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森山直太朗、ギターを選ぶ基準は「お店の片隅に追いやられているもの」

森山直太朗、ギターを選ぶ基準は「お店の片隅に追いやられているもの」

J-WAVEの番組『SEIKO SOUND STORAGE』。ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで登場します。8月のマンスリーゲストは、シンガーソングライターの森山直太朗さんです。4週目となる8月24日(金)のオンエアでは、ギターをテーマに語りました。


■ギターをはじめたのは…

森山:僕がギターをはじめたのは、遅いか早いかというと、たぶん遅いほうだと思うんですけど、19歳くらい。だから、そんなに興味がなかったというか、歌うための道具みたいな。やっていくうちに「こんな値段のギターがあるんだ」とか「これしか生産していないんだ」とか、そういうハマり方をしちゃって、ギターの練習を全然しないのに、そんな興味ばっかり先立ってました。とくにアコースティックのヴィンテージギターとかを見にいったり、買いもしないのに試奏しにいったりするんです。

続いて、森山さんが初めて買ったギターや、当時コピーしたり、練習したりした曲について明かしました。

森山:初めて買ったギターは、Martin 000-18というヴィンテージギターで、今でも持っています。それで弾き語りとかしていました。当時はギターのことよくわからなかったんだけど、人づてに相談して、購入していました。初めて練習した曲は、当時、MTVのアンプラグドでエリック・クラプトンが伝説のテレビ収録をして、それをビデオがすり減るほど観ながら、『Tears in Heaven』とか『Layla』とか『San Francisco Bay Blues』とか。そういうのを片っ端から、甘噛みなんですけど、コピーしたのを覚えています。

さらに、こんなエピソードも明かしてくれました。

森山:そういえば、ギターをはじめたころに、当時ファンハウスというレコード会社の社長だった新田和長さんという、うちの母の音楽仲間が家でお酒を飲んだり歌を歌ったりしていて、「直太朗、ギターをやっているんなら絶対(ザ・ビートルズ)『Black Bird』は練習になるからやったほうがいいよ」と言われました。「すごく難しそうに聴こえるでしょ。3フィンガーだし。でもね、半音ずつベース音が上がっていって、半音ずつ戻っているだけなんだよ。これをコピーしたら楽しいと思うよ」と言われて、しこたま練習したのを覚えていますね。


■森山直太朗のギター選び

ギターの選び方や基準については、歌を基準に「ベタから外れたものを好む」と森山さん。

森山:ギターを選ぶときはふたつあります。「この木だからこういう響き」というのは、実はあまりよくわかってなくて。ただ、どうしても歌を歌ったり作ったりするのが基準になっているので、ポロンと弾いたときに弾き心地のいいものというか、声との相性があうものが選ぶ基準になります。ギタリストではないので、ギターを弾いて音色がいいというよりも、声が基準になるんです。使っている木は、ハカランダとか、ブラジリアン・ローズウッドとか。ハワイアン・コアウッドという乾いたよい響きのものを選びがち。あと、王道のものは嫌いじゃないんだけど、ちょっとだけズラしたくて。トリッキーだったり癖があったりして、誰にも買われないままお店の片隅に追いやられて2年くらいみたいなのに目がいきがちですね。おニャン子クラブでは福永恵規さんが好きだったのと共通するでしょうか(笑)。王道は大好きだし嫌いじゃないけど、ちょっとスカしたいという気持ちがあるんですよね。


■15周年に作った自慢のギター

デビュー15周年を祝って作ったこだわりのギターについてもトーク。

森山:この前、15周年だったので、Martin 5-15というちょっと小さい形のミニギターのコアをオリジナルで作りました。これはちょっとした自慢話になるんですけど、マーティンの本社に頼み込んで自分の名前を入れてもらって、それはもう他にはない自分の唯一無二のカスタム。「このネックにしてもらいたい」「マーティンのロゴは横じゃなくて縦」「コア素材」とか、東京じゃない地域にギターを持ってさらっとラジオとかで歌うときに、そういうギターがあったらいいなとか。あと、僕はたまにアウトドアとかもするんで、あまり大きなギターを持って行くのもあれだから、持ち運びが便利で造形的にも好みのものはなかなかなかった。軽やかさとか気軽さ、パッといってパッと歌えるというのは、自分のルーツになっているんです。その御眼鏡に適ったものができたかなと思います。

活動をお休みしている時期に、山小屋を購入した森山さん。山小屋でもミニギターは活躍したそうです。

森山:ひげとか生えてるわけでもなく、山小屋キャラでもないんですけど、憧れも含めて自分のベースキャンプをずっと探していたんです。さっきのギターが手元にあったので、持っていっても馴染むんじゃないかと思って。あまり曲は作ってなかったんですけど、することがなかったので、たまにギターをポロンと弾いて、お鍋を食べてお酒をちょっと飲みながら。その流れで『金色の空』という曲が出来上がったんですけど、ツアーでこの曲を歌うことになって、この曲を歌うときは、こじんまりとしたギターで曲を作ったときの感覚をどこかで握りしめながらやりたいなと思っています。

次回8月31日(金)も引き続き、森山さんのお話を伺います。発売されたばかりの最新アルバム『822(パニーニ)』の制作秘話や出会いについて、ご自身の口から明かされます。お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『SEIKO SOUND STORAGE』
放送日時:毎週金曜 24時-24時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/

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