谷:最初のほうを観ると嫌な気分になりますね。どーんとしてるから。
川村:やっぱり、これですかね。
川谷:『This Is Japan』なんて曲を日本で出したら、ボロクソに叩かれると思う。『This Is America』がすごいことになってたときに、日本が変な国なんだろうなってすごく思いましたね。だって、これがグラミー賞にノミネートされてるんですよ。
『This Is America』がリリースされたとき、さまざまな国で『This Is ○○』と、自国に当てはめたカバーが登場しました。「その波及力のすごさはMVならでは」と川村は言います。
川谷:確かに、これは映像ありきでしたね。この曲に関しては、曲だけだったらここまでいってないと思う。
日本でもし同じような曲がリリースされた場合、どんな反応になるのか興味があるという川谷さんは、「おそらくニュースになったり、賛否両論があって、ほとんど否のほう」と自身の考えを述べました。
世界に大きな衝撃を与え、グラミー賞でも注目されている『This Is America』。グラミー賞は現地時間2月10日に発表されます。ぜひチェックしてみてください。
次週2月10日(日)の『J-WAVE SELECTION』では、ジュビロ磐田の監督・名波 浩さんと、2018シーズン限りでの現役引退を発表した中澤佑二さんによる初対談をお届けします。今シーズンのJリーグの見どころや注目選手などについて語ります。お楽しみに。
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番組名:『J-WAVE SELECTION』
放送日時:毎週日曜 22時-22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jwaveplus/
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