都内で「無人タクシー」が運行!8月より六本木ヒルズから大手町間で…増加すると渋滞緩和にも

J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。6月23日(土)のオンエアでは、完全自動運転のタクシー「無人タクシー」に注目しました。


■既に実験は行われている

無人タクシーの開発を行っているのは、株式会社ZMPです。代表の谷口恒さんによると、2020年の東京オリンピックまでに、東京の街に「無人タクシー」を走らせるという目標を掲げているそうです。公道実験は既に2014年から行われており、昨年、政府から無人運転の許可がおりました。現在は、お台場と有明、羽田空港を結ぶことを目指しています。


私たちが車線を変更をするときは、運転しながら後方を確認して行います。無人タクシーの場合は、カメラが危険を察知し、AIが安全であることを判断。こうした一連の流れをロボットが行うのです。

東京都では、この自動運転技術をビジネスモデルとして採用することが決定。2018年8月より、六本木ヒルズから大手町間の営業運行を開始するそうです。

市川:無人タクシーが増えると、東京の街はどのように変わっていくと思いますか?
谷口:安くて簡単に予約できるので、無人タクシーが実現する事で、若い世代でも利用できるようになります。また、無人タクシーはペースメーカーになるため、渋滞の緩和につながります。
市川:運賃は安くなるんですね。
谷口:タクシー会社の売り上げの7割強が人件費なんです。それが一気に減るため、収益が上がります。


■開発のきっかけは、ドライバーの高齢化

そもそも、谷口さんが無人タクシーを開発しようと思ったきっかけは何だったのでしょう。

5年前、谷口さんは姫路の郊外でタクシーに乗ろうとしました。近場のタクシー業者は廃業していたため、遠くからタクシーを呼ぶことに。原因はタクシードライバーの高齢化。跡継ぎがおらず、廃業に追い込まれているという状況を知り、無人タクシーの必要性を感じたそうです。

しかし、現在は地方ではなく、東京のみで無人タクシーを走らせています。ひとつは AIの観点から、地方だと交通量が少なくデータが取りづらいため。まずは交通量が多い東京で多くのデータを取って開発を進めます。また、無人タクシーはコストが高いので、少々コストが高くても需要のある東京でしばらく稼働させ、コストを下がれば地方でも稼働させるそうです。

■無人タクシーが増えると…

市川:無人タクシーが普及していくと、タクシー業界は今後、どうなっていきますか?
谷口:タクシー業界は高齢化が進み、人手不足で、求人を募集しても足りません。東京のタクシーの2~3割が車庫で眠っている状態なんです。
市川:そうなんですか。
谷口:減ったところをロボットで補えたらいいと考えているんです。収益が増えたぶんをドライバーに還元していくことができます。そうすると待遇もよくなり、働きやすい職にすることができると思っているんです。今後、高齢化が進んでドライバーさんは必ず減ってきてしまうので、そこをロボットが補っていくと考えています。適材適所、共存共栄というのが、ユーザーにとっても使いやすくなってくるのではないかと思っています。


谷口さんは社内に「社会を楽しく豊かにする、パートナーとなるロボットを開発していこう」という目標を掲げました。無人タクシーだと味気ないですが、タクシードライバーさんのように世間話をしたり、観光客が乗ったらおすすめのスポットを紹介できたり、単なる機械やロボットではなく、頼りにされるパートナーとして、ロボットと人間の共存を実現するのが夢だそうです。無人タクシーが走り回る時代が楽しみですね。

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【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/

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