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トランプ大統領の発言を誤りを暴いた「ファクトチェック」とは?

トランプ大統領の発言を誤りを暴いた「ファクトチェック」とは?

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。9月10日(月)のオンエアでは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」事務局長で弁護士の楊井人文さんをゲストにお迎えし、「ファクトチェック」についてお話を訊きました。


■情報の真偽を調べる「ファクトチェック」

アメリカ・トランプ大統領の登場以来、「フェイクニュース」という言葉をよく耳にするようになりました。トランプ大統領はメディアに対し「フェイクニュースだ」とたびたび攻撃。これに対抗するキャンペーとして、報道機関200社以上が報道の自由の重要性を訴える社説を掲載しています。真偽がわからないニュースが増えた昨今、「ファクトチェック」が重要視されています。

楊井:ニュースなどの発言内容が事実かどうかを調べ、正確な情報や事実を社会と共有する、そのための営みを「ファクトチェック」といいます。
別所:情報の正確性を検証するのは非常に重要だと思いますが、ファクトはチェックするけど、意見はチェックしないんですか?
楊井:あくまで事実と意見を区別するのが、まず大事なんですね。意見が正しいかどうか、「あなたの意見は間違ってるよ」とか「正しいよ」とかは議論すればいいけれど、意見とか議論の前提となる事実が正しいかどうか、正確かどうかをきちんと調べるというのが、「ファクトチェック」なんです。

「ファクトチェック」は、「フェイクニュース」という言葉がよく使われるようになる前からあります。発端は1920〜1930年代だと言われており、アメリカの雑誌社が「ファクトチェッカー」という職を設けたからだそうです。

楊井:「ファクトチェッカー」は、雑誌の記事内容が、きちんと事実に基づいているかどうかを、記者に代わってイチからチェックする。
別所:記事を書くジャーナリストとは別に?
楊井:別です。第三者的にチェックする。それが由来だと言われているのですが、今は事後的に、つまり、すでに発表された発言なり記事を、第三者がチェックする活動を、「ファクトチェック」というふうに呼んでいます。真偽が疑わしいものをいち早く見つけ出して検証するんです。

楊井さんによると、前回のアメリカ大統領選では、ほとんどのテレビ局や新聞社、サイトなどで、候補者の発言を「ファクトチェック」しました。ちなみに、最近の「ファクトチェック」で事実が発覚したものは、トランプ大統領が、「日本がアメリカ産車にボーリングの球を落として安全性の検査をしている。だからなかなか輸出が難しい」と発言した内容。しかし、これは第三者が調べた結果、事実ではありませんでした。これを指摘されると、トランプ大統領は「ジョークだった」と返答。しかし、それがジョークなのか事実なのかは判断しづらい言い方だった、と楊井さん。

一方、日本ではまだ「ファクトチェック」がほとんど行われておらず、取り残されている現状。日本でも「ファクトチェック」の担い手を増やしていこうという目的で、昨年「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」を立ち上げました。


■沖縄県知事選で、どう行われるか注目!

9月30日(日)に投開票が行われる沖縄県知事選。そこで一番大きな議論が基地問題です。

楊井:選挙においては当然、いろんな意見が飛び交い、議論が行われるでしょう。誤った事実に基づいた議論なり批判なりが行われるのは非常によろしくないわけですね。過去にも沖縄問題を巡って、そういうことがあったと思います。誤った情報が広がらないように「ファクトチェック」をしないといけない。

投票できるのは沖縄県民のみですが、事実に基づいた議論が行われているかの「ファクトチェック」は誰でも可能。何が事実なのか解明が難しいものもありますが、今の時代はネットで確認できる情報も増えてきていると言います。今回の沖縄県知事選で、「ファクトチェック」がどのような影響をもたらすのか、注目してみてください。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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