J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。9月8日(土)のオンエアでは、株式会社ビームス代表取締役の設楽 洋さんがゲストに登場。気になるトレンドやファッションのこれからについて伺いました。
■次の時代を読む3つのポイント
設楽さんは1976年、父が創業したBEAMSに参加。そのブランドを、セレクトショップを象徴する存在へと押し上げ、日本のファッション&カルチャーシーンに大きな影響を及ぼしてきました。
新しい情報の収集や次の流れを読むには、3つのポイントがあると設楽さんは話します。
設楽:ひとつは流行りのスポットや最新のスポットと、ずっと続いているご飯屋さんやディープなポイントやオタクなポイントの両極端を見ること。僕はこれを「ピンキリマーケティング」と呼んでいます。ものすごく早いものと、ものすごく遅れているものを見ることによって、その間が見えてくるんです。もうひとつは、(流行りや情報に)ものすごく早いスタッフやお客さまなどの定点観測をすることです。その人たちが言うことや知っているスポット、見に行ったものは“次に来る”モノなのでチェックしています。最後はSNSをうまく活用すること。トレンドへの感度が高い人やオタク文化に強い人を見て、「自分の知らないジャンルだけど、面白いんじゃないか」と情報を得ています。
今の若者について、設楽さんはこう話します。
設楽:BEAMSがスタートした1976年の若者は、物と情報がないことに飢えていました。逆に42年経った今の若者は物と情報があふれているため「なにが楽しいかわからない」と飢えています。当時は「これ見たことないでしょ?」という物を見せてあげることがBEAMSの役目でした。今は膨大な物と情報の中から「カッコいいのはこれじゃないの?」とセレクトしてあげることが我々の仕事かな、と。
■気になるトレンドは「ノームコア」と「アスレジャー」
最近、設楽さんが気になるトレンドは「ノームコア」と「アスレジャー」。それらは若者や海外のひとつのキーワードになっていて、その傾向はこれからも続くと予想しました。 「ノームコア」は、「Tシャツにデニムにスニーカー」などシンプルなスタイリング。「アスレジャー」はアスレチックとレジャーを組み合わせた言葉で、運動用のスウェットやスニーカーを取り入れたスタイリングです。
設楽:大きな意味でのソフト化、カジュアル化は、若い人のみならず、必ず進むでしょう。楽な格好をしたときのゆるさを経験すると、ハードコアなスタイリングはできなくなります。
市川:ヒールに戻れない女性はたくさんいますよね。
設楽:日本の気候は亜熱帯になったと言われていますし、例えば銀行の方たちが、昔は白のワイシャツにネクタイじゃないといけなかったのが、今はブルーやストライプ、ボタンダウンのシャツを着ることができたり、ノーネクタイでもよくなったり、そういう傾向はこれからもっと進んでいく。逆に言うと、本当のファッション好きが「スーツ大好き」と言うようになると思います。それBEAMSのスタッフを見ているとすごくわかります。仕事じゃなくても夏にスーツを着ているスタッフもいますし、短パンとゴム草履で働いているスタッフもいます。まだファッションに規制がある業界はあるけど、これが本来のフリーな社会の姿だし、これからそうなっていくと思います。
■BEAMSは、ハッピーを提案する集団
市川が「今の若者はあまり消費しないように思う」と話すと、設楽さんは……。
設楽:いつの時代もファッションオタクはいるけど、その割合は変わらないんです。昔はファッションオタクに憧れて、一般の人たちも「モテたい」「カッコよく思われたい」とその人たちについてきました。でも、今はそういう一般の人たちがファッションよりも、ゲームや音楽など自分の好きなものにお金を使うようになっています。ファッションがどういう形でその人たちに夢を与えられるかをやらなければならない。スポーツやアウトドア、サーフィンをするときなどのファッションを、単に着飾るだけではなく、それを使ったらどんなに楽しいことがあるかというエンタテインメントの要素を提案していかなければいけない時代になったんじゃないでしょうか。
どのため今BEAMSではフェスやアウトドア、キャンプなどに協力する中で、「どのようなファッションをするのが楽しいか」について提案をしているそうです。
一方、高齢化社会が進む時代にファッションはどのような役割があるのでしょうか。
設楽:自分も67歳なので、老人の世界なんですね。でも、高校・大学でBEAMSを通過した人が老人の世界に入っているから、昔の老人と今の老人は違うわけです。そうなると今の老人はファッションを見る目があるはずで、なおかつ昔の老人とは体力や気力が違う世代になったとすると、そこにまたひとつのビジネスチャンスやムーブメントができると思います。
市川:今後BEAMSが新たに挑戦したい領域はありますか。
設楽:BEAMSはハッピーを追求している集団です。そのための道具がファッションであったり、アウトドアであったりするなか、これから新しいハッピーの材料が時代の変遷と共にものすごく出てくるはず。それは一方ではメインストリームにもなり、もう一方ではオタク文化として発展するだろうから、その両方をハッピーの材料として提案していきたいと思います。
この先、BEAMSは私たちにどのようなハッピーを提案してくれるのか。これからのBEAMSにますます注目です!
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/
■次の時代を読む3つのポイント
設楽さんは1976年、父が創業したBEAMSに参加。そのブランドを、セレクトショップを象徴する存在へと押し上げ、日本のファッション&カルチャーシーンに大きな影響を及ぼしてきました。
新しい情報の収集や次の流れを読むには、3つのポイントがあると設楽さんは話します。
設楽:ひとつは流行りのスポットや最新のスポットと、ずっと続いているご飯屋さんやディープなポイントやオタクなポイントの両極端を見ること。僕はこれを「ピンキリマーケティング」と呼んでいます。ものすごく早いものと、ものすごく遅れているものを見ることによって、その間が見えてくるんです。もうひとつは、(流行りや情報に)ものすごく早いスタッフやお客さまなどの定点観測をすることです。その人たちが言うことや知っているスポット、見に行ったものは“次に来る”モノなのでチェックしています。最後はSNSをうまく活用すること。トレンドへの感度が高い人やオタク文化に強い人を見て、「自分の知らないジャンルだけど、面白いんじゃないか」と情報を得ています。
今の若者について、設楽さんはこう話します。
設楽:BEAMSがスタートした1976年の若者は、物と情報がないことに飢えていました。逆に42年経った今の若者は物と情報があふれているため「なにが楽しいかわからない」と飢えています。当時は「これ見たことないでしょ?」という物を見せてあげることがBEAMSの役目でした。今は膨大な物と情報の中から「カッコいいのはこれじゃないの?」とセレクトしてあげることが我々の仕事かな、と。
■気になるトレンドは「ノームコア」と「アスレジャー」
最近、設楽さんが気になるトレンドは「ノームコア」と「アスレジャー」。それらは若者や海外のひとつのキーワードになっていて、その傾向はこれからも続くと予想しました。 「ノームコア」は、「Tシャツにデニムにスニーカー」などシンプルなスタイリング。「アスレジャー」はアスレチックとレジャーを組み合わせた言葉で、運動用のスウェットやスニーカーを取り入れたスタイリングです。
設楽:大きな意味でのソフト化、カジュアル化は、若い人のみならず、必ず進むでしょう。楽な格好をしたときのゆるさを経験すると、ハードコアなスタイリングはできなくなります。
市川:ヒールに戻れない女性はたくさんいますよね。
設楽:日本の気候は亜熱帯になったと言われていますし、例えば銀行の方たちが、昔は白のワイシャツにネクタイじゃないといけなかったのが、今はブルーやストライプ、ボタンダウンのシャツを着ることができたり、ノーネクタイでもよくなったり、そういう傾向はこれからもっと進んでいく。逆に言うと、本当のファッション好きが「スーツ大好き」と言うようになると思います。それBEAMSのスタッフを見ているとすごくわかります。仕事じゃなくても夏にスーツを着ているスタッフもいますし、短パンとゴム草履で働いているスタッフもいます。まだファッションに規制がある業界はあるけど、これが本来のフリーな社会の姿だし、これからそうなっていくと思います。
■BEAMSは、ハッピーを提案する集団
市川が「今の若者はあまり消費しないように思う」と話すと、設楽さんは……。
設楽:いつの時代もファッションオタクはいるけど、その割合は変わらないんです。昔はファッションオタクに憧れて、一般の人たちも「モテたい」「カッコよく思われたい」とその人たちについてきました。でも、今はそういう一般の人たちがファッションよりも、ゲームや音楽など自分の好きなものにお金を使うようになっています。ファッションがどういう形でその人たちに夢を与えられるかをやらなければならない。スポーツやアウトドア、サーフィンをするときなどのファッションを、単に着飾るだけではなく、それを使ったらどんなに楽しいことがあるかというエンタテインメントの要素を提案していかなければいけない時代になったんじゃないでしょうか。
どのため今BEAMSではフェスやアウトドア、キャンプなどに協力する中で、「どのようなファッションをするのが楽しいか」について提案をしているそうです。
一方、高齢化社会が進む時代にファッションはどのような役割があるのでしょうか。
設楽:自分も67歳なので、老人の世界なんですね。でも、高校・大学でBEAMSを通過した人が老人の世界に入っているから、昔の老人と今の老人は違うわけです。そうなると今の老人はファッションを見る目があるはずで、なおかつ昔の老人とは体力や気力が違う世代になったとすると、そこにまたひとつのビジネスチャンスやムーブメントができると思います。
市川:今後BEAMSが新たに挑戦したい領域はありますか。
設楽:BEAMSはハッピーを追求している集団です。そのための道具がファッションであったり、アウトドアであったりするなか、これから新しいハッピーの材料が時代の変遷と共にものすごく出てくるはず。それは一方ではメインストリームにもなり、もう一方ではオタク文化として発展するだろうから、その両方をハッピーの材料として提案していきたいと思います。
この先、BEAMSは私たちにどのようなハッピーを提案してくれるのか。これからのBEAMSにますます注目です!
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/