日本最大級のテクノロジーと音楽の祭典「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」(以下、イノフェス)が、9月29日(土)、30日(日)に六本木ヒルズで開催。29日には、トークセッション「テクノロジーが変えるスポーツの未来」が行われた。
登壇したのは、MCのサッシャ、メディアアーティスト・落合陽一、日本フェンシング協会会長・太田雄貴、全日本スキー連盟常務 兼 競技本部長・皆川賢太郎。スポーツ界の最新テクノロジーを紹介し、スポーツの未来を語った様子を紹介しよう。
まずはフェンシングから。フェンシングには「ルールの分かりづらさ」というのがずっとネックにあったという太田。今回はその問題を、最新テクノロジーを使いわかりやすく紹介した映像を公開。
太田:フェンシングは剣の動きが速すぎて、いったいどこを突いているかわからなかったので、剣の先をモーションキャプチャーを使い、剣がどこを通ったか、切先が出るようにハイスピードカメラでマーキングしているんです。
対戦する選手同士の剣先の動きが残像でわかりやすく表示され、相手にヒットすると点数と同時にその衝撃も火花のように映像化される。まるでアクションCG映画のような映像だ。
太田:ARの技術なので通常ではこう見えないんですけど、画面を通して見るとこういう風になるっていうのを、いま2020年になんとか実装するべく。まだ開発途中ではあるんですけど、こんな未来になりますってところですね。
太田は、フェンシングがわかりやすくなると同時にアート作品のようにも見えるため、フェンシングとAR技術はとても相性がいいと話します。
落合:これ本当はボクシングとかでもやりたいんだけどなぁ。ダメージとかがちゃんと見えると、おもしろいですよね。スポーツ全体的に。
サッシャ:格闘ゲームみたいに。
落合:判定を素人が見ていると、なんでその判定になったのかがよくわからないじゃないですか。特にダメージ系競技のやつ、ノックダウンされるようなやつって。それが見えるとすごくいいんじゃないかと思いますね。
剣の速さは、金メダリストの太田でさえ見えないこともあるというほど。この新しい技術によって、フェンシングがよりわかりやすく楽しむことができそうだ。2020年の東京オリンピックに間に合うように開発を急いでいるとのことなので、期待が膨らむばかりだ。
一方でスキーは野外競技のため、会場の観客が選手の動きを肉眼で細かく見ることは、屋内競技よりも難しい。スピードがあるスキー競技となるとなおさらだ。そこでチケットを購入した人専用のプラットホームを作り、選手のデータや動き、表情など細かい情報をネットで共有している。
それによってスマホなどで細かな情報や動きを見ながら、実際に見ているものも楽しむことが可能だ。そして皆川は、最新技術を使った今後の展望も語った。
皆川:お客さんと情報を共有するというのは当然の話なんですけど、フェンシングの速すぎて一般素人ではわからないというのと同じように、僕の関係しているところでいうと、スノーボード、エアリアル、モーグルスキーっていうのは基本、人の目でジャッジしているんですね。
サッシャ:そうですね。ジャンプとかポイント付けですよね。
皆川:そこがルール上、グレーではないんですけど、非常に判断しづらいものが多いです。そこで、いま東京2020のために体操が取り入れている、要は選手が本当にちゃんと点数に加算されるようなパフォーマンスをしているかどうかっていう、審判が判断できるものをスノーボードでも取り入れようとしてるんですね。それはやっぱり基本的にはITが発達しないと不可能な部分もあるんですね。解析しなきゃいけないんで。
しかし、フェンシングにせよスキーにせよ、スポーツに最新テクノロジーを入れるためには、各方面で許可を取るためのロビー活動がとても重要だという。そこで落合からかなり突っ込んだ質問が飛び出す。
落合:スキーとかでカメラでトラッキングとかして、ちゃんと撮れるようになっちゃうと審査員の声より証拠のほうが勝るじゃないですか? それって政治的な要因で阻む人たちがいたりするんですか?
皆川:あぁ、それはやっぱりいます。特にジャッジスポーツは、はっきりするとスタイルというのがそもそも点数に加算されているんですけど、そもそもスタイルはAIでは判断できないだろうというところが、非常に言い分としてはある。
落合:なるほど。だからトラッキングとかして点数つけられるかっていったら、つけられないから、「我々の流儀に従え」と。そっちの流儀の人が多いとチーム、というか国として強いですね。
皆川:そうですね。結局、ジャッジの数が多いとか引っ張れる人がいると、わりとなびいてしまう人が多いので。
競技によっては、すべてがテクノロジーで明確化されれば良い、という単純な世界でもなさそうだ。いずれにせよ観客がより楽しめるようになることが、競技人口を増やし、競技の発展につながるのは間違いない。そのため、人とテクノロジーがうまく共存できる未来が必要になるだろう。
登壇したのは、MCのサッシャ、メディアアーティスト・落合陽一、日本フェンシング協会会長・太田雄貴、全日本スキー連盟常務 兼 競技本部長・皆川賢太郎。スポーツ界の最新テクノロジーを紹介し、スポーツの未来を語った様子を紹介しよう。
まずはフェンシングから。フェンシングには「ルールの分かりづらさ」というのがずっとネックにあったという太田。今回はその問題を、最新テクノロジーを使いわかりやすく紹介した映像を公開。
太田:フェンシングは剣の動きが速すぎて、いったいどこを突いているかわからなかったので、剣の先をモーションキャプチャーを使い、剣がどこを通ったか、切先が出るようにハイスピードカメラでマーキングしているんです。
対戦する選手同士の剣先の動きが残像でわかりやすく表示され、相手にヒットすると点数と同時にその衝撃も火花のように映像化される。まるでアクションCG映画のような映像だ。
太田:ARの技術なので通常ではこう見えないんですけど、画面を通して見るとこういう風になるっていうのを、いま2020年になんとか実装するべく。まだ開発途中ではあるんですけど、こんな未来になりますってところですね。
太田は、フェンシングがわかりやすくなると同時にアート作品のようにも見えるため、フェンシングとAR技術はとても相性がいいと話します。
落合:これ本当はボクシングとかでもやりたいんだけどなぁ。ダメージとかがちゃんと見えると、おもしろいですよね。スポーツ全体的に。
サッシャ:格闘ゲームみたいに。
落合:判定を素人が見ていると、なんでその判定になったのかがよくわからないじゃないですか。特にダメージ系競技のやつ、ノックダウンされるようなやつって。それが見えるとすごくいいんじゃないかと思いますね。
剣の速さは、金メダリストの太田でさえ見えないこともあるというほど。この新しい技術によって、フェンシングがよりわかりやすく楽しむことができそうだ。2020年の東京オリンピックに間に合うように開発を急いでいるとのことなので、期待が膨らむばかりだ。
一方でスキーは野外競技のため、会場の観客が選手の動きを肉眼で細かく見ることは、屋内競技よりも難しい。スピードがあるスキー競技となるとなおさらだ。そこでチケットを購入した人専用のプラットホームを作り、選手のデータや動き、表情など細かい情報をネットで共有している。
それによってスマホなどで細かな情報や動きを見ながら、実際に見ているものも楽しむことが可能だ。そして皆川は、最新技術を使った今後の展望も語った。
皆川:お客さんと情報を共有するというのは当然の話なんですけど、フェンシングの速すぎて一般素人ではわからないというのと同じように、僕の関係しているところでいうと、スノーボード、エアリアル、モーグルスキーっていうのは基本、人の目でジャッジしているんですね。
サッシャ:そうですね。ジャンプとかポイント付けですよね。
皆川:そこがルール上、グレーではないんですけど、非常に判断しづらいものが多いです。そこで、いま東京2020のために体操が取り入れている、要は選手が本当にちゃんと点数に加算されるようなパフォーマンスをしているかどうかっていう、審判が判断できるものをスノーボードでも取り入れようとしてるんですね。それはやっぱり基本的にはITが発達しないと不可能な部分もあるんですね。解析しなきゃいけないんで。
しかし、フェンシングにせよスキーにせよ、スポーツに最新テクノロジーを入れるためには、各方面で許可を取るためのロビー活動がとても重要だという。そこで落合からかなり突っ込んだ質問が飛び出す。
落合:スキーとかでカメラでトラッキングとかして、ちゃんと撮れるようになっちゃうと審査員の声より証拠のほうが勝るじゃないですか? それって政治的な要因で阻む人たちがいたりするんですか?
皆川:あぁ、それはやっぱりいます。特にジャッジスポーツは、はっきりするとスタイルというのがそもそも点数に加算されているんですけど、そもそもスタイルはAIでは判断できないだろうというところが、非常に言い分としてはある。
落合:なるほど。だからトラッキングとかして点数つけられるかっていったら、つけられないから、「我々の流儀に従え」と。そっちの流儀の人が多いとチーム、というか国として強いですね。
皆川:そうですね。結局、ジャッジの数が多いとか引っ張れる人がいると、わりとなびいてしまう人が多いので。
競技によっては、すべてがテクノロジーで明確化されれば良い、という単純な世界でもなさそうだ。いずれにせよ観客がより楽しめるようになることが、競技人口を増やし、競技の発展につながるのは間違いない。そのため、人とテクノロジーがうまく共存できる未来が必要になるだろう。
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