日本最大級のテクノロジーと音楽の祭典「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」(以下、イノフェス)が、9月29日(土)、30日(日)に六本木ヒルズで開催。29日には、クリエイター・高城剛が30年後の世界をイメージするプレゼンテーション「30年後の世界へ」が行われた。ここでは、高城が一ヶ月間、世界中を周り、未来学者たちに直接聞いた衝撃とも言える驚くべき未来の世界を紹介する。
まず訪れたのは中国・北京郊外にある雄安新区。ここは中国政府が「新しい中国の未来都市を作る」ということで本格的な開発を進めている。スクリーンに映し出された雄安新区の街頭は、実際に人が住んでいるにも関わらず、歩いている人の姿は見られない。なぜか? それは現在、人がやっていることをすべてロボットが行なっているからだという。
街を走るバスは無人バスで、運転手も車掌もいない。バスが道路を認識して自走するため人が運転する必要がないのだ。さらにオンライン・ショッピングをすると、無人の電気自動車が自宅まで配達してくれるようになっている。
続いて映し出されたのはコンビニ。ここにも店員はいない。お店の中にはスマホを使って入るようになっており、もしスマホを忘れても顔認証で入れるようになっている。
高城:僕はよく「スマートフォンの次は一体なにがくるのか?」とインタビューで聞かれます。それは、人間のカラダです。中国では顔認証というのが当たり前になってきて、スマートフォンではなく、手ぶらで出て顔だけで認証してあらゆることができます。たとえば、決済です。
このコンビニでは、客が自分の必要なものを持ち出すと、顔認証で決済される。無人なのは車やコンビニだけではなく、マクドナルドなど飲食店から宿泊施設まですべて無人化されている。つまり「未来都市は無人に向かっている」と高城は言う。
高城:我々が考えているテクノロジーの30年後、いや10年後、5年後かもしれない。無人に向かうことが本当に正しいのかどうか、これをもう一回考えなければいけない。そういうときに我々は今、立っているような気がします。
続いて訪れたのは杭州。昔ながらの美しい都の風景を残している都市だが、ここに「21世紀の杭州」というものが開発されている。その新しい街づくりを牽引しているのは、中国を代表する大企業・アリババ。これまで街の開発は政府が行っていたが、企業が街づくりをする時代に入ったのだ。
そんな街の中に「Kpro」というお店がある。アリババとケンタッキーフライドチキンが共同で経営している店舗だ。レジで注文するのではなく、大きなディスプレイで注文するシステムになっている。料理を作るのは人ではあるものの、レジ、フロアなど見える部分に店員はいない。日本人から見ると異様な光景に見えるかもしれないが…。
高城:杭州の若い人たちに聞くと「これが普通」だと言います。現金をほとんど持っていないと。現金も忘れてスマホも忘れたらどうするかというと、やっぱりここでも顔認証なんですね。
店舗型のお店だけではなく、街角の屋台でも、今や現金で支払う人はいないという。7割の客がスマホの決済アプリ、アリペイで支払うそう。現金の信用度がどんどん下がっているのだ。
高城:屋台がどこまで進化しているのかというのを見れば、その国のイノベーションがわかります。簡単に言えば祭りの屋台で現金が使われなくなったら、その国で本当にイノベーションが起きていると見て間違いありません。
大企業が大きな声でイノベーションの実現をうたっていますが、本当のイノベーションは街角で起こると高城は強く言う。そういう意味では日本はまだまだ遅れているのかもしれない。2050年にはさらに進化する杭州の未来図が描かれているそうだが、どこまで実現するかはまだ未知数。しかし、「人が実際に暮らす未来都市が北京郊外や杭州にあることは間違いない」と高城。
この他、シアトルやスウェーデン、フィンランドなどの未来都市の様子や未来の気候、さらにはテクノロジーの進化によって、不老不死を手に入ることも夢ではないという未来学者たちの言葉を紹介した高城。30年後の世界はいったいどうなっているのか? すでに世界に実在する未来都市に足を運び、一足先に体験してみるのもいいかもしれない。
【お知らせ】
明日・9月30日(日)開催の「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」は、台風24号の影響により、六本木ヒルズアリーナでのコンテンツを中止。ヒルズカフェ/スペース、大屋根プラザ、TSUKUBA INNOVATION Lab. のみで開催します。
「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」公式サイト
まず訪れたのは中国・北京郊外にある雄安新区。ここは中国政府が「新しい中国の未来都市を作る」ということで本格的な開発を進めている。スクリーンに映し出された雄安新区の街頭は、実際に人が住んでいるにも関わらず、歩いている人の姿は見られない。なぜか? それは現在、人がやっていることをすべてロボットが行なっているからだという。
街を走るバスは無人バスで、運転手も車掌もいない。バスが道路を認識して自走するため人が運転する必要がないのだ。さらにオンライン・ショッピングをすると、無人の電気自動車が自宅まで配達してくれるようになっている。
続いて映し出されたのはコンビニ。ここにも店員はいない。お店の中にはスマホを使って入るようになっており、もしスマホを忘れても顔認証で入れるようになっている。
高城:僕はよく「スマートフォンの次は一体なにがくるのか?」とインタビューで聞かれます。それは、人間のカラダです。中国では顔認証というのが当たり前になってきて、スマートフォンではなく、手ぶらで出て顔だけで認証してあらゆることができます。たとえば、決済です。
このコンビニでは、客が自分の必要なものを持ち出すと、顔認証で決済される。無人なのは車やコンビニだけではなく、マクドナルドなど飲食店から宿泊施設まですべて無人化されている。つまり「未来都市は無人に向かっている」と高城は言う。
高城:我々が考えているテクノロジーの30年後、いや10年後、5年後かもしれない。無人に向かうことが本当に正しいのかどうか、これをもう一回考えなければいけない。そういうときに我々は今、立っているような気がします。
続いて訪れたのは杭州。昔ながらの美しい都の風景を残している都市だが、ここに「21世紀の杭州」というものが開発されている。その新しい街づくりを牽引しているのは、中国を代表する大企業・アリババ。これまで街の開発は政府が行っていたが、企業が街づくりをする時代に入ったのだ。
そんな街の中に「Kpro」というお店がある。アリババとケンタッキーフライドチキンが共同で経営している店舗だ。レジで注文するのではなく、大きなディスプレイで注文するシステムになっている。料理を作るのは人ではあるものの、レジ、フロアなど見える部分に店員はいない。日本人から見ると異様な光景に見えるかもしれないが…。
高城:杭州の若い人たちに聞くと「これが普通」だと言います。現金をほとんど持っていないと。現金も忘れてスマホも忘れたらどうするかというと、やっぱりここでも顔認証なんですね。
店舗型のお店だけではなく、街角の屋台でも、今や現金で支払う人はいないという。7割の客がスマホの決済アプリ、アリペイで支払うそう。現金の信用度がどんどん下がっているのだ。
高城:屋台がどこまで進化しているのかというのを見れば、その国のイノベーションがわかります。簡単に言えば祭りの屋台で現金が使われなくなったら、その国で本当にイノベーションが起きていると見て間違いありません。
大企業が大きな声でイノベーションの実現をうたっていますが、本当のイノベーションは街角で起こると高城は強く言う。そういう意味では日本はまだまだ遅れているのかもしれない。2050年にはさらに進化する杭州の未来図が描かれているそうだが、どこまで実現するかはまだ未知数。しかし、「人が実際に暮らす未来都市が北京郊外や杭州にあることは間違いない」と高城。
この他、シアトルやスウェーデン、フィンランドなどの未来都市の様子や未来の気候、さらにはテクノロジーの進化によって、不老不死を手に入ることも夢ではないという未来学者たちの言葉を紹介した高城。30年後の世界はいったいどうなっているのか? すでに世界に実在する未来都市に足を運び、一足先に体験してみるのもいいかもしれない。
【お知らせ】
明日・9月30日(日)開催の「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」は、台風24号の影響により、六本木ヒルズアリーナでのコンテンツを中止。ヒルズカフェ/スペース、大屋根プラザ、TSUKUBA INNOVATION Lab. のみで開催します。
「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI」公式サイト
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。