J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。この週はお休み中の寺岡に代わり、三原勇希がサッシャと共にお送りしています。12月4日(火)のオンエアでは、ミステリー小説PRの禁じ手「ネタバレ」プロモーションの話題に注目しました。
■最新刊をPRするためにネタバレ!? その手法とは
海外ミステリーの出版でおなじみ早川書房が、「最新刊をPRするためにネタバレプロモーションを解禁した」と出版業界で話題になっています。ミステリーの世界では、ネタバレは絶対NG。だからこそ実験的に行ったのだとか。気になるその手法と狙いについて、早川書房編集部の山口 晶さんに伺いました。
今回、ネタバレPRをおこなった『大統領失踪』は、元アメリカ合衆国大統領、ビル・クリントン氏のデビュー小説で、アメリカでも100万部を突破した話題作です。
山口:主人公はアメリカの大統領で、大統領がある日突然ホワイトハウスから姿を消してしまうんです。なぜ大統領は姿を消さなければならなかったのか? 理由は? というのが大きなネタになっているミステリーです。
三原:元大統領が書いたというだけで十分にプロモーションできるのではないんですか?
山口:本のプロモーションは、事前に中身などを読者や書店、マスコミに読んでいただくのが基本なのでsが、この本は上下巻で量もありますし、読んでいただくと大変なんです。そこで、映画の試写会やデパ地下の試食みたいに簡単に試せるように、本も縮めてしまえばもっとみなさんに事前に読んでいただけるのではないか……という発想から、ネタバレプロモーションがはじまりました。
サッシャ:実際にはどうやったのですか?
山口:物語のあらすじを100ページほどに圧縮したダイジェスト版を作って、読者、書店、マスコミに無料で配るということを行いました。もともとの本が600ページほどなので、これはなかなか大変な作業だったんですけど、簡単にいうと、映画の予告映像にエンディングもつけてしまったというイメージです。
サッシャ:誰が犯人か、というネタのオチもわかるわけですよね?
山口:今回の『大統領失踪』では、「なぜ大統領が失踪するに至ったか」と、大統領が悪の組織と対決するんですけど「その黒幕は誰なのか?」というのがわかる作りになっています。
■SNSでの読者による「ネタバラシ」はなかった!
このプロモーション用のダイジェスト版は一般読者にも配っており、SNSで取り上げられたりと話題になりました。
サッシャ:ダイジェスト版を読んでネタをばらしている人はいないのですか?
山口:それがみなさん紳士協定というか、ネタバレする人は今はいません。宣伝としては非常によい状況です。
サッシャ:今まで通常のミステリー小説のプロモーションはどのようにやっていたのですか?
山口:有名な作家さんや影響力のある方に本を読んでいただいて、書評に書いていただく、SNSで感想を書いてもらい、帯に載せるというのが通常の方法ですが、みなさん忙しいので、そういう方を見つけるのが難しい地道な作業なんです。
「社内での反発はなかったのか?」と山口さんに訊くと、出版社の社員が一番原稿に埋もれているので、「すぐ読み終わってよかった」「マスコミの方にもすぐに案内できる」とポジティブな反応が多かったそうです。またダイジェスト版の存在によりネット上で「全体を読みたくなった」という声や、書店からの反応もよく、注文も順調とのことでした。
「SNS上などでネタバラシが行われないことで、本の存在を知ってくれて、買ってみようとなるので、みんなが幸せなプロモーションになったと思います」と今回の試みについて振り返った山口さん。ちなみに『大統領失踪』ダイジェスト版はすでに配布を終了しており、正規の本が書店に並んでいます。興味のある方はぜひ手にとってみてください!
次週の「BEHIND THE SCENE」のコーナーは、年末年始を支えるお仕事……占い師や巫女などの裏側に、日替わりでフォーカスします。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
■最新刊をPRするためにネタバレ!? その手法とは
海外ミステリーの出版でおなじみ早川書房が、「最新刊をPRするためにネタバレプロモーションを解禁した」と出版業界で話題になっています。ミステリーの世界では、ネタバレは絶対NG。だからこそ実験的に行ったのだとか。気になるその手法と狙いについて、早川書房編集部の山口 晶さんに伺いました。
今回、ネタバレPRをおこなった『大統領失踪』は、元アメリカ合衆国大統領、ビル・クリントン氏のデビュー小説で、アメリカでも100万部を突破した話題作です。
山口:主人公はアメリカの大統領で、大統領がある日突然ホワイトハウスから姿を消してしまうんです。なぜ大統領は姿を消さなければならなかったのか? 理由は? というのが大きなネタになっているミステリーです。
三原:元大統領が書いたというだけで十分にプロモーションできるのではないんですか?
山口:本のプロモーションは、事前に中身などを読者や書店、マスコミに読んでいただくのが基本なのでsが、この本は上下巻で量もありますし、読んでいただくと大変なんです。そこで、映画の試写会やデパ地下の試食みたいに簡単に試せるように、本も縮めてしまえばもっとみなさんに事前に読んでいただけるのではないか……という発想から、ネタバレプロモーションがはじまりました。
サッシャ:実際にはどうやったのですか?
山口:物語のあらすじを100ページほどに圧縮したダイジェスト版を作って、読者、書店、マスコミに無料で配るということを行いました。もともとの本が600ページほどなので、これはなかなか大変な作業だったんですけど、簡単にいうと、映画の予告映像にエンディングもつけてしまったというイメージです。
サッシャ:誰が犯人か、というネタのオチもわかるわけですよね?
山口:今回の『大統領失踪』では、「なぜ大統領が失踪するに至ったか」と、大統領が悪の組織と対決するんですけど「その黒幕は誰なのか?」というのがわかる作りになっています。
■SNSでの読者による「ネタバラシ」はなかった!
このプロモーション用のダイジェスト版は一般読者にも配っており、SNSで取り上げられたりと話題になりました。
サッシャ:ダイジェスト版を読んでネタをばらしている人はいないのですか?
山口:それがみなさん紳士協定というか、ネタバレする人は今はいません。宣伝としては非常によい状況です。
サッシャ:今まで通常のミステリー小説のプロモーションはどのようにやっていたのですか?
山口:有名な作家さんや影響力のある方に本を読んでいただいて、書評に書いていただく、SNSで感想を書いてもらい、帯に載せるというのが通常の方法ですが、みなさん忙しいので、そういう方を見つけるのが難しい地道な作業なんです。
「社内での反発はなかったのか?」と山口さんに訊くと、出版社の社員が一番原稿に埋もれているので、「すぐ読み終わってよかった」「マスコミの方にもすぐに案内できる」とポジティブな反応が多かったそうです。またダイジェスト版の存在によりネット上で「全体を読みたくなった」という声や、書店からの反応もよく、注文も順調とのことでした。
「SNS上などでネタバラシが行われないことで、本の存在を知ってくれて、買ってみようとなるので、みんなが幸せなプロモーションになったと思います」と今回の試みについて振り返った山口さん。ちなみに『大統領失踪』ダイジェスト版はすでに配布を終了しており、正規の本が書店に並んでいます。興味のある方はぜひ手にとってみてください!
【本日発売】
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) 2018年12月5日
『大統領失踪(上・下)』
ビル・クリントン、ジェイムズ・パタースン/越前敏弥、久野郁子訳
アメリカ合衆国大統領ダンカンは密かにホワイトハウスを抜け出した。大規模テロを防ぐには他に道はなかったのだ! 全米100万部突破、元大統領ビル・クリントンが描く迫真のサイバーテロ小説! pic.twitter.com/EaH5u6gJSJ
次週の「BEHIND THE SCENE」のコーナーは、年末年始を支えるお仕事……占い師や巫女などの裏側に、日替わりでフォーカスします。お楽しみに!
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※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/