J-WAVEで放送中の番組『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』(ナビゲーター:山口智充・浦浜アリサ)。7月は北海道・旭川を出発して、トヨタのエスクァイアで富良野に向かってネイチャー・ドライブ! 7月27日(金)のオンエアでは、旭山動物園をまわりながら、園長の坂東 元さんに動物園運営の裏話や展示の工夫についてお訊きしました。
■山口主演ドラマの舞台
山口は、2006年から約10年にわたり、旭山動物園を舞台にしたドラマシリーズ『奇跡の動物園~旭山動物園物語~』(フジテレビ)に出演し、坂東園長をモチーフにした坂内 禅を演じました。
山口:役をやるときに、最初に制服をお借りして、坂東さんの着方の真似をして、そこからスタートしたんです。
山口は、飼育員の格好で園内を歩いていたため、お客さんから飼育員と間違えられて、何度も声をかけられたとか。「何回、トイレを案内したか。トイレの場所は完璧にわかってますから」と当時を振り返りました。
■収録中に狼が一斉に遠吠え!
サル山に到着した山口と浦浜。
山口:(撮影の合間に)時間があったときは、一匹だけに集中して観察してたら、その子だけで1日観てられます。
坂東:霊長類の研究が飛躍的に進んだのは、日本人がサルの研究を始めてからです。欧米の研究者は個体をなかなか見分けられなくて、漠然と群れの研究をしていたけど、日本人が入って個体を見分けて個体の研究を始めて、もっと詳しい生態がわかっていったんです。霊長類の研究では日本は先端をいってますね。
続いて、昨年に子どもを産んだアムールヒョウを観察しました。展示施設では、アムールヒョウを下から見上げて観察することができます。
坂東:人を基準にすると、向こうは上にいるので、心理的な余裕ができるんです。ほんのちょっとしたことで変わるんです。
山口:人間が見やすいように展示場を作ると、動物にとってはストレスがたまるかもしれないけど、動物にとって最高のものを作ったときに、実は人間にとっても楽しめるようになってるんですよね。
坂東:リラックスできていたら、人を気にする生き物ではないんです。
山口:敵ではないですからね。
坂東さんと山口が話していると、狼たちが一斉に遠吠えを始めました。
浦浜:こんなに一斉に遠吠えをするんですか?
坂東:園内放送に反応してるんですね。
浦浜:園内放送に向かって遠吠えするんですか。
坂東:響く音に対して「ここには自分たちがいるぞ」というのをアピールしています。
■動物にとって最高の展示とは?
今回、解説してくれた坂東さんは、動物にとって最高の展示を常に考えています。
坂東:何かの観察データを見て、動物のことを知ったような気になるじゃないですか。でも、人間のことを調べてわかったとして、次の日から誰とでも付き合えるかといったら、そうはならないじゃないですか。感性だったり、いろいろなものを理解できるかが勝負なんです。理屈ではないです。たとえば、アザラシが泳いで上下に行き来できるチューブにいて、アザラシがどう感じるかが勝負です。「どうしよう」とか「どうさせよう」と思ってもダメで、「どう感じるだろう」という、そうした気持ちに気付いてあげられるかどうかなんです。
ここで山口が、ドラマの撮影をしていて思ったことを浦浜に打ち明けました。
山口:ドラマの主役はいただいたけど、仕事や事務所や自分に対して決していい状態ではなかったときで。そのときに旭山動物園の展示の仕方を学んで、「芸能界と一緒だ」と思ったの。僕らは動物園の動物なの。誰に飼育されるか、誰に檻を作ってもらえるか。それによって生かされたり、殺されたりするわけ。檻にいるときはじっとしていて全然動かなくても、イキイキする場を作ってあげたら「ここの動物は元気がいいな」ということになるわけです。それが“僕ら”で、「ぐっさん、あの番組ノッてるね〜」とか「あの番組ではちょっと遠慮してない?」とかバレちゃう。
浦浜:なるほど。
山口:人間は動物と違って無理ができるけど、動物は無理をしないから、素直に出せる。でも「俺らも動物やから、もっと素直に出さなあかんのちゃうかな」って、撮影の合間に檻を見ながら考えてた。
浦浜は山口の話が心に残ったそうで、「動物園って奥が深い」と思いながら展示を見たと言います。そんな浦浜に山口がこのように続けました。
山口:野生動物は生きることしか考えてないでしょ。でも人間も生きなきゃいけない。芸能界というところで自分をどう生かすか。野生の動物は、自分たちでその環境を探していく。動物園はその環境は守られてるけど、飼育の仕方を間違ってしまうと、その動物にとって過酷な状況になる。僕らは人間なので「僕は高いところが好きです」「僕は草食に見えて実は肉食です」とか言えるから、その環境作りを自分でできるところが、動物と違うところなんだよね。
浦浜:そうですね。
山口:もちろん、恵まれた環境と与えられた環境と自分の環境づくりが一致すればいいんだろうけど。自分がイキイキしていくための環境作りを自分でやりながら、それに共感できる人がまわりにいて、サポートしてくれたり、ときには一緒に力を合わせたりという環境作りをできると、人間として最高だよね。
浦浜:愛のかたまりの動物園ですね。
山口:本当にそうですよ!
旭山動物園では「夜の動物園」も開催されています。旭川空港から車で20分ほどの場所にありますので、ぜひ足を運んでみてください。
次回(2018年8月3日)のオンエアでは、江の島~湘南をドライブ。江の島ならではの朝ごはんを堪能します。どうぞ、お楽しみ!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』
放送日時:毎週金曜 16時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/driveinjapan/
■山口主演ドラマの舞台
山口は、2006年から約10年にわたり、旭山動物園を舞台にしたドラマシリーズ『奇跡の動物園~旭山動物園物語~』(フジテレビ)に出演し、坂東園長をモチーフにした坂内 禅を演じました。
山口:役をやるときに、最初に制服をお借りして、坂東さんの着方の真似をして、そこからスタートしたんです。
山口は、飼育員の格好で園内を歩いていたため、お客さんから飼育員と間違えられて、何度も声をかけられたとか。「何回、トイレを案内したか。トイレの場所は完璧にわかってますから」と当時を振り返りました。
■収録中に狼が一斉に遠吠え!
サル山に到着した山口と浦浜。
山口:(撮影の合間に)時間があったときは、一匹だけに集中して観察してたら、その子だけで1日観てられます。
坂東:霊長類の研究が飛躍的に進んだのは、日本人がサルの研究を始めてからです。欧米の研究者は個体をなかなか見分けられなくて、漠然と群れの研究をしていたけど、日本人が入って個体を見分けて個体の研究を始めて、もっと詳しい生態がわかっていったんです。霊長類の研究では日本は先端をいってますね。
続いて、昨年に子どもを産んだアムールヒョウを観察しました。展示施設では、アムールヒョウを下から見上げて観察することができます。
坂東:人を基準にすると、向こうは上にいるので、心理的な余裕ができるんです。ほんのちょっとしたことで変わるんです。
山口:人間が見やすいように展示場を作ると、動物にとってはストレスがたまるかもしれないけど、動物にとって最高のものを作ったときに、実は人間にとっても楽しめるようになってるんですよね。
坂東:リラックスできていたら、人を気にする生き物ではないんです。
山口:敵ではないですからね。
坂東さんと山口が話していると、狼たちが一斉に遠吠えを始めました。
浦浜:こんなに一斉に遠吠えをするんですか?
坂東:園内放送に反応してるんですね。
浦浜:園内放送に向かって遠吠えするんですか。
坂東:響く音に対して「ここには自分たちがいるぞ」というのをアピールしています。
■動物にとって最高の展示とは?
今回、解説してくれた坂東さんは、動物にとって最高の展示を常に考えています。
坂東:何かの観察データを見て、動物のことを知ったような気になるじゃないですか。でも、人間のことを調べてわかったとして、次の日から誰とでも付き合えるかといったら、そうはならないじゃないですか。感性だったり、いろいろなものを理解できるかが勝負なんです。理屈ではないです。たとえば、アザラシが泳いで上下に行き来できるチューブにいて、アザラシがどう感じるかが勝負です。「どうしよう」とか「どうさせよう」と思ってもダメで、「どう感じるだろう」という、そうした気持ちに気付いてあげられるかどうかなんです。
ここで山口が、ドラマの撮影をしていて思ったことを浦浜に打ち明けました。
山口:ドラマの主役はいただいたけど、仕事や事務所や自分に対して決していい状態ではなかったときで。そのときに旭山動物園の展示の仕方を学んで、「芸能界と一緒だ」と思ったの。僕らは動物園の動物なの。誰に飼育されるか、誰に檻を作ってもらえるか。それによって生かされたり、殺されたりするわけ。檻にいるときはじっとしていて全然動かなくても、イキイキする場を作ってあげたら「ここの動物は元気がいいな」ということになるわけです。それが“僕ら”で、「ぐっさん、あの番組ノッてるね〜」とか「あの番組ではちょっと遠慮してない?」とかバレちゃう。
浦浜:なるほど。
山口:人間は動物と違って無理ができるけど、動物は無理をしないから、素直に出せる。でも「俺らも動物やから、もっと素直に出さなあかんのちゃうかな」って、撮影の合間に檻を見ながら考えてた。
浦浜は山口の話が心に残ったそうで、「動物園って奥が深い」と思いながら展示を見たと言います。そんな浦浜に山口がこのように続けました。
山口:野生動物は生きることしか考えてないでしょ。でも人間も生きなきゃいけない。芸能界というところで自分をどう生かすか。野生の動物は、自分たちでその環境を探していく。動物園はその環境は守られてるけど、飼育の仕方を間違ってしまうと、その動物にとって過酷な状況になる。僕らは人間なので「僕は高いところが好きです」「僕は草食に見えて実は肉食です」とか言えるから、その環境作りを自分でできるところが、動物と違うところなんだよね。
浦浜:そうですね。
山口:もちろん、恵まれた環境と与えられた環境と自分の環境づくりが一致すればいいんだろうけど。自分がイキイキしていくための環境作りを自分でやりながら、それに共感できる人がまわりにいて、サポートしてくれたり、ときには一緒に力を合わせたりという環境作りをできると、人間として最高だよね。
浦浜:愛のかたまりの動物園ですね。
山口:本当にそうですよ!
旭山動物園では「夜の動物園」も開催されています。旭川空港から車で20分ほどの場所にありますので、ぜひ足を運んでみてください。
次回(2018年8月3日)のオンエアでは、江の島~湘南をドライブ。江の島ならではの朝ごはんを堪能します。どうぞ、お楽しみ!
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【番組情報】
番組名:『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』
放送日時:毎週金曜 16時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/driveinjapan/
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