J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。8月1日(水)のオンエアでは、アートディレクターの北川フラムさんが登場。現在、新潟県の越後妻有(十日町市・津南町)で開催中の「大地の芸術祭」の見どころや、舞台裏について伺いました。
■アジアの芸術祭のモデルに
新潟県で3年に1度行われる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年に第1回目が開催され今年で7回目です。総合ディレクターの北川さんによると、ご自身の故郷の地域再生も目的としていますが、今では作品も増え地域にも溶け込んだ印象だと言います。
北川:最初はアートで地域といっても想像がつかないですから、(みなさん)困ったり反対したりしていました。それが今は3年に1度がみなさんの楽しみになってきましたね。「どういう作品ができるか」「どういうふうにしよう」とか。特に前回からなのですが、今年はアジアからのお客さんが圧倒的に多く、2コースある公式バスでまわると400点近い作品がだいたいわかるのですが、バスに乗っている人の8割は外国人だと言っていました。
クリス:それが今年の特徴なんですか?
北川:おととしの瀬戸内国際芸術祭も似ていましたが、アジアのいろいろな国々が「大地の芸術祭」をモデルにしているのが多く、特に台湾はいろいろなところで芸術祭をやって、全部名前が「大地の芸術祭」ですよ(笑)。もう普通名詞になっているわけです。
クリス:自然や地域のなかで現代アーティストたちが実際の現場に行ってつくるモデルになっていますものね。フラムさんも、ディレクターもひとりではやってられないですよね?
北川:でも、ひとりでやってますけどね(笑)。
■「大地の芸術祭」みどころは?
今回の「大地の芸術祭」は、44の国・地域からアーティスト335組が参加、約400点のアート作品を展示しています。新潟県の十日町市、津南町、越後妻有というエリアを舞台に、9月17日(月)まで行われています。北川さんに、旅としての「大地の芸術祭」の楽しみ方を伺いました。
クリス:やはり十日町に入るのが一番最初はいいですか?
北川:湯沢からそのまま来る途中でトンネルがあって、そこにも作品があるので、車の人は十日町の真ん中に入ってこれますからすごく便利です。
クリス:電車の場合はどこってありますか?
北川:越後湯沢乗り換えで、十日町まで「ほくほく線」というので来るんです。東京からだと2時間です。
クリス:いっぺんに見て回ろうとしたら何日くらい……1ヶ月間くらいかかりそうですけど(笑)。
北川:5日くらいでだいたいみれるだろうと。丁寧にみると1週間。コンパクトに見ようとすると3日といわれていますね。
クリス:今回いろいろある中で森美術館でも個展がありました、フラムさんが関わっているアーティストのレアンドロ・エルリッヒさんの『Palimpsest: 空の池』という作品がありますね。
北川:美術館がありまして、その中に大きなプールがあるんですけど、全体を使って水のなかに絵が描いてあって、水に空と建物が映り込むのと、もともと描いた絵がビシっと合わさってすごい迫力ですね。
クリス:曇っている雨の日でも下は晴れているという状況ですね。
北川:そうです、その上でみんな遊んでいるから、もともとの狙いは、「じいちゃんばあちゃんが天国にいるような気分になるといいな」ということで狙ったんです。
クリス:空の上を歩いている気持ちになれそうだし、主観や概念を覆すような作家さんですね。あとは古くから関わっている磯辺行久さん。
北川:この方は第1回目から、昔あった川の流れをポールを立て、5メートルごとに700本、3.5キロにわたり信濃川の昔の川筋をみせたり、信濃川の1万2000年の間にだんだん掘っていかれた岸壁のようなものをみせるという大規模なことをやっていて。磯辺さんにいわせると「美術は自然と人間の関係を表す技術」ということで、これが芸術祭の考え方に大きな影響を与えました。今までの分と新しいものを含めて大パノラマが色々なところで展開されていて、すごく感動的ですよ。
クリス:磯辺さんは、もともと現代美術もやってらして、環境やエコロジーの研究分野でも活躍されて。
北川:芸大の学生のとき、日本で一番の大スターだったんです。でも卒業のときに(美術を)やめちゃって、そのまま外国に行って、阪神淡路の震災を1975年に予告して、警鐘を鳴らしていたという人です。美術は全くやめていたんですけど、「大地の芸術祭」のときは手伝ってくれて。
トーク後半は、北川さんに「大地の芸術祭」が開催中の地元の食や、イベントなどについても伺いました。現在開催中の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、ホームページや公式ガイドブックもあるので、参考にしてみてください!
【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月曜-木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
■アジアの芸術祭のモデルに
新潟県で3年に1度行われる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年に第1回目が開催され今年で7回目です。総合ディレクターの北川さんによると、ご自身の故郷の地域再生も目的としていますが、今では作品も増え地域にも溶け込んだ印象だと言います。
北川:最初はアートで地域といっても想像がつかないですから、(みなさん)困ったり反対したりしていました。それが今は3年に1度がみなさんの楽しみになってきましたね。「どういう作品ができるか」「どういうふうにしよう」とか。特に前回からなのですが、今年はアジアからのお客さんが圧倒的に多く、2コースある公式バスでまわると400点近い作品がだいたいわかるのですが、バスに乗っている人の8割は外国人だと言っていました。
クリス:それが今年の特徴なんですか?
北川:おととしの瀬戸内国際芸術祭も似ていましたが、アジアのいろいろな国々が「大地の芸術祭」をモデルにしているのが多く、特に台湾はいろいろなところで芸術祭をやって、全部名前が「大地の芸術祭」ですよ(笑)。もう普通名詞になっているわけです。
クリス:自然や地域のなかで現代アーティストたちが実際の現場に行ってつくるモデルになっていますものね。フラムさんも、ディレクターもひとりではやってられないですよね?
北川:でも、ひとりでやってますけどね(笑)。
■「大地の芸術祭」みどころは?
今回の「大地の芸術祭」は、44の国・地域からアーティスト335組が参加、約400点のアート作品を展示しています。新潟県の十日町市、津南町、越後妻有というエリアを舞台に、9月17日(月)まで行われています。北川さんに、旅としての「大地の芸術祭」の楽しみ方を伺いました。
クリス:やはり十日町に入るのが一番最初はいいですか?
北川:湯沢からそのまま来る途中でトンネルがあって、そこにも作品があるので、車の人は十日町の真ん中に入ってこれますからすごく便利です。
クリス:電車の場合はどこってありますか?
北川:越後湯沢乗り換えで、十日町まで「ほくほく線」というので来るんです。東京からだと2時間です。
クリス:いっぺんに見て回ろうとしたら何日くらい……1ヶ月間くらいかかりそうですけど(笑)。
北川:5日くらいでだいたいみれるだろうと。丁寧にみると1週間。コンパクトに見ようとすると3日といわれていますね。
クリス:今回いろいろある中で森美術館でも個展がありました、フラムさんが関わっているアーティストのレアンドロ・エルリッヒさんの『Palimpsest: 空の池』という作品がありますね。
北川:美術館がありまして、その中に大きなプールがあるんですけど、全体を使って水のなかに絵が描いてあって、水に空と建物が映り込むのと、もともと描いた絵がビシっと合わさってすごい迫力ですね。
クリス:曇っている雨の日でも下は晴れているという状況ですね。
北川:そうです、その上でみんな遊んでいるから、もともとの狙いは、「じいちゃんばあちゃんが天国にいるような気分になるといいな」ということで狙ったんです。
クリス:空の上を歩いている気持ちになれそうだし、主観や概念を覆すような作家さんですね。あとは古くから関わっている磯辺行久さん。
北川:この方は第1回目から、昔あった川の流れをポールを立て、5メートルごとに700本、3.5キロにわたり信濃川の昔の川筋をみせたり、信濃川の1万2000年の間にだんだん掘っていかれた岸壁のようなものをみせるという大規模なことをやっていて。磯辺さんにいわせると「美術は自然と人間の関係を表す技術」ということで、これが芸術祭の考え方に大きな影響を与えました。今までの分と新しいものを含めて大パノラマが色々なところで展開されていて、すごく感動的ですよ。
クリス:磯辺さんは、もともと現代美術もやってらして、環境やエコロジーの研究分野でも活躍されて。
北川:芸大の学生のとき、日本で一番の大スターだったんです。でも卒業のときに(美術を)やめちゃって、そのまま外国に行って、阪神淡路の震災を1975年に予告して、警鐘を鳴らしていたという人です。美術は全くやめていたんですけど、「大地の芸術祭」のときは手伝ってくれて。
トーク後半は、北川さんに「大地の芸術祭」が開催中の地元の食や、イベントなどについても伺いました。現在開催中の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、ホームページや公式ガイドブックもあるので、参考にしてみてください!
【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月曜-木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/