地面に刺さった、巨大ノコギリ! 街なかにある「パブリックアート」の世界

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。この週は「町にひそむ『当たり前ミステリー』を大調査!」ということで、10月15日(月)のオンエアでは、アートテラーのとに?さんをお迎えし、「街中にあるアート作品…これって何の意味があるの?」という疑問に迫りました!


■公共の空間にあるアート作品

そもそも、パブリックアートはどんな定義があるのでしょうか。

とに?:人によってまちまちですが、単純に公共の空間にあるアート作品をパブリックアートと呼んでいいと思います。
サッシャ:いつから始まったんですか?
とに?:1960年代頃にアメリカなどでパブリックアートの概念が生まれたと言われています。ただ、イタリアなどにも(街中に)彫刻はあったので、街中にアートがあることは普通だったんですけどね。日本では1990年代にその概念が入ってきて、作るようになったそうです。


■東京都内にある注目のパブリックアート

そんな、無料で楽しむことができる東京都内のパブリックアートを、とに?さんが3つのカテゴリーに分けて教えてくれました。

1:美術界の巨匠が手掛けたパブリックアート


とに?:美術館で展示するクラスの作家作品が街中で観られます。例えば、こどもの城の前や数寄屋橋公園には岡本太郎さんの作品があります。他にも西新宿・新宿アイランドit'sにある大きな「LOVE」のオブジェはロバート・インディアナさんの作品で、その反対側の青梅街道沿いにはポップアーティストのロイ・リキテンスタインさんの作品もあります。

2:パブリックアート界の人気作家


とに?:東京ビッグサイト前に地面に突き刺さった大きなノコギリがあり、これを作ったのは彫刻家のクレス・オルデンバーグさんです。オルデンバーグさんは日用品を巨大に作るという作風で、世界には彼が制作した巨大なボーリングのピンや双眼鏡、洗濯ばさみなどがあります。また、お台場海浜公園には鳥居のようなオブジェが25個並ぶダニエル・ビュランさんの作品があります。この人は8.7センチのストライプにこだわる特徴があります。

他にも、風や水を動力にして作品を制作する新宮 晋さんによる銀座エルメスビル玄関の頭上にあるオブジェや、東京ミッドタウンや国際フォーラムにある大理石で作られた安田 侃さんの作品を紹介してくれました。

3:注目の若手作家によるパブリックアート


とに?:若手作家もパブリックアートをどんどん作っているなか、僕がオススメなのは、赤坂サカスのそばにある鈴木康広さんの「進化の窓」という作品です。これは、くもりガラスの前を人が歩くと、それに連動して猿から人に進化する過程がガラスに現れるパブリックアートです。自分たちが知らないうちにアートの一部になっていることが面白い作品です。また、勝どきビュータワーにある栗林 隆さんの作品は、上から見ると枯山水のような場所に岩があり、1階におりてその岩を裏側から観るとジュゴンの背中になっているという不思議なアートです。ちょっと実際見ないとなかなか説明が難しいんですが。


■パブリックアートが生まれる理由

パブリックアートの傾向についても訊いてみました。

とに?:1990年代にビルがたくさん建てられたことによって、パブリックアートが増えました。ビルの敷地部分に他のビルと差異を付ける役割としてパブリックアートを作る会社が多かったんですね。今はタワーマンションがたくさんできているので、他と違いを出すためにタワーマンションでもパブリックアートが設置されています。ビルやマンションなど同じものが出来上がってくると、そこにパブリックアートが生まれる傾向があるんです。そういう意味では、西新宿と大手町はパブリックアートが多いです。

秋は芸術の季節。とに?さんが教えてくれたパブリックアートを見に行ってみてはいかがでしょうか。また、あなたが暮らす街のパブリックアートを探してみるのもよいかもしれません。

『STEP ONE』では、18日(木)まで「町にひそむ『当たり前ミステリー』を大調査!」をオンエア。17日(水)は、「なぜ銭湯の牛乳はいまだにビンなの?」というテーマでお届け。ぜひ聴いてみてください。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時?13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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