J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。10月26日(土)のオンエアでは、タレント・俳優・放送作家・脚本家と幅広く活躍するダンカンが登場。たけし軍団に加わった経緯などについて話した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月2日28時59分まで)
■もともとは立川談志の弟子だった
ダンカンはたけし軍団としての印象が強いかもしれないが、もともと落語家・立川談志に弟子入りしていた。しかし、「落語家を目指していたのか?」という問いには首を捻り、「もっと面白いことができるんじゃないかなと思っていた」と答える。
ダンカン:落語っていうのは、自分で演じて、全てひとりでやるわけじゃないですか。映画監督みたいなもんですよね。だから、そういうところに魅力は感じていたんでしょうけどね。
自らを「ダメ弟子だった」と振り返るダンカンは、それを象徴するエピソードを明かした。ある日、「庭の草むしりをしろ」と言われたダンカンが、「わかりました。どのくらい?」と談志に訊くと、「大きな幹の桜以外は全部ないぐらいにキレイにしろ」と言われたとか。
ダンカン:植木って、膝や腰ぐらいまでの小さな松とかもあるじゃないですか。「じゃあ、それも抜いてやろう!」と思って全部抜きましたよ。
市川:(笑)。
ダンカン:更地! 家が建つんじゃないかぐらい。大きいのは何本かありましたけど。「草むしりしました!」って言うと、「テメェ、この野郎!」ってめちゃくちゃ怒って。「どうにかしろ!」って言うんで、本当に申し訳ございませんけど、周辺の畑でちゃんと育てていた植木を、夕暮れになるのを待って、すごくいい枝ぶりの木を引っこ抜いてきたんです。公衆電話で師匠に「草むしりのことを許してもらおうと思って、素晴らしい植木を集めてみました」って言うと、「どうしたの?」言うから、「引っこ抜いて、今持ってるんです」って。「また怒るかなぁ」と思ったら、「でかした!」と言われて持って帰りました(笑)。
その他にも、談志がいないところでタバコを吸う、贈り物のイクラを勝手に食べる、などの行為を繰り返していたというダンカンだが、そこからたけし軍団に加わるには、どんな経緯があったのだろうか。
ダンカン:あまりにもいい加減だったもんだから、本当だったらクビなんだけど、「おまえは変わってるし面白いなぁ。誰か好きなお笑い芸人はいないのか?」って言われたんです。「何を仰るんですか! 私は立川談志以外に師匠と思うような者はこの世界にいません!」ぐらいに言ったら、「そうかそうか」と嬉しそうにしてたんだけど、「例えばでいいから誰かいないか?」と言われたので、「じゃあ、たけしさんのところかな」って言いました(笑)。
すると、「話はつけてあるから」とお酒を渡されたというダンカン。「俺のお酒を持って行けば、向こうも引き受けないわけにはいかないからよ。行ってこい」と談志に言われ、ビートたけしに会いに行ったそうだ。
ダンカン:会いに行ったら、「師匠に言われたんじゃしかたがないからよ。おまえいろよ」ってさ。
市川:へー! もうその日からですか?
ダンカン:その日から。うん。
■ビートたけしの凄さとは?
当時は、芸人になるために師匠に弟子入りするのがスタンダードな方法だったが、今はスクールに入るのが定番となっている。市川は、この現状についてどう思うか訊いた。
ダンカン:どっちがいいかって言うと、今は学校を出たほうがいいと思う。なぜかって言うと、結果論だけど、今まで有名な師匠がいたけど、その下でお弟子さんが師匠を超えたとか、お弟子さんがみんな食えた、なんて歴史は本当に稀でね。だから、そういう意味でたけしさんはすごい!
ダンカンはある人からも、「ビートたけしのいちばんの凄さは、これだけの芸人を1人前にして食べていけるようにしたことだ」と言われたことがあるそうだ。
■「コンプライアンスの枠を出ずに面白いものを生み出す人は必ずいる」
コンプライアンスが厳しくなってきた現在のお笑い業界を、ダンカンはどう見ているのだろうか。
ダンカン:厳しいというか、自らで自主規制しているっていう。
市川:そうですね。自粛が多いんですよね。
ダンカン:そうなるとね、もしかするとお笑いはできないかもしれないんですよ。お笑いはどういうところから始まったかと言うと、ステッキを持った山高帽のダブルのスーツを着たような紳士、社会的にも地位があるような方が、歩いていてバナナの皮で滑ったのを見て笑うという。言葉は悪いですけど、「差別」から始まっているわけですよね。その原点を「ダメです」って言われたら......。
ひと昔前は、お笑い芸人に対して「人前でパンツを脱げるところがすごい!」という言葉が投げ掛けられたそうだが、今ではお尻でも出そうものなら「何をやっているんだ! 真面目にやれ!」と怒られる。この現状に関してダンカンは、「おかしな現象が起きている」と語る。
ダンカン:その一方で、YouTubeだったら規制がないから加熱しているところもあるしね。今はちょうど過渡期で、これからまた何かが生まれるんじゃないかな。何も生まれないってことは、時間が流れる限りは絶対にないわけですから。
「コンプライアンスの枠を出ずに面白いものを生み出す人は必ずいる」と語ったダンカン。最後には、次世代のお笑い界を担う若手を育てていきたいという展望についても語った。
オンエアでは、ダンカンがセレクトした坂本 九の『見上げてごらん夜の星を』を流した。「現在、自分が出演している舞台『流れ星』のテーマ曲になっています」と紹介した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月2日28時59分まで)
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月2日28時59分まで)
■もともとは立川談志の弟子だった
ダンカンはたけし軍団としての印象が強いかもしれないが、もともと落語家・立川談志に弟子入りしていた。しかし、「落語家を目指していたのか?」という問いには首を捻り、「もっと面白いことができるんじゃないかなと思っていた」と答える。
ダンカン:落語っていうのは、自分で演じて、全てひとりでやるわけじゃないですか。映画監督みたいなもんですよね。だから、そういうところに魅力は感じていたんでしょうけどね。
自らを「ダメ弟子だった」と振り返るダンカンは、それを象徴するエピソードを明かした。ある日、「庭の草むしりをしろ」と言われたダンカンが、「わかりました。どのくらい?」と談志に訊くと、「大きな幹の桜以外は全部ないぐらいにキレイにしろ」と言われたとか。
ダンカン:植木って、膝や腰ぐらいまでの小さな松とかもあるじゃないですか。「じゃあ、それも抜いてやろう!」と思って全部抜きましたよ。
市川:(笑)。
ダンカン:更地! 家が建つんじゃないかぐらい。大きいのは何本かありましたけど。「草むしりしました!」って言うと、「テメェ、この野郎!」ってめちゃくちゃ怒って。「どうにかしろ!」って言うんで、本当に申し訳ございませんけど、周辺の畑でちゃんと育てていた植木を、夕暮れになるのを待って、すごくいい枝ぶりの木を引っこ抜いてきたんです。公衆電話で師匠に「草むしりのことを許してもらおうと思って、素晴らしい植木を集めてみました」って言うと、「どうしたの?」言うから、「引っこ抜いて、今持ってるんです」って。「また怒るかなぁ」と思ったら、「でかした!」と言われて持って帰りました(笑)。
その他にも、談志がいないところでタバコを吸う、贈り物のイクラを勝手に食べる、などの行為を繰り返していたというダンカンだが、そこからたけし軍団に加わるには、どんな経緯があったのだろうか。
ダンカン:あまりにもいい加減だったもんだから、本当だったらクビなんだけど、「おまえは変わってるし面白いなぁ。誰か好きなお笑い芸人はいないのか?」って言われたんです。「何を仰るんですか! 私は立川談志以外に師匠と思うような者はこの世界にいません!」ぐらいに言ったら、「そうかそうか」と嬉しそうにしてたんだけど、「例えばでいいから誰かいないか?」と言われたので、「じゃあ、たけしさんのところかな」って言いました(笑)。
すると、「話はつけてあるから」とお酒を渡されたというダンカン。「俺のお酒を持って行けば、向こうも引き受けないわけにはいかないからよ。行ってこい」と談志に言われ、ビートたけしに会いに行ったそうだ。
ダンカン:会いに行ったら、「師匠に言われたんじゃしかたがないからよ。おまえいろよ」ってさ。
市川:へー! もうその日からですか?
ダンカン:その日から。うん。
■ビートたけしの凄さとは?
当時は、芸人になるために師匠に弟子入りするのがスタンダードな方法だったが、今はスクールに入るのが定番となっている。市川は、この現状についてどう思うか訊いた。
ダンカン:どっちがいいかって言うと、今は学校を出たほうがいいと思う。なぜかって言うと、結果論だけど、今まで有名な師匠がいたけど、その下でお弟子さんが師匠を超えたとか、お弟子さんがみんな食えた、なんて歴史は本当に稀でね。だから、そういう意味でたけしさんはすごい!
ダンカンはある人からも、「ビートたけしのいちばんの凄さは、これだけの芸人を1人前にして食べていけるようにしたことだ」と言われたことがあるそうだ。
■「コンプライアンスの枠を出ずに面白いものを生み出す人は必ずいる」
コンプライアンスが厳しくなってきた現在のお笑い業界を、ダンカンはどう見ているのだろうか。
ダンカン:厳しいというか、自らで自主規制しているっていう。
市川:そうですね。自粛が多いんですよね。
ダンカン:そうなるとね、もしかするとお笑いはできないかもしれないんですよ。お笑いはどういうところから始まったかと言うと、ステッキを持った山高帽のダブルのスーツを着たような紳士、社会的にも地位があるような方が、歩いていてバナナの皮で滑ったのを見て笑うという。言葉は悪いですけど、「差別」から始まっているわけですよね。その原点を「ダメです」って言われたら......。
ひと昔前は、お笑い芸人に対して「人前でパンツを脱げるところがすごい!」という言葉が投げ掛けられたそうだが、今ではお尻でも出そうものなら「何をやっているんだ! 真面目にやれ!」と怒られる。この現状に関してダンカンは、「おかしな現象が起きている」と語る。
ダンカン:その一方で、YouTubeだったら規制がないから加熱しているところもあるしね。今はちょうど過渡期で、これからまた何かが生まれるんじゃないかな。何も生まれないってことは、時間が流れる限りは絶対にないわけですから。
「コンプライアンスの枠を出ずに面白いものを生み出す人は必ずいる」と語ったダンカン。最後には、次世代のお笑い界を担う若手を育てていきたいという展望についても語った。
オンエアでは、ダンカンがセレクトした坂本 九の『見上げてごらん夜の星を』を流した。「現在、自分が出演している舞台『流れ星』のテーマ曲になっています」と紹介した。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月2日28時59分まで)
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide