J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』（ナビゲーター：クリス智子）。8月6日（水）のオンエアでは、映画『冷静と情熱のあいだ』など数々の音楽を手がけている作曲・編曲家の吉俣良さんをお迎えし、人生遍歴や、作曲秘話についてお訊きしました。
■転機は突然に
実家は鹿児島の旅館だという吉俣さん。音楽を習うようになったのには、ちょっと変わったきっかけがありました。
吉俣：健康診断で僕の耳がいいことが分かり、「音楽を習わせたほうがいい」ということになって、音楽教室に行くことになったの。その2年後、小学校1年生の時に専門コースに最年少で受かりました。
そんな吉俣さんですが、小学校4年ぐらいまでに習っていたことは記憶になく、絶対音感をもっていることも高校になって知ったくらいだと明かします。
吉俣：結局、小学校4年ぐらいまでにやったことって記憶にないんです。何をやっていたのかが、わからないままに教えられるから。意識ないままやっていたので。絶対音感を持っているのも、高校で知ったぐらい。気が付いたら譜面も読めるし、音も聴こえるし。
吉俣さんの音楽のキャリアで転機のひとつとなったのが、美空ひばりさんのバックバンドのオーディションに受かったことでした。
吉俣：もともとプロになる気はなくて、大学時代にたまたまバイトでプロの人と一緒に音楽を始めたんです。僕は県庁に勤めようと思っていて、面接も受けてたけど、県庁は26か27歳まで受けられるし、バンドをやり始めたら「もう少しやりたい」って思うようになったの。すると「楽器もないのに、どうやってプロでやっていくんだ」と言われたんです。そしたら偶然、美空ひばりさんのオーディションの話が先輩のところにきて「1年やったら楽器も車を買えるから、受けてみろ」って言われて行ったら受かっちゃったんです。大学の新卒の4月から。
クリス：すごい！
吉俣：ただ、美空ひばりさんのことを、みんな「すごい！」って言ってたんだけど、僕からすると演歌歌手はみんなすごいから、なぜひばりさんだけが「すごい」って言われてるのか、よく分からないままやってたんです。みんな、うまいから。
クリス：「すごい」って聞いて出会う人って、「すごい」っていう形容詞がついて知るから、きちんとお会いしてみたいっていうのは、私も思います。
吉俣：ひばりさんが亡くなって、ひばりさんの特集をし始めてから、「俺、こんなにすごい人のバックをやらせてもらってたんだ！」って、そういうありがたみは、あとで分かりましたね。
■扱いが変わった
吉俣さんは鹿児島出身ということで、鹿児島を舞台にしたNHK大河ドラマ『篤姫』のメインテーマも担当しました。
クリス：『篤姫』を担当してから、鹿児島での待遇がよくなったらしいですね（笑）。
吉俣：まるで変わりましたね。鹿児島での扱いは、完全なる「文化人」です。知事も市長も飲み仲間みたいな感じで。
クリス：そういう風になりますよね（笑）。
吉俣さんは、滋賀県を舞台にした大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の音楽も担当されました。しかし、その際は滋賀県の人の扱いは「あんたがやったん？」ぐらいだったそう。
吉俣：やはり、出身地ということが大きいです。だから鹿児島はありがたいなと思って。
■まさかのコンサートが実現
9月には東京、つくば、鹿児島の3ヶ所で、吉俣さんが出演するコンサート「ローマ・イタリア管弦楽団 Produced by 吉俣良 ～ドラマ・映画音楽の世界～」が開かれます。ローマ・イタリア管弦楽団の日本ツアーの集大成として、3ヶ所のみ共演することになっています。
吉俣：僕がたまたま「モリコーネが好き」だと言ったら、ローマ・イタリア管弦楽団を仕切っている方から、「一緒にコンサートをやればいいじゃない」って言われて。「実現するわけがない」と思ってたら、いきなり連絡がきて「（ローマと）一緒にやることになったんでよろしくお願いします」って言われて「やったー！」と（笑）。
吉俣さんは『篤姫』『冷静と情熱のあいだ』以外にも、『Dr.コトー診療所』、『ごめん、愛してる』、韓国ドラマの『青い海の伝説』など、数々の音楽を手がけています。コンサートでは、吉俣さんの作品から選ばれた曲と、『ゴッドファーザー』『風と共に去りぬ』など映画音楽の名曲を演奏する予定です。
クリス：ローマの人たちには、ご自身の曲をティーチングといいますか、（雰囲気を）お話しするんですか？
吉俣：譜面に全ての解釈を書いてあるんですけど、ニュアンスの出し方は国や人によって違うので、どんなふうに解釈し、どんな演奏してくれるのか楽しみです。特に『篤姫』は和風の匂いがするので、どういう解釈で演奏するのか楽しみです。
クリス：面白いですね！
コンサートでは、吉俣さんの曲は、吉俣さんご自身がピアノで演奏するそうです。
■1日1曲ノルマ
多忙を極める吉俣さんですが、年間を通して制作する曲の数は100を超えています。どのような日々を送っているのでしょうか。
吉俣：作曲の時はずっと考えています。でも、実際に考えている時間はとても短いかもしれないです。ボーッとしながら「何か浮かばないかな」って待機してる感じですね。僕は少ない方だと思いますけど、それでも年間100曲は超えますね。
クリス：そうなんですか！
吉俣：頼まれた時は、大体1日1曲がノルマです。そうしないと間に合わないです。頼まれてから締め切りまでの時間って結構短いんですよ。
クリス：短いものから長いものまで、色々ありますもんね。
「ローマ・イタリア管弦楽団 Produced by 吉俣良 ～ドラマ・映画音楽の世界～」の東京公演は9月8日（土）に東京オペラシティ コンサートホールで開催されます。ぜひ、チェックしてみてください。
【番組情報】
番組名：『GOOD NEIGHBORS』
放送日時：月曜－木曜 13時－16時30分
オフィシャルサイト：http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
■転機は突然に
実家は鹿児島の旅館だという吉俣さん。音楽を習うようになったのには、ちょっと変わったきっかけがありました。
吉俣：健康診断で僕の耳がいいことが分かり、「音楽を習わせたほうがいい」ということになって、音楽教室に行くことになったの。その2年後、小学校1年生の時に専門コースに最年少で受かりました。
そんな吉俣さんですが、小学校4年ぐらいまでに習っていたことは記憶になく、絶対音感をもっていることも高校になって知ったくらいだと明かします。
吉俣：結局、小学校4年ぐらいまでにやったことって記憶にないんです。何をやっていたのかが、わからないままに教えられるから。意識ないままやっていたので。絶対音感を持っているのも、高校で知ったぐらい。気が付いたら譜面も読めるし、音も聴こえるし。
吉俣さんの音楽のキャリアで転機のひとつとなったのが、美空ひばりさんのバックバンドのオーディションに受かったことでした。
吉俣：もともとプロになる気はなくて、大学時代にたまたまバイトでプロの人と一緒に音楽を始めたんです。僕は県庁に勤めようと思っていて、面接も受けてたけど、県庁は26か27歳まで受けられるし、バンドをやり始めたら「もう少しやりたい」って思うようになったの。すると「楽器もないのに、どうやってプロでやっていくんだ」と言われたんです。そしたら偶然、美空ひばりさんのオーディションの話が先輩のところにきて「1年やったら楽器も車を買えるから、受けてみろ」って言われて行ったら受かっちゃったんです。大学の新卒の4月から。
クリス：すごい！
吉俣：ただ、美空ひばりさんのことを、みんな「すごい！」って言ってたんだけど、僕からすると演歌歌手はみんなすごいから、なぜひばりさんだけが「すごい」って言われてるのか、よく分からないままやってたんです。みんな、うまいから。
クリス：「すごい」って聞いて出会う人って、「すごい」っていう形容詞がついて知るから、きちんとお会いしてみたいっていうのは、私も思います。
吉俣：ひばりさんが亡くなって、ひばりさんの特集をし始めてから、「俺、こんなにすごい人のバックをやらせてもらってたんだ！」って、そういうありがたみは、あとで分かりましたね。
■扱いが変わった
吉俣さんは鹿児島出身ということで、鹿児島を舞台にしたNHK大河ドラマ『篤姫』のメインテーマも担当しました。
クリス：『篤姫』を担当してから、鹿児島での待遇がよくなったらしいですね（笑）。
吉俣：まるで変わりましたね。鹿児島での扱いは、完全なる「文化人」です。知事も市長も飲み仲間みたいな感じで。
クリス：そういう風になりますよね（笑）。
吉俣さんは、滋賀県を舞台にした大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の音楽も担当されました。しかし、その際は滋賀県の人の扱いは「あんたがやったん？」ぐらいだったそう。
吉俣：やはり、出身地ということが大きいです。だから鹿児島はありがたいなと思って。
■まさかのコンサートが実現
9月には東京、つくば、鹿児島の3ヶ所で、吉俣さんが出演するコンサート「ローマ・イタリア管弦楽団 Produced by 吉俣良 ～ドラマ・映画音楽の世界～」が開かれます。ローマ・イタリア管弦楽団の日本ツアーの集大成として、3ヶ所のみ共演することになっています。
吉俣：僕がたまたま「モリコーネが好き」だと言ったら、ローマ・イタリア管弦楽団を仕切っている方から、「一緒にコンサートをやればいいじゃない」って言われて。「実現するわけがない」と思ってたら、いきなり連絡がきて「（ローマと）一緒にやることになったんでよろしくお願いします」って言われて「やったー！」と（笑）。
吉俣さんは『篤姫』『冷静と情熱のあいだ』以外にも、『Dr.コトー診療所』、『ごめん、愛してる』、韓国ドラマの『青い海の伝説』など、数々の音楽を手がけています。コンサートでは、吉俣さんの作品から選ばれた曲と、『ゴッドファーザー』『風と共に去りぬ』など映画音楽の名曲を演奏する予定です。
クリス：ローマの人たちには、ご自身の曲をティーチングといいますか、（雰囲気を）お話しするんですか？
吉俣：譜面に全ての解釈を書いてあるんですけど、ニュアンスの出し方は国や人によって違うので、どんなふうに解釈し、どんな演奏してくれるのか楽しみです。特に『篤姫』は和風の匂いがするので、どういう解釈で演奏するのか楽しみです。
クリス：面白いですね！
コンサートでは、吉俣さんの曲は、吉俣さんご自身がピアノで演奏するそうです。
■1日1曲ノルマ
多忙を極める吉俣さんですが、年間を通して制作する曲の数は100を超えています。どのような日々を送っているのでしょうか。
吉俣：作曲の時はずっと考えています。でも、実際に考えている時間はとても短いかもしれないです。ボーッとしながら「何か浮かばないかな」って待機してる感じですね。僕は少ない方だと思いますけど、それでも年間100曲は超えますね。
クリス：そうなんですか！
吉俣：頼まれた時は、大体1日1曲がノルマです。そうしないと間に合わないです。頼まれてから締め切りまでの時間って結構短いんですよ。
クリス：短いものから長いものまで、色々ありますもんね。
「ローマ・イタリア管弦楽団 Produced by 吉俣良 ～ドラマ・映画音楽の世界～」の東京公演は9月8日（土）に東京オペラシティ コンサートホールで開催されます。ぜひ、チェックしてみてください。
【番組情報】
番組名：『GOOD NEIGHBORS』
放送日時：月曜－木曜 13時－16時30分
オフィシャルサイト：http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/