YMOの魅力は「世界の音楽を取り入れて、自分たちの音にしている」 odol・森山が語る

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。11月29日(木)のオンエアでは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組の アーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、今年で結成40周年を迎えるYMOこと、イエロー・マジック・オーケストラを特集。

【1回目】伝説の音楽グループ・YMOを大特集! 「イエロー・マジック」の意味とは?
【2回目】YMOは、いかにして「社会現象」となったか? コントとコラボする斬新な試みも
【3回目】YMOはヒップホップシーンにも影響? 世界の音楽に与えた影響

細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんの3人で結成された、テクノ音楽の元祖とも称される、日本が世界に誇る音楽グループ、イエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)は、1978年のグループ結成から今年で40周年。番組では、YMOがのちの音楽シーンに与えた大きな影響を、全盛期の5年間を中心に、3日間にわたって振り返りました。


■「YMOチルドレン」は20代のミュージシャンも!

濃密な活動、時代の最先端をいく音楽は、「YMOチルドレン」と呼ばれる、影響を受けたアーティストたちを、多く輩出してきました。

たとえば、テイ・トウワさん、THE BOOMの宮沢和史さん(Vo.)、中田ヤスタカさん、星野 源さんなどが影響を受けたことを公言しています。特に電気グルーヴの元メンバーで、今はサポートを行なっている砂原良徳さんは、『カルトQ』(フジテレビ)のYMO編で優勝しました。

さらに、20代の若手アーティストでは、odol・森山公稀さん(P./Syn.)も、YMOチルドレンのひとりです。坂本さんの後輩(東京藝術大学)にあたります。森山さんに、YMOとの出会いや魅力を語っていただきました。

森山:僕がYMOと出会ったのは中学生のころ。YouTubeを観ていたら、アメリカ・ロサンゼルスの「グリークシアター」で、赤い人民服を着た3人が『TONG POO』を演奏していました。イントロの低音メロディがゾクゾクして、歌の入りが遅いのに、すごくかっこいいから聴けちゃうという。魅力にとりつかれて、そこから少しずつインターネットで調べていきました。でも、調べれば調べるほど謎が深まるばかりというか、掘っても掘っても底が見えない魅力的なバンドということがわかってきました。3人とも確立されたソロアーティストとして素晴らしい作品を出しているし、日本だけにとどまらず、世界のアーティストたちや、民族音楽など、世界の音楽を取り入れてYMOの音にしています。YMOを入口にして、いろいろなところに行ける魅力があります。僕が思うに、80年代ぐらいは、新しい機材、シンセサイザーが爆速で進んで、海外から取り入れられて、誰も使ったことがないものが次々に生まれていた時代だと思うんです。それを、あの3人や、周りにいた人だからこそ使いこなせて、YMOの音にしていけたのだと思うので、すごく憧れます。今は革新的な何かができる時代ではないと思うので、今、最先端の機材を使ったからといって、YMOのようになれるかと言ったら、そうではありません。でも、新しい機材などがでてきたとき、いち早くそれを取り入れて、自分の音楽にしていけるっていう気持ちを持つことや、準備をしておくことは大事だと思います。

森山さんの話を聞いた水野は以下のようにコメントしました。

水野:人間の演奏は、必ず“揺らぎ”が必ずあります。でも、シークエンスが打てるようになった時代、ジャストで音楽を奏でていくことが意外と革新的だった。さらにそれが情緒を感じさせるというか、今の時代に通じる発見があったのが、この時代だったのだと思いますね。

森山さんは鍵盤を担当しているため、特に坂本さんからの影響を強く受けているとのこと。「未だに音楽の最前線で表現し続けていて、まだ見ぬものを常に追い求めている」「常に現役でいようとしている姿勢」を尊敬していると語りました。


■ライブ盤で、さまざまなバージョンを楽しんでほしい

森山さんが最も好きなYMOの曲は?

森山:初めに出会った衝撃というのもあって、『TONG POO』が強く印象に残っているんです。そういう思い出を抜きにして純粋に好きな曲は、アルバム『BGM』に収録されている『CUE』。このアルバム自体がすごく好きなんです。洗練されているというか、真骨頂感があるというか、YMOの他と違う部分だけが集まっているようなアルバムです。聴いたことがないような音楽が多いので、とっつきづらい印象もあるアルバムかもしれないのですが、そういう流れの中で『CUE』が流れたときに、救い感というか、ホッとする感じが、アルバムを成立させている印象です。いつの間にか好きになりました。

最後に森山さんは、YMOのもうひとつの魅力を語りました。

森山:ライブ盤がたくさんリリースされています。同じ曲でもたくさんの魅力があって、それぞれに違ったかっこよさがある。たとえば3枚目に出したアルバムに、ワールドツアーの音源を収録した『パブリック・プレッシャー』があります。そのワールドツアーのロンドン公演で演奏した『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』は、一緒にまわっていた矢野顕子さんのコーラスも入っていて、全然違った魅力で、曲がさらに好きになっていきました。いろいろなバージョンのものが聴けるので、ライブ盤を探っていくのも、YMOを聴くひとつの楽しみだと思っています。最近だと、2012年から始まった、坂本さんがオーガナイザーを務める「NO NUKES」というイベントがあって、そこでYMOの3人が一堂に会して演奏したんです。そのライブ盤もアレンジがめちゃくちゃかっこよくて。洗練されたものになってるんですけど、メロディの魅力や和音の高揚感は当時から失われていない。お客さんの高揚感も入っていて、YMOが現代にいる喜びのようなものを再認識します。『TONG POO』も収録されていて、本当に素晴らしいライブ盤です。

2019年3月23日(土)、24日(日)には、「NO NUKES 2019」が豊洲PITで開催されます。YMO結成40周年記念企画として、1978年から1983年のオリジナルアルバム10タイトルの再発プロジェクト「YMO40」もスタートしています。

さらに、「YMO40」動画コンテンツ第1弾として、コーネリアスの小山田圭吾さんと砂原良徳さんによるスペシャル対談も公開されました。そのほかにも、さまざまなイベントが企画されています。ぜひ特設サイトをチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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