「エスカレーターに止まって乗りたい」のは、単なるワガママではない―新たなマナーを浸透させる必要性

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。10月23日(火)のオンエアでは、エスカレーターの乗車マナーについて注目しました。

歩く人のために片側をあけるのが常識と思われがちですが、「止まって乗りたい」というニーズもあります。自分だけでなく、隣の人にも止まってほしい――そう言うと「みんな急いでるんだから自分勝手だ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、それは単なる個人のワガママではなく、新たなマナーとして浸透させなければならない理由があります。

今回は、公益社団法人東京都理学療法士協会の理事で、エスカレーターマナーアップ推進委員会委員長の齋藤 弘さんをゲストにお招きし、お話を伺いました。


■「隣を歩かれると…」高齢者や障害者は恐怖を感じることも

2020年に控えたオリンピック。たくさんの人が訪れるにあたって、障害があっても移動しやすい環境作りが必要です。エスカレーターもそのひとつ。病院や障害者施設に関わる人からは、こんな声が上がりました。

齋藤:運動機能が低下するご高齢の方や、視覚に障害がある方から、「エスカレーターで隣を歩かれると非常に怖い」という声がありました。また、そもそも左手足が不自由な方々も、右手で手すりにつかまって乗りたいですよね。本当は右側に止まって乗りたいけれど、今の慣習に合わせて左側に不安定な状態で乗っている方がいるんです。そこで、私たち理学療法士が社会にアプローチして地域の環境を変えていく役割を担うことが大切だと考えて、「エスカレーターマナーアップ推進委員会」の活動をスタートしました。


■止まって乗ったほうが「輸送効率」が高まる!

齋藤さんは「人に目を向けて」というメッセージを発信、キーホルダーを配るなど啓発活動を続けています。サッシャや寺岡も「急いでいるときはついつい歩いてしまう……」と話していましたが、実際歩くのと止まる場合の輸送力の違いはどうなのでしょうか。

齋藤:右側も止まって2列に並んで乗るエスカレーターと、今のように片側だけ止まって片側を歩いてという場合の効率は、全部の段に人が止まって乗ったほうが20%くらい輸送効率が高まるというデータもあります。あと、右側が歩行レーンになっていて、左側で止まる人の渋滞が起きているのをよく目にしませんか? その渋滞と、降りた先の渋滞による(衝突や転倒などの)危険性も指摘されています。

エスカレーターマナーアップ推進委員会が推奨するエスカレーターの乗り方は、右側も止まって乗ること。その光景が当たり前になるために、一人ひとりができることとは?

齋藤:比較的すいている時間帯は右側に止まって乗ることにチャレンジして、多くの人がその光景を見慣れるようにする。駅やラッシュ時間だとなかなか難しいなら、商業施設、ショッピングセンター、文化施設からまず先にスタートして「右側も止まりましょうよ」という習慣をつけることで、少しずつ根づいてくるのかなと思います。

齋藤さんいわく、最近、啓蒙のためのキーホルダーを付けてくれる方も増えていたり、右側に止まっている人もときどき見かけるようになったそうです。キーホルダーは無料配布していますので、東京都理学療法士協会の公式ページをご確認ください。

11月23日(金・祝)には、大江戸線・光が丘駅直結のイベントコーナーで11時から15時まで、「チャレンジ東京2020年に向けてエスカレーター止まって乗りたい人がいる」というイベントを開催します。パラスポーツ体験、特殊装具を使った体験など、知見を広める機会です、こちらにもぜひ参加してみてください!

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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