J-WAVEで放送中の番組『RADIO SWITCH』。この番組は【Listen to the Magazine, Reading the Radio 雑誌を聴く、ラジオを読む。】をコンセプトに、カルチャーマガジン『SWITCH』、旅の雑誌『Coyote』、新しい文芸誌『MONKEY』の3つの雑誌とゆるやかに連動しながらお送りしています。
奇数月の4週目はピーター・バラカンが登場し、「BARAKAN SWITCH」と題して1時間まるごとピーター・バラカンの選曲でお届け。1月26日(土)のオンエアでは、ニューオーリンズの音楽をテーマにお送りしました。
■ニューオーリンズの音楽を意識するきっかけとなったアルバム
バラカンが、ニューオーリンズの音楽を意識するきっかけとなったのは、1972年にDr. Johnが発表したアルバム『Dr. John's Gumbo』に収録されている、『Iko Iko』だったと言います。このアルバムが出た当時、ロンドンに住んでいたバラカンは、ラジオから流れる『Iko Iko』にものすごい衝撃を受けました。
Dr. Johnがデビューした1968年頃から、彼の曲はずっと聴いていたというバラカン。しかし、『Dr. John's Gumbo』はこれまでとかなり違うものだったと振り返ります。
バラカン:このアルバムで一気にニューオーリンズという、彼の生まれ故郷の過去の音楽文化を特集するようなカタチになったんです。実は僕らはニューオーリンズの音楽とは知らずに聴いていて、このアルバムがひとつの大きなきっかけになって、その過去の遺産を意識するようになったわけです。
『Dr. John's Gumbo』の後半に収録されている『Tipitina』は、プロフェッサー・ロングヘアというピアニストのカバー曲。プロフェッサー・ロングヘアは40年代の終わりから50年代初頭にニューオーリンズだけで活動していた人物で、一時期は音楽では食べていけないほど、ほとんど誰にも知られない存在だったと言います。しかし、Dr. Johnのカバーが話題になったことで、彼の過去の録音がLPとして発表され、注目されることになりました。
バラカン:昔からピアノを弾く人は「教授」というふうに呼ばれていたもので、日本でも同じようなことがありますね。坂本龍一あたり。そういうこともあって、プロフェッサー・ロングヘア。なぜロングヘアなのかは、よくわからないんですけど。
彼のピアノの影響を受けたニューオーリンズのミュージシャンは無数におり、初期のロックンローラーの中でも数々のヒット曲を持つファッツ・ドミノもその一人だとバラカンは話しました。
■ニューオーリンズの音楽の特徴のひとつ、ブラスバンド
ニューオーリンズの音楽の大きな特徴のひとつが、ブラスバンド。ジャズの発祥地としても有名なニューオーリンズでは、ジャズのミュージシャンが亡くなると、派手なお葬式を行います。
バラカン:ブラスバンドが街を練り歩いて、墓場までは厳粛にやるんですけど、戻ってくる時は一転して、すごく元気でファンキーな音楽を演奏します。それは長年、ニューオーリンズ・ジャズのスタイルが基本になっていたんですけど、70年代にDirty Dozen Brass Bandっていう人たちが、モダン・ジャズの影響とか、もっとファンキーな音楽を取り入れて、まったく新しいブラスバンドのスタイルを築いたんです。
Dirty Dozen Brass Bandの始まりはマーチングバンドであったため、歩きながら演奏できる楽器のみで演奏していました。その後、長年の活動の中で、キーボードやギターを加え、コンサートホールで演奏するバンドに変わっていったのですが、「とにかくこの人たちがいたから、新しい世代のブラスバンドが、次々とニューオーリンズから生まれてきた」とバラカンさんは説明しました。
これを機会に、ぜひニューオーリンズの音楽をradikoで聴いてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『RADIO SWITCH』
放送日時:土曜 23時00分ー24時00時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radioswitch/about.html
奇数月の4週目はピーター・バラカンが登場し、「BARAKAN SWITCH」と題して1時間まるごとピーター・バラカンの選曲でお届け。1月26日(土)のオンエアでは、ニューオーリンズの音楽をテーマにお送りしました。
■ニューオーリンズの音楽を意識するきっかけとなったアルバム
バラカンが、ニューオーリンズの音楽を意識するきっかけとなったのは、1972年にDr. Johnが発表したアルバム『Dr. John's Gumbo』に収録されている、『Iko Iko』だったと言います。このアルバムが出た当時、ロンドンに住んでいたバラカンは、ラジオから流れる『Iko Iko』にものすごい衝撃を受けました。
Dr. Johnがデビューした1968年頃から、彼の曲はずっと聴いていたというバラカン。しかし、『Dr. John's Gumbo』はこれまでとかなり違うものだったと振り返ります。
バラカン:このアルバムで一気にニューオーリンズという、彼の生まれ故郷の過去の音楽文化を特集するようなカタチになったんです。実は僕らはニューオーリンズの音楽とは知らずに聴いていて、このアルバムがひとつの大きなきっかけになって、その過去の遺産を意識するようになったわけです。
『Dr. John's Gumbo』の後半に収録されている『Tipitina』は、プロフェッサー・ロングヘアというピアニストのカバー曲。プロフェッサー・ロングヘアは40年代の終わりから50年代初頭にニューオーリンズだけで活動していた人物で、一時期は音楽では食べていけないほど、ほとんど誰にも知られない存在だったと言います。しかし、Dr. Johnのカバーが話題になったことで、彼の過去の録音がLPとして発表され、注目されることになりました。
バラカン:昔からピアノを弾く人は「教授」というふうに呼ばれていたもので、日本でも同じようなことがありますね。坂本龍一あたり。そういうこともあって、プロフェッサー・ロングヘア。なぜロングヘアなのかは、よくわからないんですけど。
彼のピアノの影響を受けたニューオーリンズのミュージシャンは無数におり、初期のロックンローラーの中でも数々のヒット曲を持つファッツ・ドミノもその一人だとバラカンは話しました。
■ニューオーリンズの音楽の特徴のひとつ、ブラスバンド
ニューオーリンズの音楽の大きな特徴のひとつが、ブラスバンド。ジャズの発祥地としても有名なニューオーリンズでは、ジャズのミュージシャンが亡くなると、派手なお葬式を行います。
バラカン:ブラスバンドが街を練り歩いて、墓場までは厳粛にやるんですけど、戻ってくる時は一転して、すごく元気でファンキーな音楽を演奏します。それは長年、ニューオーリンズ・ジャズのスタイルが基本になっていたんですけど、70年代にDirty Dozen Brass Bandっていう人たちが、モダン・ジャズの影響とか、もっとファンキーな音楽を取り入れて、まったく新しいブラスバンドのスタイルを築いたんです。
Dirty Dozen Brass Bandの始まりはマーチングバンドであったため、歩きながら演奏できる楽器のみで演奏していました。その後、長年の活動の中で、キーボードやギターを加え、コンサートホールで演奏するバンドに変わっていったのですが、「とにかくこの人たちがいたから、新しい世代のブラスバンドが、次々とニューオーリンズから生まれてきた」とバラカンさんは説明しました。
これを機会に、ぜひニューオーリンズの音楽をradikoで聴いてみてください。
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【番組情報】
番組名:『RADIO SWITCH』
放送日時:土曜 23時00分ー24時00時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radioswitch/about.html
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